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2024年6月20日木曜日

台湾海峡を浮上したまま航行した中国SSBNの行動が不可解だが、093型SSBNの艦体をじっくり観察した台湾は情報を西側に提供するだろう。

 


SSBNが浮上したまま海上航行するのは極めて珍しいのでしょう。

いくら台湾海峡が浅深度の環境としても抑止力の要のSSBNの姿をわざわざ見せつける必要があるとは思えず、中国のことですから技術をマスターするまでのプロセスが十分にこなしていないままで、何らかの技術トラブルになったのかと西側はすぐ憶測を示しましたが、今回はどうもトラブルではなく、単純に浮上航行させただけのようですが。


A Chinese nuclear-powered ballistic missile submarine (SSBN) has surfaced in the Taiwan Strait, prompting the Taiwanese defense ministry to issue a reassurance that it has a “grasp” of the situation. The appearance of the submarine follows recent activity by People’s Liberation Army aircraft and vessels around Taiwan, which Beijing views as a breakaway province that must eventually be reunited with the mainland. However, while uncommon, all signs point to the submarine’s presence in the strait as being part of a transit back to port.  

VIA X

Another view of the Type 094 Jin class nuclear-powered ballistic missile submarine (SSBN) in the Taiwan Strait early this morning. via X


中国の核弾道ミサイル潜水艦が台湾海峡に浮上


台湾軍は、本日未明頃に台湾海峡で潜水艦が突如浮上し、護衛を伴い動き始めたのを監視中と述べた


国の原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)が本日、台湾海峡に浮上した。潜水艦の出現は、人民解放軍の航空機や艦船による台湾周辺での最近の活動に続くもので、北京は台湾を、いずれ大陸と統一される反乱省とみなしている。しかし、珍しいことではあるが、潜水艦が海峡に現れたのは、港に戻る移動の一部であることを示す兆候はすべてある。

 台湾メディアは、火曜日の夜明け頃に台湾のイカ釣り漁船が撮影したとされるSSBNの写真を掲載した。その時、潜水艦は台湾の西海岸から約125マイル沖合にいたとされる。

 台湾メディアの報道によると、潜水艦が突然浮上したため、漁師たちは驚いたという。

 現時点では、中国の潜水艦に何らかの技術的な問題があったことを示す証拠はない。故障と捉えた向きは、SSBNが水上移動していた事実に由来しているようだが、それについては後ほど説明する。

 この潜水艦は094型SSBNで、人民解放軍海軍(PLAN)は現在6隻を運用している。潜水時排水量は約11,000トンで、1隻あたり最大12発のJL-2潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載し、戦略的な第2次攻撃能力を提供する中国の核戦力の重要な一部となっている。米国防総省は以前、JL-2で武装したPLANの既存のSSBN艦隊を「中国で初めての実行可能な海上核抑止力」と評価していた。

 新型096型SSBNは、新しいJL-3 SLBMとともに現在開発中だ。小さいながらも成長している中国のSSBN部隊は、中国が台湾に対して展開する軍事作戦で重要な役割を果たすことはないだろう。

 日常的な活動として、台湾国防省は火曜日の朝、直近24時間の間に島周辺で20機の中国軍用機と7隻の船舶を探知したと発表した。特に潜水艦について質問されたウェリントン・クー国防部長は、軍は情報状況を「把握している」と答えたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。明らかに、台湾軍は状況を監視しており、水上と水中、そして哨戒機を使用しているようだ。

 特筆すべきは、中華民国空軍(ROCAF)が12機のP-3Cオライオン哨戒機を保有し、台湾南部の屏東北基地から運航していることだ。

 少なくとも、海峡における中国のSSBNの存在は、この艦艇の能力とPLANの運用方法に関する情報を収集する重要な機会となる。

 極めて戦略的な台湾海峡では、さまざまな人民解放軍の航空機や艦船が定期的に活動しているが、SSBNが出現することは珍しい。

 しかし、PLANの弾道ミサイル潜水艦は以前もこの海域で目撃されたことがある。おそらく、大規模な作業のため、はるか北にあるHuludaoのメンテナンス用乾ドックに向かう途中だったのだろう。例えば、2021年に少なくとも1回、同様のSSBNの動きが記録されている。

