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2021年8月24日火曜日

MQ-25がE-2Dへの空中給油に成功。無人空中給油機能は着々と実用化に向かっています。

 


MQ-25スティングレイがE-2Dへ初の空中給油を実施した。Aug.18 at MidAmerica Airport in Illinois. (photo courtesy of Boeing)



海軍が開発中の無人艦載給油機がE-2Dへの空中給油に成功した。8月18日、ミッドアメリカ空港(イリノイ州)上空で行った。

 

ボーイング社所有のMQ-25テスト機(T-1)がE-2Dへ燃料を移送した。E-2DはE-2の最新型で2019年に空中給油対応改修を受けていた。「MQ-25はE-2含む各機に空中給油を提供することになる」とチャド・リード大佐(海軍無人艦載航空機材開発主査)が述べている。「今回のフライトでスティングレイの艦隊運用が加速化し、空中給油により空母航空団各機の運用範囲が大きく伸びる」




今回のテストは6月のF/A-18スーパーホーネットへの空中給油成功に続く2回目となった。


今回は6時間に及ぶフライトとなり、海軍試験評価飛行隊20(VX20)所属機がT1に接近し、編隊飛行しつつ、ドローグの伸展ぶりをチェックし、MQ-25テスト機と校正対空速度220ノット高度10千フィートで接続した。テストでは両機間の空流の相互作用の評価も目的とした。結果から誘導制御方法の修正の必要性を判定しソフトウェア改訂を進める。開発日程に影響をはない。


T1テストは数カ月続き、飛行限界性能を順次引き上げていくほか、エンジンテスト、さらに空母艦上取り回しも試したのち、MQ-25の技術製造開発仕様機材が来年納入される。


「MQ-25は海軍航空戦力を一変させる最新技術の無人機だ」とマイケル・フランス大佐(海軍航空指揮統制兵たん航空団(ACCLW)司令)が述べる。「艦隊統合チーム(FIT)がスティングレインの導入を心待ちにしており、同機の画期的な機能による機動力、兵力投射能力の向上に期待している。空母打撃群にとっても初めて敵地奥深くからリアルタイム情報が入るので攻撃決定が迅速に運ぶことになる」


ACCLWはMQ-25をE-2、C-2とあわせ空母航空団に統合する役目を果たす。スティングレイによりE-2Dの戦闘統制機能で有効時間が伸びる効果が期待される。


そこでMQ-25AのFITはPMA-268及びボーイング社とともにエンドユーザーとなるMQ-25操作員には機体テスト中の段階から情報を提供している。海軍は新規に第10無人艦載多任務飛行隊(VUQ-10)を今年遅くに発足させ、その後VUQ-11、-12の二個飛行隊を加える。


MQ-25は世界初の無人艦載機となり、空中給油に加え情報収集監視偵察機能という重要な役割を実現し、空母航空団の有効範囲を拡大し、柔軟かつ威力を持った運用の実現を助ける存在となる。スティングレイは海軍が目指す21世紀の艦隊戦力拡大の一歩となる。


なお、MQ-25ならびにスティングレイは海軍省の商標である。■


今回の記事はNAVAIRの公式発表をもとに構成しました。

MQ-25 achieves another first, conducts air-to-air refueling with E-2D

Published:

Aug 19, 2021


2018年5月11日金曜日

USSジョージ・ワシントンが横須賀に戻ってくる

あれあれ、いつの間にMQ-25はボーイング案が採択されたのでしょうか。これは記事のフライングですね。ボーイング案が最有力なのでしょうか。とまれ、日本にもなじみの深いGWがまた横須賀に(まだ先ですが)戻ってくるわけですか。中国をにらんで艦載機の運用能力を引き上げるスティングレイをまっさきに同艦に導入すれば相当の力の入れ方ですね。


USS George Washington may return to Japan with ability to host first carrier-based combat drones 

USSジョージ・ワシントンが初の空母運用無人機運用能力を付与され日本へ復帰する



USSジョージ・ワシントン乗員が飛行甲板に整列しヴァージニア州ノーフォークの新母港に到着した。 Dec. 17, 2016.
BRYAN MAI/U.S. NAVY


By CAITLIN DOORNBOS | STARS AND STRIPESPublished: May 9, 2018

YOKOSUKA NAVAL BASE, Japan — USSジョージ・ワシントンが新型無人機運用改修を受けたのち唯一の前方配備空母に復帰する可能性が2019会計年度国家防衛予算認可法案に盛り込まれている。

