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2020年9月16日水曜日

韓国KF-Xが4.5世代機でF-35を上回る機体価格になる....海外市場での訴求力はあるのか

 


国はF-35AライトニングIIステルス戦闘機計40機を購入すると2020年6月に発表した。先行調達分13機に追加する。

 

さらに2020年8月に入り、国防整備計画(2021年-2025年)の一環として空母一隻の建造計画も発表し、中国、日本と競合する態度を示した。韓国の空母は全通型甲板といわれるが、垂直着陸型F-35Bの導入に踏み切るか明確でない。

 

現実味のあるシナリオは韓国製空母に国産KF-X多任務機を導入する案だ。KF-Xの初飛行は2022年予定。同機は最高速度1,400 mph(約マッハ1.83)、航続距離約1,800マイルでペイロードは7.7トンとなる。

 

これは「ニュース」といいがたい。というのはKF-X構想は2010年に韓国とインドネシアの共同開発事業として発表されており、昨年のソウルADEX2019見本市まで同機の詳細は不明のままだった。販促ビデオで高性能ぶりをうたうものの、気になるのは同機が4.5世代機と称されていることで、韓国が同機を空母搭載すればF-35Bより一歩後退する機材となる。

 

 

韓国航空宇宙工業(KAI)が試作型一号機の製造を進展中とされ、機体の画像があちこちに現れてきた。KAIは同機は単座型・複座型を並行生産し、主翼に各三点のハードポイントがあり各種兵装あるいは燃料タンクを搭載可能とするが共通だ。機体本体下にミサイル四発を搭載する。

 

相当の性能の機体になっても第五世代機にならないまま、機体価格の問題がついてまわる。Eurasian Times記事では航空専門家の見解としてKF-Xの価格はロッキード・マーティンF-35を上回るとある。KF-Xは韓国史上最大の国産装備開発事例となるが、記事では政府は8.6兆ウォン(70億ドル)を投じているとある。

 

本生産が始まり、韓国空軍(ROKAF)向け引き渡しが2026年に始まるころには政府は10兆ウォンを追加投入しているはずだ。Forbes.comはKF-X機体単価を約130百万ドルとみており、F-35の2019年価格以上となる。

 

F-35に関してはロッキード・マーティンが価格低下を実現している。これが海外で関心を集め、F-35は今のところ海外導入実績のある唯一のステルス戦闘機になっている。韓国も海外市場の関心を集める機体が作れるかは未知数だ。

 

韓国は老朽化進むマクダネル・ダグラスF-4D/EファントムII、ノースロップF-5E/FタイガーIIの更新機材として120機を必要とするが、KF-Xは非常に高額な選択肢になる可能性がある。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

South Korea's KF-X Stealth Aircraft Could Cost More Than an F-35

September 11, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: Korea Watch  Tags: South KoreaKF-XStealthF-35North KoreaMilitary

South Korea's KF-X Stealth Aircraft Could Cost More Than an F-35

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.

 

Image: Korea Aerospace Industries​.

 


2017年11月6日月曜日

韓国KF-Xの開発状況、装備品国産開発を狙う


どうも韓国の国産戦闘機開発事業では機体サイズが今後の発展性の脚を引っ張りそうですね。また技術を大量に海外導入する計算がそのままうまく行くか注目ですね。日本ほどではないとしても相当高価な機体になりそうです。ともかくプロジェクトが今後どう進展するか見守りましょう。


