スコーピオンは言ってみれば常識破りの機体であり、既存の機種ヒエラルキーと無関係の期待でもあるので導入したくても一線が超えられずに結局今まで誰も購入していないのでしょう。機体に加えて支援システムもパッケージにして長期間の経済的な運用をうりものにしてみたらどうでしょうね。T-Xへの採用は難しいと見ていますが、どうなりますやら。
Textron Eyes Scorpion CAS, T-X Missions
By Aaron Mehta3:49 p.m. EDT March 31, 2015
WASHINGTON — テキストロン・エアランド Textron AirLand のスコーピオンは正式採用がまだないが、ISRと軽攻撃を想定した同機の将来に同社は楽観的だ。
- 同社社長ビル・アンダーソン Bill Andersonは3月の取材時に機体を「公表18ヶ月でまだ成約がないが、社として同機を全面的に支援している」と語っていた。
- 「販売に大いに自信がある。予算は確保ずみで開発をここで中止する理由は見当たらない」
- スコーピオンがあらためて注目されたのはホーク・カーライル大将(米航空戦闘軍団司令官)が同機が近接航空支援(CAS)機材に最適と発言したためだ。
- 「ローエンドのCAS機材を模索する中で、飛行時間あたり費用が妥当ということで同機に注目し、検討をしている」
- アンダーソンはカーライル大将発言に勇気づけられ、スコーピオンで実施可能なミッション各種のデータを米空軍に提供しており、中にCASも含まれている。
- 「最初から想定している機能です。空対地攻撃ミッションで同機が有する多機能ISR性能と地上部隊との交信能力で難なく実施可能です」(アンダーソン)
- スコーピオンの設計思想はペイロードの柔軟選択で、六ケ所のハードポイントに各1,700ポンドを搭載できる。同社は各種の兵装搭載を想定し、小口径弾から誘導ロケット弾まで運用できる。
- またガンポッド搭載も可能で、50口径または20ミリ砲を想定するが、アンダーソンも空軍関係者と同様に将来のCASの実施手段は銃でなく、精密誘導弾と見ている。
- 「現代のCASで機関銃が最適な手段とは思えません。ただし地上部隊には銃を積んだ機材が必要で、機関銃搭載も想定しました。すべては作戦の中身次第であり、相手とする脅威の内容いかんですが」
- もうひとつスコーピオンが想定するのが米空軍向けT-X次期練習機への採用だ。テキストロンはスコーピオンの練習機改修を検討中。
- T-Xの要求性能が公表されたのは3月20日のことにすぎず練習機型の最終案は決定されていない。ただアンダーソンによればスコーピオンの飛行時間あたり費用3,000ドルは差別要因になるという。
- 「米空軍が求める機体の作成は可能」とアンダーソンは言う。「問題は費用がどれだけになり、開発がどれだけ長くなるかだ。鍵は運用費用であり、一時間あたりの飛行経費をいくらにしたいかだ」.
- 米空軍向け需要が同社の関心事であるが、防衛専門家の中には最初の成約は海外になるとの見方が多い。
- アンダーソンも海外顧客数カ国との商談は「とてもうまく進行している」とするが、具体的な国名の言及は避けている。
- 消息筋によればUAEが導入に前向きだが、顧客一号になるのは避けたいらしい。
- そこでローンチカスタマーとして数か国まとめての想定が可能かアンダーソンに聞いてみたところ、可能性を熟考していると答えた。
- 「ある小国の空軍参謀長が昨年のファーンボロショー会場で同機は数か国で共同導入したら素晴らしい機材だと語っている。数か国まとめての商談が発生すれば当社も対応する。規模の経済というメリットを顧客各国に還元できる」
- ただし、アンダーソンは「現時点で数か国共同の商談をしているわけでなない。対応は可能だが、まだ先のことだろう」と釘をさす。
- 今年の夏も各国がスコーピオンを検分するチャンスがある。パリ航空ショーとロイヤルインターナショナルエアタトゥーの両会場で地上展示される。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。