スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月, 2014の投稿を表示しています

主張 米陸軍は次世代ヘリ事業を真剣に考えぬいているのか

Opinion: Has The U.S. Army Thought Through Future Vertical Lift? The coming rotorcraft non-revolution aviationweek.com Jun 19, 2014 Richard Aboulafia | Aviation Week & Space Technology 銀行や国防案件、さらには国家財政再建など「巨大だからこそ倒産させられない」と言う文言がまた出てくると、肩をすくめ、無力感にさいなまれることが多い。多くは巨大すぎるからではなく、行動をとるのが遅すぎたことが問題なのだ。 米陸軍の次期垂直輸送機 Future Vertical Lift (FVL) がこの例で誇大宣伝と裏腹にそもそもの目標がしっかりしていない。 まず、回転翼機の概念を再構築し、新型の推進手段を付与するコンセプトだ。 つぎに、陸軍航空部隊の再構築として、2千から4千機の生産規模でAH-64, UH-60 , CH-47 等のヘリコプターをすべて更新する。同時に海軍、海兵隊、空軍にも導入できる。 そして、FVLは垂直輸送機の産業基盤そのものを変革し、採択される一社あるいは二社が市場を取り、不採択企業はもう参入できなくなるだろう それでもFVLが次期戦闘航空システムズ Future Combat Systems につながる可能性は高い。同システムも過剰なほど野心的で巨大すぎてつぶせない陸軍の構想だ。まず、陸軍が飛行速度を上げるために多額の予算を支出する気があるのかが疑問だ。この半世紀でヘリコプターの最高巡航速度は 150 kt だが、FVLはその前身の共用多用途技術実証機 Joint Multi-Role Technology Demonstrator (JMR-TD) の競作を通じ、 230 kt で飛行可能な新しい回転翼機を生むことをめざしている。 . 残念なことに新技術により調達コスト運航コストは現在よりも 40から70%も高くなりそうだ。V-22ティルトローター機では現行機の2倍だ。海兵隊と特殊作戦本部がこれを無視できるのは特殊作戦に同機の飛行距離と速度が大きな効果を上げているからだ。 だが陸軍はペイ

F-35火災事故により空軍A型の全機が飛行停止措置へ

Air Force Grounds All F-35As Following Fire By: Dave Majumdar Published: June 27, 2014 1:24 PM Updated: June 27, 2014 1:24 PM 米空軍はF-35Aの飛行停止措置を保有機材全体へ拡大した。これは6月23日発生した離陸前の火災発生で機体が大きく損傷したことを受けてのこと。 当初は事故機を運用する第33戦闘機中隊だけが飛行停止措置の対象で、空軍教育訓練本部Air Education and Training Commandによる事故調査が続いている。 「大事を取り空軍は一時的にF-35A全機の運用を停止することにしました。これは安全が確認できるまでの措置です」と空軍報道官ナターシャ・ワゴナー大尉がUSNI News へ電子メールで伝えてきた。 「事故発生直後の措置としては通常の範囲です。乗員と機体の安全を確保しつつ、すべての保有機に安全問題が波及しないことを確認します」(ワゴナー大尉) ただしF-35合同推進室Joint Program Office (JPO) の見解ではF-35が公式に飛行停止措置に入っているとは見ていない。「飛行停止になっているF-35は存在しない。飛行安全当局から機材全体の飛行停止命令はでていない」(JPO報道官キーラ・ホーン)というのだ。 JPOは火災原因の絞込や損傷度の評価もできないが、機材全体が即座に飛行停止になっていないことは調査官が単機事故出会ったと見ていいたことを裏付ける。 JPOとしては今回の空軍による措置が短期間で解除となることを期待するばかりだ。「来週中に解除になるものと見ています」(ホーン)■

