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最長供用期間を更新するU-2の最新改修内容について

U -2スパイ機は現時点でも米史上最長の供用機材だが、追加改修で将来の戦場でも実力が発揮できるようになる。 ロッキード・マーティン U-2の初飛行は1955年で、冷戦時にドラゴンレイディのあだ名が付いた。搭載装備の更新で将来の戦闘場面でも十分に情報収集可能となる。 ロッキード・マーティン広報資料にはスカンクワークス事業部が米空軍向けに今回の改修を行うとある。改修で搭載電子装備を一新し、パイロットのディスプレイを換装し負担軽減と意思決定が楽になる。▶「エイビオニクス装備を一新し、搭載システムも近代化し新技術を導入する。ミッションコンピータも空軍のオープンミッションシステムズ(OMS)標準となるのでU-2は陸海空さらにサイバーの各分野で高度のセキュリテイで活動可能となり、コックピット改修でパイロット負担を減らしながら収集したデータの表示方法を改良し、これまでより迅速かつ良質な意思決定が可能となる」 オープンミッションシステムズ OMS改修に最大の意義がある。OMSは情報の標準インターフェースであり、戦闘空間のデータ収集を各種機材に可能とする。OMSの狙いはデータ収集から送信までの時間を最適化し、戦闘空間内の各機にリアルタイムで情報の更新を可能にすることだ。 OMSさらに情報収集について「共通メッセージインターフェースでレーダー、通信装置等のサブシステムに応用し、さらに自動飛行経路決定や戦闘管理に応用する」と報告書にあり、戦闘空域に入る各機にOMS標準を応用するとある。「OMS標準のミッションシステムと機能が各機材で再利用できる。さらに機材への搭載時間を大幅に短縮でき、新機能が経済的に利用可能となる」▶オープンミッションシステムズはB-2ステルス爆撃機、グローバルホーク偵察無人機ですでにテストが始まっている。▶2021年中のテストを経て、ロッキード・マーティンはU-2改修を「2022年初頭」に実施したいとする。 重要性は変わらない 偵察衛星のカメラは高精度だが、地球周回軌道の制約を受ける。衛星の次回上空到達は予め計算でき対象を隠すことが可能だ。U-2ならこの問題はない。▶U-2が今後も機能を発揮していくのは、情報データ収集のスピードによるところが大きい。偵察対象を与えれば、U-2は上空まで到達できる。OMSの導入でドラ

航自F-35捜索にU-2も投入

コメントは下にあります。 High-altitude US recon plane joins search for F-35 and missing Japanese pilot  F-35捜索に米軍が 高高度偵察機を投入 U -2 ドラゴンレイディ偵察機がアラブ首長国連邦アル・ダフラ航空基地で発進に備えている。 March 15, 2019.GRACIE I. LEE/U.S. AIR FORCE By SETH ROBSON AND HANA KUSUMOTO | STARS AND STRIPES Published: April 12, 2019 https://www.stripes.com/news/high-altitude-us-recon-plane-joins-search-for-f-35-and-missing-japanese-pilot-1.576680 YOKOTA AIR BASE, Japan — 4月12日、在日米軍は米空軍所属U-2ドラゴンレイディ戦術偵察機が消息不明の航空自衛隊 細見彰里3等空佐操縦のF-35AライトニングII戦闘機を捜索に投入したと発表した。 同機は9日午後7:30ごろ三沢航空基地の東方およそ85マイル地点で墜落した。捜索で機体の左右方向舵を事故発生から二時間後に回収したと航空自衛隊が発表している。 今回の事故はF-35Aで世界初の喪失事故となった。海兵隊所属のF-35Bでは昨年9月にサウスカロライナ州内の海兵隊航空基地近くで墜落事故が発生している。 細見3佐は飛行時間3,200時間のベテランでF-35Aでは60時間飛行していると航空自衛隊が10日に発表している。 米海軍は捜索救難に艦艇一隻と哨戒機一機を派遣した。 「日本政府の要望により米軍は日本主導の捜索活動を支援していく。このためUSSステサム(誘導ミサイル駆逐艦)、P-8Aに加えU-2の支援も提供する」と在日米軍広報官ジョン・ハッチンソン空軍大佐がメールで知らせてきた。 航空自衛隊はUH-60Jヘリコプター、U-125を計11機を投入し、海上自衛隊も艦艇及び航空機による捜索を事故直後から展開している。海上保安庁も艦艇を現場に派遣した。 「在日米軍

