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歴史に残る機体(34) AC-130ガンシップは米軍作戦あるところ、上空を飛んでいたが、中露都の対決では出番がなくなるのか。

  AC-130 Gunship. Image Credit: Creative Commons.   ロ ッキードAC-130は、ユニークな機体だ。ビデオゲーム「Call of Duty」シリーズで有名になったAC-130は、長時間滞空し、地上攻撃を行うため設計されたガンシップだ。AC-130は、各種ミッション・プロファイル標的対応に適した、幅広い地上攻撃兵器が搭載されている。   真の戦士 AC-130は、輸送機C-130ハーキュリーズを原型に、舷側から帆走戦列艦のように巨大な砲を突き出した外観が特徴的な機体だ。1966年のデビュー以来、各型、さまざまな兵器を持つAC-130が使用されてきた。J型は、30mm ATK GAU-23/A自動砲、105mm M102榴弾砲、AGM-176グリフィンミサイルおよびGBU-44/Bバイパーストライク弾の武器システムを装備する。AC-130は、主翼にAGM-114ヘルファイアミサイル、GBU-39小口径爆弾(SDB)、GBU-53/Bの搭載も可能だ。旧型機では40mm L60 ボフォース砲も搭載していた。  近接航空支援、航空阻止、輸送船団護衛、市街地作戦、部隊防護などに対応し、パイロンを反時計回りに回転しながら目標を旋回するため、地上の定点に正確な射撃が可能で、従来の空爆より大幅に改善された効果を発揮する。  他の軍用機とは異なり、AC-130は非加圧キャビンで、低高度で運用され、通常は高度7,000フィートから武器システムを発射する。AC-130は低高度で運用されるため、通常、夜間に暗闇にまぎれて近接航空支援任務を遂行する。  ターゲットを特定し、精密射撃やエリア飽和射撃を成功させるため、AC-130は電気光学画像センサー、赤外線センサー、レーダーなどの高度なセンサー群を使用する。多様なセンサー群によって、AC-130の乗員7人名は、悪天候下でも敵味方の区別がつく。   戦闘投入 AC-130は、ベトナム戦争でデビューし、3機のF-4ファントムIIを護衛につけた。ベトナム戦争では、6機のAC-130が敵の攻撃で喪失した。1969年5月、最初の喪失となった。高度6,500フィートで「トラック・ハンティング」中、37mm対空砲火を浴びた。この事件は、その後5機のAC-130の損失と似ている。ほとんどがトラック・ハンティング

無害な輸送機が恐るべきガンシップに進化した。AC-130のこれまでの推移、実戦経験と中国ロシア相手の将来の戦闘場面での役割について。

  夜 間の近接航空支援で米軍特殊部隊の最高の友、敵にとっては最悪の相手はAC-130ガンシップ以外にない。 60年近くにわたりAC-130の多様な型式が特殊作戦、通常部隊をほぼあらゆる戦場で支援してきた。 空軍が中国、ロシアとの将来の対決を想定して現実を重視する中、AC-130への関心がまた高まっている。 インドシナのジャングルからすべてはじまった AC-130のルーツはヴィエトナム、カンボジア、ラオスのジャングルにさかのぼる。そこに最初のAC-130EスペクターがAC-47「マジックドラゴン・パフ」とともに初の実戦を体験し、地上部隊を支援した。 AC-47のヴィエトナム上空での活躍からニックネームが生まれた (YouTube). その後、夜間性能が向上し、地上部隊が北ヴィエトナム軍やヴィエトコン部隊により壊滅されそうな場合を救う場面が増えた。ヴィエトナム戦争中にガンシップにより敵車両10千台を撃破している。 ヴィエトナム戦が終わったが、AC-130の供用は続き、他では得難い夜間近接航空支援の威力を発揮した。これまで6型式が生まれた。AC-130A、AC-130E、AC-130H、AC-130U、AC-130Jである。 特殊作戦で大活躍   AC-130には三通りの主ミッションが設定されている。航空制圧、武装偵察、近接航空支援で、さらに二次的ミッションとして戦闘捜索救難、前線航空管制、情報収集監視偵察任務がある。 端的に言ってAC-130は空飛ぶ砲兵陣地となり、「パイロンターン」操縦で目標上空を大きな輪を描いて飛ぶ。これにより大量の砲火を標的に浴びせる。この方法だと機体に危険が及び、夜間運用にも制約が生まれるのは容易に地上から攻撃の的になってしまうからだ。 搭載する火力とセンサーが強力なためAC-130は火力の雨を降らせ、同時に貴重な情報を地上部隊に伝えるといった活躍ぶりを発揮する。AC-130Jゴーストライダーが最新型ガンシップで30mm、105mm砲を搭載し、スマート弾としてGBU-39小口径爆弾、GBU-69小型滑空弾、AGM-114ヘルファイヤミサイル、AGM-176グリフィンミサイルを発射する。 これだけ多様な兵装類を機内に収めると、一つ選ぶのが大変だ。通常は作戦の必要に応じ選択している。 「AC-130U時代の経験だが、25mmGAU、40mmボフォー

