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2018年3月22日木曜日

最新鋭攻撃型潜水艦コロラド就役、ヴァージニア級はさらに進化を続ける

ヴァージニア級はハンターキラーでありながら攻撃力を大幅につけた潜水艦なのですね。ブロック方式で進化できるのは大量建造を前提にしているからでしょうが息の長い整備計画です。中国ロシアの動きをにらみながら水中優越性を今後も維持するのは大変ですが、これが崩れると力のバランスも崩れるので官民あげてがんばっているということでしょうか。海軍長官が沿海域でも威力を発揮すると発言していますがよほどの自信があるのでしょう。ただ、東シナ海から中国沿海部にかけて活躍するには原子力潜水艦では扱いにくいと思っています。米海軍でも通常型潜水艦を復活すべきかの議論は平行線のままですが、米国も日本の潜水艦技術には注目しているはずで、日米共通の通常潜水艦部隊が生まれるといいですね。


Attack Submarine Colorado to Commission Saturday

March 16, 2018 2:37 PM

Nuclear attack boat Colorado (SSN-788) sits pierside on March 17, 2018. US Navy Photo


子力推進攻撃潜水艦USSコロラド(SSN-788) がコネチカット州ニューロンドン潜水艦基地で3月17日に就役式典を迎える。

建造は2012年開始されヴァージニア級高速攻撃潜水艦の第15号艦、ヴァージニア級のブロックIII仕様艦としては5番目となる。コロラドはコロラド州の艦名を冠する四番目の米海軍艦艇となる。

「USSコロラドは驚異の技術革新そのもので産官連携の力を示しています」と海軍長官リチャード・V・スペンサーRichard V. Spencerが報道資料で述べる。「今日の世界に必要とされる海中機材は広大な海域のみならず沿海域も含む広範な分野で優位性を示す必要があり、コロラドはわが国の権益をこれから数十年にわたり防護する艦になると自信を持っています」

 Lt. Anthony Matus uses an Xbox controller to maneuver the photonic mast aboard the USS Colorado (SSN-788). (Navy photo)
Lt. Anthony Matus uses an Xbox controller to maneuver the photonic mast aboard the USS Colorado (SSN-788). (Navy photo)


ブロックⅢでは艦首部分を再設計し大口径(87インチ)ヴァージニアペイロード発射管二本を装着し一本でトマホーク巡航ミサイル6発を運用する。対象は2008年から2013年度予算の計8隻だ。さらに3隻が建造される。

ヴァージニアペイロード発射管により建造は簡略化され調達費用が下がりながら従来の小型垂直発射管(12本)よりペイロード運用の柔軟性が高まる。ブロックIとIIの各艦が垂直発射方式を採用していた。

Artist’s conception of the redesigned Block III Virginia-class bow.



その他ブロックIIIの改良点ではこれまで空気で支えていたソナー半球を水支持型の大型開口艦首(LAB)アレイに変えたことで建造費用保守管理費用を低減させたながらパッシブ防御力が高まったと海軍は説明。

ブロックIV建造も始まっており、設計改良で各部品の稼働期間が延びる。このためブロックIV各艦の供用期間が長くなる。供用期間中に三回補修を受けて15回の展開が可能となるという。現行の実績は4:14になっている。

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海軍はジェネラルダイナミクス・エレクトリックボートに696.2百万ドルでブロックV一号艦の建造材料調達をさせるべく契約を改編するとは票。ブロックVは全長を伸ばしヴァージニアペイロードモジュール発射管4基を搭載し、トマホーク対地攻撃ミサイルを発射する。ヴァージニアペイロードモジュールはヴァージニアペイロード発射管と類似し、実証済み設計を応用することで費用とリスクを低減させる。■

2017年12月15日金曜日

米海軍ヴァージニア級の建造数増加か、今後の戦力内容は


 