Aviation Week & Space Technology

South Korea Tackles Challenging Systems Development In KF-X

Indigenous systems development intensifies KF-X challenge
KF-Xで技術国産化の難題に挑戦する韓国

Oct 26, 2017Bradley Perrett and Kim Minseok | Aviation Week & Space Technology

新規参入国にとって戦闘機開発は海外メーカーが機内装備を提供しても難易度が高い。そのため複雑装備の国内開発は避けることが多い。
  • だが韓国は韓国航空宇宙工業(KAI)のKF-X国産戦闘機でこれに果敢に挑戦している。成功するため技術陣は戦闘機以外の技術、ときには航空業界以外の技術も応用する必要がある。利用可能な外部技術があれば自ら挑戦するのを避けている。
  • 注目されるのが国産レーダー開発でアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)を作ろうとする。その他の国産装備で予定されるものにフライトコントロールコンピュータ、油圧系、電子戦装備等がある。韓国技術陣は今は主導的立場をとっている。ただし海外企業多数が参画しているため今後もそのままでいられるか不明だ。
  • 2015年までに国防省の野心的な技術促進部門がKF-X立ち上げを提唱し、当時は海外の先進装備を導入した機材を第一段とし、国内産業は同事業通じ技術的に追いついてから国産装備を後日開発する予定だった。
  • だが米国が技術統合に協力しないと明らかになると韓国は国産化をめざした。だが欧州やイスラエル製の装備より国産開発の方がなぜ望ましいのか説明がない。
  • それはともかく韓国は国防開発庁 Agency for Defense Development (ADD)を発足し難易度の高い事業で韓国民間企業を支援することとした。ハンファHanwhaとLIG Nex1が筆頭だ。KAIは主契約企業として当然深く関与している。
  • ハンファの国防電子事業部門ハンファシステムズがADDと共同で戦闘機用レーダーを開発したのには驚かされた。LIG Nex1はこの分野で知見が豊かだ。事実同社はKF-Xレーダーのコンセプトモデルを本年のソウル航空宇宙防衛展示会(10月16日-22日)に出展したばかりだ。
  • ハンファシステムズは戦闘機の目標捕ポッド開発中でADDの支援を多数得ていることは疑いない。韓国は同種装備は未体験であるものの海軍用赤外線センサー技術がある。課題は小型化だと関係者が認識している。ADDは偵察用ポッド開発の知見がある。
  • ポッドにするのはロッキード・マーティンF-35で機内搭載したのと対照的で装備統合作業の難易度を考慮したことと機内に余裕がないためだろう。ポッド使用のため予定されるステルス版KF-Xで低レーダー反射効果は地対空運用で期待できない。兵装庫にも大型装備は搭載できないだろう。
  • これに対して電子戦(EW)装備はLIG Nex1が開発中で機内装備となる。ALQ-200EWポッドの技術を流用する。同ポッドは韓国でF-16とF-4で実用化している。
  • 同社はフライトコントロールコンピュータ、電波高度計、フライトデータレコーダーも供給する。これらは大韓航空のMUAV偵察無人機用に開発したものを流用する。
  • KF-Xとつながりが一番大きい既存事業がT-50練習機および軽攻撃機の開発事例だ。T-50では通常の油圧3,000 psi (21,000 kPa)を採用したが、KAIは 5,000 psiを採用し重量軽減と小型化を図りたかったが、3,000 psi前提にした技術内容と試験機器があることから結局3,000 psiに落ち着いた。スペインの油圧技術専門会社CESAが開発を助けている。同社は拘束フックの設計も支援している。
  • 比較するとKF-Xは大型で搭載機器も多く、レーダーの容量はT-50より増える。LIG Nex1の消費電力は50%以上増えている。
  • ヘッドアップディスプレイ(HUD)はBAEシステムズのライセンスを得てLIG Nex1が製造する。ただし設計には他のエイビオニクスとの整合性を配慮する必要がある。BAEはT-50でもHUDを提供したが内容はこれより低かった。
  • KAIはHeroux-Devtek、ハンファ両社に降着装置開発をさせることとした。作業の大部分は知見豊かな前者(カナダ企業)が行うだろうが、公式発表はまだない。
  • KF-XのエンジンはジェネラルエレクトリックF414だ。ハンファの推進器事業部ハンファテックウィンがパーツ製造とともに統合化作業と装着にあたる。ここでも海外メーカーが大きな役割を演じることは最初から認められている。■

