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2026年5月15日金曜日

中国の核戦力はどこまで脅威になっているのか

 

中国の核三本柱の実態

中国は米国と対等な水準w、核三本柱に資源を過去10年間、多大に資源を投入してきた

国の核戦力は、同国の他の軍部隊と同様、ここ数十年で比較的旧式な戦力から、強固で能力の高い脅威へ変貌を遂げてきた。かつて限定的な抑止力しかなかった中国だが、現在では米国に匹敵する、あらゆる局面に対応可能な核三本柱を保有している。

米国の推計によると、中国は現在約600発の運用可能な核弾頭を保有しており、20年代の終わりまでに400発が追加配備される見込みだ。北京は、陸・海・空の抑止力を均衡させた対等な核保有国へ急速に進化している。

陸上戦力:中国のICBM

中国は、中国人民解放軍ロケット軍(PLARF)が運用する新しい発射サイロ数百基を保有している。

中国の保有する主要システムは、米国本土を標的とするのに十分な射程を持つMIRV(多弾頭独立再突入体)搭載可能なICBM「DF-41」である。DF-41を補完するのが、サイロ配備または移動配備が可能な固体燃料ミサイルDF-31と、太平洋の島嶼部にある米軍を攻撃できる能力から「グアムキラー」と呼ばれる中距離ミサイルDF-26である。陸上戦力は発射まで数分という迅速な運用が可能で、中国に規模、速度、そして常時警戒態勢をもたらしている。

海上戦力:中国の原子力潜水艦

中国は現在、6~8隻の094型ジン級SSBN(核搭載攻撃型潜水艦)を保有している。各潜水艦にはJL-3 SLBMが搭載されており、射程は14,000キロメートルに達する。これは、中国本土近海から米国本土を攻撃するのに十分な距離である。次世代SSBNも開発中だ。096型は2万トンの排水量を有しながら、静粛性が高く、生存性も向上している。

中国の海上戦力は、本土が壊滅的な核攻撃を受けた場合でも、第二撃能力を確保する。米国や英国と同様、少なくとも1隻の中国SSBNが常に哨戒任務に就いている。

航空戦力:老朽化する中国の爆撃機

中国の航空戦力は、空対地弾道ミサイルを搭載する西安H-6N爆撃機に限定されている。H-6はステルス機能がない機体で、1950年代に初めて配備されたもので、航続距離は比較的短く、数十年前から時代遅れとなっている。

現在、中国は西安H-20ステルス爆撃機の配備を進めている。これは全翼機設計で、核兵器と通常兵器の両方を搭載できると見込まれている。H-20は2030年代初頭に初飛行し、米国以外で初めて配備されるステルス爆撃機となる見込みだ。H-20は中国に、柔軟な標的選定が可能な回収可能な核兵器をもたらすことになるが、この爆撃機がB-21レイダーや、さらには一世代前のB-2スピリットといった米国のステルス爆撃機と同等の性能を持つとは見込まれていない。

中国の核戦略はブラックボックスである

技術の進歩により、従来の「最小限の抑止」戦略から、新たな「戦略的抑止」への転換が促進されている。

中国の公式見解では「先制不使用」政策が明記されているものの、実態はますます疑問視されている。中国の最高指導者である習近平は、中国の核備蓄を拡大する一方で、サイロを急速に建設し、複数のICBM試験発射を実施してきた。能力と備蓄の積極的な拡大は、その意図について疑問を投げかける一方で、核の近代化が習の最優先戦略課題の一つであることを示している。

中国はもはや二流の核保有国ではなく、米国やロシアと対等に近い水準に達している。これによる戦略的利益は、米国に対する抑止力の拡大にある。中国の新たに強化された核能力は、核エスカレーションへの懸念から米国が台湾紛争に介入するリスクを低減させる。