 台湾の南端とフィリピンの間のルソン海峡は、海南島を拠点とする中国の潜水艦、特にSSBNがより広い太平洋に到達する主要な通路であることも注目に値する。このように、南シナ海の北端と台湾海峡の南端の間の海域は、人民解放軍海軍にとって戦略的に非常に重要であり、また厳しく監視されている。

 晋級SSBNが水上移動していた理由については、海峡が全体的に比較的浅く、平均水深が300フィート(約1.5メートル)にも満たないためだろう。。

 写真が撮影されたと思われる澎湖諸島の近くでは、水深は50メートルほどとPLANに詳しいジャーナリストのアレックス・ラックはTWZに語った。「これは、デンマーク海峡のような他の狭い海峡を航行する潜水艦(デンマークの法律では浮上航行が義務付けられている)と似ている」。

 そう考えると、PLAN海峡で日常的に活動するのは通常動力型潜水艦だけになりそうだ。

 一方、もしPLANが094型潜水艦を潜航させたままにしておきたければ、台湾周辺を航行させることもできただろう。

 「結論として、これは標準的な作戦手順だと思います」とラックは付け加えた。「いかなる合図というよりはむしろ偶然だろう」。同艦はまた、中央線の西側にとどまったと伝えられている。

 台湾海峡のいわゆる中央線は、台湾と中華人民共和国の間の事実上の境界線として機能している。中国による中央線の侵犯は珍しくなく、特に航空機による侵犯が多い。

 明示的であろうとなかろうと、SSBNが非常に敏感な地域を公然と通過することはメッセージであり、本誌は米海軍のオハイオ級艦艇の動向に関する発表で定期的に強調している。台湾当局者も、094型の存在を、いわゆる「グレーゾーン戦術」(通常の平時作戦の限界を武力衝突の入り口に押し上げること、しばしば非伝統的で非軍事的な手段を用いること)との関連で指摘している。

 ここ数カ月では、中国が台湾上空やその周辺に高高度気球を打ち上げることも目立っている。このため台湾当局は、中国が心理戦を仕掛けていると非難するとともに、この地域の国際的な航空安全を脅かしていると非難している。


2023年12月と2024年1月に台湾に向けて打ち上げられた中国の気球の飛行経路を示す図。グラフィック: @detresfa_


本日、台湾のクー国防相は次のように述べた:「我々は中国の継続的な軍事的嫌がらせとグレーゾーンの脅威に対して十分に警戒しなければならず、現状を一方的に変更しようとする中国の絶え間ないサラミスライスの試みを常に理解しなければならない。

 「私たちは常に警戒を怠らず、しかし慌てず、無関心にならず、冷静に海峡の状況に対処しなければならない」。「我々は挑発する側にはならず、中国がトラブルメーカーにならないよう呼びかける」。

 全体として、SSBNはメンテナンスのため帰港した可能性が高いが、海峡におけるPLAのあからさまな活動は、特にこのような核兵器を搭載可能な資産が関与している場合、注目を集める可能性が高いことに変わりはない。

 結局のところ、狭い海峡は長い間緊張の源であり、北京が台湾に対する作戦の予行演習を含め、島に対する主張を強化する軍事活動を行うことができる地域である。

 PLANの潜水艦部隊は急成長中であり、台湾も現在、水中戦において大きな進歩を遂げている。従って、台湾と大陸の将来的な対立で、潜水艦が関与することは確実である。海峡の水深が浅いため、基本的に通常動力型潜水艦による戦闘行動に限定されるとしても、中国のSSBN戦力が増強されつつあることから、この海域に原子力弾道ミサイル潜水艦が出現することは、今後は一般的になる可能性が高い。■


Chinese Nuclear Ballistic Missile Submarine Surfaces In Taiwan Strait


THOMAS NEWDICK

POSTED ON JUN 18, 2024 3:11 PM EDT


2022年8月30日火曜日

日本周辺の海軍関係の動き 米巡洋艦二隻が台湾海峡を航行、USSトリポリがライトニング空母として南シナ海へ展開

 


 

タイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦USS チャンセラービル(CG-62)は、8月28日東シナ海を通過航行した US Navy Photo

