衛星画像 ©2026 Vantor
中国でセイルなしの新型大型潜水艦が衛星画像に捉えられた
New Large Chinese Submarine With Very Unique Feature Just Caught On Satellite Imagery
謎の潜水艦は、西側潜水艦への中国の対抗策となる可能性がある
TWZ
2026年6月3日 午後4時16分(EDT)公開
従来のセイルがないように見える新型潜水艦が、中国で姿を現した。同じ造船所では8年前、より小型の「セイルレス」技術実証潜水艦を建造している。さらに最近では、中国の大手造船コンツェルンが、(UUV)で、概ね同様の船体形状を持つ無人潜水機のコンセプトを提示した。この種の設計は、速度、機動性、および音響シグネチャ低減という点で利点をもたらす可能性があるが、重大な欠点も抱えている。
本誌は、Vantor(旧Maxar Technologies)から、6月1日に上海のJN(江南)造船所内の当該潜水艦の画像を入手した。画像は本記事の冒頭および以下に掲載されている。Naval Newsの報道によると、名称や型番が現時点では不明なこの潜水艦は、5月末頃に同造船所に初めて姿を現した。同メディアがこの動向を最初に報じた。
2026年6月1日、上海のJN造船所にある新型潜水艦の様子。衛星画像 ©2026 Vantor
画像から判断すると、この潜水艦には従来型のセイルがない。しかし、現時点で入手可能な画像からは、実際に何があるかの正確な形状も完全には明らかではない。前述の通り、JN造船所は過去に少なくとももう1隻の「セイルレス」潜水艦を建造したことが知られており、これについては後ほど改めて触れる。
JN造船所で新たに姿を現した潜水艦の別の写真。衛星画像 ©2026 Vantor
JN造船所が2018年に進水させた低姿勢の潜水艦の写真。中国インターネット
Naval Newsに寄稿した対潜戦アナリストのH.I.サットンは、この潜水艦の全長を約394フィート(120メートル)、幅を33~36フィート(10~11メートル)と推定した。任務内容は不明だが、これは一般的なディーゼル電気潜水艦(SSK)より確実に大きく、ほとんどの原子力攻撃型潜水艦より長い。比較のために言えば、中国人民解放軍海軍(PLAN)が現在運用する最も近代的な潜水艦の一つ093型原子力攻撃型潜水艦(SSN)は、全長が約356~360フィート(108~110メートル)、幅が36フィートである。米海軍のヴァージニア級SSNの公式発表による全長と幅は、既存の全派生型を通じて、それぞれ377フィート(114.8メートル)と34フィート(10.36メートル)である。
また、JN造船所の潜水艦がX字型の舵配置を採用していることが確認できる。これは2024年に中国潜水艦で初めて採用された。この配置は、水平および垂直の舵を備えた十字型の船尾配置に比べ、操縦性、効率性、安全性の面で優位性を持つ。
X字型船尾は、現在、一般的に(ただし依然として非公式ながら)「095型」と呼ばれる中国の次世代攻撃型潜水艦設計と強く関連付けられている特徴である。Naval Newsは本日、上海から数百マイル北にある葫芦島(フーロウダオ)の渤海造船所で、従来のセイルを備えた、おそらく別の095型と思われる潜水艦が最近進水したことも報じている。この件はネット上で混乱を招いたようで、一部が渤海造船所の潜水艦を「セイルレス(セイルなし)」型と誤解している。
JN造船所で新たに姿を現した潜水艦は、シュラウド付き推進装置を備えている可能性があり、ポンプジェット型である可能性がある。ポンプジェットは、特に高速潜航時において、静粛な運航という利点をもたらす。
JN造船所の新型潜水艦で最も注目すべき点は、従来型セイルがないことである。船体上部に突き出た大きな構造物を省くことで、全体的な流線形化が大幅に促進される。抵抗を排除することで、潜水中の速度と機動性を最適化できる。また、潜水艦の静粛性を高め、ひいては高速で海域を航行しても探知されにくくする効果もある。これは、遠く離れた脅威に対しても、迅速に現場へ急行する際に特に有用である。
従来型セイルがないことは、設計上の制約をもたらす可能性もある。従来、海軍の潜水艦はセイルを利用して潜望鏡やその他のセンサーマスト、さらには伸縮式の通信アンテナやスノーケルを装備し、完全に浮上することなく空気循環を行ってきた。これは、対抗措置用の発射装置や一般的な物資の収納など、他の目的に利用できるスペースである。
何よりも、水上航行時には、セイルは一般的な航法や状況認識の鍵となる。また、局地的な部隊防護や垂直補給(VERTREP)作戦を支援するための高所位置を提供することもできる。十分に強化されていれば、極域およびその周辺での作戦において、数フィートの厚さの氷を突破することさえ可能だ。
