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3月, 2013の投稿を表示しています

オランダがF-35調達規模を縮小か。その影響は?

Dutch F-35 Orders Likely Scaled Back: Reuters By Reuters Staff aviationweek.com March 22, 2013 オランダのF-35規模が縮小に向かいそうだと同国内の消息筋がロイターに明らかにしている。その理由として費用上昇と実施遅延、さらに同国の防衛戦略の今後が明確になっていないことに加えヨーロッパ各国の防衛予算削減があるという。 .オランダの削減規模は17機ないし33機を減らそうというもので、当初案では85機の購入予定だった。ただし最終決定は今年後半の予定だという。 米 側の懸念はオランダ始め各国の購入規模削減がきっかけとなり、「死のらせん状態」がペンタゴン歴史上最大規模の同機導入計画全体に対して機体単価の上昇さ らに発注数の削減という形で発生することだ。米国自体が合計2,443機発注中の410機について導入を2017年以降に先送りしている。 総額4.000億ドルの動機開発はF-16他各種機体の後継機種として企画されたものの技術的な問題により開発日程は7年間の遅れとなり、当初費用見積から70%の上昇となっている。 オランダはイギリス、イタリアと並び同機開発に資金供出もしている7カ国のひとつだが、累計で16億ドルを支出済みだ。 .ただしユーロ圏第五位の経済規模を有する同国も政府支出の削減を迫られており、同機発注規模にも手を付けざるをえない。また連立政権を組む政党間のうち2つがF-35に批判的だ。 .Mark Rutte首相が所属する自由党は一貫して同機を支持しているものの、新しく連立した労働党は同機開発空の撤退を主張。また同機のライバルメーカーも打ち切りをめざすロビー活動を活発に展開しているという。 オランダはそもそも85機を導入してF-16後継機種とする予定であったが、前国防相からコスト上昇で購入規模を56機にする、後継機種が必要なF-16は68機に過ぎない、との発言が昨年にあったばかりだ。 連立政権は新国防政策とともにF-35購入案を今年中に策定する見込みだ。 「問 題はわが国が今後もコソボ、イラク、アフガニスタンで展開したのと同じ種類の作戦を実施する予定があるのか、その能力があるのかという点です。もしF-

サウジ王国向けF-15SAは初のフライバイヤ方式イーグルで意外といいかも

Fly-By-Wire F-15SA makes first flight form USAF website 3/15/2013 - WRIGHT-PATTERSON AIR FORCE BASE, Ohio (AFNS) -- 米空軍および主契約会社ボーイングはF-15SA高性能戦闘機のフライトテストに成功した。同機はサウジアラビア王国空軍用に開発された。 F-15SAの初回飛行は2月20日に ボーイング のセントルイス施設で実施された。飛行は予定通り実施され、すべてのテスト項目を実施し、機体開発日程は予定通りの進展を見せている。 同機はサウジ王国空軍のF-15部隊近代化計画の中心となる存在で、294億ドルを投入するその規模は米国の歴史上最大の海外向け防衛装備販売事例となる。 F- 15SAは機体性能の向上に加え、状況把握能力の向上、生存性の増加をこれまでよりも低いライフサイクルコストで実現するもの。エイビオニクスの改良では デジタル電子戦闘装置、フライバイワイヤ飛行制御、赤外線探索追跡システムおよびアクティブ電子スキャンアレイ式レーダーを装備している。コックピット前 席後席には高性能ディスプレイ装置とヘルメット搭載位置指示装置が特徴。兵装搭載場所が二箇所増えたことでペイロードも増加している。 米空軍関係者は立ち上げから一年未満で初飛行にこぎつけた成果に満足している。 同機のフライトテストには三機を導入し、セントルイスとカリフォーニア州パームデールのボーイング社施設で実施する。量産型の機体はサウジアラビア王国に納入を2015年に開始し、2019年に完了する。■