The Virginia Class Submarine: The Undersea Killer Russia and China Hate

ロシア、中国が忌み嫌うヴァージニア級潜水艦
December 13, 2017


  • 米海軍は新しい分析でヴァージニア級攻撃潜水艦を現在より短期間で建造するのは「達成可能」であり、米海軍の優位性を維持するためにも必要だと見ている。
  • 分析は2017年から2030年にかけての潜水艦産業基盤と攻撃型潜水艦追加建造の可能性を検討し、2017年7月に議会提出済みだと海軍がScout Warriorに伝えてきた。
  • ヴァージニア級は年間2隻建造中だが2020年代に新型コロンビア級原子力ミサイル潜水艦の建造がはじまると年一隻になると見られている。
  • だが今回の報告書では海軍が産業界と協力すればヴァージニア級2隻、コロンビア級1隻の年間建造が可能であるとする。
  • 分析によりヴァージニア級年間二隻建造体制の維持をしながらコロンビア級SSBNの建造開始は実現可能でありSSN(攻撃型潜水艦)部隊と海軍に大きな利点が生まれることがわかったと海軍関係者がScout Worrierに語る。
  • 海軍上層部は2020年代の潜水艦不足を憂慮しており、ロシアや中国に対抗するため潜水艦の強化が必要とするが、ヴァージニア級年間二隻建造を維持すれば海軍が目標とするSSN66隻体制が実現する。また増産で潜水艦建造企業の生産能力も上方修正され年間3隻建造に道が開ける。
  • ヴァージニア級潜水艦は海軍とエレクトリックボートおよびニューポートニューズ造船の協力合意内容で建造中だ。前者はジェネラルダイナミクス、後者はハンティン・トンインガルス工業のそれぞれ関連会社、事業部だ。各社が潜水艦の「モジュール」部分を製造し一つにまとめ完成させている。
  • ヴァージニア級潜水艦は高速攻撃型でトマホークミサイル、魚雷他を搭載し各種任務にあたる。対潜戦、攻撃任務、機雷敷設、ISR(情報収集監視偵察)、対水上艦戦、特殊作戦と多様だ。
  • ロサンジェルス級はじめとする旧型攻撃型潜水艦と比べるとヴァージニア級は浅海域戦闘能力、偵察能力、大洋での作戦能力が拡大していると海軍は述べる。
  • ソフトウェアコードと電子装置の多用で、乗員による手動制御や微調整が不要となった。ヴァージニア級潜水艦は「フライバイワイヤ」機能で深度を維持できるため浅海域で浮上や深度の手動調整が不要になっており、乗員が深度速度を指定すればソフトウェアが制御操舵して深度速度を維持できるようになった。
  • また以前の艦と違い、ヴァージニア級は「ロックアウトトランク」と呼ぶ区画があり特殊部隊隊員は潜航中に発進できるようになった。
  • ヴァージニア級は「ブロック」単位で調達されている。このうちブロックIとIIの引き渡しが完了している。
  • 建造中の艦はブロックIII仕様でヴァージニアペイロードチューブ(VPM)を搭載し建造単価を下げつつ戦力を増やしている。
  • 既存艦の垂直発射管は直径21インチの12本構成でトマホークが発射可能だが、ブロックIIIは大型87インチ発射管二本で各6本のトマホークを運用する。
  • 新型発射管のねらいは低価格化だが同時に今後登場する新装備の運用も視野に入れ、トマホーク改良型や他の兵器を想定する。
  • ブロックIII艦は大型開口艦首と呼ぶ一体型アレイソナーを搭載し、音響信号を発信し戻ってくる反響で敵の位置や形状を把握する。
  • 今後建造されるヴァージニア級潜水艦(VCS)は沿海域性能、特殊部隊投入、攻撃能力が改良され21世紀の安全保障環境にふさわしい艦になると海軍は述べている。さらにブロックVは84フィートを艦体に挿入しミサイル搭載量を増加させる。これを「ヴァージニアペイロードモジュール」(VPM)と呼ぶ。
  • VPM搭載艦はヴァージニアペイロードチューブ(VPTs)を4本追加し、それぞれトマホーク7発を搭載して40本搭載にする。
  • VPMの試作がはじまっており、海軍上層部から同技術の開発導入を急ぎたいとの意向が表明されたのは攻撃能力の拡大が求められているためだ。VPMミサイル発射菅で大型無人水中機の搭載も可能となる。
  • VPMの目的は明白だ。2020年代になると大型オハイオ級誘導ミサイル潜水艦の退役が始まり、154発のトマホーク運用が可能な艦が消える。このため水中からの大量火力運用能力を喪失するからだ。
  • トマホーク搭載数の増加は2026年までに実現させ、「SSGN」オハイオ級誘導ミサイル潜水艦の退役に対応させる。
  • 2002年から2008年にかけて米海軍はオハイオ級で最古参の四隻を回想し通常型弾頭ミサイル運用に転用した。それがUSSオハイオ、USSミシガン、USSフロリダ、USSジョージアの各艦だ。これをSSGNと呼称している。■