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2019年11月6日水曜日

米空軍の重武装機構想はまだ消えていない 大量の兵装とネットワークで攻撃部隊の後衛となるのか


 USAF Leaders Considering Arsenal Plane Options

11/4/2019
​—RACHEL S. COHEN

デボラ・リー・ジェイムズ前空軍長官が戦略装備整備室主導の重武装機構想を2016年に発表していた。Air Force illustration.


空軍が「重武装機」構想のテストを計画中だ。構想では複数機材に大量の兵装を搭載し、攻撃部隊の支援が可能か試す。
重武装機は遠隔操縦機や戦闘機を引き連れ戦闘区域に進出し、「ネットワーク化で準自律運用可能な兵器」を運用するというのが2016年に公表された空軍ビデオの内容だった。構想はその後国防総省の戦略装備整備室が温めてきた。
「最古参機体をあらゆる種類の通常型ペイロードの発射台にする」構想と前国防長官アシュ・カーターが2016年に述べていた。「重武装機は超大型の空中弾倉となり、第5世代機を前方配備センサーとして照準ノードにしてネットワークでつなぐ」
上層部はこうした機材を運用した場合の効果を引き続き検討中と空軍広報官カーラ・バウジー大尉が11月3日認めている。原型機としてB-52が有望との声があるが、機動力に優れた輸送機も候補にあがっている。
空軍協会が今年9月に開いた航空宇宙サイバー会議で空軍のグローバル打撃軍団司令官ティモシー・レイ大将から空軍が実験を重ねていくとの発言があった。
空軍の調達を仕切るウィル・ローパーは以前は戦略装備準備室長で、9月末に同構想の説明を受けている。
機動性のある機体が重武装機に適しているのか。戦略国際研究所で航空宇宙安全保障プロジェクトをまとめるトッド・ハリソンによれば搭載する兵装の種類により変わるという。
「空対空兵装なら外部搭載兵器が理想的だ。しかし機動力を重視した機材の多くは外部搭載を想定していないので、相当の改装が必要だろう」「一方で対地攻撃手段を搭載するのなら、後部ランプから展開すればいいので大規模改装は不要となる」.
また、B-52が選択肢としてすぐれているのは機内及び主翼下に大量の兵装を搭載できるからだという。
「重武装機でステルス性や高速飛行性能は不要だがペイロードの大きさが必要だ」
AFAミッチェル航空宇宙研究所で将来の航空宇宙構想や性能評価をまとめるマーク・ガンジンガーも輸送機や民生機材が原型では不十分でB-52あるいはB-1を投入すべきと主張する。
「開戦直後にはC-17の需要は高いはずだ。その機材を攻撃任務に転用し、部隊の戦線投入任務から外すのでは賢明とは言い難い。民生用機材を転用して兵装を大量搭載して、兵器の与圧を解除してから無事に機外に放出できるのか疑問だ」■

コメント これも戦闘機の概念を崩すあたらしい構想の一部なのでしょうか。世界があいかわらず単座で機動性に優れた従来構想の延長の戦闘機を模索する中で米国のみが何でもこなせる大型機を戦闘機材の屋台骨に期待して整備しようとしている気がします。それにしても米空軍公表の想像図はC-130とB-52の合いの子の様な奇怪な姿になっていますね。

2016年10月9日日曜日

まだまだ現役、B-52の現状と今後の改修の方向性


まだまだB-52は供用されそうですね。エンジン換装が実現すれば一層その効果を発揮するでしょう。良い投資だったことになりますね。

The National Interest


Why America's Enemies Still Fear the B-52 Bomber

October 2, 2016


9月26日、大統領候補討論会でドナルド・トランプはヒラリー・クリントンから核戦力について聞かれこう答えた。

「ロシアの戦力増強で装備は近代化している。それに対し米国は新型装備配備が遅れている。
「先日の晩にB-52が飛んでいるを見たが皆さんの父親より古い機体で祖父の世代が操縦していた。このようにほかの国に追いついていない」

つまりB-52は老朽機で米空軍が世界から特にロシアから大幅に遅れを取っていると言いたかったのだろう。

でも本当に古い機体なのでは?

