ここまでわかってしまうと各国の防衛当局がグーグルアースに警戒心を抱くのは理解できますね。これだけの基地があっという間に完成するのも、用地取得の工程がおもいっきり省略できるアラブ首長国連邦ならではの展開なのかもしれません。
UAE’s Mysterious Airbase
グーグルアースの画像で名称不明の謎の空軍基地がオマーン、サウジアラビアに近いアラブ首長国連邦の砂漠地帯で見つかった。
名称不明の空軍基地の近況 Credit: Google Earth
- コンクリート滑走路が一本あるだけだった飛行場が急速に拡張されている。当初の滑走路一本は3,000メートル級並行滑走路二本になった。駐機エプロンが建設済みあるいは建設中である。
拡張前の姿 Credit: Google Earth
- UAE軍がこの基地を戦闘機作戦用に準備していることは明瞭で、滑走路両端には拘束ケーブルを装備し、緊急着陸に備え、南西のランプには太陽光から機体を守る遮光シェルター10個が視認され、各シェルターには戦闘機が2機ずつ格納できる。
戦闘機用遮光シェルターが南西にあるランプ上で視認できる Credit: Google Earth
- 増設中の駐機場の規模はかなり広く、基地北側で建設中だ。長さ1,000メートル幅400メートルとグーグルアース付属の測定ツールでわかる。ランプは米空軍のアルウデイド空軍基地 Al-Udeid air base (カタール)より若干狭いがグーグルアースで一見するとKC-135やB-1サイズの大型機が40機50機駐機できる広さはある。
- この新基地がサウジ主導で実施中の決着の嵐作戦Operation Decisive Stormでイエメンのフーシ勢力Houthi rebels の空爆実施に使われる可能性は十分ある。
- 基地が遠隔地にあることが重要だ。UAEで一番近い入植地はアル・キスAl Khisだが50マイルは離れている。UAEはかねてから軍事施設の脆弱度とともに空軍基地の数が少ないことを懸念いsていた。このためアル・サフラン Al-Safranに戦闘機部隊用の空軍基地が新設され、ミラージュ2000飛行隊が少なくとも一隊展開されている。同基地は2008年頃に稼働開始したとみられる。
UAE空軍のミラージュ2000-9はアルダフラ、アルサフラン両基地に展開している Credit: Google Earth
- 新基地のグーグルアース画像では航空機は一機も視認できないが、格納庫や遮光シェルター内に巧妙に隠されているのかもしれない。戦時の本土防衛用に機体を隠ぺいするオーストラリア戦術に似たものかもしれない。
- この他の基地でも拡張が進行中で、うちグーグルがアブダビ北東基地 Abu Dhabi Northeast と呼称する場所で以前は2,000メートルだった滑走路が一気に4,000メートルに拡張されている。この基地にUAEで特殊作戦部隊が配属されているようだ。セスナキャラバン、AT-802農業機やDHC-6ツインオッターを運用している。
- UAE空軍の一部機材はアブダビ国際空港に移動されているが、以前は各基地に輸送機が分散配備されており、C-17がアルミンハドAl-Minhadへ、A330多用途給油輸送機はアルアインAl Ain に展開していた。空輸部隊をアブダビに集結させたのは作戦運用上の効率を考えてのことなのだろう。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。