戦 場で性能実証済みの米空軍のリーパー無人機はテロリストを襲撃し、精密誘導式のヘルファイヤミサイルで敵戦車や固定施設を撃破できる。さらに戦闘状況のライブ映像を地上の政策決定層に配信できる。だが、空対空戦に投入可能できるのだろうか。実はリーパーは戦闘機になろうとしている。 MQ-9 リーパーは実証実験で巡航ミサイル役の無人機を AIM-9X 空対空ミサイルで撃破した。 AIM-9X は F-35 や F-22 へも搭載され、「視程外」でも照準できるのでパイロットは背後に回った敵機も撃破できる。この「視程外」技術でパイロットはヘルメットにつけた位置指定装置で AIM-9X の飛翔中にコースを変更できる。 「 2020 年 9 月 3 日、ネヴァダ州クリーチ空軍基地で MQ-9 が AIM-9X ブロック 2 の実弾を巡航ミサイルを模した BQM-167 に発射するのに成功した」と空軍は発表。 リーパーを空対空戦対応にするのは技術的に挑戦となるが大きな進化にもなる。ミッションの幅が大きく拡大するからだ。 AIM-9X でリーパーを武装すれば同ミサイルを「迎撃手段」に使い敵の巡航ミサイルの接近を阻止できるし、敵機を攻撃することも可能だ。 こうした可能性もあるが、実際には兵装と偵察装備を一体化したリーパーの長距離センサー、高精度カメラを使って敵機の正体をつかむことの方が可能性がある。その後、地上からの指令でリーパーに敵機を葬らせればよい。この方法でセンサーの情報探知から実際の攻撃までの所要時間を大幅に減らせる。 ドッグファイトに投入したり、高速機動飛行をさせる可能性は少ないだろう。ただし、こうした性能は F-22 や F-35 の操作によりリーパーが活躍する日が来ると重要となる。前方配備のリーパーで敵防空網の有効性を試す、あるいは高リスク地帯で敵の砲火が活発な中で偵察飛行させれば、パイロットの人命を危険にさらさずにミッションの幅が広くなる効果が期待される。 AIM-9X の追加配備は空軍のミッション能力整備にもつながり、リーパーには新型装備搭載となる。ここにきて空軍は同機に新型燃料タンクを追加したり、新技術で各種装備の火器管制能力を付与している。 リーパーは AIM-9X 以外に AGM-114 ヘルファイヤミサイル、 500 ポン...
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