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オーストラリアがM1エイブラムス戦車をウクライナに供与へ(The War Zone)―先に米国が供与したエイブラムズは半数以上を喪失

     Australian Department of Defense 米国から供与されたM1A1エイブラムスの大半は戦闘で失われたため、今回の発表はキーウにとって非常に歓迎すべきニュースとなる オ ーストラリアはウクライナにM1A1エイブラムス主力戦車49両を供与する。   この発表は、すでにウクライナに供与されたエイブラムス戦車の効果について疑問が残るなかでのもので、今夏の報道では、先に供与されたM1戦車は一時的に戦闘活動から撤退したとのことだった。実際に撤退したのかどうかは確認できておらず、現存する戦車はアップグレードされており、戦力を維持している。   オーストラリアのパット・コンロイ国防産業・能力提供担当大臣は本日、余剰M1A1がウクライナに譲渡されると報道陣に語った。   この戦車は推定1億6400万ドルの価値があり、ウクライナに対する豪州の軍事援助総額は13億ドル以上となる。   譲渡に関する正式な発表は明日、ブリュッセルで開催されるNATO国防相会合で行われる。  2024年6月、クイーンズランド州タウンズビル野外訓練場でのブロルガ・スプリント24演習中の豪陸軍第2騎兵連隊のM1A1エイブラムス戦車と豪陸軍第3大隊の兵士。    これらの戦車は、ウクライナ軍にさらなる火力と機動性を提供し、ウクライナの装甲旅団に対するパートナーからの支援を補完するものだ。 「我々は、ロシアの違法な侵略と戦うウクライナと肩を並べている」とコンロイは付け加えた。戦車はもともとアメリカがオーストラリアに売却したものであるため、ワシントンはウクライナへの譲渡を承認しなければならなかった。   在オーストラリア・ウクライナ大使のヴァシル・ミロシュニチェンコ氏は、ABC放送とのインタビューで、戦車の譲渡はウクライナの戦争努力に対する「重要な貢献」だと述べた。   この進展は、オーストラリア政府によるUターンでもある。今年初め、リチャード・マールズ国防相は、ウクライナへの戦車供与は「検討課題ではない」と述べていた。キーウは以前、オーストラリアに対し、エイブラムス戦車やその他の重火器の供与を検討するよう要請していた。   本誌は以前、オーストラリアのF/A-18A...

主張 日豪印の三か国に加え、米英両国も加わりインド太平洋の戦略環境を三角形構造で考えると今後どうなるか。

    オ ーストラリア、インド、日本の三か国がここ数年にわたり連携を静かに深めてきた。米国・英国もアジア太平洋での関係強化を進めている。   ヘンリー・キッシンジャーは三角形で考え、米、ソ連、中国の関係を構想した。今日の戦略三角形はインド太平洋にある。頂点にキャンベラがあり、そこから北西にニューデリーがあり、もう一方は南北に走り東京とキャンベラを結ぶ。さらに重要な線が二本あり、それぞれワシントンDCとロンドンをつないでいる。   2007年に中国の主張の強まりを受けてこの関係がゆっくりと進化を開始した。ある意味でバラク・オバマ大統領のシリアでの「レッドライン」撤回、ドナルド・トランプ大統領の同盟関係への取引感覚導入から米政策の動きが予測不能となったのを反映したものといえる。同時に日本、オーストラリア、インドが安全保障面での役割強化をそれぞれ認識してきたことの反映でもある。   インド太平洋の安全保障構造の進化は冷戦時の「ハブ&スポーク」モデルがネットワーク型の総合構造へ変わったものであり、オーストラリア、インド、日本の安全保障上の関係強化をもたらした。新たな構造では戦略提携関係がインドネシア、シンガポール、ヴィエトナムにも広がっている。他方で、オーストラリア、インド、日本の各国は二国間同盟関係を米国と保持しつつ、域外の勢力とも安全保障上のつながりを強化している。そのあらわれがAUKUSの潜水艦調達事業として実現した。   インド太平洋の三角形   三角形協力に向かう動きではオーストラリア=インド艦の戦略取り決めがめだつ。オーストラリアの2017年版外交白書ではインドを中核的安全保障の相手国としてとらえており、域内秩序を支えるとしている。AUSINDEX演習が2015年に始まり、直近は2021年9月にダーウィンで開催されている。   2020年のリモート型式によるサミットでスコット・モリソン、ナレンドラ・モディ両首相は2009年の戦略パートナーシップを総合的戦略パートナーシップに格上げし、「開かれた自由で法の支配下のインド太平洋のビジョン」を共有し、海洋部での協力強化を謳った。両首相は相互補給支援でも合意し、両国軍事基地の相互利用を決めた。サミット後にインドはオーストラリアを印米日の共同海...