同艦は7年にわたり横須賀を母港としたが2015年にUSSロナルド・レーガンと交代し現在はヴァージニア州で工期4か年の大修理を昨年から工事中だ。

下院軍事員会委員長による同法案の要約では海軍にMQ-25Aスティングレイ戦闘無人機をジョージ・ワシントンで運用可能とするよう求め、「唯一の前方配備空母に初の空母配備無人戦闘航空機の搭載を確実にする」ことを述べている。同法案では同時に「海軍には(USSジョージ・ワシントンの)核燃料交換・大修理で今後導入されるMQ-25無人機の空母運用を可能とするべく予算を確保すること」を求めている。

議員筋もジョージ・ワシントンが「(核燃料交換・大修理後)日本へ復帰し、現在の前方配備艦USSロナルド・レーガンが米本土へ回航される」ことを認めていると米海軍協会が先週報じていた。

海軍報道官はStars and Stripes に対してこのような案はまだ正式決定ではないと述べている。「米海軍の長期計画部門では常時幹線、機材、装備の有効活用状況を把握している」とメアリケイト・ウォルシュ大尉(国防総省海軍情報室)が述べている。「海軍は即応体制の状況を見ながら最強の戦力の実現を目指している。各空母の母港割り当ては適当な時期に発表します」

ボーイング設計案のMQ-25は空中給油能力を提供しF/A-18スーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、F-35Cの各機の飛行距離を延ばすのがねらいだ。

米海軍の2019年度予算要求ではMQ-25スティングレイの開発に719百万ドルを求めており、2023年にまず4機調達し、2026年の初期作戦能力実現を目指す。

現時点でロナルド・レーガンは横須賀を母港としており、2018年は予定通り日本から運航される。■

Flickr - Official U.S. Navy Imagery - USS George Washington is underway in the U.S. 7th Fleet area of responsibility.

By Official Navy Page from United States of America MCSN Declan Barnes/U.S. Navy [Public domain], via Wikimedia Commons

2018年2月14日水曜日

ちょっとびっくり MQ-25競作でジェネラルアトミックスにボーイングが共同開発に加わることへ



General Atomics to partner with Boeing on MQ-25 Stingrayジェネラルアトミックスがボーイングと合作でMQ-25スティングレイ採用をめざす



GA-ASIのシーアヴェンジャーを原型にした米海軍向けMQ-25スティングレイの想像図。 Source: GA-ASI

Gareth Jennings, London - Jane's International Defence Review
13 February 2018


ェネラルアトミックス・エアロノーティカルシステムズInc.(GA-ASI)はボーイングと共同でMQ-25スティングレイ提案を米海軍に行うと同社が2月12日に発表した。
同社はボーイング・オートノマスシステムズと共同でMQ-25スティングレイ無人空母運用航空システム(UCAAS)競合に臨むことになった。
「当社はジェネラルアトミックスと共同でMQ-25提案に臨むことを喜ばしく思います」とボーイング・オートノマスシステムズ副社長クリス・レイモンドが述べている。「GA-ASIをわが社の航空機、自律運行の知見で助けていきたい」
GA-ASIはMQ-25提案の内容が明らかにさた。エンジンはプラット&ホイットニーPW815、降着装置はUTCエアロスペースシステム、通信装置はL3テクノロジーズ、ソフトウェアにBAE、航法システムはロックウェルコリンズ、降着装置特に拘束ギアにはGKNエアロスペースのフォッカーを採用する。さらにGA-ASIは傘下のジェネラルアトミックス・エレクトロマグネティックスシステムおよびジェネラルアトミックス・システムズインテグレーション部門の力も借りる。
GA-ASIはこれ以外の協力企業を明示していないが、機体はシーアヴェンジャーとして知られるアヴェンジャー(プレデターC)UAVの海軍版を原型にすると見られる。 
中止となったUCLASS(無人空母運用偵察攻撃機)構想の後を引き継ぐMQ-25スティングレイは米海軍のCBARS(艦載空中給油システム)の要求性能を実現する。給油任務以外にMQ-25は情報収集監視偵察(ISR)機能を備え、初期作戦能力獲得の目標を2020年代中頃に設定している。■