2016年5月27日金曜日

韓国がGEエンジンをKF-Xに選定



S. Korea Picks GE to Provide Engines for Fighters

Agence France-Presse9:50 a.m. EDT May 26, 2016
635998517785930305-KF-X-fighter.JPG(Photo: KAI)
SEOUL, South Korea — 韓国は戦闘機開発事業で米ジェネラルエレクトリックのエンジン採用を決定したと政府関係者が明らかにした。
  1. 国防調達事業庁DAPAの広報官はAFPに「6月に正式契約を調印したい」と述べた。.
  2. GEエイビエーションがユーロジェット共同事業体(ロールスロイスホールディングsとMTUエアロエンジンAGなどが構成)を下す形で選定された。
  3. 韓国はこれから十年間で「国産」次世代多用途戦闘機を(韓国向けに)120機生産し、F-4、F-5の後継機とする構想だ。
  4. 韓国戦闘機実験機(KF-X)には18兆ウォン(152億ドル)の予算が付き、インドネシアも一部費用を負担することで今年初めに調印している。
  5. インドネシアは(50機の調達をめざし)費用の二割を負担し、最高で100名を開発生産に参画させる。
  6. DAPAは政府官庁で事業統括の立場だが、産業界では韓国航空宇宙工業(KAI)がまとめ役として事業を推進していく。
  7. KAIは昨年三月にロッキード・マーティンと組み契約を獲得している。
  8. 韓国はロッキード・マーティン保有のジェット戦闘機関連技術25件を利用したいとして居tが、米政府がこのうち4点の移転を禁じている。その機微技術にはアクティブ電子スキャンアレイ(AESA) レーダーが含まれている。■
なお対象のエンジンはF414-GE-400とのことでユーロジェットEJ200を性能、価格、現地生産化、事業管理のすべてで上回ったのが選定の理由と調達事業庁は発表しています。


2016年1月6日水曜日

★韓国>KF-Xで先行き不透明のまま開発開始か



お隣の国ながら先行き心配な事業のスタートですね。なんとかなる、と始めるのはいいのですが、結局絵に書いた餅にならないよう必要な計画変更や予算手当をしてもらいたいところです。しかしダメダメな政府の代わりに借り入れで資金調達までしたKAIは立派ですね。

South Korea Contracts KAI For KF-X Development

Dec 28, 2015 Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

SYDNEY—韓国政府は韓国航空宇宙工業(KAI)にKF-X戦闘機の調達契約を期間2016年から26年、納入開始を2026年設定で12月28日付けで交付した。
  1. 双発でユーロファイター・タイフーンとほぼ同寸のKF-Xの開発ではインドネシアの支援を受ける。だがKAIが2016年中に契約をどこまで履行できるか不明だ。国防省が確保した当初12ヶ月分予算がきわめて少ないため。
  2. さらに米国技術にどこまでのアクセスを韓国が許されるかも不透明だ。
  3. 開発期間を10年半とすると韓国国防調達庁(DAPA)が発表している。
  4. 発足式典は1月予定と韓国経済日報が伝え、1号機は2026年9月に引き渡し予定だという。まず40機を生産し、その後80機を2029年から2032年に製造する。
  5. KAIが2016年に支出できる額は不明だが小規模のようだ。国会は670億ウォンを認めたが国防省原案の1,620億ウォン、財務省が開発期間全体で認めた8.8兆ウォンに比べると相当低い。
  6. インドネシア議会もKF-X向けに1.07兆ルピア(79百万ドル、910億ウォン)をすでに10月に承認しているが、全額が2016年に利用可能ではないものの、韓国自体の予算規模よりは大きくなるだろう。仮にインドネシアが20%に設定した開発費用の負担枠いっぱいに支出しても、当初10年間で想定した予算規模のわずか1.3%しか手当できないことになる。比較のため、F/A-18ホーネットでは開発初年度だけで総開発期間7年の7.5%相当の予算がついていた。
  7. 昨年10月にDAPAは次年度のKF-X開発予算として600億ウォンの追加要求をしたとの報道を否定している。先行したT-50超音速練習機とスリオンヘリコプターの両開発事業でKAIは自社で資金を借り入れ予算不足による開発遅延を回避している。
  8. さらに開発予算総額は財務省の精査を受けている。国防省傘下のシンクタンク韓国国防研究院によれば10兆ウォン超の追加投入が必要と見積もっている。
  9. DAPAはKAIを昨年3月に契約企業と選定し、エアバスと組んた大韓航空を認めなかった。ロッキード・マーティンはKF-X開発で技術支援をすることになっており、その見返りで韓国はF-35ライントニングII40機をF-X第三段階として導入する。
  10. 米国は中核技術をKF-Xに導入する許可を出していない。軍事機密の漏洩を恐れているためだ。インドネシアが参画しているが、米国は同国には軍事技術をほとんど供与しておらず、米政府としても前向きになれない。米韓両国はこの問題で結論を出し切れていない。■