原子力潜水艦が世界に拡散する日が来るのか。オーストラリアに続き、注目はカナダ、ブラジル、韓国、日本の各国だろう。

  英アステュート級原子力潜水艦Image: Creative Commons.     A UKUS取り決めは核拡散にどんな影響を与えるだろうか。答えは今回の結果がオーストラリア外でどう展開するかにかかる。またそれ以外の主要海軍国がどこまでのリスクを甘受するかにより変動する。   核兵器拡散への懸念は理解できるが、管理も十分可能だ。オーストラリアは核燃料サイクル問題で懸念の対象国から除外しても問題なく、信頼度高い核使用国である。むしろアジア太平洋ひいては世界各地に原子力潜水艦が普及することのほうが懸念される。   ディーゼル電気推進式のほうがより大型の原子力推進潜水艦より好まれる背景が存在する。通常型艦は建造費が安くSSNsより静粛性が高い。原子炉運転に必要な人員の高い教育訓練も不要だし、核燃料取り扱い核事故予防でも同様だ。だが太平洋は広大なため原子力潜水艦が有利なのは明らかだ。     今回の原子力潜水艦選定でフランスが動揺している。伝えられるところではフランスは原子力推進式への変更をオーストラリアに提案していたが、その時点でオーストラリアは実行見込みに疑念を抱いていた。そのため同国が米国のほうがしっかりしており、長期間にわたる協力関係でフランスをしのぐと結論づけたのは理解に難くない。だがフランスの視点で最大の問題点は建造する予定だった各艦が必ずしも優れた艦とは見られていなかったことだ。   潜水艦部隊整備で難しい課題に直面する国は多い。ブラジルはフランス支援で実際に原子力艦の建造を始めている。これもオーストラリアの決定に影響した可能性がある。南朝鮮、日本、カナダは将来の潜水艦調達で難題を突き付けられている。A.B.エイブラムズの分析では南朝鮮、日本の場合はオーストラリアと異なり、SSNsは最終的に不要と結論づけている。南朝鮮、日本には「距離の暴力」はオーストラリアほどに感じられていないのも事実とはいうものの、SSNでしか実現できない性能を享受する事態を長期的にいずれかの国が選択する可能性がないわけではない。   カナダが興味深い事例だ。同国は三つの大洋にアクセスし、原子力艦の航続距離を活用できる立場にある。カナダも1950年代に原子力潜水艦保有を目指したものの、通常型に落ち...

速報)オーストラリアの原子力潜水艦取得を後押しする米英両国。ANKUSと呼ばれる三か国の安全保障協力関係はさらに緊密となり、中国への対抗を目指す。

  おや、ナヴァルグループによる通常型潜水艦建造は断念して一気に原子力潜水艦調達にオーストラリアは向かうのでしょうか。米英豪の強いつながりを感じさせます。韓国がこれで原子力潜水艦調達が現実に近づいたと考えれば大きな勘違いでしょうね。 イ ンド太平洋の各国が中国への備えを強める中、米国は域内のトップ同盟国へ原子力推進技術を供与する。 AUKUSすなわち米英豪三か国は安全保障取り決めをこの度形成し英米両国がオーストラリアのめざす原子力推進潜水艦実現を支援することになった。 南シナ海での中国との対決では原子力潜水艦の生存性が一番高いといわれる。原子力潜水艦は長距離移動でき、通常型潜水艦より長期間潜航が可能なため、広大なインド太平洋で理想的な装備となる。 「AUKUSとしてオーストラリアが望む原子力潜水艦調達を支援し、三か国共同作業を18カ月続ける。その中で技術分野、戦略、海軍関係の専門チームを組織し、実現に最適な方法を模索する」とバイデン政権高官が報道陣に語り、米国が同技術を供与した例は英国だけで1958年のことだったと解説した。 「オーストラリアは協力関係を深化させ、原子力推進潜水艦取得の方法を模索する。これによりオーストラリアに長期間配備能力が生まれることを強調したい」と同上高官は説明した。「静粛度が高く高性能だ。インド太平洋の抑止力整備に役立つ。そのため原子力技術のベストプラクティスで共同作業を進める。三か国の海軍部隊が共同作戦を展開し、原子力インフラを共有すれば各国間協力はさらに密接になる」 オーストラリアへの技術供与で同国の原子力潜水艦調達は現実に一歩近づく。オーストラリア国内の建造施設は原子力推進艦艇にも対応可能だが、国産建造となるのか、英米いずれかからの調達になるかは不明だ。 米海軍で潜水艦を専門としたある退役提督は原子力推進技術をオーストラリアと共有すれば米国の対オーストラリア関係が大きく変わるとUSNI Newsに述べた。 「オーストラリア海軍が原子力推進を採用すれば西太平洋での対応能力は確実に整備される」「中国へのメッセージだ。中国は経済面でオーストラリアに懲罰を与えており、今回の動きが回答だ」 また、今回の合意でオーストラリアが原子力潜水艦を調達し、米海軍攻撃型潜水艦がオーストラリアで整備を受けることも可能となれば米国のプレゼンスが同地域で拡...

