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韓国軍が北朝鮮と同じソ連製An-2複葉機を運用する理由-----

  HYWEL EVANS   ここがポイント : 開戦直後に北朝鮮はローテク機材のAn-2で特殊部隊を南朝鮮に送り込むはずだ。でも南朝鮮も同型機を運用しており、同じ戦術を展開する可能性がある。   朝 鮮半島で戦闘状態が再発すれば、北朝鮮が旧式An-2コルト複葉機がどう活用されるかこれまで推論されてきた。金正恩が率いる同国空軍でAn-2がよく取り上げられるのは、同機へ期待される役割を裏付けている。だが、休戦ラインの反対側にはさらに極秘の大韓民国空軍(ROKAF)が運用するAn-2部隊がある。   An-2は頑丈な多用途機で初めて姿を現した1947年当時でさえ、尾部には一部布地を使う複葉機は時代錯誤の印象を与えた。この構造を選択したオレグ・アントノフ設計局は軽量低速性能に最適な組み合わせとし、事実、同機マニュアルには失速速度に関する言及がない。   JERRY GUNNER/WIKIMEDIA COMMONS ROKAF所属An-2は以前は暗緑色塗装だった。2005年撮影     同機はソ連の広大な農地への化学薬品散布に完璧な機体となり、同時に休戦ラインを低速低高度で突破するのにも最適となった。朝鮮半島で戦闘が再開すれば、北朝鮮がAn-2多数を南朝鮮領空に侵入させ、特殊部隊を重要施設攻撃に展開する予測がある。強襲作戦以外にもAn-2で爆弾・ロケット弾を投下したり、夜間に奇襲攻撃をかけた事例が朝鮮戦争中に見られた。   NORTH KOREA STATE MEDIA 低空飛行中のAn-2複葉機から降下する北朝鮮特殊部隊     こうした脅威から南朝鮮もAn-2部隊を編成し、アグレッサー部隊として防衛体制の訓練に投入している。ROKAF戦闘機で地上を這うように低速飛行するAn-2の撃破は簡単ではなく、通常から射撃訓練を行うことに意味がある。同様に地上防空部隊や海軍対空砲にも訓練が必要だ。そこで、An-2はROKAFの戦闘機戦術開発の中心地清州Cheongjuからほど近い星武Seongmuに配備されている。   現実感を出すためROKAFはAn-2に「レッド部隊」隊員を乗せ、草地や高速道路へ着陸させるほか、パラシュート降下も行う。コルトは落下傘降下に最適で、一部NATO加盟国の空軍も降下訓練に使っている。米空軍も第6特殊作戦飛行隊で敵陣営機材の一部として稼働させており、海