B-52ストラトフォートレスの初飛行は1952年で生産は1962年まで続いた。現在運用中のB-52H合計76機より高齢のパイロットは皆無に近い。トランプ発言は「祖父」というところまでは正確であり、B-52乗員の中には三世代続けて同機に搭乗員という家族がすくなくとも一組存在する。

その機体が今でも有益なのかが疑問となっているわけだ。

BUFFのニックネームが付くB-52は当初は核爆弾を上空から投下してソ連を攻撃するのが役目だった。だが地対空ミサイル、空対空ミサイルの登場で想定した任務は1960年代末に自殺行為となり、今でも同じだ。

では何に使うのか、米空軍がまだ運用しているのはなぜか。

B-52は湾岸戦争以降ほぼすべての戦役に投入されている。その理由は何か。

B-52には二つの大きな利点がある。大量の爆弾、ミサイルを搭載できること、遠距離に運べることだ。空中給油なしでも8,800マイルを飛べる。また性能向上用のスペースは機内に豊富にある。

同機は爆弾、ミサイルの長距離配達トラックということか。

防空体制を整備されあt標的にはどうするか。AGM-86空中発射式巡航ミサイルを最大20発を搭載する。核・非核両用の同ミサイルはスタンドオフ攻撃用だ。

だが高価な巡航ミサイルをB-52は発射していない。敵対勢力のタリバンやISISに強力な防空体制がくB-52は高高度を上空飛行できるからだ。

B-52はGPS方式のJDAM誘導爆弾12発あるいはGBUレーザー誘導爆弾を4から10発積んで戦闘地区上空で待機し、近接航空支援の要請を待つことがある。もちろんジェット戦闘機でも同じ仕事はできるが、戦闘機は上空飛行待機時間も限られる。アフガニスタンのタリバン討伐作戦を開始した2001年当時はB-52やB-1が米本土から飛来し爆撃していた。当時は近隣に米空軍が運用できる基地がなかったためだ。現在もB-52はタリバン、ISISを相手に作戦を展開している。

ISISへ絨毯爆撃していると聞いたが

絨毯爆撃では数百から数先発の非誘導型爆弾を投下し標的を爆撃する。無差別攻撃となりそのショック効果は大きい。B-52はこのために最適な機材で500ポンドから750ポンド爆弾なら51発を搭載できる。あるいはクラスター爆弾なら40発となる。イラク軍が砂漠地帯に陣取った1991年の湾岸戦争で低レベル絨毯爆撃を行っている。

ただし今日の空軍は絨毯爆撃には関心がない。空軍が同機を投入するの高密度目標だけだが敵側にそれだけの標的がないのが普通だ。付随被害も発生するので民間人居住区の近隣で実施できない。

BUFFは他にどんな任務に役立つの?

長距離飛行性能は海洋上空の監視飛行に最適だ。南シナ海の広大さと中国が覇権を狙っていることを想起してもらいたい。

B-52には海軍用機材が搭載するセンサーはないが、一部機材にライトニング、ドラゴンズアイの水上監視用レーダーポッド二種類が搭載され水上艦船の識別に使える。また別にAGM-184ハープーン対艦ミサイル8発搭載用に改修された機材もあり、160マイルの射程を誇る。このため水上戦闘でもB-52は威力を発揮できる。

ミサイルトラックとしてのB-52をもう一歩進めて空飛ぶ弾薬庫とする構想もある。その場合対空ミサイルも搭載するだろう。

戦闘機では空対空ミサイル搭載数に限りがある。特にステルス戦闘機でこの傾向が強い。そうなると数の上で優勢な敵との対決で不利だ。そこでステルス戦闘機の特性を活かし、アクティブ電子スキャンアレイレーダーにより接近してくる敵を探知させ、データリンクとネットワーク技術でデータを友軍機に送らせる。「弾薬庫」機としてB-52やB-1に長距離空対空ミサイルを多数の搭載させる構想がある。