主張:このままだと第三次イラク戦争になるのか

USNI Newsより Opinion: The Third Iraq War By: Cmdr. Daniel Dolan Published: June 24, 2014 12:57 PM Updated: June 24, 2014 12:57 PM Undated photo of ISIS militants 海軍大学校 Naval War Collegeの戦略・政策研究科目で生徒は砂漠の嵐作戦Operation Desert Storm と不朽の自由作戦Operation Enduring Freedom (OEF)の双方を批判的に分析する機会がある。二件は学生、教員から第一次イラク戦争、第二次イラク戦争と呼称されているが、第三次イラク戦争とでもいうべき事態が展開しているのを目の前にしている。 アメリカのイラク国内紛争への関与は米国史上最長の戦役になっている事実が見落とされている。この議論にはどこを起点にするかで大きく変わるが、イラク戦の開始は1990年8月8日にジョージ・H.・W・ブッシュ大統領(当時)が有名になった「砂漠に線を引く」スピーチをしたのが出発点ととらえるのが歴史学者の多数意見だ。そうなると24年の長さになる。その間にアメリカは文明発祥の地で交戦し何を学んだか。 軍事歴史学者が研究室から見ているとイラクで現在進行中の情勢はまるで昔のベトナム事例を思い起こさせる。ベトナムでアメリカは軍事顧問少数から重武装の通常兵力まで介入をエスカレートさせているが、イラクでは重武装兵力から始め軍事顧問団に変化させている。軍事顧問団は実際の戦闘に巻き込まれるのを躊躇している。 以前の二回のような大規模軍事作戦は現時点ではそぐわない。この点をオバマ大統領が6月19日に意識して発言している。「米軍部隊はイラクの戦闘には参加しないが、イラク国民を恐怖させているテロリストへの戦いを支援する。地域内のみならずアメリカの権益も脅かすからだ」 地上兵力はイラク軍に任せ、アメリカは情報活動、訓練、支援ならびに少数の無人機攻撃を提供するのが内戦状態の同国には最適だというのだ。 イラク・シリア・イスラム国家(ISISあるいはISIL)の戦闘部隊の多くが数か月前に議会多数派が軍装備の提供が必要だと考えていた対象と同じであるのは奇

上院でイラク、アフガニスタンが話題の中心を占める審議へ

USNI Newsより Iraq and Afghanistan Dominate Senate Budget Hearing By: John Grady Published: June 18, 2014 2:54 PM Updated: June 19, 2014 7:16 PM Secretary of Defense Chuck Hagel testifies before the Senate Appropriations Subcommittee on Defense about the Defense Department’s FY15 budget request June 18, 2014. DoD Photo 空母USSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)戦闘群および揚陸ドック型輸送艦USSメサ・ヴェルデ(LPD-19)がペルシア湾内に展開する中、軍事歳出小委員会の上院議員からは予算問題よりもイラク国内情勢についての質問が多く出されており、2年後のアフガニスタンでも同じ状況になるのか、合衆国に両国事例で何ができるのかが17日の審議の中心となった。 チャック・ヘイゲル国防長官と統合参謀本部議長マーティン・デンプシー大将からイラク政府による米国空軍力によるバグダッド防衛の要請があったことが明かされた。これはISIS(シリア・イラクイスラム国家)(ISILイラク・レヴァントイスラム国家とも呼ばれる)に加わるスンニ派の過激派と外国兵をどうやって撃退するかが焦点だ。 ISIL進撃によりイラク陸軍二個師団と警察はモスル周辺で崩壊しているのは中央政府への信頼が失われたせいだとデンプシー議長は説明している。 同議長は反乱勢力は「便宜上一緒になって」活動しており、シリア東部、ファルージャ、ラマディ、北部イラクを制圧していると発言。アルカイーダ思想が中東のみならずアフリカ各地でも勢力を伸ばしており、ISISが西側を圧倒することを期待する向きが他の地域でも増えているという。 ヘイゲル長官からはオバマ大統領が有力上院議員団とこの後で会見し、イラク情勢と米国の選択肢について話す予定があると紹介したうえで、軍事行動をとる以上は「理由がないといけない」と強調している。 同長官は北部イラクで