より大きな視点から見れば、中国の「核三本柱」は世界の核バランスを再構築している。中国は世界情勢を左右し、敵対勢力の行動に影響を与え得る核兵器を保有するに至った。その影響は複合的に広がるだろう。米国と同盟国は抑止態勢の再評価を迫られており、日本や韓国が自国の核保有を再考する可能性があり、インド太平洋全域における核拡散のリスクを高めることになる。■

著者について:ハリソン・カッス

ハリソン・カッスは、国家安全保障、テクノロジー、政治文化を専門とする作家兼弁護士である。彼の執筆記事は、『シティ・ジャーナル』、『ザ・ヒル』、『キレット』、『スペクテイター』、および『ザ・サイファー・ブリーフ』に掲載されている。オレゴン大学で法学博士号(JD)を、ニューヨーク大学(NYU)でグローバル・ジョイント・プログラム研究の修士号を取得している。詳細はharrisonkass.comを参照。


Who’s Afraid of China’s Nuclear Triad?

May 11, 2026

By: Harrison Kass

Over the past decade, China has poured resources into its nuclear triad in an attempt to achieve rough parity with the United States.

https://nationalinterest.org/blog/buzz/whos-afraid-of-chinas-nuclear-triad-hk-051126


2024年12月1日日曜日

40年ぶりに太平洋にICBMを試射した中国―米国がはじめて中国を核抑止力で中心に据えた(The War Zone)


中国が大陸間弾道ミサイルを太平洋に初めて発射したのは1980年のことで、今回の発射は、急速に進化する中国の核態勢を浮き彫りにした。 

For the first time in more than four decades, China has fired an intercontinental ballistic missile (ICBM) out in the Western Pacific, ostensibly for training purposes.  

Global Times


国は40年以上ぶりに西太平洋へ大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。これは米国とその同盟国に対して即座にシグナルを送るものだ。また、中国が核兵器の備蓄とICBM兵器を劇的に拡大し続けているため、今回の発射が定期的な外洋実験の始まりとなる可能性もある。

中国国防省は本日未明(中国では現在9月26日木曜日)、ICBMの発射を発表したが、詳細は限られており、発射されたミサイルの具体的な種類は明らかにしなかった。同省は、ミサイルには実弾は装填されていないと強調している。中国が最後に何らかのICBMを太平洋に飛ばしたのは、少なくとも我々が知る限りでは1980年である。それ以来、中国のICBM発射は、国の西端にある内陸地を標的にしている。中国軍はその間に、南シナ海を含む、より広い西太平洋地域の水域に、より短距離の弾道ミサイルを発射している。

公開されている警告通知によれば、ミサイルは南シナ海の北端にある海南島から発射され、フランス領ポリネシア周辺のフランスの排他的経済水域のすぐ外側にある太平洋を狙っていた。発射地点から着弾地点までの距離はおよそ7,145マイル(11,500キロ)で、海南島から発射されたミサイルは、サイロ型ではなく、DF-31やDF-41のような路上移動型ICBMであることを示唆している。中国は近年、サイロのインフラを大規模に拡張しているが、知られているフィールドはすべて本土の奥深くにある。また、中国にはDF-31のサイロ・ベース・バージョンもあり、DF-41の亜種もこの方法で発射できる可能性があるという議論が長い間行われてきたことも注目に値する。中国が最後に確認した外洋でのICBM発射は、旧式のサイロ型DF-5であった。

国防総省が以前に公開した、中国北西部の野原にある新しいサイロの作業中の衛星画像。DOD 

国防総省の中国年次報告書に含まれる衛星画像では、中国北西部にある新しいICBMサイロの作業が、少なくとも外見上は完了しているように見える。国防総省の専門家やオブザーバーは、中国の太平洋へのICBM発射には、実際的な訓練やテストの価値があると指摘している。これには、そのようなミサイルを典型的な飛行プロフィールに沿って意図した射程距離まで発射する完全な動作を経験できることも含まれる。中国のICBMは、内陸の射程にあるターゲットに向けて発射される場合、利用できるスペースが比較的限られているため、非常に高い軌道で発射される。海南島からの実弾発射はまた、中国の要員にとって、前方サイトへの道路移動式発射装置の配備と、そこで実際に発射装置を使用する練習をする貴重な機会となる。米国含む核保有国は、訓練や試験の目的だけでなく、一般的な抑止力を示したり、シグナルを送ったりするため、大西洋だけでなく太平洋にも核搭載弾道ミサイルを日常的に発射している。