現時点では理論にすぎず、制約もある。だがペンタゴンは構想を真剣に検討している。

ミサイル以外にB-52をどう活用できるだろうか。力の誇示で目立つ機材だ。弾道ミサイルとの比較では航空機は核兵器運搬手段として脆弱性が避けられない。だが地上配備、海中配備のミサイルはその存在が見えにくく、、一方でB-52は危険地帯近くへ飛ぶことができる。上空飛行で明白な力のメッセージを伝えることが可能だ。

B-52が南シナ海上空や核実験直後の北朝鮮付近を飛行する様子を伝えるニュースを耳にしただろう。ロシアのTu-95ベア爆撃機がイングランドやカリフォーニア沖合を飛行して嫌がらせをするようなものだが、B-52の上空飛行の方が政治的に大きな意味を有する。

だが機体の金属部品が疲労しないのか。また旧式エイビオニクスやエンジンはどうするのか。

その点は考慮ずみで心配は不要だ。空軍はB-52は2040年までの飛行供用は可能としさらに延長の可能性もあるとしている。B-52の設計が堅固かつ保守的であるのが理由で、その後登場した高性能機よりストレスへの許容範囲が高い。空軍は大規模投資でB-52の飛行性能を維持向上している。

だが搭載エイビオニクスは旧式だ。ニューヨーク・タイムズは油圧系統と配線が旧式でコンピュータも故障が多い旧型のまま機内に搭載されていると指摘している。

そこで空軍は11億ドルでBUFFにCONECTエイビオニクス改修を加え新型ディスプレイ、通信装置、データリンクによるネットワークを導入する。また兵装庫改修で誘導爆弾を追加搭載させる。現在はJDAMなら8発搭載可能だが、小型空中発射おとり(MALD)ミサイルも搭載し敵防空体制を混乱させる他、レーダージャミング装置も搭載する。

B-52のTF-33ターボファンエンジンは効率が劣る。一時間3,000ガロンの燃料を必要とする。そこ空軍はエンジン換装で整備コストともに経済性の向上を検討しているが予算がない。そこで浮上してきたのが民間会社に保守整備を信用払いで委託し、新エンジン換装で浮いた運用経費で費用を賄う支払い方法だ。

欠点はあるものの、B-52は今でもしっかりした仕事をしており、空軍も評価しているのは明白だ。ただし古ければすべてよし、というものでもない。

2015年にB-52一機を事故で喪失した空軍は13百万ドルで有名な航空機の墓場(アリゾナ州)からB-52H一機を代わりに復帰させた。13百万ドルで新型爆撃機は調達不可能だ。(なお、墓場にはB-52Hがあと12機温存されている。)

後継機種はないの?

空軍にはより近代的な爆撃機が二機種ある。B-2スピリット・ステルス爆撃機とB-1ランサーだ。だが両機種ともB-52の後継機種とはみなされていない。

B-2スピリットはステルス機で敵防空網の突破が期待されている。高度能力を持つ敵国に十分有効だが、20機しかない。運行は条件に作用され、飛行整備経費は一時間135千ドルとB-52のほぼ二倍だ。経費とともに搭載燃料・兵装量が少ないこともあり、爆弾トラックとして比較的安全な空域で毎日運用することは考えにくいし、海上監視機としても使いにくい。ただしステルス性能が効果を出すがステルスが外交的な力の誇示の目的には適さないことは明らかだ。

B-1BランサーはB-52と同様の効果が期待できる機体だ。搭載兵装量はより大きく、速度は25%も早く、レーダー探知も困難だ。だが今日の防空体制能力ではステルス機も探知されない保証はなく、迎撃を回避する速度も不足している。そこでB-52より性能が高いとは言え、空軍は同機を防空体制が整った空域に送りたくないはずだ。