60年も供用され続けるAC-130ガンシップ。戦闘中喪失は一機のみ。最新型AC-130Jゴーストライダーが日本へも飛来。

    AC-130Uがフレアを放出している。フロリダ州ハールバートフィールド上空。August 20, 2008. US Air Force   1960年代からAC-130ガンシップは近接航空支援を世界各地で展開してきた AC-130の使い勝手の良さと戦力は定評があり、現在は第六代目の型式が供用されている 「搭載兵器の数だけで戦場に大きな効果が生まれる」と空軍で戦闘統制官を務めた人物が語っている 特 殊作戦隊員にお気に入りの近接航空支援機材を尋ねれば、A-10サンダーボルトとAC-130ガンシップの名前をあげるはずだ。だ。 ともに特殊部隊のみならず通常部隊隊員から人気が高いのは強力な火力によるところが大きいが、AC-130ガンシップにはA-10より有利な点がある。標的に向け砲撃を連続実施できることだ。 空飛ぶ砲兵隊というべきAC-130は「パイロンターン」戦術で標的上空で大きく弧を描くことで安定した砲撃が可能だが、A-10では旋回して再度標的に向かうしかない。 AC-130はかれこれ60年にわたり地上部隊を支援し、アジア、南米、アフリカ、ヨーロッパ、中東に展開してきた。最新型がAC-130Jでやはり多用されている。今年3月には初めて日本に展開し、5月にはルーマニアでの演習にこれも初めて参加した。 AC-130の戦闘投入はベトナム戦争時だった。 それまで投入されていたのはAC-47スプーキーで夜間戦力装備としては初歩的だったが数で優位な北ベトナム軍やベトコンにから地上部隊・特殊部隊を救った。 AC-130では40mm、105mm砲を使い、AC-47とあわせ敵車両1万台以上を撃破したとされる。有益さを買った空軍は機種を拡大し、AC-130はA型から、E、H、U、W、Jの各型に発展した。供用中なのはこのうちW型J型のみである。   AC-130が旋回飛行しながら回転砲を発射し、発射煙が払暁の空にくっきりと見える。March 1, 1988. US Air Force/Tech. Sgt. Lee Schading AC-130の主任務は近接航空支援、航空制圧、武装偵察だが戦闘捜索救難にも対応する。前線航空統制任務もこなせる。AC-130が重宝されるのは火力、滞空時間、各種任務遂行能力が理由だ。 最新型AC-130Jゴーストライダーは30mm、105mm砲を搭載し、「ス

