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☆ 米空軍の考える近接航空支援の新しい姿とは



空軍が必要か、との議論もこのCAS任務に端を発しているのではないでしょうか。またここではA-10引退か否かの問題もからんでいます。一方で空軍とすればデビューしても当面は期待通りに使えないF-35を抱えてしまうのは大変との思いもあるのでしょうね。



USAF Eyes New Era Of Close Air Support

U.S. Air Force’s campaign to reinvent CAS
Mar 30, 2015Amy Butler Aviation Week & Space Technology - Defense Technology Edition
http://aviationweek.com/defense/usaf-eyes-new-era-close-air-support

2001年秋、ペンタゴンは史上最大規模の機体開発になるロッキード・マーティンF-35にゴーサインを出したが、その時点で近接航空支援(CAS)は任務の前面に掲げられていなかった。
契約交付の数週間前に9.11のテオロ攻撃が発生しており、CASミッションはイラク、アフガニスタンで普通のことになっていた。その時点ではF-35AにCASを激戦空域で実施させるのは補足的な扱いで空軍は同機にF-22と組んで深部侵攻をさせようと考えていた。現在は議員の側から空軍のA-10退役案に異議が入っており、F-35対A-10の単純な議論ではなくなっている。空軍はA-10全機退役を実施できなくなり、議論の「活性化」に追い込まれていると参謀総長マーク・ウェルシュ大将は語り、将来のCAS機材として各種戦闘機や爆撃機を投入し、F-35だけには任せないことになっている。
この問題は空軍で喫緊の課題。財政圧力の中で国防予算削減が計画されており、空軍は再度A-10退役案を提示して、単一任務しかできない機材の維持にあてる予算はないと主張。
JTACチームがA-10パイロットに航空支援ミッションで敵味方の区別を教えている。A-10の低高度低速度飛行特性と強力な火力は地上部隊には安心感を与える。Credit: USAF Airman First Class Chris Massey

将来のCASを検討すべく空軍はサミット会合を開催し、A-10の投入がなくてもミッションを実施できるのか、空の完全制圧をどう実現するかに関心を集約させようとしている。

政界の反応
議会は空軍のA-10全機退役方針を覆そうと、まず同型36機のモスボール保存に同意したが、節減効果は想定規模には到底及ばない。空軍長官デボラ・リー・ジェイムズ Deborah Lee James はこのうち18機を予備機材に編入することを認めたが計36機が現役から退ければ一飛行隊以上の規模の縮小だ。A-10計18機の整備要員はF-35A対応の訓練に回されるが、F-15Aが2016年に初期作戦能力獲得の予定なので整備要員がもっと多くしかも迅速に要請する必要は明白だ。
今も抵抗は根強い。A-10維持を強く主張する向きのひとつは米地上軍で、議会内でも選挙区にあるA-10用基地の維持を願う議員がここに加わる。ただし変化の兆しも見られる。陸軍参謀総長レイ・オデイエルモ大将Gen. Ray Odiernoは昨年はA-10支持派だったが、今年になり陸軍長官ジョン・マクヒューJohn McHugh が退役を支持する側に回った。「地上部隊の兵員が必要とするのは敵陣地に爆発物をお見舞いすることで、しかも効果的かつタイムリーに実施できればよい」と記者に語っている。

「提案内容に賛同しない議員がいるのは承知しています」とジェイムズ長官も認める。「そうなると再び『これをしないとどうなる』とこちらから尋ねることになり、それなら強制削減をやめてもらってもっと予算をいただけるのでしょうか」 A-10温存だけで2016年に520百万ドルが必要とウェルシュ大将は議会で語っている。2020年まで温存すれば4,200百万ドルとなる。「A-10を温存したくなる状況もあるが、予算的に無理」
ジェイムズ・ポスト少将 Maj. Gen. James P ost(航空戦闘軍団副司令官)がA-10を支持する将官は裏切りと同じとしている。また議会にA-10の性能内容を伝えるものは反逆分子と発言したと軍関係のブログJohn Q Public が伝えている。
空軍はなんとかして議論がA-10対F-35に向かわないようにしてきた。そのためCASをメインにした報道陣向けイベントも2回開催している。問題はA-10以後の機材をどうするかだとウェルシュ大将は言う。「メッセージそのものを再定義するつもりはない」とし、「将来にCASミッションを再設定があるかもしれないが、現在の検討はまだ二年目に入ったばかり」
機種別戦役別CASの実績
統計が物語るCASの実態
2006年から13年の間にCASミッションの67%はアフガニスタン(不朽の自由作戦)、イラク(イラク自由の作戦)で各戦闘機により実施されおり、A-10は24%をこなしたと米空軍大佐タッド・ショーティスCol. Tadd Sholtis (米空軍中央司令部報道官)は説明する。A-10だけがCAS機材ではなかったというのだ。ただし同機の貢献度には疑いの余地がない。
地上部隊にとって同機はCASの象徴であり、近接戦闘に巻き込まれた兵員の生命を空軍力が救った事例は多い。これはA-10の特徴である強力な30‑mmガトリング砲によることが多く、低速・低高度飛行で地上部隊を支援したことが大きい。これは目で見える助けになった。これに対して通常の戦闘機にも機関砲があるが、飛行速度はずっと大きく、高度も高くなり、地上部隊には存在が見えない。
ここでウェルシュの不満が繰り返される。「CASとはミッションであり、機材そのものではない。」A-10支持派が米空軍がCASミッションを放棄したと主張するのに大将は明らかに苛立っているのだ。「年間2万回はCASミッションを実施しているのにいつになったら正しく認知されるのだろうか」
肝心なのな実際にCASミッションを9.11以降に飛ばしたパイロットに尋ねることだ。CASとはつまるところ訓練だとわかる。
米空軍の機種別CAS能力と搭載可能兵装