そうなるとB-1(愛称ボーンズ)はレーザー誘導弾や巡航ミサイルを遠方から発射することとなり、B-52と同様になる。

B-1Bは高性能だが運用経費は一時間60千ドルとB-52より10千ドルも安い。ただし同機も63機と機材数が少ない。B-52がB-1の不足を補うことのか、爆撃ミッションを中止するのかとなり、このためB-52が今年はじめにISIS戦に投入されたのだ。
だがB-52に未来はあるのだろうか。空軍からB-21レイダーの調達を進めると今年発表が出た。これまで長距離打撃爆撃機と呼ばれていた機体だ。B-21はステルス機でB-2スピリットと形状が似ている。

B-21の設計思想は長距離爆撃機で遠隔地に飛び、敵防空レーダーに探知されずに飛行させることにある。中国、ロシアの低帯域レーダーはステルス機の探知にも有効と言われる。機体はB-2よりやや小さくなるだろう。

B-21の機体価格は5億ドルを超えるとされ、空軍としても新技術に真剣に対応しているというだろうが、ペンタゴンは最終価格でこっそりと交渉中と言われる。

ロシアには「最新性能」があるのか?

ロシアは三機種の爆撃機を運用中だ。高速のTu-22M3バックファイヤー、もっと高速のTu-160ブラックジャック、Tu-95ベアで冷戦時の機体設計だ。ただし、ステルス性能はなく、B-2や今後登場するB-21に匹敵する機材はない。

可変翼Tu-22M3はB-1より速度が70%も早いが兵装と燃料の搭載量を犠牲にしている。スピードが防御策にならないことは実証済みで2008年にジョージアで地対空ミサイルで一機撃墜されている。

巨大なTu-160は可変翼式でマッハ2とB-1よりはるかに高速だが兵装搭載量はほぼ同じだ。極めて高価な機体で製造、維持は大変だ。ロシアは16機を保有しているが大部分は飛行可能な状態にない。B-1同様にレーダー断面積は小さいが、敵防空網の突破は期待できない。

そこでTu-95SMとTu-142ベアがある。ロシア版B-52と言える機体で原型のベアは初飛行が1952年でB-52とほぼ同じ任務に投入されている。またうまく任務を実施している。だが何と言ってもプロペラ推進は低速で騒音がすざまじく、兵装搭載量はB-52の半分程度だ。

そうなると一定数の機材が運用されている唯一の重爆撃機は中国のH-6の120機で、冷戦時のTu-16を改修したものだが、飛行距離・兵装搭載量ともにB-52とは比較にならない。

ではトランプの言う「新能力」とは爆撃機以外のことを指しているのだろうか。ロシアにはたしかに新兵器が多数あるが、空の上で追いつくのに必死だ。Su-35はまだ生産が低調だがF-15より優位だといわれている。だがF-15は1976年初飛行で、Su-35はF-22ラプターには追随できない。

またT-50ステルス戦闘機の開発がある。現在の発注数は12機でラプターの一割にも満たない。米国にはラプターに加えやや性能が劣るがF-35も加わる。

地上兵力技術でロシアが進歩しているのは間違いなく、T-14アルマタ戦車には100両の発注がある。だが今のところはT-72戦車改良型数千両が主力で、米軍が1991年の湾岸戦争で粉砕した戦車の改良型だ。

一方でロシアのミサイルには畏怖させるものあり、これから登場するジルコン水上発射ミサイル、S-400地対空ミサイル、イスカンダル短距離弾道ミサイルが要注意だ。特に後者はロシアが航空機による効果に期待できない中で依存を高めそうだ。またロシアも米国同様に大陸間弾道ミサイルによる核戦力を保持している。

ロシアがここ数年で軍事力を増強しているのは明らかで、経済の停滞とは対照的だ。ただし、米国が2016年に投じた国防予算は597百万ドルに対しロシアは87百万ドルで7対1の差がある。多くの場合にロシアが有望な新技術を開発していても実際には十分な配備をする予算がないというのが実情だ。