F-35A火災事故の原因は不明

Cause of F-35A Fire Unknown aviationweek.com Jun 24, 2014 Amy Butler | AWIN First 6月23日の事故機パイロットは緊急脱出したが無事。同機はエグリン空軍基地(フロリダ州)で離陸準備中だった。火災発生はエンジン後部。. 今回の火災事故で直ちにF-35全機の運航停止措置にはなっていない。なお事故調査チームが活動中。 一方で同機の国際デビューの準備も進んでいる。まず短距離離陸垂直着陸型F-35Bが4機来週英国に移動する。各機は7月のロイヤルインターナショナルエアタトゥーとファーンボロ航空ショーに飛行展示される。今回の展示はB型だが、A型に計11か国からの引き合いが出ている。■

速報 F-35Aが離陸前に出火し、機体全損か

BREAKING: Fire Breaks Out on F-35 at Eglin Air Force Base, Pilot Safe USNI News By: Dave Majumdar and Sam LaGrone Published: June 23, 2014 3:39 PM Updated: June 23, 2014 4:05 PM ご注意 本件は進行中のため記事内容が追加となる可能性があります。 ロッキード・マーティン F-35共用打撃戦闘機で初の重大事故が発生した。機体が大破(全損の可能性もあり)している。6月23日午前にエグリン空軍基地滑走路上で発火したことがわかった。 人的被害の報告はなく、関係者は事故調査を開始している。. 「事故機は訓練ミッションの準備中に機体後部で発生した発火のため離陸を中止している」と空軍が発表している。「火災は発泡剤で消火された」 事故機はF-35A(空軍仕様)の第33飛行中隊所属機で、同中隊はJSFの各型に習熟する訓練の中心だ。 「緊急事態に的確かつ迅速に対応できるようパイロット向けの充実した訓練を実施している」と同中隊司令のポール・ハース海軍大佐が声明文を発表している。 今回はパイロットは正しい手順でミッションを中止し、エンジンを停止させて脱出している。基地ではF-35の火災訓練を5月に実施したばかりだった。 USNI Newsの問い合わせにロッキード関係者からは回答がない。 エグリン基地は米国仕様のJSFのみならず各国向け機材でも訓練拠点となっている。 33飛行隊は2009年にF-35専用の訓練隊として発足している。同隊には2018年までに59機が納入される予定で、パイロット100名を年間訓練し、2018年までに合計2,100名を養成する。 JSFでは今月初めにも飛行停止措置があった。海兵隊機が飛行中にオイル漏れを発生させたためだった。■

☆ エンジン開発から見えてきた第六世代戦闘機の性能要求水準

Next Generation Engine Work Points to Future U.S. Fighter Designs USNI News By: Dave Majumdar Published: June 23, 2014 10:51 AM Updated: June 23, 2014 10:51 AM ボーイングが企画中のF/A-XX. Boeing Photo . 米海軍と米空軍はそれぞれ次世代戦闘機の要求性能水準の作成を開始したばかりだが、推進力となるエンジンは先行開発が進んでおり、第六世代戦闘機の性能の一部が見えてきた。 海軍のF/A-XX と空軍のF-X 用のエンジンで、ペンタゴンは開発をすでに始めている。エンジンメーカーノプラット&ホイットニー、ジェネラルエレクトリックの関係者からUSNI Newsはそれぞれの開発コンセプトを聞く機会を得た。 「第六世代機を定義するのはエンジン含む推進系だ」と話すのはダン・マコーミックDan McCormick(GEの適応サイクルエンジン事業部長)「推進系システムは機体設計工程に統合されるべきです」 両社が革新的な適応サイクルジェットエンジンadaptive-cycle jet engines を開発中でこれがボーイング F/A-18E/F スーパーホーネットやロッキード・マーティンF-22ラプターの後継機に搭載されることになる。 These advanced engines would be able to vary their bypass ratios for optimum efficiency at any combination of speed and altitude within the aircraft’s operating range unlike today’s engines that are at their best at a single point in the flight envelope. 新型エンジンの特長はパイパス比を調整し、速度・高度に合わせた最適な効率を実現することになる。これに対し現行のエンジンは飛行条件の一点で最高性能を発揮するものだ。 エンジン開発が機体開発より先行