CASミッション訓練の実態
「セスナ172にAK-471丁を載せて飛べばCASだ」と言ったのはF-15Eのパイロットだった。標準手順とはCAS機材を準備することで、A-10だけが機材ではない、というのがその主張だ。地上部隊からの要請が入れば、支援要員全員が出撃を迅速に行えるように準備し、タキシーング中の機のパイロットを敬礼で送り出し、危機に直面中の地上兵員を支援するミッションが実施される。
各基地でCASミッションの経験がある8名のパイロットと話してみると、異口同音にCASとは機材ではなく、訓練だとの答えが帰ってきた。地上要員の空軍兵員(別名合同最終攻撃管制官(JTAC))には攻撃機を呼ぶ任務が与えられており、やはり同じ意見だ。「一日が終わる段階で戦術的にはどの機材でも実用に耐えるとわかる」とJTACの一人がネリス空軍基地(ネヴァダ州)で語っている。この人物はウェポンスクールで戦術開発にあたっている。JTAC要員と各種機材(F-16, F-15E、A-10, B-1やB-52)のパイロットは多様な気象条件や地理条件のもとで各種武装を展開する訓練を受けており、精密誘導弾や必要に応じて機関砲の使用も含む。”
空軍要員は空域に到着して、対象の地上部隊の上空でJTACと報告連絡する訓練を受ける。JTACは欲しい軍事効果を伝え、具体的に兵装の種類を伝えることが多い。パイロットは信管を準備する。最近は各軍共通プログラム式信管が空中発射弾に使われている。最新鋭の目標捕捉ポッドやセンサーがあってもJTACはパイロットに口頭連絡することが多く、山岳地や集落の中に潜みながら、投下武器の規模が大きすぎたり、数メーターの誤差が出て友軍に死傷者が発生しないようにする。このミッションを「近接危険」 “danger close”と呼ぶ。
CAS機パイロットがグリーン・フラッグ演習を言及する事が多い。この演習は年間を通じてネリス空軍基地あるいはバークスデール空軍基地(ルイジアナ州)で開催される。レッドフラッグ演習は空対空戦の訓練で有名だが、グリーンフラッグには陸軍地上部隊も米空軍要員とともにCAS技術を磨くシナリオに参加する
同演習では最近の中心はCASを遂行できるパイロットの資質をどう維持するのかに移ってきた。A-10パイロットは自然にCASを中心に考えるが、F-15E、F-16やB-1のパイロットでは戦術訓練が関心の的だ。各機のパイロットは大尉クラスが多く、ハイエンド戦闘をほぼ同等の敵勢力を相手に行うことは学術的な課題と考えてきた。
だが空軍の戦闘部隊の半分以上でハイエンド戦闘への準備が不足している。ジェイムズ空軍長官はイラクやアフガニスタンのような無害な空域での作戦遂行を前提としてきた取り組みの変更が必要と議会で語っている。敵空域に進入して高度の防衛体制の中で目標攻撃する技能が萎縮したままだという。