そうなると…

B-52の愛称BUFFは「デカくて不格好な太っちょ野郎」という意味だ。

だが外観で判断してはならない。B-52にはセクシーさもステルス性能もなく、敵防空網突破やSAM回避はできないかもしれないが、地球の反対側に大量の兵装を投下することができ、ISISやタリバンの本拠地を壊滅することは可能だし、苦戦する地上部隊の援護にもかけつける。

新型機も同じ任務に投入できるし、より高性能機材も登場するだろう。だがB-52はこの時点でも後継機の必要がないほどの活躍をしている。古くても信頼性が高くしっかり仕事をこなす機体を廃棄する必要はない。■

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
Image: A B-52H Stratofortress takes off after being taken out of long-term storage at Davis-Monthan Air Force Base, Arizona. Flickr/U.S. Air Force

2016年8月14日日曜日

グアムに米重爆撃機三機種が集結中 真の狙いは?



War Is BoringWe go to war so you don’t have to
B-1s, B-2s and B-52s at Andersen Air Force Base on Guam on Aug. 10, 2016. Air Force photo

B-1, B-2 and B-52 Bombers All Descend on Guam in a Huge Show of Force

This is not something you see every day

by JOSEPH TREVITHICK

8月10日の米空軍発表で、B-2スピリットステルス爆撃機がグアムに到着し、B-52ストラトフォートレスおよびB-1ランサーに合流したとわかった。太平洋で各機種が揃うのは異例で、グアム島で初めてだ。
  1. 空軍長官デボラ・リー・ジェイムズは今回の配備を「爆撃機搭乗員に別機種との統合運用の貴重な経験と訓練の機会となり、同盟国協力国も各種ミッション通じ有益な機会となる」と述べた。
  2. ただしジェイムズ長官は今回の配備についてそれ以上触れず、各機種を同時配備する意味を深く説明していない。グアムから中国、北朝鮮は攻撃範囲である。
  3. ペンタゴンは爆撃機をアンダーセン空軍基地に定期配備している。ただし北朝鮮の核ミサイル実験、中国の南シナ海進出で今回の配備に新しい意義が生まれている。
  4. 今回の展開は8月6日にB-1編隊がグアムに到着して始まった。B-52に交代するため飛来したものでペンタゴンが「連続爆撃機プレゼンス」、CBPと呼ぶ作戦の一環。交代するB-52部隊は8月末に米本土に帰還する。
  5. 8月10日にB-2編隊が「爆撃機保証抑止力配備」BAADで到着。ただしステルス爆撃機隊がミズーリ州の本拠地に帰還する予定は不明だ。
  6. 三機種には全く共通性がない。すっきりしたB-1は超音速飛行可能で機内爆弾倉は3つに分かれ40トン近くを搭載する。最大行動半径は6,000マイル近い。
  7. 巨大なB-52は低速で爆弾搭載量はそこまでないが、さらに3,000マイル飛行可能だ。B-2スピリットも爆弾搭載量は少ないが全翼機形状でステルス特性で敵レーダーに補足されない。
One of the B-1s at Andersen Air Force Base. Air Force photo
  1. これまでCBPおよびBAADミッションは北朝鮮の好戦的な態度を睨んで実施されてきた。
  2. 2002年1月29日、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領が北朝鮮をイラク、イランとともに「悪の枢軸」と呼び、一年以上たってグアムに新設の爆撃飛行団にB-1、B-52が派遣され、2004年にどう飛行団がCBPミッションを開始した。
