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2025年10月15日水曜日

C-130Hの8枚羽根NP2000プロペラ換装計画は米空軍が中止(TWZ)―米空軍はH型はもう見切りをつけたようですが、わが航空自衛隊も決断を迫られますね J型が日の丸をつけて飛ぶ日がやってきそうです

 


C-130Hの8枚羽根NP2000プロペラ換装計画は米空軍が中止(TWZ)―米空軍はH型はもう見切りをつけたようですが、わが航空自衛隊も決断を迫られますね J型が日の丸をつけて飛ぶ日がやってきそうです


C-130HへのNP2000プロペラ換装は性能と整備面で利点があるが、米空軍は新型C-130Jの購入に注力している

空軍は、C-130H ハーキュリーズ輸送機の老朽化に対し、8枚羽根のNP2000プロペラを追加装備しない方針を決定した。これにより、同型機のアップグレード計画は縮小され、新型C-130J型機への移行がさらに進められる。NP2000はH型機の推力と燃料効率を向上させ、信頼性を高めつつ整備需要を削減するもので、旧型ハーキュリーズの運用継続を支えてきた。

八枚羽根NP2000プロペラを装備したC-130H。USAF

国防総省は2025年9月29日付の予算再編成文書を発表した。これは各種資金を汎用近代化口座へ移管する詳細を記したもので、C-130HのNP2000プロペラ改修用に確保されていた約2400万ドルも含まれていた。予算内の資金流用には議会の承認が必要だ。

文書には「C-130H NP2000八枚羽根プロペラ改修計画の完了に伴い、議会増額分より防衛近代化基金(全軍共通)への資金移管が可能となった」と記されている。「C-130Jの追加調達により数量面での効率化が達成された。これにより、未改修のC-130Hは廃棄されるため、必要なC-130H NP2000八枚羽根プロペラ改修機数が減少した」とある。

空軍は「2025年6月時点で90機のC-130Hに[NP2000]の設置を完了した」と、同軍が提出した最新の2025会計年度予算要求書に記載されているが、これがこれまでの総改修機数を示すものかどうかは不明である。ただし、2026会計年度末までに空軍のC-130H保有数が92機まで減少すると見込まれていることから、この数字は少なくとも総数に近いと考えられる。これには空軍州兵部隊に配備されている機体も含まれる。2021年時点で、空軍は約140機のH型機のプロペラをアップグレードする計画を立てていた。空軍がC-130のH型を初めて運用し始めたのは1970年代半ばである。


空軍には10機のLC-130Hもある。極域周辺での作戦用に特別に構成された機体であり、NP2000プロペラを装着している。米海軍のC-130T輸送機およびKC-130T給油機の一部(いずれもH型を基に開発された機体)も、現在では新型プロペラを装備している。

NP2000 は、海軍の E-2CE-2D ホークアイ 空中早期警戒管制機、 C-2 グレイハウンド 空母搭載輸送機 (COD) にも標準装備されている。

空軍の C-130H に搭載されている 4 枚羽根のプロペラを NP2000 に交換し、新しい電子制御システムを導入する作業は、2010年代半ばにさかのぼる。このプロペラは、H型のハーキュリーズ航空機に最大 20% の追加推力を与え、さまざまな要因にもよるが、離陸に必要な距離を約 984 フィート(300 メートル)短縮できると、アップグレードパッケージの現在の請負業者コリンズ・エアロスペースは述べている。推力の増加は、燃費の向上にもつながる。

さらに、NP2000 はC-130H に元々搭載されていた 4 枚翼のプロペラよりも振動が少ないため、メンテナンスの必要性が低減される。また、静粛性が高く、信頼性にも優れているという利点もある。

空軍はさらに、C-130Hのロールスロイス(旧アリソン)T56 シリーズターボプロップエンジンに追加のアップグレードを施し、NP2000 と組み合わせた。これによりさらなる性能とメンテナンス上のメリットがもたらされている。

新しい NP2000 プロペラを取り付ける過程にある米空軍の C-130H。USAF

予算再編成文書が指摘しているように、空軍の優先事項は、より多くの C-130J を取得することだ。新しいロールスロイス AE 2100 シリーズターボプロップエンジンと 6 枚羽根のプロペラは、以前のモデルと比較して J モデルに見られる改良点の一つだ。

C-130J ハーキュリーズ。ロッキード・マーティン

2029年までに、空軍はC-130Hの機体数が61機に減少すると予測している。これは2026年度予算要求に基づく予測である。残りの特殊仕様機であるLC-130Hを含め、H型機がいつ完全に退役するかは不明である。現在、少なくとも後者のフリートを新しい LC-130J で補完する作業が進められている。

少なくとも、空軍の C-130H 向けの NP2000 アップグレードプログラムは終了した。■


C-130H Eight-Bladed NP2000 Prop Upgrade Plans Cut Short By USAF

Refitting C-130Hs with NP2000 propellers offers performance and maintenance benefits, but the USAF is fully focused on buying newer C-130Js.

