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新興企業ハーミウスに大胆な資金投入で極超音速機の新技術実現をねらう米空軍の姿勢に注目。大人のお金の使い方だろう。

ハーミウスのクォーターホース極超音速機の想像図. HERMEUS   今回はターミナル1 ターミナル2共通記事です 米 空軍はベンチャーキャピタルファンド数社と60百万ドルをジョージアの新興企業に投じ、極超音速旅客機の軍用版の実現を狙う。   空軍は ハーミウス Hermeus  に7月30日に60百万ドルの契約を交付した。空軍で民生技術の軍事利用を実現すべく設立したAFWERXが仲介する事業としては最大規模になった。   空軍の研究開発トップ、ヘザー・プリングル少将は「極超音速機の推進システムには画期的な意義があり、前世紀に自動車がもたらしたように移動形態が大きく変わる」と述べた。   ハーミウスが製造するのは再利用可能な極超音速機で、従来の極超音速試験機はすべて使い捨てだったため大きく異なる機体となる。   空軍との契約によりハーミウスは技術開発を加速化しマッハ5飛行可能な旅客型の実現をめざす。完成すればニューヨーク=ロンドン間を90分で移動可能となる。   「当社の技術開発に資金を投じることで空軍が実用に耐える装備の実現を目指していることは明らか」と同社CEOにして設立者AJ・ピプリカが発言している。   今回の戦略的な資金投入合意によりハーミウスが軍とのつながりがさらに深まった。同社へは昨年1.5百万ドル相当の契約が空軍から交付されており、政府高官を世界各地に運ぶ研究がはじまっている。   ハーミウスは2018年に元ジェネレーション・オービットの技術者4名が設立し、まず無人実証機クォータホースの完成をめざしている。   今回の空軍からの契約金で同社はクォーターホースの試験飛行を18カ月後に実現できる見通しがついた。契約で同社はテスト要員を20201年中に50名にまで増やすことになっており、テスト日程を約1年短縮させる。   「人員投入を増やし加速化させつつ垂直統合も進めていく」とピプリカは語り、「これで内製化が進み、日程管理、コスト管理等を強化できる。全体ロードマップを大きく加速できる」としている。   今回の空軍契約の交付でハーミウスに今後3年間の戦略的目標が定まり、そのひとつにクォーターホース3機を完成させテスト飛行を開始することがある。テスト飛行には目標がふたつある。マッハ5飛行および機体を繰り返し飛行させることだ。   同社設立者でCOOのスカイラー

SR-72登場の前に極超音速機の概念、歴史をおさらいしておく

SR-72ですが、いつ姿を表すのでしょうか。また極超音速機を爆撃機に転用する構想が実現するのでしょうか。いずれ明らかになるでしょう。その前に、極超音速機の系譜をたどってみましょう。 確 実ではないが、SR-72は成功作SR-71、さらにその先達の流れを汲んでいる可能性があり、完成すれば世界最速の機材になる。 青天の霹靂という表現がぴったりだったのは、 ロッキード・マーティン のスカンクワークスがSR-71の後継機を発表したときのことだ。名機と呼ばれるマッハ3飛行のSR-71偵察機は計算尺で設計された機体ですでに退役している。 発表されたSR-72はマッハ6とSR-71の2倍で飛行し、空気取入口を通過する空流の速度がSR-71の速度と等しくなるほどの高速機だ。 そのSR-72の実証機材は2017年7月に完成していたと言われる。 Aviation Weekによればスカンクワークスは高温高出力域でターボジェットを運転する方法を開発し、まずマッハ2.5に加速する。ラムジェット-スクラムジェットがこの後を担当し、作動にはマッハ3以上が必要だ。ロッキード・マーティンは解決方法を得たというが、内容は述べていない。 ターボジェットはブレイド多数を回転して入ってくる空気を圧縮加熱してから点火しガスを排出する機構だ。ラムジェットはもともと高速なので空気自体が高温高圧になっており燃料と点火できる。スクラムジェットとは「超音速燃焼ラムジェット」の略で入ってくる気流が超音速で移動している。 極超音速中はソニックブームは発生しないが、機体前縁を通過する気流が高速となり溶鉱炉と同じ温度まで加熱される。 SR-71でも飛行中の空気との摩擦のため地上で機体パネルの接着が緩んでいても飛行中に膨張していた。 マッハ5超の極超音速飛行の可能性がこれまで70年に渡る研究の原動力であった。ナチが新兵器として実用化を狙っていた他、想像力を刺激してきた。 ジルバーフォーゲル構想  オイゲン・ゼンガーは時速数千マイルの航空機構想に博士論文で初めて取り組んだ。1933年のことである。ロケットエンジンの冷却用に低温燃料を再循環させる画期的な発想に注目したのがヒトラー政権だった。ヴェルナー・フォン・ブラウンと並びゼンガーも第三帝国の軍事力整備を求められた。 フォン・