冷戦時代よりも重要になってきたミサイル探知衛星

U.S. Sends New Satellite Into Space To Monitor Missile Launches By Reuters aviationweek.com March 20, 2013 Credit: Lockheed Martin アトラス5ロケットガケイプカナベラル(フロリダ州)から19日打ち上げられ高性能ミサイル警戒衛星二号機が軌道上に乗せられた。 打上げは東部標準時間午後5時21分で米空軍の宇宙配置赤外線システム地球静止衛星二号機Space Based Infrared System Geosynchronous(Geo2)を搭載していた。 .同衛星は軌道上監視ネットワークの一部となり、ミサイル発射の兆候を連続探知する手段となる。 . 「ミサイル後部から出る赤外線の兆候を見つけます」と空軍宇宙軍団司令官ウィリアム・シェルトンAir Force Space Commander William Sheltonが同日に開かれた下院科学委員会公聴会で発言した。同公聴会は小惑星ほか宇宙物体の接近の発見方法がテーマだった。 .「ミサイルの種類がわかります。またミサイルの向かう目標もわかります。搭載する赤外線センサー一式では地球の外から襲来する物体の予測は不可能です。」 .同衛星はロッキード・マーティンが作成し、2011年に打ち上げ済みのGeo1に加わる。各衛星には赤外線センサー二組が搭載され、そのうち一基が地表を連続してスキャンしてミサイル発射の兆候を探知すると共に、残りの一基は固定地点を監視する。 宇宙配備赤外線探知システム衛星は当面は40年前から配備済みの国防支援衛星ネットワークの補完の扱いだがゆくゆくはこれに取って代わる。 . 「ミサイル警報探知システムの機能が厳しく問われる事態になっています。多分冷戦時代よりも要求水準は高いのではないでしょうか」とジェイムズ・プラノー James Planeaux(空軍で赤外線宇宙配備システムズを統括)は語る。「戦略級、戦術級ミサイルの脅威が数の上でも種類でも多様化しています。そこでわが国 のシステムも近代化して現在の脅威に対抗できるようにしておく必要があるわけです」 .米国の宇宙配備探知衛星全体で2011年に200近くのミサイ

オープンソースソフトウェアは次世代戦闘機の中核技術になるのか

U.S. Navy Eyes Open-Avionics Testbed For Future Aircraft By Graham Warwick aviationweek.com March 15, 2013 Credit: Lockheed Martin 米 海軍が航空業界での関心の程度を把握しようとしているのは開かれたエイビオニクス・アーキテクチャの応用がが計画中の将来型垂直離着陸Future Vertical Lift (FVL) 先端回転翼機およびF/A-XX 次世代制空戦闘機next-generation air dominance fighterへ可能か、という点だ。 構 想ではまず政府研究施設で参照用のアーキテクチャ試作型prototype reference architectures を作成し、将来型空中性能環境Future Airborne Capability Environment (FACE)と呼称されるオープンかつ再利用可能なソフトウェアの技術標準を使用する。FACEとは共通ソフトウェアによる作動環境をモジュラー構造の パーツで実現し機体間で交換し、再利用できるものと定義される。 開発コストと所要期間を短縮するため、既存ソフトウェアのモジュールを利用することでFACEはサードパーティ製アプリケーションを利用する他、激しさを増すソフトウェアコンポネント開発の競争状況も利用して大幅なコスト削減を実現できると期待されている。 合計50の企業団体で構成されるFACEコンソーシアムFACE Consortiumから技術標準第二版が発表されており、ソフトウェアコンポネント間のデータ交換では要求水準を高くしており、相互動作環境と移植性の実現を図る。 一 方で海軍航空システムズ軍団Naval Air Systems Commandは試作型FACE作成提案書を公表している。試作型FACEは海軍航空戦センターNaval Air Warfare Centerの航空機部門(メリーランド州パタクセントリバー)および兵装部門(カリフォーニア州チャイナレイク)、ならびに陸軍の航空ミサイル研究開発 技術センターAviation and Missile Research, Development and Engineering C

F-35導入に動くシンガポールは東南アジア最強の国防国家だ

Singapore Expected To Order F-35s Soon: Source By Reuters aviationweek.com March 14, 2013 Credit: USAF シンガポールがF-35の「最終段階評価」にあり、米側関係者は今後同国は速やかに発注に移り、数十機の導入を図ると見ている。 ビジネスと海運のハブ国家であり、東南アジアで最優秀な装備の軍を抱えるシンガポールはまもなくF-35導入の「要請状」を提出してくると米政関係者が匿名を条件に明らかにした。 シンガポール国防省ン・エンヘンNg Eng Henは同国空軍部隊の近代化にF-35が最良の選択と判断し「F-5の耐用年数が限界に近づいており、F-16は半分過ぎている。現時点でF-35の総合評価の最終段階にきている」と議会で発言。 シンガポール空軍の現有勢力はF-15SG(24機)、F-16C(20機)、F-16D(40機)、F-5S(28機) F-5T(9機)であり、このほかにAH-64アパッチ攻撃ヘリも19機運用している。 人口530万人で裕福な同国は2013年度国防予算として98.5億米ドルを計上しており、対前年度比4.3%増だ。 世界の金融センターであり、世界第二位規模のコンテナー港をかかえる同国は地域内で最大の軍事予算支出国で、国家規模が大きい隣国、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムのいずれも同国に比べれば小さな存在だ。 米国政府が急速に成長するアジア太平洋で経済、安全保障上の関心が増大するる中で、F-35輸出が拡大すれば同盟国とのつながりが強化されるとともに米国の調達規模縮小を補えるので心強いニュースとなる。 ロッ キードは3,960億ドルの規模でとりくみつつ、すでに計画より7年遅れ、当初費用見積もりを70%上回る形でF-35合計3型式を米国以外に国際パート ナー8カ国向けに製造中だ。各国は資金拠出をしており、英国、オーストラリア、カナダ、ノルウェー、デンマーク、イタリア、トルコ、オランダの8カ国だ が、コストの上昇、納入の遅延、さらに各国の財政事情で一部に計画見直しで調達機数が減りそうな動きがあるほか、代替策の検討を始めている国もある。 シンガポールは2003年に副パートナー国になっており、同時に19機を発注済のイスラエルも加わっ