米MDAが地上配備型ミサイルで弾道弾迎撃に成功

U.S. Missile Defense Intercept Test Succeeds aviationweek.com Jun 22, 2014 Michael Fabey | AWIN First 米ミサイル防衛庁(MDA)が地上配備型中間コースミサイル防衛Ground-based Midcourse Defense (GMD) による迎撃実験に成功した。GMDの迎撃成功は2008年以来はじめて。 6月22日の演習では 長距離地上配備迎撃ミサイルがヴァンデンバーグ空軍基地(カリフォーニア州)から発射され、マーシャル諸島共和国ノクェジェリン環礁にある米陸軍レーガンテスト施設から発射された中距離弾道ミサイルの迎撃に成功した。 今回のテストで米本土防衛に供する各種弾道ミサイル防衛手段の評価に必要なデータが入手できた。 テストには米空軍第30宇宙部隊U.S. Air Force 30th Space Wing、合同部隊本部Joint Functional Component Command,、統合ミサイル防衛部隊Integrated Missile Defense、米北方方面司令部U.S. Northern Command 、米海軍も参加している。 標的になった中距離弾道ミサイルは海軍のDDG-70ホッパー(イージス艦)のAN/SPY-1レーダーで探知、追尾され、GDM発射管制室に指揮・統制・戦闘管理・通信システムCommand, Control, Battle Management and Communication (C2BMC) によりデータを送った。海上のXバンドレーダーも追尾し、GMD発射管制システムにデータを送ってきた。 標的ミサイル発射からおよそ6分後に地上配備迎撃ミサイルがヴァンデンバーグ空軍基地から発射され、三段式ブースターロケットが大気圏外迎撃体 Capability Enhancement II Exoatmospheric Kill Vehicle (EKV) を標的の予想宇宙軌道に運んだ。迎撃体は標的に位置修正され、識別ののち、目標の弾頭部分に衝突破壊した。これはEKVの第二世代機による初の迎撃となった。 なお、迎撃ミサイルは米陸軍第100ミサイル防衛旅団(コロラド州シュリーヴァー空軍基地内)が

第5世代、第4世代機間の通信でステルス性の維持が課題

5th-To-4th Gen Fighter Comms Competition Eyed In Fiscal 2015 aviationweek.com Jun 18, 2014 Amy Butler | AWIN First 米空軍は第五世代機と第四世代機間の通信接続手段の提案を業界に求める模様。 空軍は「第5から第4へ」と通称する通信能力が必要だとしてきたが、F-35の配備が近づく中、技術的な課題と予算制約で先送りにしていた。またF-22の調達規模が縮小して各機を空軍のネットワークに接続させ作戦の協調が実施上の課題となっていた。 「第5から第4へ」と言う名称だが、F-22とF-35でLink 16を使わずに通信させる方法の確立が課題だ。Link 16を使うとステルス性に支障が出るためだ。両機種はロッキード・マーティン製だが、設計年代が違っており、F-22は基本的に僚機のF-22に「話す」ことを専用の低探知性・低妨害可能性のシステムを通じて行うことしかできない。これに対し、F-35は多機能高性能データリンク Multi-function Advanced Datalink (MADL) を使用しており、波形を変えつつ通信が可能だ。F-35の空軍での実戦化は2016年8月予定。 空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将が2月の空軍協会主催会合で第5から第4戦闘機への交信能力の必要性を訴えていた。しかし、航空戦闘軍団Air Combat Command は具体的な必要条件を明確に示しておらず、同軍団は本件について取材に応じていない。 特にF-22を実戦投入する際に通信が制約条件になっている。同機をリビア作戦(2011年)に投入する案があったが、F-22が集めたデータを友軍に送信する手段がないことがわかり企画はとん挫してしまった、と業界筋が明らかにしている。 そこで空軍が提案しているのは多分野適応性処理システムMulti-Domain Adaptable Processing System (MAPS) といい、ステルス戦闘機間の通信のゲートウェイとなるポッドをつくることだ。これをF-16はF-15と言った第四世代戦闘機に搭載すれば、旧型機でも通信のやり取りが可能となる。 作戦概念ではステルス戦闘機を敵防空網の脅威がある「バブ

