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F-117がKC-135の空中給油を受けられるようになった。「退役」したはずのナイトホークにはまだまだ役目がありそう。

  USAF 初飛行から日が浅いF-117がKC-135から給油を受けている。A-7Dがチェイス機で飛んでいる。 手前のF-117は塗色が灰黒色の初号機。撮影時期は1984年。     米 空軍航空機動軍団(AMC)からKC-135ストラトタンカー全機にF-117ナイトホークへの空中給油を許可する正式通達が出た。   この通達でF-117向け空中給油は1980年代の状況に復帰することになり、まさしく『バックトゥザフューチャー」で、公式に退役後13年になるF-117は『ブラックジェット』でなくなった。   今回の通達は「KC-135,F-117機間の空中給油業務認可」の表題で、航空機動軍団司令部で作戦・戦略抑止・核装備統合担当のジョエル・D・ジャクソン少将が署名している。日付は2021年1月1日で同軍団の作戦・搭乗員標準化・評価部門A3Vの発出だ。   この文書からF−117の活動範囲が広がっており、もはや退役機材として孤高の存在ではないことがわかる。実際に同機は退役後も飛行を継続している。遠隔地のトノパ試射場空港を根拠地とするF-117各機が視認される事例がこの数ヶ月増えている。さらに作戦基地に前方配備され、空母打撃群の演習も支援している。また白昼にネリス空軍基地でステルスアグレッサー役をこなし、レッドフラッグ演習に登場している。   公式退役後のF-117各機はエドワーズ空軍基地から移動し、トラヴィス空軍基地のコールサインシエラ99のKC-10から空中給油を受け極秘フライトテストを頻繁に行っていた。最近はKC-135がシエラ98のコールサインで給油役を交代しており、広大なネヴァダ試験訓練場で行動していた。   KC-135全機でF−117向け空中給油が可能となったことで、今後はナイトホークを大規模部隊展開 (LFE) 演習の訓練サイクルに投入できる。同時に配備基地から遥か離れた地点への移動も可能になり、東海岸でF-117が演習にステルス機として参加する姿も見られそうだ。   第5世代機あるいはステルス無人機で専任アグレッサー部隊が編成されるまでのつなぎとしてF-117にステルス・アグレッサーの役割が期待される。   とはいえ、公式には退役から13年が経過し、一部分解されモスボール状態だったはずのナイトホーク部隊(全45機)が運用の幅を広げていることに驚くしかない。

エリア51はこうして生まれた

The Crazy True Origin Story of Area 51 (And Why People Think UFOs Are There) エリア51誕生の真説  by Sebastien Roblin July 20, 2019  Topic: Security   Blog Brand: The Buzz   Tags: Area 51 Aliens UFOs SR-71 Blackbird Secret Aircraft https://nationalinterest.org/blog/buzz/crazy-true-origin-story-area-51-and-why-people-think-ufos-are-there-68097 エ リア51は米空軍の極秘テスト施設でネヴァダ州南部の砂漠地帯にあり、インターネット上の情報のせいで一般の関心を集めている。 「ドリームランド」とか「グームレイク」とも呼ばれ60年に渡り同基地がペンタゴンもその存在を公表していない「ブラックプロジェクト」全機を受入れてきたことは間違いない。 CIAが2013年にエリア51の存在を認めたが、発足の経緯を説明したい。 民間施設がアイゼンハワー時代にトップ・シークレットスパイ機テストに供された 1950年代初頭に米国はソ連の各弾道ミサイル開発に極度の関心を指名していた。スパイ衛星はまだ実用化されておらず、確実に現場をスパイする方法は上空飛行で大型カメラを撮影することだけであった。だがソ連の防空体制にはジェット迎撃機も加わり通常の偵察機による飛行ではリスクが高まった。 このためロッキードの技術者ケリー・ジョンソンからグライダー状のスパイ機を70千フィート以上の高空をさせる構想が出た。これもソ連領空を非合法に侵犯することになるが撃墜されないはずだった。実際ソ連はスパイ機の飛行を実証できなかった。 1954年11月にアイゼンハワー大統領はU-2開発を「プロジェクトアクアトーン」の名称で承認しCIAによる運用を想定した。機体はロッキードのスカンクワークスで組み立てたがスパイ機であり目立たない場所でテストの必要があった。 ジョンソンはロッキード社のテストパイロット、トニー・ルヴィエに秘密を守れる飛行場を検索させた。ルヴィエは