UAS大量投入で米空母部隊撃滅ができると考えている中国

                             China Plans Swarming UAS as Defence Against US Attack                      UAS Vision   March 13, 2013                                                                   民間シンクタンクProject 2049 Instituteによると中国は無人航空機システムunmanned aircraft systems (UAS)開発で大きな進展を示しているという。 「人民解放軍が第一線で実用に耐えるUASを配備していることが近い将来の同地域内の安全保障上で大きな影響を生むだろう」とレポートはまとめている。 「無人機技術で世界クラスのリーダーとなることを目指す中国で人民解放軍はこれまで広範囲かつ組織的に各種のUASを開発してきた」 中国は280機のUASを配備しており、今後その数は急速に増えそうだ。 USA.同レポートの情報源とは中国国内で公刊されている各種資料だ。レポートでは将来のアメリカとの軍事衝突でのUASを使った戦術を予測している。 「とくに米海軍には懸念材料となるはずだ。今回検討した技術軍事文献によると、PLAの戦術構想では多用途UASで 米空母戦闘群を 攻撃する想定がある」 中 国の作戦構想では長距離UASを接近阻止・領域拒否作戦に投入し米国と対抗する。衝突の初期段階ではおとりUASが投入され、護衛戦闘機・艦艇を欺瞞さ せ、貴重な対空ミサイルを消費させる。そのあと数波のUASで電子戦、通信・レーダーかく乱をさせる。同時にその他のUASが米側の早期警戒指揮管制機材 に動力学的攻撃を加える。 UAS は巡航ミサイル、対艦弾道ミサイル(ASBM) の誘導でも中心となり、米海軍艦艇の攻撃に参加する。中国のASBMとなるDF-21Dは理論上は米海軍空母ほか主力艦を直接攻撃できるはずだ。あるいは 上空から小爆弾をばらまくことができる。空母の飛行甲板にとって爆発性の高い小爆弾が高性能火薬をばらまけば結果は致命的だ。 珠海航空ショーで2010年、2012年それぞれに中国航天科技集団公司が大型UASをWJ-600の名称で展示しており、2

F-35を30年間運用すると総額いくらになるのか 麻痺してくる金銭感覚

Pentagon Needs $12.6 Bln Per Year Through 2037 For F-35: Report By Reuters aviationweek.com March 12, 2013 .ロッキード・マーティンF-35の開発を完了し、予定の機数全部を配備した場合2037年までペンタゴンは年間126億ドル(約1.2兆円)の予算手当てが必要となることが判明した。 この試算額はこれまで会計検査院Government Accountability Office (GAO)が試算していた年間予算より20億ドル高くなっている。ロイターが今回GAO報告書の原稿を入手し、先週土曜日に報道している。 同上原稿では同機が搭載するプラットアンドホイットニー製エンジンのコストは触れられていないとペンタゴンのF-35計画推進室からコメントが出ている。 GAO報告書でペンタゴンは2037年まで同機調達・開発費用で毎年3,160億ドルの支出が必要としている。 GAO 報告書のまとめは「F-35共用打撃戦闘機は長く、費用がかさみ、険しい学習プロセスを経て、やっと正しい方向に動きつつある。ただし、この先にも大きな 課題が立ちふさがっていることに変わりはない。」としてペンタゴンで一番高額な兵器調達となった同機計画をまとめている。 F-35のコストは当初見積もりから70%上昇しており、技術上の課題も多いが、米軍や同盟国が発注数を減らすか、さらに難問が加わると機体単価がさらに増える可能性がある。 現 状では総額4,000億ドルになる見込みで、プラス1兆ドル超が配備期間30年の運用、保守費用として必要になる。ペンタゴン、F-35計画推進室はコス ト削減をしようとしているが、GAO報告書ではF-35が代替しようとしている現行機種よりも60%も高い水準になっているという。 . また同報告書によるとペンタゴンの費用査定計画評価室Cost Assessment and PrograGm Evaluation (CAPE) officeによる直近の予測では年鑑運用保守費用は各型あわせて182億ドルにのぼり、2010年時点での既存機種の運用保守費の111億ドルより高 い。 「国防総省および契約企業はF-35計画が投入費用に対して、また約束どおりの納入日程に対して実際