あれ、ボーイングが先に発表した試作機(下)は何だったのでしょう。これについては別途分析記事を掲載します。

2018年1月11日木曜日

ボーイングMQ-25をセントルイスで撮影に成功、機体の特徴が判明

新しい機体が好きな人にはたまらないでしょうね。離陸前にこの機体に目が行き、慌ててカメラを使ったようで写真は粗いものがありますが、十分特徴が分かります。本人の興奮が伝わってくる写真ではありませんか。ただし、せっかく分析しても米海軍に採用されなかったおしまいですけどね。同機は別の形に進化する可能性もあるのではないでしょうか。


Exclusive: New Photos Of Boeing's MQ-25 Tanker Drone On The Ramp In St. Louis ボーイングMQ-25無人給油機をセントルイスで激写

The images give us our first view of the entire aircraft, as well as a sense of its overall scale. 同機の全体像が初めて明らかになったのと機体の大きさもわかる


JEREMY MCGOUGH
 BY TYLER ROGOWAY JANUARY 9, 2018
ボーイングMQ-25スティングレイ空母搭載無人空中給油システム(CBARS)の進展はこれまでお伝えしている通りだ。機体正面の写真一枚が2017年12月19日に公開されその後ボーイングは短い映像でいろいろな角度で撮影したショットを慎重に編集して公開した。この映像で重要な点も分かったが同機の全体像はうかがい知れなかったし、機体の大きさも推定できなかった。今回読者の一人が同機の全体像が提供され、これまで不明だった大きさの感覚もわかってきた。
 ジェレミー・マクガウはセントルイスのランバートフィールドを今朝離陸する途中でボーイングディフェンスの広大な工場前のエプロン上に奇妙な機体に気づいた。早速数枚をスナップ撮影しこちらに送ってくれ機体がボーイングのMQ-25スティングレイなのか自信がもてず判別を求めてきた。ジェレミーの推定は正しかった。これこそボーイングファントムワークスのCBARS無人機であり、解像度が低いが写真で同機を全く新しい角度で見ることができた。
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH
JEREMY MCGOUGH

早速写真からわかることをまとめてみよう。
1)機体に通常の空気取り入れ口がない。後部も滑らかな表面になっているのは以前の推理通り整流化された空気取り入れ口が機体上部についているためだ。
2)主翼は長く薄く、巡航時、滞空時のフライトレベルに合わせ効率を追求したようだ。写真に人物も写っているのでMQ-25は主翼長はおよそ24フィート、胴体幅は10フィートで翼幅は58フィートと推定できるが大雑把な推測で実物と誤差が10フィートもあるかもしれないが、全体像はつかめる。比較するとF/A-18スーパーホーネットの翼幅が48フィートあまりである。F-14トムキャットは64フィートでE-2ホークアイは81フィートだ。MQ-25の全高は10フィートほどだろう。
3)機体後部をはじめて目にすることができた。排気口は平面状になっている。この特徴だと赤外線放出を減らせるがV字翼と合わせて排気の様子を見えにくくする。推力偏向装置が採用されているかは不明。それがあれば着艦速度を落として空母に戻れるし、発艦して滞空時間を延長し、給油時に機体を安定させることも可能だ。
4)前回お伝えしたようにMQ-25は低視認性の特徴を有する機体となっており、将来の発展型に含みを持たせているが、すべては海軍が採用した場合の話だ。またノースロップのタシットブルーに通じる構成になっているが、同時にRQ-4グローバルホークや競合相手ジェネラルアトミックスのプレデターC/アヴェンジャー無人機を原型とするCBARS提案でも同様だ。だが各機よりボーイングのクワイエットバードははるか前の1960年代に生まれている。今回のMQ-25は中高度中距離medium-altitude/medium-endurance (MAME)無人機として給油任務以外に多用な任務をこなせるだろう。
BOEING
ボーイングのクワイエットバードはタシットブルーやロッキードのハブブルー実証機より10年も前に生まれており、MQ-25にもその影響がみられる。
だがなぜ本日同機が公衆の目に触れる場所に出されたのかまったくわからない。エンジンを運転したのかタキシ―テストがはじまるのか、それとも意図があって写真撮影を許したのか。ボーイングはCBARS選定で採用されないのであれば試作機は飛行させる予定はないと言っているが選定ではまず一社選定して試作機製造させてから量産決定することになっている。

写真を見て他にわかることがあればぜひ教えてもらいたい。■

2018年1月5日金曜日

ボーイングのMQ-25試作機がステルス仕様になっている理由がある


Why Does Boeing's MQ-25 Prototype Look So Stealthy?