Joseph Trevithick

Published Oct 8, 2025 7:44 PM EDT

https://www.twz.com/air/eight-bladed-np2000-prop-upgrade-plans-for-usaf-c-130hs-cut-short


ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭より『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』『Small Arms Defense Journal』『ロイター』『We Are the Mighty』『Task & Purpose』など他媒体にも掲載されている。

2025年4月28日月曜日

ニュージーランド空軍で退役したC-130Hを米国の消防会社に売却(Alert 5)―航空自衛隊のH型でも同型機の処遇がそのうち現実になります。海自もR型の運用に苦労しているので意外に早く動きがあるかもしれません。

 


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Corporal Naomi James, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons


ュージーランド国防軍は、退役した空軍のC-130Hハーキュリーズ4機を、米国の航空消防会社コールソン・アビエーションCoulson Aviationに900万ドルで売却する。4月11日に公表されたこの取引で、今年初めに正式に軍務から退いた同型機が第二の奉公を開始する。


機体は、今後数カ月間で飛行の準備を整え、民間クルーがカリフォーニア州サーマルにあるコールソンのメンテナンス基地にフェリーされ、大幅なアップグレードと消防タンカーへの改造が施される。

 これらのRNZAF機は1月30日、60年にわたる運用の後、その功労を終えた。退役を記念し、ノースランドと北島中部上空で特別飛行が行なわれ、2月初旬には南島上空でも飛行が行なわれた。15万5,000時間以上の無事故飛行と10万回近い着陸を含む、国内外での素晴らしい安全記録がある。

 4機はコールソン・エイビエーションに売却されたが、5機目のハーキュリーズはクライストチャーチのウィグラム空軍博物館に展示され、ニュージーランドの軍事航空史の重要な部分を後世に伝える。

 RNZAFのハーキュリーズの歴史は、最初の3機がRNZAFオークランド基地のNo.40飛行隊に引き渡された1965年に始まった。すぐにNZ陸軍161砲台の人員輸送とベトナムへの援助輸送に投入された。同年、人員と物資を積んだハーキュリーズが南極へ初飛行し、世界で最も厳しい環境のひとつでの数十年にわたる活動が始まった。

 1969年までに、同機は戦略的・戦術的な空輸能力で非常に貴重な存在であることが証明され、追加で2機が購入され、保有機数は5機となった。

 ダリン・ウェッブ空軍司令官 Chief of Air Force, Air Vice-Marshal Darryn Webbは、「困難で、しばしば人を寄せ付けないような作戦環境を考えれば、信じられないような記録だ。「膨大なデータの蓄積の先には、任務の目的があり、多くの人々にとっては、C-130H機をサポートし、整備し、運用する人々によって提供される、人生を変えるような支援がある。

 60年以上にわたって、ハーキュリーズは素晴らしい運用の歴史を築いてきた。1970年代には、冷戦時代に中国本土とソビエト連邦を訪問した最初のRNZAF機となった。また、パキスタン、カンボジア、バングラデシュでも活躍した。

 1990年代には、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ソマリア、ウガンダ、ペルシャ湾、ルワンダでの国連平和維持活動支援とともに、湾岸戦争中のサウジアラビアに2機と支援クルーが派遣された。世紀の変わり目には、東ティモールに駐留する1,000人以上のニュージーランド軍を支えた。

 2001年、ハーキュリーズは第1ニュージーランド特殊空挺連隊の分遣隊をアフガニスタンに派遣し、これが20年にわたるNZDFのアフガニスタン派遣の始まりとなった。

 同機部隊による人道的貢献も同様に大きい。ハーキュリーズは、バンダ・アチェから120人を避難させた2004年ボクシング・デー津波をはじめ、アジア太平洋地域全体の災害対応ミッションで活躍した。太平洋のサイクロン「パム」と「ウィンストン」、2011年のクライストチャーチ地震、2016年のカイコウラ地震、そして最近ではサイクロン「ゲイブリエル」の救援活動を支援した。

 ウェッブ航空副司令官は、「南極大陸のエレバス山での航空機事故からの被災者の救出や、2004年のボクシングデー津波後にバンダアチェから120人を輸送した際、生存者の1人がペットの猿を連れてきたこと」など、乗組員はしばしばユニークな任務を最も鮮明に思い出すと述べた。

 他にも、太平洋のピトケアン諸島にブルドーザーを空輸したり、ワニやゾウを野生動物保護区に移動させたり、ブーゲンビル島民から贈られた "生きた、とても不幸なブタ "を助けた経験もある。