F-117が開いたステルス機の歴史と今後の展望

コメントは下にあります。 Sad Stealth: Was the Lockheed Martin F-117 Nighthawk Retired Too Soon? 悲運のステルス、ロッキード・マーティンF-117ナイトホークの退役は早すぎたのか Or was it too old to be a threat? by Dave Majumdar March 24, 2019   Topic: Security   Blog Brand: The Buzz   Tags: F-117 F-35 F-117 Stealth Fighter Military https://nationalinterest.org/blog/buzz/sad-stealth-was-lockheed-martin-f-117-nighthawk-retired-too-soon-48932 米 空軍で今後の戦力構造の検討が進む中、ステルスの進化過程をふりかえるのに意味があろう。はじまりは ロッキード・マーティン F-117ナイトホークだった。同機は2008年に退役したが今日でも有効活用できるだろうか。 中程度の脅威として例えばイランが相手なら可能だ。だがハイエンドのロシア、中国相手では疑わしい。技術はF-117の構想時から相当進歩している。 1970年代に開発が始まり、1983年に極秘裏に作戦投入可能となったF-117が新時代の扉を開き、その後数十年にわたる航空優勢を米国に確保した。皮肉にもナイトホークを実現した理論のルーツはソ連論文「ゆがみの物理理論における末端波形」であった。この論文はロシア人ピョートル・ヤコヴレヴィッチが1962年に発表したもののその後忘れられていた。ロッキードのスカンクワークス技術員デニス・オーヴァーホルサーがロシア物理学者の方程式の潜在可能性に着目した。 オーヴァーホルサーからスカンクワークスが絶望のダイヤモンドと呼ぶコンセプトが生まれた。その形状で驚くほどレーダー断面積減少効果があると判明した。そこでペンタゴンはロッキードに即座に契約を交付し、実証機ハブブルーHave Blueを製造させ高度残存可能試験機Experimental Survivable Testbed (XST)の実現をめざした。ペンタ

F-117にみるステルス技術の「神話」と現実

よくあることなのですが、記事のタイトルと内容特に結論が乖離していますね。たしかにF-117は退役後も米国西部にこっそりと温存されていますが、投入できる範囲は限られるでしょう。戦闘機の分類ながら空戦能力が皆無で対地攻撃機に使うのが本領の同機ですがなぜF-117になったのでしょうね。戦闘機と言いながら爆撃機というのはF-105サンダーチーフの例が前にもありましたね。 Could the F-117 Nighthawk Make a 'Stealth' Comeback? F-117ナイトホークが「ステルス」カムバックする可能性はあるのか Dave Majumdar June 5, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/could-the-f-117-nighthawk-make-stealth-comeback-26139 ロ ッキード・マーティン F-117ナイトホークは伝説の機材だ。2008年に退役したF-117は今日でも有効な戦力になれるのか。 その答えはイランのような中距離程度の脅威を有する国相手なら間違いなくイエスだ。だがロシアや中国と言ったハイエンド脅威国が対象となると怪しくなる。F-117が「ステルス戦闘機」として開発が始まって以来の技術進歩には相当のものがある。 F-117の開発 1970年代に開発が始まり、秘密のうちに供用を開始した1983年、F-117は米国による戦闘の独壇場を開いた機体となった。皮肉にも米国がナイトホークを開発した出発点はソ連でピョートル・ヤコブレビッチ・ウフィムツェフが1962年に執筆した論文だ。折角の構想をソ連は非実用的と無視したが、ロッキードのスカンクワークスのデニス・オーバーホルサーがロシア物理学者の論文に実用的な意義を見出したのだ。 オーバーホルサーの研究からスカンクワークスで絶望のダイヤモンドと呼ばれたコンセプトが生まれた。だがすぐに不格好なダイヤモンド形状がレーダー断面積削減に大きな効果があることが判明した。そこでペンタゴンは直ちにロッキードに契約交付し実証機ハブブルーの作成にあたらせた。これは生存可能試験機(XST)事業の一環だった。ペンタゴンは当時ワルシャワ条約軍の防空体制が実効力を強める中で