ボーイングMQ-25試作機がステルス設計になっているのはなぜなのか


Jan 3, 2018 by Graham Warwick in Ares


ボーイングがツイッターで短いビデオを公開し自社資金開発の米海軍MQ-25スティングレイ競作での同社機材をちらりと見せているが、空母運用無人給油機がここまでステルス機の仕様になっていることに疑問が生まれている。
                            
Credit: Boeing
その答えは空母搭載空中給油システム(CBARS)の要求水準に長い時間をかけてきた海軍にあるのだろう。ただボーイング案にはステルス機の歴史で画期敵だったノースロップの1980年作のタシットブルー実証機を思わせるものがある。
12月に一部示された画像でも空気取入れ口の位置はどこなのかと疑問が呈されていた。想像図には機体上に空気取入れ口があり、ジェネラルアトミックスのアヴェンジャーに類似していた。だがそうした取入れ口は以後発表された画像には見当たらない。
Credit: Boeing

最新の映像では取入れ口が見あがらない。実際にないようだ。試作機では上部に黒線があり中に「ジェット取入れ口危険」の注意書きが入っている。つまりボーイングのMQ-25案の取入れ口は機体上部に埋め込まれており、完全に一体型しており、タシットブルーとも似ている。
Credit: Boeing
タシットブルーはDARPAと米空軍向けに製造されステルス機の設計として表面にカーブをつけて、ロッキードのハヴブルーやF-117のような角ばった表面と異なる。タシットブルーで培った設計技術がB-2ステルス爆撃機の滑らかな表面につながった。
タシットブルーでも機体上部にステルスを意識した形状で空気取入れ口があったが、かなり苦労したようで、フライトテスト要員はC-130を同機の前に駐機してエンジン後流で同機エンジンの始動をしていた。また取入れ口ダクトには分流板をつけていた。
Credit: U.S. Army Force Museum
U.S. Army Force Museum
タシットブルーのエンジン二基はV字尾翼の間の細いノズルを排気口にしていた。ボーイングMQ-25も同様なようだ。タシットブルーの主翼、尾翼には角度はついておらず、ボーイング機でも同じようだ。ボーイングの設計案では機体外周部にチャインを走らせているがステルス機特有の設計だ。
どうしてなのか。ステルスだけが海軍のCBARS要求内容ではない。かつてはステルスが前面に立っていた。CBARSの前身の無人空母搭載偵察攻撃(UCLASS)構想の際だ。だが長く激しい議論の末にUCLASSは内容が薄められ無人給油機になりステルスの要求は取り下げられた。
ノースロップ・グラマンは無尾翼で全翼機形状のX-47BをUCLASSの前身としてすでに製造している。ステルス性能が要求水準から消えたのはX-47Bが原因かもしれない。
ボーイングのMQ-25案にステルス性能がついているのはUCLASS時代の名残でそのま真敏検討を重ねCBARSの要求にこたえるものとしたためだろう。ボーイングもスティングレイが実施に空母艦上で給油機としての運用がはじまれば偵察攻撃機に進化させるのは必至と見てステルス性能を残したのだろう。
Credit: Boeing

もう一つステルスの影響が見えるのは映像に拘束フックが見えることで完全に機体引き込み式になっている。だがボーイングのファントムワークスがあるセントルイスでロールアウトした試作機ではのこぎりの歯状のフック一部が見当たらず、ステルス性能を重視していることがわかる。
もうひとつ注目すべき点がある。ボーイングMQ-25試作機には機首にデータ集商用のセンサー三点がついているが、機体と一体化されておらずノースロップのステルス形状のX-47Bと異なる配置だ。また機首下にはカメラと思しきものがあり地上要員が離着艦時に状況を把握するためのものと思われる。
Credit: Boeing

主降着装置は前方に引き込む方式で主翼も折り畳み式で主要付け根上部のバルジにヒンジと作動機構が入っているのだろう。また主翼前にたての結合部がついているがその理由は全く不明だ。■

2017年12月20日水曜日

ボーイングが12月19日に発表したのはMQ-25海軍向け無人給油機だった

Boeing Unveils Prototype For The Navy's MQ-25 Drone Tanker

Competition ボーイングが海軍MQ-25無人給油機競合への自社提案を発表

After teasing the reveal on social media, we finally get our first peak at the

company's clean-sheet, aircraft carrier-borne, unmanned tanker design.ソーシャルメディアでのもったいぶった発表は完全新型空母搭載無人給油機と判明