 コールソングループの社長兼最高経営責任者ウェイン・コールソンは、これらの航空機を既存の6機のC-130Hハーキュリーズに統合することに熱意を示した。「コールソンは、NZDFの4機のC-130Hを取得することを光栄に思っており、世界最大の非政府C-130Hオペレーターとしての地位を確固たるものにします。

 「今回の買収は、世界トップクラスの空中消防ソリューションを提供し、運用能力を世界的に拡大するという当社のコミットメントを強化するものです。 この実績のある多用途の航空機で、地域社会と天然資源を守るという使命を継続することを楽しみにしています」と述べた。

 今回の売却は、ニュージーランド政府が2020年に老朽化した航空機を5機の新造C-130J-30ハーキュリーズで更新すると発表したことにしたがい行われた。新型機の最後の1機は2024年12月に到着し、C-130Hフリートは十分な時間をかけて引退することができる。■


RNZAF sells retired C-130H fleet to U.S. firefighting company

Posted on April 12, 2025 by alert5

https://alert5.com/2025/04/12/rnzaf-sells-retired-c-130h-fleet-to-u-s-firefighting-company/



2017年10月17日火曜日

NZ現地紙に見る次期輸送機調達、C-2の存在感なし



C-2/P-1のペアはニュージーランドに本当に売り込みを図っているのでしょうか。この記事からは存在感が伝わりません。一つの理由が現地メディア対応でしょう。英語が不得手ならロビーストを雇えばいいのでは。それだけの予算もかけられないのであればそもそも海外販売をする意欲もないのでしょうね。お分かりのように現地の期待はC-130Jに傾いているようですが、調達規模が少ないからと馬鹿にしていいのか、日本の(本来はメーカーの責任ですが、大使館はじめ本省がかなりピッチを入れているのも問題では)姿勢が問われそうですね。といいつつ日本のC-130Hも早晩後継機調達の話が出そうですね。ニュージーランドの政治情勢というのがよくわかりませんがご存知の方はご教示ください。


New government will have to make a call on Hercules replacement


C-130J Hercules that Lockheed Martin hopes to sell to New Zealand. Photo / Supplied

15 Oct, 2017 7:30pmBy: Grant Bradley
Aviation, tourism and energy writer for the NZ Herald
grant.bradley@nzherald.co.nz@gbradleynz

ニュージーランド新政権がまず手掛けるべき仕事の一つがハーキュリーズ輸送機の老朽化に対応した後継機選定だ。
導入後52年が経過した機材は耐用年数の終わりに近く、メーカーのロッキード・マーティンはニュージーランド防衛軍(NZDF)の5機に残された飛行時間を算定中というが、新型機導入は待ったなしになっている。
国防関係者による詳細な検討内容が年末までに内閣に提出されるが、ニュージーランド第一党の副代表と国防省報道官を兼務するロン・マークRon Markが次期輸送機選択のカギを握りそうだ。
だが本人は近年の国防調達事業に対して鋭く批判している。
ロッキード・マーティンの競合相手はブラジルのエンブラエル、日本の川崎重工でそれぞれ同規模のジェット輸送機を提案している。新型機はそれぞれハーキュリーズより高速だが運用面で実績がない。
ヨーロッパからはエアバスがA400Mの売り込みをかけているが同機はニュージーランドには機体が大きすぎかつ高価すぎる。
ロッキードは自社製品の採用に「慎重ながら楽観的」だ。新型のC-130JはH型と外観こそそっくりだがエイビオニクスを一新し出力は25パーセント強化している。
C130J Hercules aeroplane built by Lockheed Martin. Photo / Supplied
C130J Hercules aeroplane built by Lockheed Martin. Photo / Supplied

ニュージーランドでは南極運用が重要で新型「スーパーハーキュリーズ」には悪天候の場合、マクマード基地まで飛んでも引き返す余裕があるが、旧型機の場合はもっと手前で帰還を決める必要がある。
ロッキードで東南アジアオセアニア地区で営業開発を担当するマイク・ケリーMike Kelleyは情報開示請求(RFI)は2013年だったと語る。NZDFは数回にわたり各社に詳細情報の開示を求めており、正式入札は来年になるとみている。
「政治情勢が影響しそうですが事案を内閣まで持っていければ理論上は入札が来年第二四半期までに出そうです」
現行機の耐用年数が切れる2022年のデッドラインに間に合わせるには翌年に契約を成立させる必要があると見られていた。
「競争入札を覚悟しています。それでも当社は勝てると見ていますよ。機材が優れていますからね」(ケリー)
型が変わっても同じハーキュリーズなので格納庫の改装は必要ないし、パイロットの機種転換もずっと簡単だとケリーは利点を述べる。
P-3オライオンも2020年代に更新時期を迎えるためロッキード・マーティンは海上哨戒機の売り込みも図っている。エンブラエルも同様だ。
ニュージーランドは2020年代に予算10億ドルで輸送機およびVIP機の更新を図る予定だ。■