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何が起こっても不思議はないトランプ政権の国防政策をあえて予測すると

大統領選挙というルールあるゲームでの勝者を認めない、というのがよくわかりません。自分が選んだ候補じゃないから認めたくないというのでは話になりません。移行期間が終わり、すでに新政権が始まっていますが、初めての21世紀型大統領に期待できることと失望させられることが混じり合うのではないでしょうか。ひょっとするとレーガン時代が再来するのかもしれません。ここに掲載したのは大西洋協議会という超エリートの観点ですが、現実を受け入れてよく見ようとしていますね。さすがです。 Opinion: Under ‘High-Beta’ Trump Presidency, Anything Could Happen Jan 20, 2017 Steven Grundman | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/opinion-under-high-beta-trump-presidency-anything-could-happen ドナルド・トランプ政権が国防政策でどんな前兆を見せてくるだろうか。国防予算は増額されるのか。軍の規模、構造、性質を変えるのか。重要な調達事業を取り消すのだろうか。今のところは「そうなるかも」としか言えない。トランプの選挙運動では国防については注意深く政策を検討した効果が出ており、政権移行中も予測のブレを示す兆候はほとんど皆無だった。 新政権から出てくる可能性はきわめて幅広く、予測を試みるのは無謀と言わざるをえない。よくトランプのペンタゴン変革の方向性を聞かれるが、著者は毎回ため息をついて「何が起こっても不思議はない」と答えている。あるいは機関投資家から「トランプの行っていることは『ハイ・ベータ』(ベータとは株式の変動を示す用語で分子生物学や高血圧症でも使う言い得て妙の表現だ)」との発言も耳に入ってくる。 ここまで不確実性がある中で著者は予測を断念し、変化の兆しとなる現象を直視することとした。以下は新政権の方向性を図る意味で著者が今後フォローする指標というべきものである。 国防支出: トランプ政権の提言は総額方式(基本国防予算に『海外緊急作戦(OCO)予算を加える)でオバマ政権と比較するとどうなるのか。2017年分としてオバマ政

★★トランプ大統領で米国防政策はこうなる

投票数で勝っても選挙人で多数を獲得できなければトランプ候補は当選できないのですが、ここに来て同候補に明らかに勢いがついており予想外の結果が生まれそうな気配です。トランプ大統領になって国防政策はどうなるのか、共和党の重鎮の考え方に耳を傾けてみましょう。このとおりならかなり期待できる国防政策が期待できそうです。選挙戦は人格攻撃など低劣になっていますが、冷静な思考が裏で動いいていることにホッとします。日本も一層の防衛支出を求められるのは避けられないでしょう。 Top Trump Military Advisers Detail GOP Candidate's Defense Plan By: Christopher P. Cavas and Joe Gould, October 30, 2016 http://www.defensenews.com/articles/trump-defense-plan-detailed 2016年大統領選挙で国防問題は主要争点になっていない。予算制限法の制約が予算強制削減措置とともに解除された場合を想定し、両陣営ともに国防政策では一般的な言及にとどめているのが現状で、その中でクリントン候補が政策面にやや詳しく触れている程度だ。トランプ候補は本人が軍の「惨状」と呼ぶ状況の再建に重点を置いている。だが両候補ともに各論となるとわずかしか明らかにしていない。 一般投票まで一週間となった今、共和党の軍事問題政策の重鎮二名からトランプ当選で国防がどうなるかが見えてきた。アラバマ州選出上院議員ジェフ・セッションズは上院軍事委員会に所属しトランプ政権誕生の暁には国防長官就任が濃厚と言われている。ランディ・フォーブス下院議員はヴァージニア州選出で下院海洋権力小委員会委員長だが来年1月で議員を退く。予備選に勝てなかったためだ。だがフォーブスは海軍問題での知見の豊かさで知られ、海軍長官候補のひとりた。 先週金曜日にこの両名がDefense Newsへトランプ政権のペンタゴン方針について語った。 政権発足早速とりかかる主要政策は何か セッションズ:トランプは米国は力による平和を推し進めるべきとする。軍の戦力が低下していると見ており、再建が必要だ。予算強制削減がその原因だ。アメリカの国益を第一にお

★’16大統領選挙>サンダース当選の場合、国防予算はこうなる

米国が内向きになっているのは悲しむべきことです。今年の大統領選候補者を見ると今までなかった主張が堂々と述べられているのに驚かされますが、その最右翼は左翼のサンダース候補でしょう。当選の可能性はわかりませんが、こんな政策が実施されれば日本は相当防衛費を増やさないといけなくなるでしょうし、中国にとってサンダース候補が一番望ましい選択になってしまいます。 Feel The Bern! What A Sanders’ Military Might Look Like By MARK CANCIAN  on February 08, 2016 at 3:08 PM http://breakingdefense.com/2016/02/feel-the-bern-what-a-sanders-military-might-look-like/ ひとつ思考実験をしてみよう。ヴァーモント州選出上院議員バーニー・サンダースが大統領に当選したらどうなるか。サンダースの国防政策はどうなるか。アイオワでの接戦で当選が確実になるものではない。党大会への道は険しい。だが国防の観点に絞れば検討する価値はありそうだ。 まず国防予算は大幅に縮小する。同候補の掲げる社会対策に資金が必要だ。税率アップで費用を賄うが、当然ほかの予算が削られる。民主党討論会でサンダースはスカンジナビア各国の社会福祉制度に言及している。各国はGDP比1.3%を国防に使っており、これは欧州地域NATO加盟国の平均に近い。これに対して米国は2016年に3.1%相当を国防に使う。(ただしここには戦役継続予算を含まず) これを1.3%に削るとDoD予算は2,350億ドルになるが、それでも世界最大規模とはいえ、現行の5.350億ドルが半減する。サンダースはまだこの提言を公にしていないが、自身の考える政府の役割のあるべき姿では当然この方向に進む。ではこの予算で調達できるもの、犠牲になるものを考えてみよう この予算規模をCSISが作成した戦力経費モデルに投入すると興味深い結果が出た。まず戦力はおおよそ6割カットで調達の仕組みは大幅に変更となる。この予算規模では第二次大戦後ずっと守ってきた戦力構造は維持できない。また世界規模でアメリカが当然のごとく実施してきた戦略も実施不可能となる。その前にすぐ現れる