再び、F-117ナイトホークはネヴァダで何をしているのか

今回は前編としてまずF-117の登場です。同機の話題は前にもご紹介していますが退役したと思われていたもののどっこい砂漠地方で現役扱いなのですね。では墜落した機体は何だったのか、後編をお楽しみに。 Retired But Still Flying, the F-117 Nighthawk May Soon Fade to Black 退役したものの飛行状態を保つF-117ナイトホークだが全機用途廃止が視野に入ってきた。 第49整備隊がF-117ナイトホークをホローマン空軍基地(ニューメキシコ)で整備している。March 13, 2014. このF-117はホローマン基地の展示施設にて静態保存中で機体は2008年に用途廃止された。退役したがF-117は「飛行可能保存機」としてネヴァダで訓練に供用されている。 (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Leah Ferrante/Released)   POSTED BY: ORIANA PAWLYK SEPTEMBER 11, 2017 https://www.defensetech.org/2017/09/11/retired-still-flying-f-117-nighthawk-may-soon-fade-black/ F-117ナイトホークのネヴァダ砂漠での目撃がここ数年増えており、「退役」機がフライトラインに並ぶとはどういうことなのか疑問が増えている。 専門用語では「飛行可能保存機」の扱いの同機は空軍機材としてトノパ(ネヴァダ)のテスト試験場に配備されている。 ただし2017年度国防予算認可法によれば空軍は毎年4機のペースでF-117を用途廃止することになっており全廃にもっていく。 「飛行可能保存機」は極秘扱いを受けないため航空愛好家がこのステルス機が飛行する様子を2014年に初めて目撃し、2016年にも同様に訓練フライトに連れ出された様子を目にしている。 議会は2007年2008年に当時52機残っていたF-117を現役扱いから外す権限を与えたが、機体整備を続けさせハイエンド戦が勃発した際に必要となった場合に備えるよう求めていた。 だが重要目標を探知されずに攻撃できる同機はあと数年で本当に闇の存在になるかもしれ

★★退役して8年たつF-117はネヴァダ上空を飛行して何をしているのか

Watch two F-117 stealth jets fly over Nevada together….8 years after “retirement” Sep 23 2016 - 1 Comment By David Cenciotti https://theaviationist.com/2016/09/23/watch-two-f-117-stealth-jets-fly-over-nevada-together-8-years-after-retirement/ F-117数機が飛行可能状態でトノパ射爆場(ネヴァダ州)で残っていることは秘密でもなんでもないが、二機のブラックジェットが引退後8年経っても編隊飛行しているのはやはり奇異だが興味深い。写真を御覧いただきたい。 ここ数年に渡りF-117ナイトホークがトノパ射爆場(TTR)から東のネヴァダ上空を飛行しているのが報告されている。 今回はAviationistへ寄稿している「Sammamishman」氏が2016年7月末に撮影した写真、ビデオをご覧いただく。 2014年に映像や写真がオンラインで出るや米空軍はブラックジェットが「タイプ1000」保存機としてTTRにあることを認めた。この符号は機体が戦闘に必要になるまで状態を維持することを示す。 ネヴァダの砂漠地帯は機体保存に最適で乾燥性気候は機体腐食を進行させない。 機体は四年単位で保存状態におかれ、保存状態によるが必要なら30日から120日で現役復帰できるよう整備されている。すごい。 ということは米国はF-117が将来の戦争シナリオで活用できると見て、保存機材を時折飛行させ、パイロットに習熟させているのだ。では何に備えているのか。 1970年代に企画された亜音速でC、X、Kuの各帯域での探知から逃れることに特化したもののF-22やF-35よりステルス性に欠けるF-117は「おそらく」一部の低中程度の脅威環境なら投入できるのだろう。だが今後の敵の進歩に追随できない。 空軍が一部現役機材かつ交替が難しい機種(A-10サンダーボルトなど)を退役させようとしているのは最新防空装備に対抗できないためで浮いた費用で高性能機種(F-35など)を調達しようとしている。 そ