  3. 初回展開の「2003年春はアンダーセン基地での爆撃機運用の新時代を開いた」と第36飛行団公式記録が記述している爆撃機需要とアンダーセンの活動状況は平行ししていた War Is Boringは情報公開法でこの記録写しを入手した
  4. 冷戦中のグアムに核爆弾搭載B-52爆撃機隊が駐留しソ連あるいは中国との開戦に備えていた。幸いに想定は現実にならず、ヴィエトナム戦争でB-52隊は同基地から発進し通常爆弾を投下していた。
  5. 2000年代に入ると爆撃機隊は広範囲ミッションに備え、オーストラリアやアラスカからハワイにかけてさらに東シナ海でも演習に参加した。空軍は各演習フライトに色彩豊かな名称「ブルーライトニング」や「ポーラーライトニング」をつけていた。
  6. 2004年8月から9月にかけ機材は韓国との年次軍事演習に派遣された。その三ヶ月後、U-2が集めた情報で地上部隊からB-52に模擬空爆の要請が入ったと第36飛行団の公式記録にある。
One of the B-2s at Andersen Air Force Base. Air Force photo
  1. これと違い、BAADは世界規模での示威行動が目的だ。ただし太平洋地区で脅威可能性が最大になっている。
  2. ペンタゴンは爆撃機を中東に定期的に派遣し、イラン核開発への不快感を示していた。ロシアがウクライナのクリミア地方を併合した2014年2月にはB-52派遣が拡大されヨーロッパでの演習を増強している。
  3. だが今回の派遣から空軍が太平洋を最重視しているのは明らかだ。8月10日の報道会見でディビッド・ゴールドファイン空軍参謀総長は中東や中央アジアと状況が違うと強調した。
  4. B-52やB-1は中東では対イスラム国などを相手にわずかのミッションしか実行していない。大型爆撃機は通常は国家規模の敵勢力への空爆の必要が生じるまで待機している。
  5. 対照的に太平洋地区の最高司令部は北朝鮮の挑発に加え中国の野望に直面している。2016年だけで平壌はミサイル10発以上を試射し、核弾頭搭載能力がついたと言われる。
  6. 7月には中国がH-6K爆撃機一機を紛糾中のスカーボロ礁上空に飛ばしている。同月に国連仲裁法廷が中国艦船がフィリピン漁船による同海域立ち入りを力で封じ込めているのは不法との裁定が出ている。
  7. 中国の海上警察がスカーボロはじめ小規模島しょ地帯への外国艦船の活動を封じ、北京の主張を強固にしようとしている。中国関係者は米艦船や航空機には地対空ミサイルや弾道ミサイルを配備していると公言している。
One of the B-52s at Andersen Air Force Base. Air Force photo
  1. だが重爆撃機三機種を本土から数千マイル先まで派遣できるのはペンタゴンだけだ。最近の出来事から、これだけの威力を揃えたのは偶然の出来事ではない。
  2. 空中給油機の支援を得て各長距離爆撃機は熱い地点へ到達で切る利点があり、直前発表すればすぐ実施できる。
  3. 空軍は新型ステルス爆撃機、巡航ミサイル他高性能装備を調達を希望して議会へ要求中で、長距離ミッションをグアムのような戦略拠点から迅速に事項できる能力を示している。
  4. 2016年早々に空軍は超極秘B-21爆撃機の総費用をめぐり議会と子どものような意見衝突をしている。「空軍上層部はB-21契約の全体金額を開示すれば米国の敵に機密情報が流出すると主張している」とジョン・マケイン上院議員はWar Is Boringで論説を発表している。「ナンセンスだ」
  5. そうなると空軍は各爆撃機を太平洋に集結させて実は議会関係者へ強力なメッセージを送っているのかもしれない。
  6. 8月10日の報道会見ではジェイムズ長官もゴールドファイン対象と横に並び、議会に対して国防予算は年間全額の一括認可とし、「継続決議」と言われる小出し予算を期間限定で認める措置は取らないよう求めた。
  7. ジェイムズはこの措置の場合にB-21開発にどんな影響が出るかを示した。「開発全体が遅れ抑止力に大きな影響が2020年代に発生します」
  8. 空軍が議会を説得できれば、あと15年するとグアムにもう一つの爆撃機が出現するだろう。■

