An-2複葉機が長距離カミカゼドローンだとロシアに誤解され、大きな恐怖をもたらした(The War Zone)―独戦艦ビスマルクは英複葉機ソードフィッシュの速力が想定以下だったため撃退できなかったといわれていますが
Igor Dvurekov via wikicommons / captures via X An-2が爆薬を積んだ深部貫通型ドローンに改造される恐怖は、根拠がない発想ではない ロ シアの石油精製所へのウクライナのドローン攻撃を撮影したとされる映像は、民間機のAn-2複葉機が飛んできたものだったのかもしれない。正確な状況がどうであれ、この事件は、パイロットの有無にかかわらず、時代錯誤ではあるが永年使われてきたAn-2の有用性が今も続いていることを浮き彫りにしている。 ロシアのバシコルトスタン地方にあるサラヴァット市の石油精製所上空を超低空で通過するAn-2と思われる機体と、それに発砲する高射砲を映したクリップが、本日未明、ソーシャルメディアに出回り始めた。 動画に映っている飛行機は、翼の配置と全体的な形状がAn-2(NATOの報告名称でもあるColt)に一致しており、ラジアルピストンエンジンのような音が映像の一部で聞こえる。農薬散布機のような別の複葉機である可能性もあるが、An-2はロシアで商業用および軍事用として現在も使用されている。 2012年、一緒に飛ぶ2機のロシア機An-2。 アルテム・カトランジ/ウィキメディア・コモンズ An-2と思われる機体がサラヴァット上空を通過した正確な理由は不明だが、当初ドローンと認識されていたことは驚くべきことではない。サラヴァトはウクライナ国境から最も近いところで約720マイル(約1,160キロメートル)、同国での戦闘の最前線からは約808マイル(約1,300キロメートル)離れている。しかし、ウクライナは、首都モスクワを含むロシア領内数百マイルの目標に対して、有人機を改造したものを含む神風ドローンで超長距離攻撃を仕掛ける能力を示している。石油や天然ガスの生産に関連するロシアの施設も、特にウクライナの無人偵察機の格好の標的となっている。航続距離を延ばす燃料や爆薬を搭載するスペースが内部に十分にあるため、An-2は一方通行の攻撃機に改造するのに適した候補となり得る。 ロシアのバシコルトスタン地方にあるサラヴァット市の一般的な位置を示す地図。 グーグルマップ アントノフが1947年に当時のソビエト・ウクライナで初めて生産を開始した航空機であるAn-2を、兵器化された無人機として再利用するという...