2015年12月7日月曜日

★韓国>KF-X悲願の国産戦闘機開発は来年も足踏み状態へ

韓国の国産戦闘機開発はかなり困難なようで、事業中止は避けられてたものの、この分では長い時間がかかりそうですね。

「aviation week network」の画像検索結果South Korea’s KF-X Still Treading Water

Dec 3, 2015 Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

Artist's concept of KFX: KAI

BEIJING – 韓国の国産戦闘機開発事業KF-Xは来年も大きな進展はなさそうだが、事業中止だけは避けられた。

  1. 韓国国会は12月2日にKF-Xに670億ウォン(57.3百万ドル)の支出を認めたが、初期開発で最低限の予算にすぎない。KF-Xは双発でユーロファイター・タイフーンと同等の大きさの機体をめざす。開発にはロッキード・マーティンとインドネシア(開発分担20%)が控える。
  2. 韓国国防省は正式開発の開始を来年も期待できず財務当局に1,620億ウォンを要求していたが、今回国会が承認した水準まで査定されている。
  3. そもそも同事業には予算承認がまったく期待できない状態だった。9月には事業の推進に対する国会内反対意見が高まった。米側が機微技術の提供をしないと判明したためで、これまで韓国防衛事業庁(DAPA)が米側の協力を取り付けられと確約していたのに反する事態になった。
  4. 10月には国会の国防部会からDAPAがKF-Xに関し総合的かつ説得力のある報告が出ない場合、事業への支出そのものを中止すべきとの提言が出た。
  5. 同部会は最終的に予算手当てを推奨したが国会が同提言を承認しない可能性もあった。朴 槿惠大統領もDAPAに現状報告を求めた。大統領権限で事業中止を命じることもできたが、しなかった。DAPAは財務省を通じず、国会に当初の1,620億ウォン予算承認を求めたが、DAPA長官Chang Myoungjin はこの予算がつかないと事業は二三年遅れると発言していた。
  6. だが単年度予算が不十分となるとなぜ複数年度にまたがる遅延が発生するのか説明が足りなかった。国会議員Kim Seongchan がChang長官をこの点で質すと、個人の知見でそうなるはずと発言しただけと露呈した。
  7. DAPAは2012年以降、本格開発の開始を提案を毎年しているが、国会が繰り返し初期開発分の予算しか承認していない。
  8. KF-Xの初飛行は本格開発開始後7年後を見込んでいるのが韓国航空宇宙工業(KAI)の見解だ。同社は主契約企業になることが期待されている。本格生産の承認は開発開始後8年目というのが同社の目論見だ。
  9. KAIとインドネシア政府が先月締結した初期契約では国会内の抵抗は存在しない前提になっているが、肝心の技術移転で実現の途が見えない。
  10. 聨合通信社は米国防総省報道官が「米政府はロッキード・マーティンと協議中であり、同社と緊密に作業しKF-X事業の実現を確実にしていく」と発言していると報じた。■

