スキップしてメイン コンテンツに移動

中国とのデカップリングが待ったなしの理由(The Daily Signal) ―トランプ関税はすべて中国を拒絶するためだったことを理解できていない日本政府は対応を誤っています

 Former Facebook employee Sarah Wynn-Williams sits at a table, in a blue jacket, testifying before Congress.

上院司法委員会の公聴会で証言するフェイスブックの内部告発者サラ・ウィン・ウィリアムズ。 (Win McNamee via Getty Images)




ご注意 以下はトランプ時代の潮流を主にお伝えしている「こもん・せんす」に先に掲載したものです


ナルド・トランプ大統領の関税大幅引き上げ案をめぐって、世界はジェットコースターのような大騒ぎだ。

 意図的であろうとなかろうと、アメリカの貿易政策は今、興味深い場所に立っている。トランプ大統領は、1カ国を除いて、事実上すべての国に対してアメリカ最大の関税引き上げを一時停止した: その例外が中国だ。 中国について、トランプ政権は木曜日に145%の関税をかけると発表した。

 この流れがどこで終わるのか誰にもわからないが、米国経済の中国からの切り離しデカップリングは本格的に始まったようだ。

 貿易に関する議論が続く中、水曜日に行われたフェイスブックの内部告発者による爆発的な公聴会は、なぜ中国との関係を全面的に変えることが優先されなければならないのかを浮き彫りにした。

 2011年から2017年までフェイスブック(現メタ)に勤務していたサラ・ウィン・ウィリアムズは、上院司法委員会の犯罪・テロ対策小委員会に出席し、同社が繰り返し「米国の国家安全保障」を損ない、米国の価値観を裏切ったと述べた。

 フェイスブックの元幹部は、そうではないと主張しているにもかかわらず、メタは現在も中国で活動していると述べた。

 彼女は、フェイスブックは当初、"中国が世界的な影響力を高め、チャイナ・ドリームを推進するのを助ける"方法として協力を売り込んだと証言した。

 これは、ウィン・ウィリアムズが、フェイスブックが有利な中国市場へのアクセスを得るために、どのようにユーザーデータを中国に渡したかについて、ジョシュ・ホーリー上院議員に語ったものである。

 中国への便宜供与には、中国企業ディープシークが使用する高度なAIを作るため使用されたメタの人工知能モデル「ラマ」へのアクセスも含まれていた。

 彼女は、フェイスブックが中国政府と "手を組んで "自社のプラットフォーム上の反中国共産党の投稿を検閲していたと述べた。

 メタCEOのマーク・ザッカーバーグが、自分は言論の自由が大好きで、意地悪な老バイデン政権にアメリカ人を検閲させられたと言うようになったことを考えてみよう。多くのアメリカ企業は、いかなる権利も守るつもりのない権威主義的な国での検閲を喜んで採用するだろう。

 メタ社はこの疑惑を否定し、現在中国では事業を行っていないと述べている。しかし、トランプ大統領の "貿易戦争 "に関する大きな議論を考えると、この公聴会は重要な内容を明らかにした。

 国際貿易システムに参入したとはいえ、共産主義国であることに変わりはない中国と協力するには、そもそもアメリカの価値観をある程度犠牲にする必要がある。しばしばそれは大きな犠牲となる。

 それが、奴隷同然の労働者によって作られた安物の商品を受け入れることであろうと、特定の民族を強制収容所に入れても知らん顔をすることであろうと、あるいは共産中国政権が自国でのビジネスを継続するために言論検閲に協力するという次のステップを踏むことであろうと、私たちが西洋の理想と大きく対立する文化的・政治的システムに関与していることに疑いの余地はない。

 COVID-19の件も忘れてはならない。全世界がそのために、計り知れないほどの大きな代償を払い続けている。

 中国がますます強大になるにつれ、その大部分は自国指導者が下した決断によるものであり、アメリカ人や世界中の人々は、中国政府の意向に従って物事を進めざるを得なくなる。

 中国と西側諸国との関係を自由化しても、自由が増えるわけではないことは明らかだ。 中国がより洗練された専制のための道具を作ることができるようになっただけなのだ。


 アメリカ人がここ数週間、関税の価値について自由に議論している(しばしばかなりヒステリックにと言わざるを得ない)一方で、中国では、トランプ大統領が中国の輸出品に課す関税の規模について議論することを政府の検閲官が全面的に禁じている。

 中国が自国民の検閲を強化するよりもたちが悪いのは、検閲技術を世界中に輸出していることだ。中国が我々と似てきたのではない。私たちが中国のようになる一方で、中国は豊かになっているのだ。

 常識のある人なら誰でもわかるようになりつつあるのは、私たちは今、世界のあり方をめぐって中国と真剣勝負をしているということだ。 これは2つの大国間の競争である。トランプがやっているように見えるのは、アメリカ主導の貿易システムを明確にして対抗することだ。

 トランプがやっていることは、文化的、経済的、そして地政学的に忘却の彼方へとまっしぐらに進む、死に物狂いのアプローチを採用したバイデン政権とは正反対である。政権が台頭している間は、政敵を起訴し、アメリカ国民に新手の人種差別主義的思想を受け入れるよう叩きつけることに費やした。

 その一方で、アメリカは世界規模の戦争に突入するか、昇天したミドルキングダムの下で長期的な黄昏の属国となるか、そのどちらかに向かってあてもなくさまよっていた。JDヴァンス副大統領が『X』で指摘したように、その両方かもしれない。

 現在の貿易の混乱は、共産主義政権への恥ずべき非アメリカ的な屈服の拒絶である。それは、西側の政府、企業、教育界のエリートたちが熱狂的に受け入れている、中国式の思想と言論の規制への拒絶だ。中国の支配が単に人生の事実として扱われる未来の拒絶でもある。


 アメリカ企業やビッグ・テックが中国のやり方を拒否するだけでは信用できない。 国家レベルでのリセットが必要なのだ。

 中国との恐ろしい対立を避けたいのであれば、私たちはこれまでの中国とビジネスをしてきたやり方を変えなければならない。 同盟国も、もし本当に同盟国であるならば、変わらなければならないだろう。トランプはそのことを理解しているようだ。彼の貿易上の駆け引きは、痛みを伴うかもしれないが、自ら掘った穴から抜け出すために必要な道なのかもしれない。■


Here’s Why the Great Decoupling From China is Long Overdue

Jarrett Stepman | April 10, 2025

https://www.dailysignal.com/2025/04/10/heres-why-the-great-decoupling-from-china-is-long-overdue/



ジャレット・ステップマン

ジャレット・ステップマンはデイリー・シグナルのコラムニスト。 著書に『The War on History: The Conspiracy to Rewrite America's Past "の著者


コメント

  1. 完全なデッカプルできる前に、中間選挙で負ければ、中国がある程度勝つし、もしかしたら本当に支配権が米国から中国に移るターニングポイントになるかもしれない。

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...