ンシー・ペロシ下院議長(民主党)の台湾訪問後初めて、米軍艦2隻が台湾海峡を航行し、北京との間に緊張が高まっている。

第7艦隊の土曜日のプレスリリースによると、USS アンティータム(CG-54) と USS チャンセラービル (CG-62) が台湾海峡を航行した。タイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦は、横須賀を母港としている。アンティータムはロナルド・レーガン空母打撃群の一部だ。

「両艦の台湾海峡通過は、自由で開かれたインド太平洋への米国のコミットメントを示すものである」と、米第7艦隊の声明は述べている。「米軍は国際法が許す限り、どこでも飛行し、航行し、作戦を行う。

これに対し中国外務省の月曜の声明によれば、人民解放軍は通過中の巡洋艦2隻を追跡していた。

趙立堅報道官は、「東部戦域司令部は、全過程で米軍艦の航行の追跡と監視を行い、米艦の動きすべてを把握していた」と述べた。「米艦は、航行の自由を行使するという名目で、頻繁に力を誇示している。これは地域の自由と開放を維持するためのものではない。これは『侵入の自由』を狙った挑発であり、地域の平和と安定を意図的に妨害するものだ」。

一方、揚陸強襲揚陸艦USSトリポリ(LHA-7)も、「ライトニング空母」構想のテストで搭載するF-35BライトニングII共用打撃戦闘機とともに南シナ海にいる」と月曜日のUSNI News Fleet and Marine Trackerは伝えた。同艦は、カリフォルニア州サンディエゴを5月に出発していた。

巡洋艦の通過航行は、中国の国営メディアで批判され、投稿で巡洋艦を「旧式」と呼んだ。2隻が80年代後半に就役したのに対して、トリポリは2020年に就役し、初の展開中だ。

第7艦隊プレスリリースによると、台湾海峡通過は日常的なものたという。米国は台湾海峡を中国領海と見なしていない。■

China Criticizes U.S. Navy Taiwan Strait Transits, F-35B ‘Lightning Carrier’ USS Tripoli Now in South China Sea

By: Heather Mongilio

August 29, 2022 3:50 PM

https://news.usni.org/2022/08/29/china-criticizes-u-s-navy-taiwan-strait-transits-f-35b-lightning-carrier-uss-tripoli-now-in-south-china-sea

2021年10月8日金曜日

台湾併合に向け開戦をいとわないとする好戦的な社説を環球時報が堂々と掲載。CCPの思考方法が垣間見える好材料だが、世界から孤立してもいとわないと本当に考えているのだろうか。

 ここまで好戦的な社説はめったにありません。CCPの見解といってよいでしょう。今回は環球時報英語版の記事をもとにお伝えします。

   

 

この記事は中国共産党につながる環球時報英語版の論説記事をそのままお伝えしています。当ブログの意見ではありません。

国務省から10月3日に出た声明文ではPLAが展開中の大規模演習は台湾島が独自に設定した南西部防空識別圏に入っているとし、PLAが「挑発的軍事行動」で「域内の平和安定を乱している」と述べ、さらに「米国の台湾向け公約は岩のように堅固」とある。直ちに台湾外務部はバイデン政権へ謝意を表明した。

 

国慶節の休日にもかかわらず、PLAの戦闘機他軍用機が記録的な規模で台湾海峡上空に展開している

 

PLA空軍が活動を強化しているのは分離主義者の台湾民進党(DPP)当局への強い警告だけでなく、台湾海峡を挟む情勢の厳しさを示しながら、同時にDPPと通じる考えの支援勢力にも明確に警告を与えるためである。

 

数年前まで同地区に流れていた平和的な空気は今や消え、DPP当局は公然とPLA戦闘機を「敵機」と呼ぶに至っている。さらに事あるごとに、自らをいわゆる民主世界の最前線で「独裁支配」に抵抗する勢力と称している。戦略的なつながりを米国日本と強めようとするDPPはいっそう予測不能となっており、台湾海峡を挟む情勢は一触即発と言ってよいほどでいつ開戦となってもおかしくない

 

同島を守備する分離主義勢力はいかなる名目でも台湾を中国から独立させることは許されず、ましてや同島が米国の中国封じ込めの前線基地になることは許されない。

 