ロシア原潜建造が活発化、新型攻撃原潜ヤーセン級・ミサイル原潜ボレイ級

USNI Newsより Russian Navy Accepts First in New Class of Nuclear Attack Submarine By: Dave Majumdar Published: June 19, 2014 7:04 PM Updated: June 19, 2014 7:16 PM Russian submarine Severodvinsk ロシア国内のテレビ報道によるとロシア連邦海軍がプロジェクト855 ヤーセン級 Yasen-class 原子力攻撃潜水艦の一号艦を今週受領したという。 艦名はK-560セヴェロドヴィンスク Severodvinsk  で1993年からセヴマシ造船所で建造が始まっていた。完成が遅れたのはロシア経済の不振が理由で、2010年までロシアでは新造潜水艦は一隻も進水していない。 セヴェロドヴィンスクはロシアの攻撃原潜で静粛度が最も高く攻撃能力も高いとみられる。ただ米海軍のシーウルフ級、ヴァージニア級原潜と同等の静粛性は実現していないとみられる。 ロシア官営メディアによると同艦の潜水時排水量は13,800トン、全長119メートル、速度31ノットで600メートルまで潜航できるという。乗組員は90名でうち32名が士官。武装はオニキスOniks(SS-N-26)巡航ミサイルおよびカリバーKalibr (SS-N-27)巡航ミサイル24発に加え533㎜魚雷と機雷を搭載する。またソナーアレイを球状船首に初めて採用するロシア潜水艦となった。 ヤーセン級ではあと2隻の建造がはじまっており、カザン Kazan とノボシビルスク Novosibirsk の各艦は一部改修された設計のためプロジェクト855MヤーセンーM型と呼称されている。さらに四号艦の建造が8月に開始されるとロシア放送は伝えている。 855M仕様の潜水艦はさらに3隻発注され、最終的にヤーセン級は8隻の陣容になる。さらにヤーセン級の次の艦も設計が始まっているという。 その一方、ロシア海軍はボレイ級Borei-class 戦略弾道ミサイル原潜の建造も続けており、タイフーン級(プロジェクト941)とデルターIV(プロジェクト667BDRM)ミサイル原潜と交代させる。

同盟各国のサイバー戦対応能力強化を支援する米国防総省

DoD Bolstering Cyber Warfare Capabilities in at Risk Nations USNI News By: Carlo Muñoz Published: June 12, 2014 4:25 PM Updated: June 12, 2014 4:26 PM 2011年のサイバー戦演習での米軍と独軍関係者。 US Army Photo . ペンタゴンのサイバー戦専門集団がサイバー攻撃に脆弱とみられる各国向けにテコ入れをしている。 サイバー政策担当国防次官補代理のジョン・デイビス陸軍中将Maj. Gen. John Davisによるとサイバー攻撃の脅威が比較的高い国があるという。 そこで米国関係者は同盟国の関係者とともにサイバー戦の能力向上にとりかかっており、たとえばマルウェアへの防御策や、ネットワーク防衛他の戦術、技法、手順を強化していると同中将は明らかにしている。 デイビス中将は対象国の名前を明らかにはしていないが、米国の支援対象が東欧およびアジア太平洋の数か国である可能性が高く、中国やロシアによるサイバー攻撃のリスクが高い国である。 ホワイトハウスとペンタゴンはこの両国が同盟各国への悪意あるサイバー活動のみならず米国内ネットワーク侵入にも関与していると非難している。 今年初めにロシアはウクライナの軍民ネットワーク多数をハッキングしており、ウクライナ東部およびクリミア奪取の軍事行動の一部であった。同じように2008年にグルジア侵攻でもサイバー作戦をおこなっている。 司法省は5月に中国国籍5名を連邦刑法で訴追しており、米国ネットワークを対象とした中国のサイバー諜報活動の実行犯だとした。米政府が中国のサイバー戦行為に対して正式な法手続きをとったのはこれが初めて。 デイビス中将はロシアや中国が今回のサイバー戦対応力強化の元凶だとは名指ししていないが、同盟各国の強化は米国の安全保障戦略の一環であると強調。 各国別対応とは別にNATO加盟国用にも対応能力向上策が用意されている。また今秋にはNATO本部でサイバーサミットを開催し対策を協議する。 さらに加盟各国と「サイバー事案対応センター」を創設するとデイビス中将は紹介。