同時に、中国が数十年ぶりに外洋ICBMを太平洋に発射したことは、この地域全体、そしてそれ以外の国々にも明確なシグナルを送ることになる。日本の共同通信によれば、中国当局は、同盟国であるアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国に、発射を通告した。当然のことながら、米空軍のRC-135Sコブラボール(ミサイル発射に関する情報を収集するために特別に構成された航空機)は、オンラインの飛行追跡データによると、西太平洋上空にいたようだ。アメリカ政府や他の国々に、現在の中国のICBM能力について新たな洞察を得る貴重な機会を与えただろう。

それ以外の各国が事前に通知を受けていたかどうかは不明である。すでに述べたように、着弾地点はアメリカの同盟国であるフランスの領土に近かったようだ。ミサイルの進路は、台湾とフィリピンの間を蛇行したようだ。ジョー・バイデン米大統領は、国連演説で、中国との競争と協力、そして韓国や日本との強い絆に注意を喚起した。

「中国との競争が衝突に発展しないよう、責任を持って管理しようとするとき、我々はまた、我々の原則を守る必要がある」とバイデンは言った。「私たちは、私たちの国民と世界中の人々のために、緊急の課題に対して協力する用意がある」 今回の発射はまた、前述のサイロの増強を含め、中国軍が核兵器とミサイル兵器を大幅に拡大していることに米政府が注意を喚起し、これらの開発についてより透明性を求めてきた数年後に続くものだ。米国防総省によれば、中国の核兵器保有量は2020年から2023年の間に2倍以上に増加したという。米政府の評価によれば、中国が保有する核弾頭は現在合計500発と推定され、この数字は2030年までに約1000発、2035年までに1500発に増加すると予想されている。 今年8月、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、米国の核抑止戦略が史上初めて中国を中心に据えたものになったと報じた。タイムズは機密文書を引用し、「中国、ロシア、北朝鮮からの協調的な核の挑戦の可能性」を警戒していると伝えた。軍事協力の領域を含め、中国とロシアの結びつきは近年、特に2022年以降、ウクライナ戦争が続いた結果、クレムリンが世界的に孤立を深めていることから、大幅に拡大している。 

アメリカ政府高官もまた、新たな戦略的軍備管理協定の可能性について、中国側を交渉のテーブルに着かせようと働きかけているが、今のところ大きな成果は得られていない。 

中国とアメリカ、そして太平洋地域やそれ以外の多くの国々の間には、台湾の地位を含む多くの問題をめぐって地政学的な摩擦が存在する。特に南シナ海における北京の広範かつほとんど未承認の領有権主張は、ここ数カ月フィリピン周辺で見られたように、大きな紛争に発展しかねない一触即発の事態を引き起こす危険性を特に大きくしている。 

中国の新たな外洋ICBM発射は、国内にシグナルを送ることも意図している可能性がある。人民解放軍ロケット部隊(PLARF)は、2023年に大規模な指導部再編につながった汚職スキャンダルの中心にあったと伝えられている。PLARFは、核ミサイル、地上発射弾道ミサイル、巡航ミサイル、極超音速ミサイル、様々な補助的なミサイルの兵器庫を監督している。 直近のメッセージ性だけでなく、海南島からのICBM発射は、中国の政策における大きな変化を反映したものだ。中国国防省は、ミサイル発射を「年次訓練計画」の「日常的な」ものだと説明している。 