セイルがないことは、マストの展開やその他の考慮事項がそれほど重要とならない海底での作戦に重点を置いていることを反映している可能性がある。同時に、この設計の特徴は、外洋作戦中に可能な限り迅速に移動する能力を含め、性能向上に主眼を置いている可能性も同様に高い。また、浅海域作戦でも利点をもたらす可能性があるが、全体としてSSK(通常動力型潜水艦)より非常に大型である点には留意が必要だ。
前述の通り、より小型の「セイルレス」潜水艦は、2018年にJN造船所で既に姿を現していた。H.I.サットンは以前、その設計について全長約150フィート(45メートル)、幅約15フィート(4~4.5メートル)と推定していた。その潜水艦もまた、X字型ではない舵の配置と、シュラウドのないプロペラを備えているように見えた。その潜水艦が建造された正確な理由や、長年にわたりどのように運用されてきたかは依然不明だが、少なくともこの設計コンセプト、ひいてはその他の能力を探求するための試験台および技術実証プラットフォームとしての役割は果たしたはずである。有人・無人、あるいはオプションで有人運用を想定して設計されたのかどうかも、はっきりしない。今回の新型潜水艦についても同様だが、無人である可能性は低いと思われる。
JN造船所から初めて登場した低プロファイル潜水艦を上から見た様子。中国インターネット
2024年の珠海航空ショーにおいて、国営の中国船舶工業集団(CSSC)は、前例のない大きさのディーゼル電気式UUVの模型を展示していた。全体的なデザインは、少なくとも大まかな点でJN造船所のオリジナルの「セイルレス」潜水艦を強く彷彿とさせた。これは当時本誌が指摘していた通りである。JN造船所はCSSCの子会社である。
CSSCは当時、この無人潜水艦は、敵艦への攻撃、機雷敷設、特殊作戦部隊の支援、さらには小型無人潜水機(UUV)の母艦としての役割など、幅広い任務を遂行できるよう構成可能と述べていた。
2022年にロシアで公開された、低プロファイル弾道ミセイル潜水艦のコンセプト「アルクトゥール」の模型。@MuxelAero
2021年、米海軍は従来のセイルと低プロファイル設計の利点を組み合わせる可能性のある「膨張式セイル構造のコンセプト」を求める契約公告を出し注目を集めた、。それ以降、海軍がこの「膨張展開式セイルシステム(IDSS)」に関してどの程度の作業を進めてきたかは不明だが、これは水上での一般作戦においてセイルがいかに重要であるかを浮き彫りにしている。
一方、中国人民解放軍海軍(PLAN)の潜水艦部隊は、近代的なタイプの数が増加し、能力と規模の両面で成長を続けている。米国当局者は過去、新型の中国潜水艦の品質が米国の設計に迫りつつあると公言してきた。最近渤海で別の新型潜水艦が姿を現したことで、さらに裏付けられている。新型の原子力潜水艦に加え、中国は041型、あるいは周級と呼ばれる、原子力と通常動力ハイブリッド推進システムを搭載した設計を少なくとも1種類開発していると見られている。041型の最初の事例は、2024年に造船所で沈没したとみられる事態で明らかになった。
2024年に中国の武昌造船所で沈没したとみられる、初確認された041型潜水艦を取り囲むクレーン船。写真 © 2024 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. 許可を得て転載
原子力推進の活用拡大は、太平洋およびその先における中国潜水艦の行動範囲を拡大するものであり、明らかに中国海軍(PLAN)が将来に向けて描く海軍力投射の大きな構想の一部である。
「中国人民解放軍海軍は、ディーゼル電気式から全原子力式への建造における重要な戦略的転換を進めており、これは従来の建造パターンからの根本的な転換を意味する」 と、米海軍情報局長のマイク・ブルックス海軍少将は、3月に開催された米中経済安全保障検討委員会の公聴会に先立ち、準備された発言原稿の中で述べた。
ブルックス少将はまた、特にハイブリッド型041型潜水艦が、「より長い航続距離を実現し、フルサイズのSSN(攻撃型原子力潜水艦)やSSGN [誘導ミセイル潜水艦]より経済的に遂行できる可能性がある」と述べた。
中国は、一般的に海軍の存在感を示すこと、特に広範かつ広く争われている南シナ海における海洋領有権主張やその他の地域での主張を主張するために、大きな需要を抱えている。中国人民解放軍海軍(PLAN)は、全体として規模を拡大し、戦闘艦隊の範囲を拡大し続けており、そのペースは世界の他の海軍をはるかに上回っている。これには米海軍も含まれており、本誌が常々指摘しているように、その格差はますます懸念されるものとなっている。
JN造船所で登場した潜水艦については、まだ未解明の点が多いが、従来型セイルを持たない新しい低視認性設計の可能性があり、おそらく中国人民解放軍海軍の水中高速迎撃艦として機能し、中国のより大規模な将来の潜水艦計画の一環となるものと思われる。■
ジョセフ・トレヴィシック
副編集長
ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。