クアッド:オーストラリア、インド向け装備品の大型FMS売却案件がまとまる。オーストラリアには装甲車両、CH-47、インドにはP-8追加

      米海軍のP-8ポセイドン。インドが追加調達の意向を示している。 (US Navy)   バ イデン政権はオーストラリア及びインド向けに有償海外軍事援助制度(FMS)を活用した装備品売却を4月末に承認し、総額436億ドルの商談が米企業に生まれる。   4月29日、オーストラリアは重装甲戦闘装備一式購入を16.85億ドルで承認された。またCH-47Fチヌーク輸送ヘリコプター4機購入を2.59億ドルで承認された。翌30日にはインドはP-8I海上哨戒機を24.2億ドルで6機購入できることになった。   FMSによる販売案件では国務省がまず承認し、国防安全保障協力庁(DSCA)が議会に送付する。議会通知で売却が自動的に決定するわけではない。議会が反対しなければ、該当国との協議に移り、その過程で金額と数量が変更となることがある。   案件はともに米国が重視するインド太平洋地区の二大重要同盟国向けであり、両国は「クアッド」で米国、日本と並ぶ有志連合の一部だ。   インド向け売却内容にはP-8Iの6機以外に通信装備、エンジン、航法装備、契約企業向け支援を含む。ボーイングが主契約企業となり、作業はシアトルで行う。提案内容は「米国の外交安全保障を支援すべく米印戦略提携を強化するのに役立ち、相手国の安全保障を改善することでインド太平洋及び南アジア地区の政治安定、平和、経済進歩で重要な作用を引き続き発揮する」とDSCAは案件の意義を説明している。   インドは先にP-8Iを8機2009年に一般民間取引の形で導入しており、2016年に4機追加調達した。インド海軍が同型機を2013年から運用している。   オーストラリア向け重装甲戦闘システムにはM1A1戦車の車体構造160基を米国内在庫から提供し、これを各種車両装備にする。M1A2 SEPv3エイブラムズ主力戦車75両、M1150強襲突破車両29両、M1074共用強襲橋梁車両18両、M88A2ハーキュリーズ戦闘回収車両6両、AGT150ガスタービンエンジン122基となる。 Subscribe 発表内容で興味を引くのは「特化装甲装備の開発」という表現だが、内容の詳細には触れていない。ジェネラルダイナミクス・ランドシステムズ、BAEシステ...

日豪でVFA相互部隊訪問協定が2018年1月に成立の見込み、その後どうなるか

VFAは日本初の成立になります。いっぽう、いずもで海兵隊F-35Bを運用するというのは英海軍の新空母と同じ話ですね。運用が実際に始まる前から日米英の密接な準備態勢が動くということでしょうか。楽しみです。最近は動きが速いですね。フォローするのが大変になってきました。 Australia and Japan Expected to Finalize Visiting Forces Agreement Next Month オーストラリアと日本間の訪問部隊協定の成立は来月に近づく オーストラリア海軍アデレード級誘導ミサイルフリゲートHMASメルボルン(FFG 05)が定期巡回寄港として2017年10月9日に佐世保基地に到着した。 US Navy photo.   By: Ben Werner December 26, 2017 5:02 PM https://news.usni.org/2017/12/26/australia-and-japan-near-finalizing-joint-military-operations-agreement#more-30263 日本とオーストラリア が軍部隊の相互訪問協定にまもなく調印すると円滑な合同軍事作戦に道が開く。 オーストラリア首相マルコム・ターンブルは1月に訪日を控えており、安倍晋三首相と協定成立を発表する見込みだとシドニー・モーニングヘラルド紙が伝えている。両国はVFA協定を2014年から協議してきた。 訪問部隊協定により一時的に軍事活動に参加する外国軍の法的立場が定義される。合同演習や救難活動が例で軍事装備の税関手続き免除やその他作戦に必要な装備も同じ扱いとなり、弾薬類の搬送も許可される。 オーストラリアはすでにVFAを米国含む数か国と締結しているが、日本には初となる。在日米軍はこの枠組みとは別の地位協定で活動を第二次大戦後から展開している。なお、日本は英国ともVFAを模索しているとシドニー・モーニングヘラルドは伝えている。 両国が協議開始した三年前は日本がそれまでの防衛のみの軍事活動を脱し各種軍事演習に参加する道を模索し始めた時であった。 オーストラリアと日本の協定は両国やその他太平洋の各国との取り決めの最新事例になり、北朝鮮の敵意ある態度や中国、ロ...