2015年10月31日土曜日

★韓国>混迷を極める国産次期戦闘機KF-X開発の行方



中国に傾きすぎて米国や日本から警戒される韓国が米国から戦闘機開発に必要な技術供与を米国から拒否されるのは言ってみれば自明の理ではないでしょうか。産業界、経済界には現在の韓国の立場がぜい弱で是正をもとめる「まともな」意見が多数ありますが、「国民感情」が政策決定の大きな要素である朴大統領にはまともな決断はもはや無理なのかもしれませんね。技術情報の秘匿性保護では日本も十分気を付けないといけませんが。

Skeptical Politicians Keep Embattled KF-X Alive

Oct 29, 2015Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

SEOUL — 今週、韓国の国産戦闘機開発KF-X事業は政府及び議会の試練を乗り越えたが、前例のない物議を呼ぶ事業になった。2016年度の予算手当が確定しておらず、事業の今後が心配される。
  1. 有力政治家の中にはKF-Xに韓国航空宇宙工業(KAI)のT-50練習・軽攻撃機の流用を主張する向きがあるが、空軍は関心を示していない。
  2. KF-XはトルコのTF-X、インドの高性能中型戦闘航空機事業とならび戦闘機用エンジンや装備のメーカーには重要な新規事業だが、一番実現の可能性が高い。だがそのリードも危うくなっている。それは初期開発段階から先に進めないままになっているからだ。
  3. このままでは同事業は2016年度の執行が疑問視される。国会の国防委員会は10月29日に670億ウォンの予算を財務省提案通り認可する提言を採択しているのだが。
  4. 提言の前日に同委員会は国防調達事業庁(DAPA)に対しKF-Xで説得性のある総合的な報告ができない場合は予算配分はできなくなると警告していた。
  5. 同委員会が懐疑的になっているのは国会が支出案をそのまま承認しない可能性があるためだ。 鄭斗彦Chung Doo-Un委員長は会計監査院に対し事業内容の精査を求めている。また同委員会はDAPAに対し別個の報告書提出を求めており、米国が中核技術の提供を拒んできたことから国産開発が可能なのか議会へ説明を要求している。
  6. 米国の決定は軍事機密保護が理由だが、KF-Xが米国製兵器体系から切り離される恐れを読んでいる。韓国空軍は米国製装備との連携を望んでいる。同様の装備をヨーロッパやイスラエルから供給受ける可能性もあるが、米軍が統合運用を拒んでくるだろう。
  7. 米国が機微情報の供与を拒む事態は以前から想定されていたが、韓国の政治指導層や大衆には想定外だったようで、KF-X事業が一気に物議を醸すことになった。
  8. 鄭は代わりにF-50を採用すべきだという。F-50はT-50の戦闘機型だ。この考え方は産業界に受け入れやすいもので、リスクと実現性でユーロファイター・タイフーンに匹敵するサイズの双発戦闘機をいちからつくるよりも安易だとされる。2014年にKAIは単発型のKF-Xをロッキード・マーティンF-16とほぼ同じ大きさの機体として提示していた。
  9. 韓国空軍は空対地ミサイルを重装備できる大型機材を求める傾向があると業界筋は言う。
  10. 軍事委員会との会議を前にDAPAは朴槿惠大統領へ報告している。大統領権限で事業を中止することも可能だ。だが大統領はDAPAへ10月27日に「予定通りの事業期間で成果を達成するよう」指示している。ただし、事業期間が正確にどのくらいあるのかは不明瞭になっている。朴大統領は人気取り政策で有名だ。
  11. 「KF-X事業で大統領はまるで剣闘士の試合を眺めるローマ帝王のようになるのでは」と内部事情に詳しい韓国技術者は評する。「観衆が『殺すな』と叫べば、大統領は事業を温存する。だがもし事業が不評で物議を醸しだせば、観衆は『殺せ』とわめきだし、大統領は事業を終了させるのではないか」■