この記事は中国共産党につながる環球時報英語版の論説記事をそのままお伝えしています。当ブログの意見ではありません。

 

蔡英文が政権の座についてからは台湾海峡を挟む平和的な状況が一変した。米政府はDPP当局と台湾島を米主導のインド太平洋戦略に組み入れ、中国を敵視する政策に走っている。中国本土は同島を米国に統合させる動きは看過できない。

 

中国本土による総合的軍事闘争を準備するカーテンが上がったのは明らかだ。PLAの軍事演習は台湾島の領有権の主張にとどまらず、部隊集結、動員、強襲上陸や補給活動を事前に展開し、平和的再統一を実現するねらいもある。中国本土の世論では戦闘も覚悟しつつ可能な準備を進めるべきとの意見が主となってきた。

 

そこで、DPP当局ならびに支援勢力に警告する。火遊びはやめよ。中国本土が台湾分離勢力に対し武力行使の準備を進める状況はかつてないほど強化されている。

 

台湾問題を解決し、国家再統一を実現する重責は全中国人民の肩にここまで重くのかかったことはなかった。米国等が台湾問題を外交カードに使い中国へ対抗しようとしている。台湾問題の根本的解決策とは日を追うごとに分別ある行動をとることである。

 

米国とDPP当局がこの機会をとらえ、流れを変えないと、中国本土の軍事懲罰が「台湾独立」を唱える分離勢力に向けられ、引き金を引くことになる。時がたてば、こうした警告が言葉だけのものではないことが証明されるはずだ。■


この記事は中国共産党につながる環球時報英語版の論説記事をそのままお伝えしています。当ブログの意見ではありません。


Time to warn Taiwan secessionists and their fomenters: war is real: Global Times editorial

By Global Times

Published: Oct 04, 2021 08:58 PM


2021年7月28日水曜日

台湾への軍事支援を公言できるようになった日本....攻撃能力の整備が次の課題だ....この変化を招いたのは中国の強硬な「戦狼」姿勢という皮肉

  

Japan-China WarImage: Creative Commons.

 

国が強硬姿勢を示し、軍事力増強を続ける中で、日本は自国の安全保障に台湾を連関させる動きを強めている。

 

台湾への中国の軍事脅威は増しており、日本政府関係者からは台湾防衛への肩入れを示す発言も増えている。中国が台湾侵攻に踏み切れば、どんな条件で日本は台湾防衛ができるのかに関心が集まっている。またそのシナリオで日本が果たす役割も関心の的だ。

 

日本は台湾救援に向かうのか

 

政府高官数名の発言から日本が安全保障問題にとって台湾が大きな要素だとみていることがわかる。また中国が台湾侵攻に踏み切れば台湾を救う方向に舵を切ってきたこともうかがえる。今月初旬に共同通信が麻生太郎副総理の発言を報じた。麻生は自由民主党の資金パーティーので台湾の存続が日本の存続にもかかわると発言したとある。

 

台湾が侵攻を受ければ、日本は「次は沖縄だと覚悟する必要がある」と麻生は発言した。

 

麻生副総理の発言の前に中山泰秀防衛副大臣は台湾が中国から脅威を受けている事実に世界は「目覚め」る必要があり、「民主国家として」の台湾を守る必要を訴えた。岸信夫防衛相は台湾の安全を日本と直結させた認識で、台湾領空に記録破りの28機のも中国軍用機が侵入したことを受け、台湾の平和安定は「日本のそれと直接つながっている」と発言していた。

 

台湾が侵攻を受け米国からの求めがあった場合、あるいは中国による侵攻で日本領土の遠隔島しょ部が脅かされる事態になれば日本は台湾救援に出動することは可能との見解を公人発言が示している。中国が日本国内に駐留する米軍や施設へ攻撃すれば、あるいは日本国民に向け攻撃すれば日本も紛争に巻き込まれる事態になるのは容易に想像できる。中国は既成事実の積み上げを狙い、日本や自衛隊への攻撃に踏み切る可能性もある。

 

日本の軍事戦略そのものが変わるのか

 

日本が台湾を軍事面で支援する姿勢を示したのは大きな変化を呼んでおり、一部専門家には日本が任務を十分こなせる軍事力整備に走るとの見方がある。注目されるのが日本が長距離攻撃能力の実現に向かい開発を始めたことで、対艦攻撃能力の向上も人民解放軍海軍(PLAN)の脅威への対抗手段で、ここから長距離巡航ミサイルや弾道ミサイルが姿をあらわし中国国内の軍事基地や軍港への攻撃能力が実現するとみる向きがある。中国の兵力投射能力を狙う装備となる。■

 

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Would Japan Come to Taiwan’s Aid if China Invaded?