歴史に残る機体16 U-2

歴史に残る機体16はU-2です。現役の機体ですのでまだまだ歴史を作りそうですね。 No Plane Has Made More History Than the U-2 (And It Never Fired a Shot) U-2を上回る歴史を刻んだ機体はない(しかも一発も発射せずに)   Sebastien Roblin January 16, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/no-plane-has-made-more-history-the-u-2-it-never-fired-shot-24086?page=show U -2スパイ機は今も世界の空を飛んでいるが、もともとCIAで供用開始して60年以上たつ。世界史でここまで影響を与えた機体はない。米外交に有益な情報を提供しただけでなく、高高度飛行は期待通り妨害を受けなかったためだ。 高高度を飛ぶスパイグライダー機 チャーチルが有名な「鉄のカーテン」が東欧に下りたと述べた時点でその向こうを覗く米スパイ機は文字通り生死をかけていた。写真偵察機の有効性は実証済みだったがソ連ジェット戦闘機がレーダー誘導で運用開始するとソ連領空への侵入は自殺行為になった。 スパイ機がソ連MiG戦闘機の追撃を回避する方法はないのか。米空軍は解決策は高高度飛行と考え、レーダー探知も回避できると想定した。ソ連の初期型レーダーは大戦中に米国が与えた装備で最大探知高度は67千フィートと想定されたためだ。RB-57Dがこの任務用に改装されたがこれだけの高度は不可能だった。 ロッキード の伝説的設計者ケリー・ジョンソンから1953年にCL-282スパイ機提案が空軍に届いた。グライダーに近く長い胴体ととんでもなく長い主翼が特徴だった。CL-282は機体重量を極限まで下げて降着装置さえ省き胴体着陸の想定だった。空軍は採用しなかったが、CIAが関心を示しロッキードに構想研究の継続を求めた。 ロッキードはU-2になったこの機体開発を完全秘密体制で進めた。機体呼称の「U」は多用途機の意味で偵察機としての目的を隠ぺいするためだった。ロッキードは協力企業には高高度気象観測機と説明していた。 ドワイト・アイゼンハワー大統領が同機運用に直接関

★TR-XはISR機材として採用をねらうロッキードの高高度ステルス無人機構想

ここで言っているTR-XはU-2無人機版としてロッキードが提唱していたコンセプトの発展形でしょう。供用期間の途中で大幅にステルス性能などを引き上げていく(当然同社には改修費用が収入源となる)という同社にとって虫のいいお話になります。実現するか未定ですが、予算危機とはいえ、大事なISR機材を調達できないくらいアメリカは弱っているのでしょうか。短期的なつじつま合わせでなく情報収集手段として今後稼働できるのならいい買い物になるのですが。 Lockheed’s TR-X Reconnaissance Aircraft Will Have Stealthy Shape, Skin Lockheed Martin is pitching TR-X, a stealthy, high-flying UAS, to replace U-2 and Global Hawk Aug 12, 2016 Lara Seligman | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/lockheed-s-tr-x-reconnaissance-aircraft-will-have-stealthy-shape-skin ロシア、中国がミサイルを高度化する中、米空軍の ロッキード・マーティン 有人U-2および ノースロップ・グラマン のグローバルホーク無人機は敵国境線へ接近が困難になりつつある。 ロッキード・マーティンは自社のスカンクワークスならこの課題を解決できるとし、これまで公開していなかった無人TR-X提案のステルス性能を今回明らかにした。高高度飛行しステルス性の外装およびレーダー波吸収表面で敵領空深くへ侵入できるようになるとロッキードでU-2事業開発部長を務めるスコット・ウィンステッドが述べている。 ロッキードの考えるステルス偵察機開発案 初期型TR-XはU-2の高性能センサーを搭載した低視認性機体とする ステルス性能は機体のステルス形状とレーダー波吸収表皮で実現する。 ロッキードが開発中の極超音速SR-72を補完する役割も期待 初期型30機を38億ドルで7年以内に稼働開始させる ロッキードはTR-Xコンセプ