2015年4月1日水曜日

★韓国KF-XはKAI-ロッキード連合が受注へ



S. Korea Opts for KAI-Lockheed in Fighter Deal

Agence France-Presse2:42 p.m. EDT March 30, 2015

SEOUL, South Korea — 韓国は韓国航空宇宙工業(KAI)と共同事業者ロッキード・マーティンをKF-X国産戦闘機120機の調達先に選定した。KF-Xは現有F-4、F-5の代替となる。
  1. 総額8.6兆ウォン(78億ドル)規模の事業獲得は提案内容が大韓航空ーエアバスチームより優れているためとみられる
  2. 「KAI提案を選定したのは費用、開発工程、開発能力の点で優れていたため」と国防調達事業庁 (DAPA) が声明で発表している。「正式契約の調印は今年上半期中を予定」としている。
  3. 韓国政府が開発費用の6割を負担し、残りはコンソーシアムとインドネシアが負担する。インドネシアは韓国との防衛協定に基づき事業に参画する。
  4. KAI-ロッキード連合はもともと有利と見られていた。韓国初の国産超音速練習機T-50を生産の実績もある。ロッキードはF-35A40機の販売にも成功しており、KF-Xでは中核技術を韓国に移転すると確約している。
  5. KALはユーロファイター生産の実績を有するコンソーシアムの一員エアバスとチームを組んで技術支援を売り物にしていた。エアバスは韓国向け空中給油機で13.8億ドル規模の成約を期待する。
  6. KF-Xでは韓国国防省は新型設計を求めているが、専門家の中には既存機種の大幅改造が現実的と見る向きが多い。
  7. また韓国は12.8億ドルでペイトリオットPAC-3ミサイルの導入も決め、北朝鮮の弾道ミサイルへの防衛体制を強化する。DAPA関係者はPAC-3ミサイル(数量不明)を2020年までに導入すると述べた。
  8. 韓国の現有PAC-2ではレイセオンが改修事業契約企業に選定されており、発射制御システムを改良しPAC-2、PAC-3双方を運用できるようにするという。■


2015年1月28日水曜日

★韓国KF-Xの行方:大韓航空の動きに注目



何かと騒がしい韓国の話題ですが、この件もまた紛糾しそうですね。そもそも大韓航空が製造部門をも有している事実はあまり知られていませんが、あまりにもタイミングが悪い。いっそのこと別企業として独立させ、しかもKALのイメージがつかない形にできませんかね。F-35導入を決めたものの機体整備は日本には任せたくない韓国空軍にとって実用的なKF-Xの実現は絶対必要なはず。それが政治問題化して紛糾すれば開発実用化は更に遠のきます。国防=国民の幸福のために行動を変容してもらわないと日本としても隣国の不安定化は見たくないところですね。