ByEli Fuhrman

In this article:China, China Invades Taiwan, Japan, Military, Taiwan


2021年3月25日木曜日

弾道ミサイル整備で中国侵攻への抑止効果を狙う台湾の動向は日本にも大いに参考となる。ミサイル整備が専守防衛に反するというのは大きな間違いではないか。

 

 

 

湾が中国との大規模交戦で勝利する事態は考えにくい。台湾は防衛に注力している。台湾の抑止力で鍵となるのがミサイルだ。

 

台湾の安全保障では中国がトップ懸念事項であり、台湾は中国との緊張の中で綱渡りしつつ、頼りになる兵装の性能で自国の安全を確保している。

 

これまで台湾のミサイル装備は防衛を主眼としてきたが、ミサイル技術の進歩で中国本土奥深くも射程に収めるミサイルが登場しており、精度も従来より格段に向上している。

 

優風Hsiung Feng III

優風のミサイルファミリーで最新の装備が優風IIIで中国艦船の性能向上に対抗し1994年に台湾が開発開始したミサイルだ。

 

優風IIIは超音速ミサイルで固体燃料ブースターと、液体燃料のラムジェットで超音速飛翔を実現した。対艦ミサイルとして生まれ、射程距離は推定150キロ。台湾は核保有国ではないので、通常型の高性能火薬あるいは装甲貫徹型弾頭を搭載する。

 

優風IIIの爆発装置は他と違い、「ミサイルが艦艇に突入するとスマート信管で爆発の威力を最大限伝え、被害を最大化する」のだという。

 

優風IIE 

 

優風ファミリーでIIE型は全く違う形のミサイルだ。専門家によれば優風IIEの射程は600キロで、「優風巡航ミサイルで唯一対地攻撃に特化している」という。

 

優風IIEも固体燃料ブースターと液体燃料ターボジェットを併用する。命中精度は15メートルCEPといわれ、50パーセントの確率で標的から15メートル以内に命中する。同様に準鋼鉄貫通型高性能火薬あるいは破砕型弾頭を搭載する。

 

初の対地攻撃能力が実現したため、台湾が目指していたF-15C/D型66機購入交渉が難航したともいわれる。

 

雲峰Yun Feng

雲峰ミサイルは現在開発中で、その他の台湾ミサイル装備と一線を画すのは、構想段階から対地攻撃を想定し、中国本土内部も射程に入れる。当然ながら公表されている内容はごくわずかだ。

 

優風、IIEと同様に雲峰も準鋼鉄貫通用の高性能火薬あるいは破砕型弾頭を装着し、1,200キロから2,000キロの射程があるといわれる。

 

台湾の保有するミサイル装備は大半が短距離対応かつ防衛的な機能を想定している。台湾は中国本土から180キロしか離れておらず、台湾のミサイルは大きく対艦ミサイルと短距離弾道ミサイルの二種類に分類される。台湾が保有するミサイルで中国沿岸部まで到達できるのは萬剣Wan Chienと優風IIEの二種類しかなく、それぞれ240キロ、600キロの射程がある。

 

元々こうした短距離ミサイルは台湾海峡をやってくる中国部隊の撃退を唯一の目標に開発された経緯がある。また米製ミサイルも保有し、TOWおよびジャベリン対戦車ミサイル、ヘルファイヤ地対空ミサイルの実力に期待する。

 

その中で中国を刺激しないよう密かに開発されたのが雲峰だ。

 

同ミサイルで判明している内容は皆無に近い。開発は2012年ごろはじまり、台湾国民は27百万ドルを負担したといわれる。

 

同ミサイルは対地ミサイルで500ポンドの通常弾頭付きで、超音速飛翔が可能だという点のみ判明している。

 