★スカンクワークスがU-2後継機を準備中

U-2と限りなく近い形状の機体でステルス性が発揮できるのかわかりませんが、下に出てくるオースティン部長はLO(低視認性)技術の専門家とのことなので、考えがロッキードにあるのでしょう。スカンクワークスがもう一度仕事ぶりを発揮することになりそうです。 Skunk Works Studies Stealthy U-2 Replacement Aug 19, 2015  Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/defense/skunk-works-studies-stealthy-u-2-replacement ロッキード・マーティンのスカンクワークスがU-2の後継スパイ機の検討をしている。伝説的なU-2のうち最良の部分を無人機ノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホークの良いところを合わせた機体を目指している。 U-2はこまめな改良を経て2050年までの寿命が残っているが、米空軍は2019年までに退役させる予定で、RQ-4Bが任務を引き受ける予定だ。ただし、ロッキードによればRQ-4Bは敵領空を戦時には飛行できないとし、次世代のU-2がその「穴」を埋めるISR機材になれるという。 「U-2、RQ-4Bはともに平時に高高度飛行でISR任務を実施する想定です」とロッキード・マーティンでU-2戦略開発事業を率いるスコット・ウィンステッドは言う。「空軍予算が削減されている中で、戦時用の機材を調達するのは困難で平時用の機材といえども多数を保有するのが難しくなっている。そこで検討しているのはその両方をこなせる機材です。グローバルホークとU-2から最良の部分をつなぎあわせて新しい機体にする。ステルス型のU-2といったところです」 新型機は有人操縦に切り替えが可能となる。運用地まではパイロットがフェリーして、平時は有人飛行、無人操縦でもっと危険な空域を長時間飛行させることが可能となる。機体案はとりあえずRQ-Xの名称で、無人型U-2用にスカンクワークスが検討してきた技術を盛り込む。無人型U-2の提案は直近では2014年にあり、胴体と主翼を延長し燃料搭載を増やし、無人機に必要なサーボモーター他すべてを搭載する案だった。 ロッ

★ロッキードが提案する無人機版U-2はグローバルホークを凌駕できるか

ISR機材のお話です。グローバルホークに軍配を上げたペンタゴンは省内の検討でも僅差だったといいますが、ISR機材を複数維持する余裕がない、とせっぱつまった状況だったのですが、これで黙っているようなロッキードではありません。U-2が無人機グローバルホークに負けるんだったら、U-2を無人機にすればいいと提案にまとめてきました。議会にはU-2といいA-10といい特定の機種に肩入れをする議員が多いので、意外な反応を引き起こすかもしれませんね。一方でU-2の操縦は思ったより難しそうですね。 Lockheed Updates Unmanned U-2 Concept U-2 advocates push optionally manned variant as a rival to Global Hawk Nov 24, 2014  Amy Butler | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/lockheed-updates-unmanned-u-2-concept ロッキード・マーティンから予算節約型の「有人オプション」のU-2提案が出てきた。議会が高高度偵察機材をノースロップ・グラマンのグローバルホークに一本化していいのか悩むなかで新しい選択肢が生まれた。選択式で有人操縦が可能なU-2には同機の愛称ドラゴンレイディの支持派からRQ-4Bグローバルホークの飛行時間に匹敵する機体との声がでている。ただし、議員連が納得してもペンタゴンが採用に踏み切るのは困難だと見られる。 国防総省は10年以上も態度をあいまいにしたあげくU-2の全機引退の道筋を2015年度予算で示し、グローバルホークだけで編成する偵察機部隊の実現に道を開いた。だがU-2支持派も性能上の優位性にペイロード5,000-lb.(グローバルホークは3,000 lb.)、実用高度限界70,000 ft. (グローバルホークは60,000 ft.)があると黙っていない。特に高度差はそれだけセンサーの有効範囲が変わることになり、U-2の勝ちである。 ペンタゴンの最終裁定はグローバルホークに18億ドルでU-2とほぼ同等の性能となる改修を実施する選択だった。議会への報告書で4月に空軍