軍用機への転用は? ボーイングが極超音速旅客機構想を発表。

Hypersonic airliner "may not be as hard as people think": Boeing CTO  超音速旅客機は「みなさんが考えるほど困難ではない」とボーイングCTOが語る Boeing 10 AUGUST, 2018 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM BY: STEPHEN TRIMBLE WASHINGTON DC https://www.flightglobal.com/news/articles/hypersonic-airliner-may-not-be-as-hard-as-people-th-451069/ 極 超音速旅客輸送はサイエンスフィクションとされることが多く、実現可能と見る向きは少ない。だが ボーイング はその実現に向け動いており、しかも真剣だ。 「実際には考えられているほど実現は困難ではないかも」とボーイング最高技術責任者グレッグ・ヒスロップ Greg Hyslop は、すかさず「難しいのは事実」といい添えた。 同社は極超音速旅客機構想を6月26日発表し、7月のファーンボロ航空ショーでも再度お披露目している。 超音速飛行の選択肢さえ2003年以来消えた業界で極超音速飛行を20-30年以内に実現させる提案は野心的と愚行の中間といえよう。 だがボーイングはスピード、素材、推進機関の組み合わせを見つけ、マッハ5で飛行可能な航空機は技術的に実現可能であり、商業的に利益を上げる事態が2040年頃に生まれると主張する。 さらに超音速飛行につきものの問題の解決方法も見つかったと同社は言う。M5.0程度で巡航する機体は高度90から95千フィートを飛ぶ。乗客は宇宙服を着用せず完全密閉された予圧客室に座る。そこで何らかの予圧が破られる事態が発生すれば大変なことになる。 「その事態は承知しており、対応を考えてみました」とボーイング上席技術研究員で極超音速技術の主任研究をつとめるケヴィン・ボウカットKevin Bowcuttが述べる。「全く新しい方法で客室内予圧を維持します」ボウカットはこれ以上詳しく説明してくれなかったが、減圧問題に技術的解決策があるとのことだ。 ボーイング構想の最高速度はマッハ5で極

★ボーイングが極超音速機コンセプトを公表、ロッキードSR-72に対抗

  ボーイングが積極的に新技術を公開しています。立て続けに発表できるのはそれだけ多くの研究開発が背後にあるからでしょう。特に極超音速技術の開発はピッチが上がってきましたので注目です。まずBusiness Insiderの記事です。 Boeing unveils conceptual hypersonic jet design to replace the SR-71 Blackbird ボーイングがSR-71ブラックバード後継機となる極超音速機設計案を公開 Boeing   Daniel Brown http://www.businessinsider.com/boeing-unveils-sr-71-conceptual-hypersonic-jet-design-2018-1 ボーイングがSR-71ブラックバード後継機を狙う極超音速機のコンセプトモデルを公開 マッハ5以上を狙う この性能の機体はまだ製造実績がない ボーイング がSR-71ブラックバードの後継機とされる新型極超音速機のコンセプトモデルを公表したとAviation Week Aerospace Dailyが伝えている。 コンセプトモデルはオーランドで開かれたAmerican Institute of Aeronautics and Astronauticsの科学技術フォーラム会場で展示された。 「このコンセプトと関連技術は極超音速ISR/攻撃機を想定しSR-71と同じミッションを想定しました」とボーイング広報サンドラ・アンガースがBusiness Insiderに伝えている。「SR-71後継機を目指しています」 「実証機に至る前のコンセプトモデルですが再利用可能な極超音速機の製造は未踏の分野」とアンガースは述べ、「当社は高度技術分野に常に挑戦し顧客からの発注に備えております」 アンガースは次世代機はマッハ5超となるとも述べている。ボーイングの極超音速分野の主任技術者ケヴィン・ボウカットはAviation Weekに極超音速機設計が着々と進んでいると述べている。 ボーイングは防衛産業最大手の一角であり、米国内で大きな政治影響力を誇る。 SR-71 Wikimedia Commons Aviation Weekではボーイング