F-35エンジンで見つかったブレイドの亀裂がどんな影響をこれから与えるのか

F-35 Engine Blade Crack Raises Durability Questions By Amy Butler Source: Aerospace Daily & Defense Report aviationweek.com March 06, 2013 Credit: Pratt & Whitney 0.6インチの亀裂が第三段目の低圧タービンで見つかったF-35Aの先月の事例の原因は「熱クリープ」だったとクリストファー・ボグデン米空軍中将(F-35計画主幹) Lt. Gen. Christopher Bogdanが明らかにした。 現 在のところこの問題はF135エンジンの欠陥と結び付けられていないが、プラット・アンド・ホイットニー製の同エンジンは今回の問題により同エンジンの耐 久性へどんな影響が出るのかを検証するまでは「安心できる状態ではない」とされる。ボグデン中将が3月5日に開催されたAviaion Week主催の国防技術と経済性要求のバランスを考える会議の席上で発言した。 今回の亀裂が発見されたのは2月19日に通常の内視鏡による検査を地上で行った際のことだった。3月1日に解除となるまで同型機すべてが飛行禁止措置を受けた。 亀裂がみつかったのはAF-2のブレイドだった。ボグデン中将は同機のエンジンは「馬車馬のようなエンジン」で性能限界のの押し上げ用に使われており、極限まで稼働しており、マッハ1.5で低高度飛行や、7ないし8gでの超音速飛行をこなしてきた。 .同機はA型の機材の中で性能限界の確認のほとんどをこなしてきた、と同中将は語る。 またAF-3とAF-6という通常離着陸型機が他に二機あるが、現状では地上待機のままであり、その理由として各機が問題の機と同様の運用をされてきたためだ。 エンジン専門家は最低二週間かけないと今回の事象がエンジン耐久性そのものにどんな影響をあたえるかは判断できないとボグデン中将は明らかにした。 「熱ストレスがどこまでかかるのか、通常の機材では」考えにくい極限状態になるのか。「問題は100%で想定していたエンジン寿命が実際に短くなるとしたら、タービンブレイドが寿命を短くさせる要因であれば対応が必要となる」 もしこれが大きな問題につながれば、同機を導入する予定の各国は追加

F-35飛行禁止措置が解除され、飛行再開へ

Engine Investigation Clears F-35 To Return To Flight By Guy Norris guy_norris@aviationweek.com aviationweek.com March 01, 2013 . F- 35全機の飛行停止措置が解除となった。調査の結果、タービンブレイドの亀裂は別個の減少と判断されたため。「各機の点検結果から実験室での点検まで行 い、根本原因が解明したことでF-35の飛行安全性が確認できました」と同機搭載のF135エンジンのメーカーであるプラットアンドホイットニーが発表し た。 同機が飛行停止措置になったのは2月21日のことで内視鏡による点検で0.6インチ大の亀裂が第三段目低圧タービン (LPT)のブレイドで見つかったため。この機体は空軍向けAF-2でエドワーズ空軍基地に配備されている。 そ れを受け当初はLPTで2007年から2008年のテスト中に発覚した高サイクル疲労問題の再発ではとの懸念が広がったが、プラットによると「高サイクル 疲労あるいは低サイクル昼王の兆候はなく、問題のタービンブレイドに疲労が広がっているとの証拠も見つかっていない。ブレイド亀裂の鍵となる要素は飛行テ ストの特殊な運用状況の中で発生したと見ている」と発表。 同 社からは当該機のエンジンは「通常のF-35運用想定よりも高温環境での運転が4倍の長さにわたり行われており、高温にさらされたことでブレイドの粒子構 造が分離したもの」としている。このような分離現象はクリープ破断creep ruptureとして知られている。これは負荷が連続してかかる状況と高温により、ブレイド素材が限界に達して変形が発生することが引き金となる。” F- 35統合開発室からは追加声明として「当該機のエンジンはF-35の性能限界確認のため通常より長く高温条件下で運転されていた。高温に加えその他ストレ ス要因に長時間さらされていたためこのエンジンで亀裂が発生したものと判定される。その他の機材では同様の亀裂は一切見つかっていない」と発表した。 た だしAF-2で発生した現象の原因についてはこれ以上の説明は出ていない。AF-2はエドワーズで試験用に使用されている機体だが、これとは別に垂直尾翼 付近で発生する機体表面の焼け焦げ問題への対応