BOEING

めいたツイッター投稿で好奇心を刺激してくれたボーイングの謎の機体の正体は米海軍向けMQ-25スティングレイ無人給油機案と判明した。同社はジェネラルアトミックスに次いで同事業参画をめざす二番目の企業となった。
 2017年12月19日、ボーイングが新型無人機をファントムワークス作品として発表した。ファントムワークスは極秘機材の担当部門でロッキード・マーティンのスカンクワークスに相当する。同社はこの機体の社内呼称等を発表していない。これでMQ-25参入を表明しながら機体発表していないのはロッキード・マーティンだけとなった。MQ-25はCBARS(空母搭載空中給油システム)としても知られるが当初はUCLASS(無人空母運用空中監視攻撃機事業)だったが経緯があり変更されたもの。
 ボーイングのファントムワークスで給油機をまとめるドン・ギャディスDon Gaddisは「ボーイングは空母搭載機を海軍に90年にわたり納入しています」と述べ、「技術製造開発契約を交付いただければフライトテストを実施できる状態です」と声明文を発表した。
View image on Twitter
Revealed and ready! #BoeingMQ25 #UAS future @USNavy tanker will extend the range of combat aircraft from the flight deck to the fight!
 ボーイングによれば同機は機能状態にあるが飛行していない。地上エンジンテストに次いで艦上公試を2018年早々に行いたいという。米海軍は競合各社の作品の提示期限を2018年1月3日に定めている。
 今回公開の機体には同社が以前発表の構想図と共通点が少ない。降着装置は空母運用を想定してると分かり、ステルス性能の要求はないが、機体形状は低視認性の特徴が見られるもののステルス特化ではないようだ。また今回発表の試作機には下のUCLASS想像図と同じ絵図が使われていることに注目だ。
 ボーイング公開の写真に見られる空気取り入れ口は小さく謎が残る。視覚上の錯覚なのか意図的に小さいのか、あるいは大きな取り入れ口が別にあるのだろう
BOEING

 総合するとボーイングのMQ-25提案はジェネラルアトミックスのシーアヴェンジャー構想と類似している。後者はプレデターC/アヴェンジャー無人機を原型とする。両社案はV字型尾翼をつけ、機体背部に空気取り入れ口があることで共通している。
GENERAL ATOMICS

 ジェネラルアトミックス提案のシーアヴェンジャーは原型のプレデターC/アヴェンジャーを燃料搭載トラックに改装している。ロッキードの構想は不明だがおそらく相当の内容になるだろう。

 ボーイング機に今後のミッション追加を想定した拡張余地があるか不明で、センサー搭載機や通信中継機、少量兵装を搭載する機体などが想定される。このためには機体内部に格納スペースや開口部が必要となる。米海軍はレーダー搭載スペースは少なくとも必要としているようだ。

 その点で機首降着装置のすぐ後ろに見える腹部ベイが比較的大きいように見える。ただし大型のアクセスパネルなのかペイロード搭載用の空間になるのか判断できない。
BOEING
 主降着装置の背後にもアクセス部分またはベイがあるようだ。この空間にミッション装備を搭載できるか、兵装庫に転用できるのか不明だ。

ボーイングに詳細情報や写真の提示を求めたが、同社からは来年まではこれ以上公開する内容はないと言ってきた。ボーイングには高性能無人航空システムで過小評価された過去がある。

 同社はすでに15年以上前に半自律的かつネットワーク化された無人戦闘航空機(UCAV)を誕生させた(少なくとも公表されている範囲で)実績があり自社費用でこれを発展させていたがUSAFはまるでこの画期的な性能が存在しないかのごとくふるまっていた。MQ-25契約自体は当初こそ多大な利益をもたらさないが、受注すれば未来の航空戦闘に大きな足場を確保できる。

 だが極秘の世界で飛ぶ機体については不明のままになっていることに注目すべきだ。ロッキード・マーティンのスカンクワークスがこれまでの高性能無人機技術を応用した機体を提示してジェネラルアトミックス、ボーイングともに驚愕する事態も考えられる。 

 ボーイングのMQ-25提案やCBARS事業の進展では今後も随時お知らせする。海軍初の高性能空母搭載無人機は要求内容が引き下げられ空母航空戦力の無人機化が減速されてしまったが、今後の戦略戦術両面で大きな意味を有することは事実である。■

Contact the authors: jtrevithickpr@gmail.com and tyler@thedrive.com