技術面ではどんな進展があるのか
各機種のパイロットもA-10がCAS専用機材と認めている。同機はパイロットに地上の広い視野を与える設計で低高度低速飛行に特化し大量の精密攻撃弾薬と機関砲弾丸を搭載できる。だが「CASをこなせるのはA-10乗りだけというのはいいすぎだ」とA-10パイロットが語っている。空軍関係者によればCASシナリオが想定する武器は多様で地上掃射から5,000ポンドのバンカーバスター爆弾まであり、各種機材が投下可能だという。
しかし精密誘導弾薬の登場によりCASの正確性が飛躍的にあがり、ミッションをはるかに高速かつ高高度を飛行中の機材で実施するのが可能となった。直近では新型250ポンドの小口径爆弾(SDB)をF-15Eが使っている。もともと長距離誘導弾として作ってあり、SDBは直接攻撃の想定はなかったが、F-15Eパイロットは投下高度を変更する戦術を編み出し、メーカーのボーイングも滑空時間を短く調節できる改修を加えた。
戦闘機が不在あるいは能力不足の場合、A-10が呼ばれ航空支援の任にあたることがある。とはいえ戦闘機に標準搭載のシステムでも低空飛行などCASミッションの実施が可能だ。
F-15Eのパイロットからアフガニスタン東部の渓谷で地上部隊が攻撃を受けた際の経験談を聞いた。「このまま爆弾投下をしてもうまくいかないとわかっていたが、支援は重要だと認識していたが一番怖い状況だった」といい、「支援不可能とは言えず搭載のシステムで実施できるか、もう一度地形を観察した。機内の地図表示で地形の高度がわかる。そこで決断した。高度を下げ、目標上空を高速で飛ぶと敵はばらばらに走りだした。それだけで十分なことがある。こちらの姿を見ると逃げ出すのだ」
空軍はこれを「力の誇示」のミッション“show of force”と呼び、現場に到着するだけで敵を追い払えるとする。パイロットからは力の誇示により敵が逃げる事が多いとの報告もあり、弾薬投下が省略できる。
空軍関係者にはA-10退役で、能力ギャップが発生すると危惧する向きがあるが、新たな戦術の開発で他機種でも対応可能だ。
だが空軍上層部によれば結局は資金の問題だという。単一任務しかこなせない機種を維持する予算がない。「たしかにA-10のCAS能力はすごいが、他の機種でもミッションはこなせる」 と航空戦闘軍団の司令官ハーバート・カーライル大将Gen. Herbert Carlisle はAviation Weekに語る。「機種を変更すればリスク発生は発生するが、CASを重要に考えて、ほぼすべての機種をCASに投入する」
米空軍で精密目標捕捉ポッドや精密弾薬の利用が進んでいるが、陸軍や海兵隊のヘリコプターでも同様だ。回転翼機の弱点は速度と航続距離の不足で、友軍から遠く離れるとこれが顕著となる。また敵砲火にも脆弱だが、条件があえば強力な効果を発揮する。陸軍のAH-64アパッチとA-10はISISと戦う地上部隊に頼りにされている。
ここに空軍がCASを重視する背景がある。多様な機種で必要な支援は可能と関係者は強調したいのだ。またA-10の退役でCAS任務の実施が完全に実証がすんでいないF-35にすぐには任せられない。

移行期間にどう対処するのか
ウェルシュ大将が強調しているのはF-35Aの初期作戦能力獲得予定が2016年12月となっているがあくまでも初期能力である点で、航空戦闘軍団のカーライル司令官は3つのミッションを重視している。CAS、航空阻止、敵防空網の限定付き制圧だ。同司令官もF-35のCAS性能はIOC獲得時点では「初歩的」だと認める。IOC時点で想定する武装は500ポンドレーザー誘導爆弾と2,000ポンドの共用直接攻撃弾に限定される。パイロットも合成開口レーダーの性能はフルに引き出せず、ブロック4ソフトウェアの装着を待たねばならない。これはまだ相当先のことで、地上管制官とのビデオリンク機能もIOC獲得時点では利用できない。
「IOC時点での基本性能に通信機能がある」とカーライルは説明する。「Roverデータ共有システムは装備していない。これがあればポッドが撮影する目標画像を見て僚機間で話すことができる」 F-35の能力が向上するまでは他機種にミッションを実施させるという。ただし制空権が確立していない空域は別だという。
ウェポンスクール関係者は「CAS調査」でCASにF-35をどう投入するかを戦術面で検討していると第422試験評価飛行隊(ネリス空軍基地)のベンジャミン・ビショップ中佐 Lt. Col. Benjamin Bishop は述べている。検討内容にはF-35パイロットとJTAC間の連絡方法も含む。その結果は同機の戦術マニュアルに盛り込まれる。CASは海兵隊機材のIOCでも取り上げられている。海兵隊のIOCは7月1日予定だ。ビショップ中佐によれば空軍は3iソフトウェア搭載機でIOC宣言をするが、より強力なブロック4ソフトウェア搭載を待つという。
「3iではすべての兵器を運用できません。3Fだとより多くの種類を運用できFOC(完全戦闘能力)になります。そこで戦術を開発し、作戦テストで試します」とジェイ・シルヴェリア少将 Maj. Gen. Jay Silveria (航空戦センター司令官、在ネリス)は語る。「3Fでより多くの機能が利用可能となればもっと多くの兵器を想定した戦術とテストを展開します」
対照的に海兵隊機材はブロック2B搭載とはいえF/A-18やAV-8Bでできなかった能力を発揮できる。「搭載センサーによりパイロットの状況認識が向上し、精密弾を迅速に利用できるようになります」とポール・グリーンバーグ少佐Maj. Paul Greenberg(海兵隊報道官)は語る。「従来機では不可能だった地上支援ができる」のは同機のステルス性によるものだという。
ブロック3Fではデータ融合が向上し、赤外線捜索追跡能力が完全に利用できるようになるほか、機関砲が利用でき、レーダーの活用範囲も増える。電子光学式目標捕捉システムによりF-35をCASに適正に投入できるとシルヴェリアは説明する。.