特に、核兵器の規模と範囲が拡大し、それに伴って抑止政策が進化するにつれて、中国はますますその能力の全容を示し、よりオープンで信頼できる方法でそれを行う必要がある。すでに述べたように、米国をはじめとする核保有国は、まさにこうした理由から、核搭載弾道ミサイルの洋上発射を日常的に行っている。1980年以来初となる中国のICBMの洋上発射実験は中国の核・ミサイル能力の拡大を浮き彫りにする大きな進展である。■

First Chinese ICBM Test Into The Pacific In Decades Is A Big Deal

China last fired an intercontinental ballistic missile into the Pacific in 1980 and its latest launch highlights its rapidly evolving nuclear posture.

Joseph Trevithick

Posted on Sep 25, 2024 5:16 PM EDT

https://www.twz.com/nuclear/first-chinese-icbm-test-into-the-pacific-in-decades-is-a-big-deal


2020年12月16日水曜日

中共が保有する核弾頭数は350発。知られざる核兵器管理の現状について米レポートが解説。

 中国国民が知らされていない事実をこうして簡単に我々がアクセスできるのもこちらのシステムが優れている証拠でしょう。このシステムを崩されないためにも抑止力による防衛が必要ですね。中国が核兵器をもっていることを脅威と「思わせない」工作への対抗も必要です。

 

 

軍事パレードにDF-41車両起立発射方式ミサイル16発が登場した。国営新華社通信は人民解放軍ロケット軍の二個連隊所属とした。(Kevin Frayer/Getty Images)

 

原子力科学者時報の論文が中国の核弾頭数を350発と推定しており、国防総省の推定より大幅に多くなっている。

 

同論文は米科学者連盟の核兵器情報プロジェクト主管のハンス・クリステンセン、同連盟のマット・コーダの共著で配備済み弾頭数と「開発中」新型弾頭数を算出している。

 

ペンタゴンの2020年版中国の軍事力レポートは極超音速ミサイル、サイロ収納式、地上移動式の大陸間弾道ミサイルや潜水艦搭載ミサイルをあわせ、「200台前半」と推定していた。▼今回の論文では350発の弾頭のうち、推定272発が投入可能とあり、推定は陸上配備ミサイルに204発、潜水艦48発、空中投下式20発を含む。

 

このうち投下爆弾のミッションは低調になっており、核弾頭をつけた空中発射式弾道ミサイルを開発中と言われる。▼西安H-6爆撃機が極超音速ミサイルのモックアップを搭載する姿が目撃されているが、開発状況は不明だ。▼推定350発には空中発射式弾道ミサイル、極超音速ミサイルは含まれておらず、DF-5C大陸間弾道ミサイルで運用する多弾頭装備も入っていない。▼中国は旧式装備を廃止しても多弾頭化で核兵力を増強できる。

 

とはいえ、論文は中国の核兵器保有量は数千発という米国、ロシアよりかなり低いと指摘する。▼トランプ政権の軍備管理特使マーシャル・ビリングスリーが中国が米ロ両国と「核兵器で同等」の兵力整備に向かっていると発言したが、「事実とする根拠は希薄なようだ」と両著者は指摘している。▼同時に中国核部隊の警戒態勢は高くなく、弾頭の大部分は集中管理しており、各地の部隊への配備は少数とも指摘している。

 

ペンタゴンもこの部分は同意見で、発射装置、ミサイル、弾頭は別々に管理されているとし、PLAロケット軍は「戦闘即応体制」や「高度警戒態勢」演習を実施しており、「ミサイル大隊に発射体制のまま月単位で交代待機させている」と述べている。

 

中国では自国核部隊の現状を「中程度の警戒態勢」としており、今回の論文では平時には「一部部隊を戦闘態勢にし、核弾頭を近隣の施設で中央軍事委員会の統制下で保管しつつ必要なら迅速に部隊に搬送する体制を維持してる」という。

 

この記事は以下を再構成したものです。


Report estimates Chinese nuclear stockpile at 350 warheads

By: Mike Yeo