★これが第六世代戦闘機の想定内容だ

 毎度、出し惜しみのような内容ですが、それだけ方向性がはっきりしていないのでしょう。そのため何回も同じような内容ですみません。  もともと第五世代戦闘機とはロッキードが宣伝用に普及させたの表現ですが、F-22やF-35を超えた戦闘機という意味で第六世代なのですね。  ステルスや兵装等を考えると将来の(有人)戦闘機は現在のコンセプトと変わるはずですが、米海軍は(空母運用もあり)現行サイズの機体を想定のようです。空軍も追随すれば結局同じサイズになりそうですが、まだわかりません。 Air Force Starts Experiments for 6th Gen Fighter 第六世代戦闘機実験を開始した米空軍 The Air Force has begun experimenting and conceptual planning for a 6th generation fighter aircraft to emerge in coming years as a technological step beyond the F-35, 空軍が第六世代戦闘機の概念作りを開始した。F-35を超えた技術進展の機体になりそうだ Kris Osborn - Dec 16, 9:59 AM https://scout.com/military/warrior/Article/Air-Force-Starts-Experiments-for-6th-Gen-Fighter-112340524 米空軍は第六世代戦闘機関連実験を開始しており、F-35を超えた技術進展が今後数年間で登場すると空軍関係者は述べている。 「実験、開発企画、技術投資を開始した」とアーノルド・バンチ中将(空軍副長官(調達)付け軍代表) Gen. Arnold Bunch, Military Deputy, Office of the Assistant Secretary of the Air Force, Acquisition がScout Warriorに今年はじめに話していた。 第五世代F-35共用打撃戦闘機を超える性能が新型機の狙いで2030年代登場と見られるが、現在は概念構築の初期段階で、空軍は米海軍と共同作業し、必要な性能や技術内

★★ロッキードが極超音速技術の完成に近づいている模様、SR-72との関連へ注目

Amid SR-72 Rumors, Skunk Works Ramps Up Hypersonics SR-72の噂と関連か、スカンクワークスの極超音速技術が加速中 Sep 27, 2017 Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report http://aviationweek.com/technology/amid-sr-72-rumors-skunk-works-ramps-hypersonics SR-72: Lockheed Martin FORT WORTH, Texas— ロッキード・マーティン が極超音速技術開発を加速化しており、初の実証機を目撃したとの報告もあり、スカンクワークスが進めるSR-72高速機開発との連関が注目される。 「詳細は言えませんが、スカンクワークスのあるカリフォーニア州パームデールで超高速飛行実現の動きを倍増しています」とロッキード・マーティンで航空力学執行副社長オーランド・カバルホOrlando CarvalhoがSAE 国際航空技術学会で語っている。「端的に申し上げれば米国は極超音速革命まであと一歩まで来ています」 Darpaと米空軍研究実験部門が共同で進める推進滑空兵器および極超音速空気取り入れ式兵器コンセプト研究に言及して、カバルホは「この十年で研究は大幅に進み、極超音速技術で状況が一変する意味があることが明らかになってきました。今後も研究テストを進め、極超音速飛行の実現にDarpaとのプロジェクト二件を活用します。国家安全保障ではスピードが肝心です」 SR-72への言及はなかったが、同社が極超音速機として退役済みの高速SR-71ブラックバードの後継機を提案中であることは広く知られており、カバルホの前向きな発言はロブ・ワイスRob Weiss(ロッキード・マーティンの高性能開発事業体執行副社長兼総支配人)の発言に重なる。6月にワイスはAviation Weekに選択的に有人操縦となるSR-72の前身となる飛行研究用機体(FRV)が予定通り進行中と暗に述べていた。 スカンクワークスはFRV開発を来年から始めるといわれ、初飛行予定は2020年だ。FRVはF-22ほどの機体サイズで推進力はフルスケールのコン