U-2全廃してもグローバルホークに19億ドル改修しないと使いものにならないのか

予算が潤沢であればミッションごとに複数の機種を維持できたのですが、昨今の予算環境では贅沢なことは言えなくなっています。しかし海軍と同様に政治が機種選択にいらぬ口を出してくると空軍も大変ですね。ISRは大変重要な分野なので、超高度を飛行できないグローバルホークを残し、U-2を全廃することで禍根を残さないことを祈るばかりです。 Global Hawk Needs $1.9 BN in Upgrades Before U-2 Can Retire UAS Vision, 11 June 2014 ノースロップ・グラマン RQ-4グローバルホーク無人偵察機が現行の ロッキード U-2の全ミッションを引き継ぐには総額19億ドルの性能改修が必要と判明した。米空軍はU-2全機を退役させて予算節約を期待している。 「高高度ISR用には一機種しか維持できない」とロバート・オットー中将Lieutenant General Robert Otto(ISR担当副参謀総長)は語る。「もしグローバルホーク改修予算がないと各現場司令官に同機の利用を理解してもらえない」と同中将は空軍協会のイベントで話している。 改修内容は地上局以外に通信・画像送信能力、また機体に搭載された気象レーダーも含む、と同中将は話している。米空軍によるとすべての作業を完了するには6年かかり、費用は19億ドルだという。 空軍は今年早々に2012年に決定していたグローバルホークのブロック30機処分方針を撤回し、逆にU-2を全廃しようとしている。 わずか二年前には米空軍はグローバルホークの運用費用が高いとしていたが、その時点で同機をモスボール保存する案には議会の強い拒否反応が示されていた。 オバマ政権の2014年度予算要求では国防総省からRQ-4の運航コストの削減ができたとの報告があり、同機を温存し、U-2を全廃したいとしている。チャック・ヘイゲル国防長官によればこの決定は僅差で決まったという。■

論説 それでもU-2を退役させるのか

Editorial: U-2 Has The Edge Over Global Hawk Source: Aviation Week & Space Technology aviationweek.com March 10, 2014 Credit: U.S. Air Force 先週発表された2015年度予算案の説明席上でチャック・ヘイゲル国防長官がU-2対グローバルホークで熱い対立があったとの内幕を示した。予算が厳しいので高高度飛行の情報収集偵察監視(ISR)用途の機材として両機種の維持は困難であるのはだれにでもわかる話だが、両論の対立を最新派と回顧派の戦いとみることもできよう、無人最新鋭機とパイロット付きの冷戦時の遺物の対立ともいえる。ヘイゲル長官は「機齢50年のU-2よりも無人機グローバルホークを優先し」2016年からU-2の退役を始めると発言したが、両機種の比較はあまりにも単純化ししすぎで、そもそもその選択があやまりだ。 ヘイゲル長官が「きわどい差」と表現したのは実に率直な言い方だった。両機種の運用費用はほとんど差がない。. U-2の方は米国史に確固たる位置を占めている。伝説のスカンクワークスでクラレンス・「ケリー」・ジョンソンのもとで生まれたU-2が東欧で情報収集を始めたのは1956年で、その後ソ連、中国他各国上空を飛行した。キューバでソ連ミサイルの存在を撮影した画像は1962年のキューバ危機で重要な転回点となった。 もし現在のU-2が当時と同じ機体であればヘイゲル長官の判断は正しい。だが、今日のU-2特に最終形のU-2Sはロッキード・マーティンの生産ラインを1980年代に離れたもので、もっと重要なことに搭載するセンサーは電子光学式赤外線カメラ、レーダー、通信傍受用アンテナなどさらに性能が向上している。. さらにU-2は高性能の防御システムを搭載し、最新鋭のS-300やS-400といったロシア製防空ミサイルにも対応できるが、グローバルホークにはそもそも防御装備はついていない。グローバルホークは長時間飛行性能で優れているが、U-2は高度(70,000 ft.以上を飛び、グローバルホークは55,000-60,000 ft.が上限だ。そのためU-2はより大きな傾斜角度範囲でセンサーを作動できる。またペイロード