韓国の国産戦闘機開発はかなり困難なようで、事業中止は避けられてたものの、この分では長い時間がかかりそうですね。
South Korea’s KF-X Still Treading Water
Dec 3, 2015 Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report
Artist's concept of KFX: KAI
BEIJING – 韓国の国産戦闘機開発事業KF-Xは来年も大きな進展はなさそうだが、事業中止だけは避けられた。
- 韓国国会は12月2日にKF-Xに670億ウォン(57.3百万ドル)の支出を認めたが、初期開発で最低限の予算にすぎない。KF-Xは双発でユーロファイター・タイフーンと同等の大きさの機体をめざす。開発にはロッキード・マーティンとインドネシア(開発分担20%)が控える。
- 韓国国防省は正式開発の開始を来年も期待できず財務当局に1,620億ウォンを要求していたが、今回国会が承認した水準まで査定されている。
- そもそも同事業には予算承認がまったく期待できない状態だった。9月には事業の推進に対する国会内反対意見が高まった。米側が機微技術の提供をしないと判明したためで、これまで韓国防衛事業庁(DAPA)が米側の協力を取り付けられと確約していたのに反する事態になった。
- 10月には国会の国防部会からDAPAがKF-Xに関し総合的かつ説得力のある報告が出ない場合、事業への支出そのものを中止すべきとの提言が出た。
- 同部会は最終的に予算手当てを推奨したが国会が同提言を承認しない可能性もあった。朴 槿惠大統領もDAPAに現状報告を求めた。大統領権限で事業中止を命じることもできたが、しなかった。DAPAは財務省を通じず、国会に当初の1,620億ウォン予算承認を求めたが、DAPA長官Chang Myoungjin はこの予算がつかないと事業は二三年遅れると発言していた。
- だが単年度予算が不十分となるとなぜ複数年度にまたがる遅延が発生するのか説明が足りなかった。国会議員Kim Seongchan がChang長官をこの点で質すと、個人の知見でそうなるはずと発言しただけと露呈した。
- DAPAは2012年以降、本格開発の開始を提案を毎年しているが、国会が繰り返し初期開発分の予算しか承認していない。
- KF-Xの初飛行は本格開発開始後7年後を見込んでいるのが韓国航空宇宙工業(KAI)の見解だ。同社は主契約企業になることが期待されている。本格生産の承認は開発開始後8年目というのが同社の目論見だ。
- KAIとインドネシア政府が先月締結した初期契約では国会内の抵抗は存在しない前提になっているが、肝心の技術移転で実現の途が見えない。
- 聨合通信社は米国防総省報道官が「米政府はロッキード・マーティンと協議中であり、同社と緊密に作業しKF-X事業の実現を確実にしていく」と発言していると報じた。■
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