抑止力としてのミサイル

 

台湾は中国との決戦は避け、防衛力の整備を念頭に進めている。台湾の目的は中国に勝利を収めることではなく、戦勝条件のハードルを上げることで武力衝突が現実にならないようにすることにある。台湾のミサイル装備の整備はこの目標達成に成功しているといえよう。

 

雲峰は中国北部、中央部への攻撃を念頭に開発されたといわれ、北京も射程に収めている可能性がある。同ミサイルのテストは進行中だが、開発の核心部分は完了しているようだ。台湾が同ミサイルをどこに配備するか、何発が製造され、どこを標的にするのかが注目される。台湾のミサイル整備で中国による侵攻を阻止する、あるいは鈍化させる効果に期待が集まる。■

 

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Taiwan’s Missile Forces are Raising the Costs of Chinese Aggression


Taiwan Reportedly Plans to Upgrade Supersonic Hsiung Feng III Missiles



March 25, 2021  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: ChinaTaiwanBallistic MissilesMilitaryAsymmetric Warfare

by Caleb Larson

 

Caleb Larson is a Defense Writer with The National Interest. He holds a Master of Public Policy and covers U.S. and Russian security, European defense issues, and German politics and culture. This article first appeared last year.

 


2021年3月9日火曜日

またもや中国発の首をかしげたくなるニュース。香港マカオ出身者にPLA入隊を認めるべきとの発言が全人代台湾代表からあった模様。

  

   まともには受け止められないような意見ですが、こうした戯言を真剣に展開するのが共産党支配下の中国の言論空間なのでしょう。あやしい団体も出てきますが、中国共産党の言う同胞、愛国者とは共産党に賛同するもののみということに注意が必要です。中国のあまりにもひどい発言やニュースはいずれターミナル5にしてまとめていきたいと思いますが、読者がつくでしょうかね。それにしても台湾でビジネスを営みながら、北京の全人代に参加する台湾代表がいて、自由に往来しているんですね。

 

 

A fighter jet attached to a naval aviation brigade under the PLA Southern Theater Command takes off for a 2-day continuous flight training exercise from February 24 to 25. Multi types of fighter jets participated in the flight training mission which included various offense and defense operations.   Photo:China Military Online

A fighter jet attached to a naval aviation brigade under the PLA Southern Theater Command takes off for a 2-day continuous flight training exercise from February 24 to 25. Multi types of fighter jets participated in the flight training mission which included various offense and defense operations. Photo:China Military Online

 

港、マカオ、台湾出身の若年層にも人民解放軍(PLA)入隊を認め、国防強化の一助にすべきとの声が全人代で台湾代表から出た。

 

台湾の全人代委員Cai Peihuiは実業家で、香港出身者で中国本土に居住するものの間に軍学校に入りPLA入隊することで市民としての責務を果たし、国防に貢献したいとの声があると紹介した。これは環球時報に送られてきた全中国台湾同胞連合All-China Federation of Taiwan Compatriotsの声明文の紹介である。

 

国民としての自覚を引き上げ、軍事教練を経て社会建設に貢献したいとする希望を尊重するべきとCaiは発言した。

 

香港、マカオ出身の若年層にPLA入隊を許す提案は2018年にも出ていた。 

 

香港の発展と向上を目指す民主連合Democratic Alliance for the Betterment and Progress of Hong Kong は2018年の全人代で香港出身で中国本土の大学で学ぶ学生にPLA入隊の道を開き、学費免除など優遇策を与える提案を出していた。

 

国防省報道官Wu Qianは2018年8月の報道会見で1997年の香港の本土復帰以後、香港住民はPLAへの理解を高めている、とし、香港同胞にPLA入隊を希望する声があると述べた。

 

「香港住民の愛国感情を歓迎し関連機関がこの件を検討中だ」とWuは発言した。■

 

 

Youth from HK, Macao and Taiwan should be allowed to join PLA: deputy

By Zhang Hui and Shan Jie

Published: Mar 08, 2021 08:33 PM


2021年1月31日日曜日

T・ロウズヴェルト空母打撃群を模擬攻撃していたPLA爆撃機。台湾、南シナ海をめぐり、米中間で動きが活発になっている。

 



