スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(#エンブラエル)が付いた投稿を表示しています

ボーイング、エンブラエル提携解消でC-390の行方が不安となる

ボ ーイング と エンブラエル の共同事業合意が破棄され、エンブラエルC-390ミレニアム軍用輸送機の海外販売が困難になりそうだ。▶共同事業案ではエンブラエルが51%、ボーイング49%の所有権を持つはずだったが、両社で最終合意できず不成立になったとボーイングは4月25日に発表。 共同事業案は欧州委員会の認可待ちだった。新会社発足の前に予備的措置の「マスター取引合意」で業務開始していた。▶ただしマスター合意事項では4月24日が合意形成の最終日だったが、形成できず両社は予備的合意を延長しないことで意見が一致したとボーイングは述べている。▶ボーイングは合意できなかった条件内容を明らかにせず、論評も避けている。エンブラエルも問合わせに対応していない。 C-390は双発軍用輸送機でブラジル空軍向けにエンブラエルが開発し、当初はKC-390として空中給油機兼輸送機としていた。▶両社は昨年11月のドバイ航空ショーでC-390ミレニアムに名称変更し、共同事業体名称をボーイング・エンブラエル-ディフェンスとすると発表し、各国の軍用市場参入を狙っていた。 今後のC-390の海外向け営業は困難の連続となる。各国とも輸送機を選択済みのためだ。さらに戦術輸送機の需要は比較的小さい。▶さらに市場は今後数年にわたり厳しい状況となる。Tealグループ予想では市場規模は2027年までに36.2億ドル規模と42%縮小する。生産規模も年間56機と24%減る。▶現在供用中の軍用輸送機は総数869機で ロッキード・マーティン のC-130(L-100)が2割を占める。さらにC-130の大部分は米空軍が運用中だ。 ボーイングと共同事業体を立ち上げエンブラエルは米国内に生産拠点を置きC-390を米国向けに販売する予定だった。ボーイングを通じ米国に生産ラインがあれば米国の有償軍事援助制度でC-390の各国向け販売が楽になるはずだった。▶今やこうした目論見が消えた。 ボーイングはエンブラエルと2012年に調印の提携関係は残し、C-390の販売、サポートを共同実施するとしている。ただし、同社は共同事業体構想と販売合意の違いを説明していない。 2019年11月以降ではエンブラエルはKC-390をブラジル空軍に2機納入しており、あと25機を引き渡す。ポルトガル向けに5機の確定受注があり、