Price Factor Seen Favoring Korean Airlines For South Korea’s KF-X Fighter

Jan 26, 2015Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

韓国の国産戦闘機KF-X選定の決め手は価格になりそうで、大韓航空(KAL)が有利になる、と韓国政府関係者が明らかにした。
  1. 理由はKALはボーイング技術の利用で韓国航空宇宙工業(KAI)より安く提案できるから、と産業界に詳しい同上関係者は述べた。
  2. エアバスもKAL、ボーイングと組み米国の技術移転規制の対象分野を担当する予定と以前にAviation Weekが伝えていた。
  3. 韓国国防省は昨年12月23日に企画案提出を要請したが、実質上KAIとKALの二社競合になる。ただし国会は全面開発を承認していない。
  4. 企画案は性能要求水準を満たした上で提案企業の実績など技術力および提示価格からに審査すると政府関係部門は説明。100点満点で技術点が80点相当だ。
  5. そうなるとKAIが有利だ。だがKALの製造部門は海外からの技術支援でKAIとの技術ギャップを埋められると主張していると同上政府関係者は説明。もし、KAIとKALで技術点に差が発生しないと、残る価格点が決め手となるが、ここではKALが有利だ。
  6. KALはボーイングF/A-18E/F原型の設計案を出すとみられるが、業界筋によればボーイングはエアバスの協力を得て強気だという。開発費用がKAI案より安くなると判断される可能性は高い。KAIは韓国国防開発庁(ADD)による全面新開発案を提示するからだ。ボーイング、エアバス両社の各種技術データベースを利用して安価な提示をするだろう。
  7. 国防省の提案要求では新型機設計が前提だが、KAL案はスーパーホーネットを原型としつつ新型機の様相を持ち、かつ既存技術の利用でリスクを低減するものだ。
  8. 国防省はステルス特性は要求していないと同上政府関係者は明かす。ADDが初期段階で必要としない設定にしたため。
  9. 国防省がステルス形状を要求してもスーパーホーネット原型の提案で対応可能だ。ボーイングは20年間も社内研究をしているためだ。エアバスもステルス技術を提供するだろう。
  10. そこに韓国のオンラインニュース通信 News 1 がボーイングがKF-Xに不参加と伝えている。KALに勝算なしと判断したためだという。KALのイメージを大きく損ねる事件があったことが原因、としている。
  11. この報道は裏が取れていないが、大いに有り得る。KAL会長の実娘がマカダミアナッツをめぐり大韓航空機を出発ゲートに引き返させた事件がニューヨークで先月発生している。経緯はナッツが皿ではなくビニール袋で提供されたことに不満を覚えたためだったが、国際的にはおかしな事件と受け止められたものの、韓国国内では財閥家族が過剰なまで経営を支配していると政治問題化してしまった。
  12. KALの社名にドロがついた。そんな同社がKF-X選定で落札すれば相当の不評を招くだろう。そうなればスーパーホーネットのステルス版はマカダミアナッツで撃墜された最初の戦闘機になるかもしれない。■


2015年1月3日土曜日

★ボーイング・エアバス・大韓航空連合が韓国KF-X受注を狙う



しかし、なぜ大韓航空なのか。ナッツリターン事件で大きくイメージを傷つけたのに?実は同社はF-5の国産生産の実績があり、航空会社と言う側面だけでは理解できない企業のようです。しかし、ボーイングはこんな会社と組んで大丈夫なのかなあと思わざるを得ません。

Boeing, Airbus, Korean Air Join To Bid For KF-X

Dec 29, 2014Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report

Super Hornet: USAF

韓国が目指すKF-X国産戦闘機開発でエアバスボーイングロッキード・マーティンにみすみす落札させないよう、ヨーロッパでしか提供できない技術内容を提案する準備中と業界筋が明らかにした。
  1. 大韓航空を現地提携先として、ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットを原型に機体を開発する構想だ。
  2. 韓国国防省の調達機関である国防事業庁 Defense Acquisition Program Agency (DAPA)から12月23日にKF-X開発の提案要求が発出されている。
  3. 国防省の国防開発庁Agency for Defense Development (ADD)は韓国航空宇宙工業にロッキード・マーティンからの技術支援で機体開発させる構想だが、ボーイング-エアバス組の提案は経済効果が高い代替策をめざすもの。
  4. 合衆国は自国企業に海外移転できる技術内容で制限をかけている。韓国には多くの分野で国産化できない技術があり、エアバスにはステルス性能のノウハウをボーイングが期待しているのだろう。
  5. 総費用8.6991兆ウォン(約79億ドル)が財務省から認可されてADDのKF-X開発に目処が着いたといえる。しかし韓国国会は正式開発を認めておらず、来年12月の時点でも見通しは暗い。そこで大韓航空が安上がりな代替案を提出し、DAPAが反応するのを期待する構図だ。
  6. 以前から業界筋からボーイングが高性能版スーパーホーネットを提案するとの話が出ていた。別の筋からはボーイングが大韓航空と手を組むとの話もあった。そこにエアバスも加わるとの観測がでたわけだ。
  7. ボーイングがアメリカ国外の技術を売り込むのは今回がはじめてではない。F-15発展型サイレントイーグルをF-Xフェイズ3で提案した際にイスラエル航空宇宙工業の技術を盛り込もうとした。この際はロッキード・マーティンが入札に成功しており、F-35販売の見返りにKF-Xの技術開発支援を求められることになった。■