  •  


  • 米空母打撃群が先週土曜日から南シナ海入りしている。 
  • 同日に戦闘機、爆撃機含む中国軍用機多数が台湾付近を飛行した。
  • 中国機は移動中の米空母に対し模擬攻撃行動をとったとするフィナンシャル・タイムズ記事を米軍が認めた。

国爆撃機部隊が南シナ海の米空母を模擬攻撃したとのフィナンシャル・タイムズの記事内容を米軍が1月29日に認めた。


セオドア・ロウズヴェルト空母打撃群が1月23日に南シナ海へ移動したが、中国軍はH-6Kを8機、J-16戦闘機4機、Y-8対潜哨戒機1機を台湾海峡から南下させた。


米空母打撃群はバシー海峡経由で南シナ海に移動中で、中国軍機は台湾の防空識別圏を横切り飛行した。


翌日になり身元不詳の中国国内の軍事専門家が国営環球時報に中国軍機は「米空母へのPLA戦闘能力を増強する」目的の演習で、爆撃機編隊が米艦隊への飽和攻撃を模擬実施したと明らかにした。


A Chinese Air Force H-6K bomber

A Chinese Air Force H-6K bomber Xinhua/Guo Wei via Getty Images


これに対し、1月29日、フィナンシャル・タイムズが米情報機関に近い筋の話として中国機がセオドア・ロウズヴェルト空母打撃群を模擬攻撃したと伝えた。中国爆撃機パイロットが攻撃命令を受領し、対艦ミサイル発射をシミュレートする様子を傍受したという。


インド太平洋軍報道官マイク・カフカ大佐はメールで「セオドア・ロウズヴェルト空母打撃群は人民解放軍海軍(PLAN) ・空軍(PLAAF) の行動を逐一傍受しており、中国機から米海軍艦船、乗組員に危害は生じていない」と当誌に回答してきた。


別の国防筋によれば中国機は米海軍部隊から250マイル以上距離を保ち、H-6K搭載のYJ-12対艦巡航ミサイルの射程外だ。ただ、模擬攻撃は実際に実行されたと同筋は述べている。


INDOPACOM発表でカフカ大佐は「今回の事態は攻撃的かつ平和安定を損ないかねない一連のPLAによる行動の一環」と述べた。


同報道官は「PLAが軍事力を使い、国際海路や空域で自由を脅かし自国の意図をゴリ押しする傾向が背景にあり、隣接国や領土をめぐり同国と対立する国が困っている」とし、「米国は国際法の許す範囲で飛行、航行、作戦活動を続け、各地でのプレゼンスを通じ決意を示していく」とした。


米海軍は1月24日発表でセオドア・ロウズヴェルト空母打撃群は第7艦隊担当区域で海上安全保障作戦に通常の形で展開中とした。


中国は米軍が南シナ海に姿を定期的に現すことに反対しているが、自国は同海域で長年にわたり作戦を展開している。


「米国が頻繁に軍艦航空機を送り武力を誇示すると南シナ海域内の平和安定に悪影響が生まれる」と中国外務省報道官趙立堅Zhao Lijianが1月25日の報道会見で述べた。


今回の南シナ海での事態は新生バイデン政権が中国、中国の軍事力拡大にどう対処するかが問われる中で発生した。


新政権は中国と台湾問題をめぐり早速ジャブの応酬をした。米国務省が台湾へ軍事経済外交の各面で圧力をかける中国の動きを先に批判した。すると同日の報道会見で趙報道官は「部隊を派遣し『台湾独立』の動きに誤った信号を送り中米関係ならびに台湾海峡の平和安定を傷つけるのは自制すべきだ」と米国に求めてきた。


一方、中国国防省報道官呉謙Wu Qianは1月28日、台湾付近の中国軍の活動は必要とし、台湾が中国からの独立を求めれば戦争になるとまで発言した。


バイデン政権初の国防総省報道会見でジョン・カービー報道官はあらためて米国が台湾防衛を支援する姿勢を確認したが、緊張から「対立にエスカレートさせてはいけない」と述べた。■


この記事は以下を再構成したものです。



Chinese bombers simulated an attack on a US Navy aircraft carrier in the South China Sea

Ryan Pickrell