今後の展望
空軍は制空権が確保した空域だけでなく戦闘中の空域でもCASを実施するべく、技術と戦術で複数の段階を想定している。
空軍主催のCASサミットには各軍の代表も出席し、今後の道のりを確認した。その中で注目を集めるのはCASの実績を持つ空軍要員の経験集約だ。A-10パイロットたちをF-16、F-15E、F-35の各飛行隊に派遣する。「CAS関連の技量を各隊に移転しCASの素養を維持する」とカーライルは語っている。「ブロック4搭載のF-35が利用可能となればCAS機材として相当の性能を発揮できる」
また空軍はCAS統合グループをネリス基地に立ち上げ、訓練、戦術開発、技術面で支援にあたらせる。ここに各軍要員のほか地上管制官も入れる。米空軍はまた仮想訓練を教程の一部に取り込みJTAC要員を増員する。「1990年時点では450名で要請すべてに対応していた」とカーライル大将は回想する。湾岸戦争では空軍力は敵防空網制圧のほかイラク国内の敵対的航空機の破壊に投入されたためCAS需要は大きくなかった。「現在は1,500名いるが要望に応えきれない」 
このCAS統合グループでは制空権が確立していない空域でCASの成果をどう発揮できるかも検討する。「激戦環境で戦う場合に自らを守りながらミッションを実施するには高い水準の訓練が必要だ」(カーライル)
さらに将来のCASに使うウェポンシステムの概念も検討する。その場合専用機投入も検討の一部だ。まだ検討段階に過ぎないが、カーライル大将は性能だけでなく今後戦闘機の機数が減ることからこのCAS機種を追加投入する可能性も慎重に検討させるという。
「将来発生する脅威への対策として必要な性能がひとつあり、定数問題もある」とカーライルは説明。「ハイエンド機材の性能水準をいかに維持するかを絶えず考えているが、必ず変化点がやってきて低コストで今より高度の性能が必要になる時が来るはずだ」 ただし、現状の脅威内容と予算環境を考えると「まだそこまで到達していない」という。
一方で空軍研究機関は長年の夢である爆発効果調整兵器“dial-a-yield” weaponsの検討を続けている。これはパイロットが破壊性能を機内で調整できる兵器のことだ。同じく期待されるのは多用途兵器でF-35機内に搭載し、激戦区で使うもの。「もうひとつ鍵になるのがポイントアンドシュートなのかキューアンドシュートかだ。A-10では機首を向けるが、ヘルメット装着の指示器で発射させることを目指している」とカーライルは発言している。「まだ実用段階にまで開発が進んでいない」とCASを想定して述べている。
これ以外にウェルシュ大将はCAS兵器では独創的な発想 out-of-the-box thinking を期待していると言う。たとえば指向性エネルギーや小型精密誘導兵器などだ。「次世代の近接航空支援で中心を置くべきものはなにか。技術で解決可能な内容でも見方を変えるべきだ」という。「前方発射型のレーザー誘導ロケットで内部から数千個の弾丸を放射してはどうか。結果として数千発の破裂が発生する」と従来よりも弾丸数が増える効果になる。「現在は機体の前方に搭載している銃を取り外しても同じく効果が得られないか」
まだ発想の域を出ないが、空軍がCASミッションの再強化に必要な予算を空軍が確保できるかとなると意見は一致していない。■



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