AC-130が、30年間撃墜されていない背景に湾岸戦争のスピリット03の尊い犠牲の教訓があった。

あなたの知らない戦史(7)1991年湾岸戦争で散ったAC-130H    フ ロリダのまぶしい陽光の中、ハールバートフィールド基地の記念碑にひと束のブーケが捧げられた。2021年1月29日、第一特殊作戦航空団が砂漠の嵐作戦中に発生した空軍最大の人員喪失事件の日が今年もやってきた。   30年前の1991年1月31日、カフジの戦いでAC-130Hスペクター・ガンシップ、 コールサイン・ スピリット03がイラクの地対空ミサイルで撃墜された。   搭乗員14名全員が戦死し、空軍将官のひとりは各自の犠牲がAC-130の新時代を開いたと述べている。新技術や戦術の導入でその後の戦闘で同機喪失は皆無となった。   「スピリット03搭乗員の尊い犠牲で、AC-130改良が始まり新世紀が到来した」とマーク・ヒックス退役少将が2014年夏号のAir Commando Journalに記した。ヒックスは経験豊かな元ガンシップ・パイロットだ。 スピリット03撃墜後に出た風説をヒックスは否定している。   スピリット03慰霊祭が2021年1月29日にフロリダ州ハールバートフィールド基地で執り行われた。スピリット03はAC-130Hガンシップのコールサインでカフジの戦いで撃墜され14名の乗員全員が戦死し、砂漠の嵐作戦中最大の空軍喪失事案となった。 (Air Force photo / Senior Airman Miranda Mahoney)     まず何が起こったかを見てみよう。1991年1月29日、イラク軍がクウェイトから南方のサウジアラビア国境の町カフジを攻撃してきた。襲撃部隊は戦車40両と500名の規模とスピリット03撃墜の記録を2012年の Air Commando Journal に記したAC-130歴42年の砂漠の嵐帰還兵ビル・ウォルター上級曹長が述べている。   連合軍部隊は数で圧倒され、カフジに後退したが、米海兵隊偵察チーム2個が取り残された。1月30日夜から1月31日朝にかけ、AC-130ガンシップ二機がスピリット01、スピリット02のコールサインでイラク装甲部隊を攻撃したが、強烈な対空砲火をあびた。   三機目のAC-130がスピリット03で数時間後に現場に到着し、上空を周回飛行し待機した。スピリット01および02は帰投することとし、03に対空火砲が手強いと伝えたが、3

70年使ってきたボフォース40mm砲を最後に使うAC-130

The USAF Is Rebuilding World War II-Era 40mm Shells for its AC-130U Gunship 米空軍が第二次大戦時と同じ40mm砲弾をAC-130Uガンシップ用に再生産させる The service is the last user of the Bofors cannon in the US military and has had to go hunting for more ammunition.  空軍がボフォース砲最後のユーザーになり砲弾探しに苦労する CLEMENS VASTERS VIA WIKIMEDIA BY JOSEPH TREVITHICK NOVEMBER 29, 2017 http://www.thedrive.com/the-war-zone/16523/the-usaf-is-rebuilding-world-war-ii-era-40mm-shells-for-its-ac-130u-gunships 米 空軍が第二次大戦中の40mm機関砲の砲弾数万発を調達する。AC-130UスプーキーII用だ。同装備は兵站上の悪夢になり空軍は使用停止の予定だったが、旧式とは言えあまりにも効果があり引き続き稼働させている。 2017年11月、米空軍は第780試験装備飛行隊(フロリダ州エグリン空軍基地)が改良版40mm高性能弾PGU-9D/Bのテストを開始したと発表。新型弾は信管を変え安全度を増した。真鍮製薬きょうには製造年が1944年のものもある。 空軍は旧式弾およそ80千発を新仕様に転換する予定だ。780飛行隊が作業工程を開発した。空軍特殊軍団(AFSOC)がAC-130ガンシップ全機を運用しており、U型以外に新しいAC-130WスティンガーIIと開発中AC-130Jゴーストライダーも含む。 この事からAC-130Uと搭載する40mm ボフォース 砲の有益さが分かる。空軍公式記録によれば第四特殊作戦飛行隊配属の四機だけで2013年11月から2014年6月にかけ4,000戦闘時間投入され機体と乗員はのべ1,175日も戦闘地区を飛んだ。 2017年10月に第四飛行隊のAC-130Uの一機コールサイン・スプーキー43の乗員が空軍殊勲賞を2