2015年12月20日日曜日

★米空軍の核戦争演習で何が検証されたのか B-52は耐用年数100年に

核戦争はだれもが想像したくない究極の武力行使ですが世界の現状を考えると核兵器のオプションは有効と考えるのが現実世界です。戦略空軍の後継組織であるグローバル打撃軍は今回図上演習を行った模様です。思考の筋トレというのは意訳かもしれませんが、思考を鍛えるという課題を真剣に考えているようですね。100年たってもB-52が本当に飛行できるのかわかりませんが、実現すればすごいことですね。LRS-BあらためB-3の核兵器運用は相当先のことになりそうなので当面は既存各機種にがんばってもらうのでしょうか。

「Defense News」の画像検索結果

Air Force Nuclear War Game Tests Future Bomber Fleet

Lara Seligman 4:15 p.m. EST December 18, 2015

B-52H
(Photo: Airman 1st Class J.T. Armstrong/US Air Force)

MAXWELL AIR FORCE BASE, Ala. —2030年、米空軍は核戦争に直面している。

  1. 就役後80年のB-52が最新型スタンドオフ兵器を搭載しパトロール飛行中だ。新型大陸間弾道ミサイルは発射準備ができた。さらにステルスの長距離打撃爆撃機が敵防空網をすり抜ける。
  2. 今月はじめに空軍グローバル打撃軍(AFGSC)が大規模核戦争演習をマックスウェル空軍基地で実施し、現在開発中あるいは配備中の各装備が適正能力を発揮できるか検証した。
  3. 「実戦能力全般を試す演習です」とフェルディナンド・ストス准将Brig. Gen. Ferdinand Stoss(AFGSC戦力整備作戦立案本部長)がDefense News取材に答えた。「整備してきた装備が正しく機能するか確認したいのです」
  4. 空軍が進める核戦力近代化事業では次世代爆撃機LRS-Bを既存のB-1、B-52に加え、ステルスB-2に加え、ミニットマンII大陸間弾道ミサイル(ICBM)を地上配備戦略抑止力(GBSD)で交代させる。
  5. 演習は12月7日から10日にかけて実施され、将来の戦場で戦力が効果的に使えるかを検討するのが役目とストス准将は説明。演習結果はAFGSC司令官ロビン・ランド大将が評価し最上層指導部へ提出するという。
  6. 「ここ演習支援センターの役割はお客様となる世界各地の戦闘部隊指揮官が解決策を求め、当方へやってきますので、迅速に求められる課題へ解決策を提供することです。また正しい事実や会席結果やデータを背景情報として準備し、戦闘指揮官が選ぶはずの手段に付け加えます」とスティーブン・クウァスト中将(空軍大学校校長)が12月10日取材で語ってくれた。「これこそランド大将やグローバル打撃軍団がここ空軍大学校でめざすもので思考の筋肉を使うことです」
A B-2 Spirit takes off Nov. 8 during an exercise at
A B-2 Spirit takes off Nov. 8 during an exercise at Whiteman Air Force Base, Mo. (Photo: Tech. Sgt. Miguel Lara III/US Air Force)

