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2015年4月9日木曜日

イエメン空爆作戦に米軍が支援提供を開始


サウジアラビア主導で空爆作戦を開始したのはいいのですが、やはり戦闘継続には米軍の支援が必要になったようです。シリア、イラク、からイエメンまで空爆作戦の展開が広範囲に中東で見られますが、特にサウジ主導の湾岸諸国がどのように今回の作戦の経験を今後活用するのかが注目されますね。それ以前に何をもってイエメン作戦を終結できるかが課題ですが。イランの動向には要注意ですね。

U.S. launches aerial refueling mission in Yemen

By Andrew Tilghman, Staff writer5:59 p.m. EDT April 8, 2015
サウジ主導の有志連合によるイエメン空爆作戦で米軍は空中給油機を毎日飛ばす支援を開始した。中東地区での米国の関与がさらに拡大していることの現れと受け止められる。
  1. 米空軍のKC-135ストラトタンカー一機が4月7日夜、サウジ空軍所属F-15イーグルとUAE空軍のF-16ファイティングファルコンに空中給油したとペンタゴン報道官スティーブ・ウォーレン陸軍中佐Army Col. Steve Warrenが8日発表した。
  2. 米中央軍CENTCOMは毎日一機の給油機を飛ばし有志連合を支援するが、給油機はイエメンの領空に入らないとウォーレン中佐は説明した。
  3. ペンタゴンは限定的ながら兵站支援、情報支援も承認しており、サウジ主導の航空作戦用の弾薬補給も認める。サウジアラビアほかアラブ諸国はイランが支援する戦闘員を標的に作戦を展開している。
  4. CENTCOMは米軍関係者10数名を「融合センター要員」としてサウジ他湾岸諸国が加盟の湾岸協議会に派遣し、限定的ながら米軍と調整作業を行っている。
  5. 派遣要員は限定的な情報提供は行っているが攻撃目標の個別情報は共有していないとウォーレン中佐は説明。
  6. 兵站支援の範囲もイエメン国外に限定しており、米海軍が3月27日にアデン湾で機外脱出したサウジのパイロットを救出している。
  7. イエメンは米国による対テロ作戦の成功例ともちあげられてきた。米軍は少数の特殊作戦要員と無人機でアルカイダ系戦闘員の侵入を食い止めてきた。
  8. しかし3月になりイエメンは混迷の度を深め、米国も100名規模の特殊部隊を撤収。特殊部隊はイエメン南部で政府軍の訓練にあたっていた。
  9. 同じく3月にサウジ主導の有志連合がシーア派が支援するフーシを標的に空爆作戦を開始した。フーシは政権奪取を試み、イランの支援を受けている。
  10. 国務副長官トニー・ブリンケンは7日に報道陣に対してサウジ主導の有志連合は「フーシだけでなく、その後ろ盾の勢力に対してもイエメンを力で転覆させないと強いメッセージを送っている」と述べた。
  11. 専門家の多くがスンニ派とシーア派のイエメン内戦が中東全体に拡大するのではと懸念している。イランはイエメンに海軍艦船を派遣中との報道がある。
  12. ウォーレン中佐は米国は地域内の「海軍活動を逐一注意深く監視している」と述べた。■

2015年4月6日月曜日

★アラブ首長国連邦に謎の新基地が突如出現



ここまでわかってしまうと各国の防衛当局がグーグルアースに警戒心を抱くのは理解できますね。これだけの基地があっという間に完成するのも、用地取得の工程がおもいっきり省略できるアラブ首長国連邦ならではの展開なのかもしれません。

UAE’s Mysterious Airbase

Apr 2, 2015 by Tony Osborne in Ares
グーグルアースの画像で名称不明の謎の空軍基地がオマーン、サウジアラビアに近いアラブ首長国連邦の砂漠地帯で見つかった。
名称不明の空軍基地の近況  Credit: Google Earth

  1. コンクリート滑走路が一本あるだけだった飛行場が急速に拡張されている。当初の滑走路一本は3,000メートル級並行滑走路二本になった。駐機エプロンが建設済みあるいは建設中である。
拡張前の姿 Credit: Google Earth

  1. UAE軍がこの基地を戦闘機作戦用に準備していることは明瞭で、滑走路両端には拘束ケーブルを装備し、緊急着陸に備え、南西のランプには太陽光から機体を守る遮光シェルター10個が視認され、各シェルターには戦闘機が2機ずつ格納できる。
戦闘機用遮光シェルターが南西にあるランプ上で視認できる Credit: Google Earth

  1. 増設中の駐機場の規模はかなり広く、基地北側で建設中だ。長さ1,000メートル幅400メートルとグーグルアース付属の測定ツールでわかる。ランプは米空軍のアルウデイド空軍基地 Al-Udeid air base (カタール)より若干狭いがグーグルアースで一見するとKC-135やB-1サイズの大型機が40機50機駐機できる広さはある。

  1. この新基地がサウジ主導で実施中の決着の嵐作戦Operation Decisive Stormでイエメンのフーシ勢力Houthi rebels の空爆実施に使われる可能性は十分ある。

  1. 基地が遠隔地にあることが重要だ。UAEで一番近い入植地はアル・キスAl Khisだが50マイルは離れている。UAEはかねてから軍事施設の脆弱度とともに空軍基地の数が少ないことを懸念いsていた。このためアル・サフラン Al-Safranに戦闘機部隊用の空軍基地が新設され、ミラージュ2000飛行隊が少なくとも一隊展開されている。同基地は2008年頃に稼働開始したとみられる。
UAE空軍のミラージュ2000-9はアルダフラ、アルサフラン両基地に展開している Credit: Google Earth

  1. 新基地のグーグルアース画像では航空機は一機も視認できないが、格納庫や遮光シェルター内に巧妙に隠されているのかもしれない。戦時の本土防衛用に機体を隠ぺいするオーストラリア戦術に似たものかもしれない。

  1. この他の基地でも拡張が進行中で、うちグーグルがアブダビ北東基地 Abu Dhabi Northeast と呼称する場所で以前は2,000メートルだった滑走路が一気に4,000メートルに拡張されている。この基地にUAEで特殊作戦部隊が配属されているようだ。セスナキャラバン、AT-802農業機やDHC-6ツインオッターを運用している。

  1. UAE空軍の一部機材はアブダビ国際空港に移動されているが、以前は各基地に輸送機が分散配備されており、C-17がアルミンハドAl-Minhadへ、A330多用途給油輸送機はアルアインAl Ain に展開していた。空輸部隊をアブダビに集結させたのは作戦運用上の効率を考えてのことなのだろう。■