  1. ストス准将は演習の詳細について言及を避けたが、混合部隊つまり既存装備と将来導入される新型装備の並行使用の効力が判明したという。
  2. 2030年の状況を想像するとB-52にはLink 16通信ネットワーク機能が付与され、レーダーも高性能化し、スタンドオフ兵器も威力を増しており、エンジン換装で航続距離は25%増えているだろう。B-1全機に統合バトルステーション(IBS)改修が加えられ、データリンク通信他の改良とともにエンジンも改修されているだろう。
  3. またB-2では全機で新型防御システム搭載が完了しており、画像処理能力の強化と新型アンテナが特徴だ。
  4. 演習で改良すればB-52は2050年以降も「難なく」飛行できるとわかったとストスは述べ、一部機材は100年使用できるという。だが将来のストラスフォートレス各機はスタンドオフ兵器を敵防空体制の外から発射する役目にまわり、運用可能な空域は制限を受けるはずとストスは言う。
  5. 一方で次世代機LRS-Bにより空軍は「未来へ踏み出す」ことが可能とし、優勢な敵空域に侵入できるとストス准将は強調する。ある程度の機数LRS-Bがそろえば「A2AD環境でも高い実力を発揮できる」という。
  6. 今回の核戦争演習は二回目で、初回は2013年12月に行ったが「初期段階」にとどまっていたとストスは回想する。早期に第二回目を実施したかったが予算強制削減措置により延期されたという。
  7. 米戦略軍司令官セシル・ヘイニー海軍大将や空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将は核戦争演習により戦略的思考が高まるとその効用を強調している。
  8. 劇的に変動し続ける世界情勢への対応を迫られる国家指導層に適切な助言を迅速に提供すべく、空軍大学校は新技術を最大限活用して演習工程をスピードアップしているとクウァストはDefense Newsに語ってくれた。
  9. 「この演習は頭の筋肉トレーニングであり、もっと迅速に展開しようとしています。予算をつぎこんで準備を長々と行っても提言を出すのが遅れるのではなくて、もっとすばやく実施したい」とクゥワストは言う。「ただし分析と正確度は変えずにおこないます。コンピュータ技術やシミュレーションという技術のサポートがありますし、モデリング技術やコンピュータコーディング技術も利用できますからね」■


2014年2月2日日曜日

エイビオニクス改修で威力をましたB-1

New era begins for B-1 bomber as Air Force begins taking delivery of Lancer aircraft with major avionics upgrades



avionics intelligence.January 26, 2014




ティンカー空軍基地(オクラホマ州) 1月26日----米空軍爆撃飛行隊にボーイングB-1ランサーの最新改修ずみ機体の納入がはじまっており、同機の長い歴史の中でも最大規模のエイビオニクス改修になっている。
  1. 納入機材はボーイングによる統合戦闘ステーションBattle Integrated e Station を搭載し、前方・後方のコックピット改修、新型診断機能、Link 16データリンク装置で状況把握能力と通信能力の改善が実現している。

  1. B-1は1970年代前半に開発が進められたが、1977年にカーター大統領により開発が取り止めになっている。その後レーガン大統領が開発再開を決定し、1986年から空軍配備が開始された。

  1. 同機は超音速低空飛行で敵地に侵入し、核・通常兵器の爆弾あるいはミサイルを運用する。敵防空網の突破に飛行速度とともに高性能の電子戦(EW)システムを利用する。

  1. 1月28日火曜日に統合戦闘ステーション搭載の一号機が空軍に引き渡され、ダイエス空軍基地(テキサス州)へ常駐する。

  1. 近代化改修で乗員は戦闘地帯で何が発生しているかを知る乗員の状況認識能力が上がり、通信もより高速かつ秘匿性がましたので敵目標の攻撃能力が上がっている。

  1. 統合戦闘ステーションは従来のディプレシ複数を新型多機能からーディスプレイで置き換えており、集中診断機能と機体性能監視コンピューターとLink 16によるネットワーキング能力も導入しており、飛行計器はデジタル式になった。

  1. B-1の新型デジタルデータリンクにより後方コックピットにデジタル式エイビオニクス機能が加わった。このうちLink 16により見通し線を超えるアプリケーション・プロトコル方式のデータリンクが加わり、カラーデイスプレイ上に直感的に理解できるシンボルが移動式地図上に表示される。

  1. また中央統合診断システムにより後方コックピットにあった旧式コンピュータが不要となり、あらたにカラーディスプレイが付けられたので、機体性能の状況を常時監視できるようになった。これにより地上要員による機体システムの問題解決が楽になる。

  1. 空軍第76航空機保守グループ(ティンカー空軍基地)が統合戦闘ステーションを機体に装着している。改修費用は総額975百万ドルで現有B-1全61機への装着完了には8年間かかる。

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