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2017年9月26日火曜日

フィッツジェラルド修理の工期は1年超、マケインはやや短期で完了か

あれあれ修理費用を米海軍が工面するということは事故は民間側の過失はなかったと判断しているのでしょうか。一方でお伝えしているようなサイバーテロの可能性もあり別途海軍が慎重に調査しているそうですが、イージス艦のローテーションも当面大変になり色々これから疲労が増えそうな気配ですね。

USS Fitzgerald Repair Will Take More Than a Year; USS John S. McCain Fix Could Be Shorter

USSフィッツジェラルドの修理工期は1年超、USSジョン・S・マケイン修理はそれより短くて完了か

USS フィッツジェラルド (DDG-62) が横須賀艦隊拠点基地(FLEACT)4番乾ドックに入っていた。July 11, 2017. US Navy Photo

 By: Sam LaGrone
September 20, 2017 5:48 PM • Updated: September 21, 2017 7:16 AM
THE PENTAGON – 損傷を受けた誘導ミサイル駆逐艦USSフィッツジェラルド(DDG-62) の修理には一年以上の工期となるが、USSジョン・S・マケイン (DDG-56) はそこまでかからない見込みと海軍長官リチャード・V・スペンサーRichard V. Spencer が発表した。
  1. スペンサー長官は報道陣を前に両艦の修理は高い優先事項で合わせて17名が商船との衝突で失われていると指摘。
  2. 「フィッツジェラルドは一年以上かかる。マケインの調査結果は出ていないが、もっと早く修理できるとよいと思う。同艦の場合は戦闘システムが損傷をうけていないからだ」「いうまでもなくマケインとフィッツはなるべく早く復帰させたい」
  3. 両艦は前方配備戦力として日本に駆逐艦戦隊15の一部となっていた。7隻で構成する同戦隊DESRONはレーガン空母打撃群の支援に加え弾道ミサイル防衛の一部として米国の同盟国や域内の装備を守っている。
  4. スペンサー長官の示した工期見積もりは上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン(共、アリゾナ)が修理費用は合計6億ドルとの見解を示した翌日のものだ。海軍関係者もUSNI Newsの初期見積もりを確認したが両艦の詳細調査により金額は前後するという。
  5. 海軍筋はUSNI NewsにACXクリスタルと日本沖で6月17日に衝突したフィッツジェラルドの修理費用は容易に500百万ドルを突破すると述べていた。
  6. フィッツジェラルドは重量運搬船で搬送しハンティントン・インガルス工業のガルフコースト造船所で修理を受ける。
  7. 海軍が損傷した同艦の戦闘システムをベイスライン9標準に引き上げBMDミッションと対空対巡航ミサイル防衛を同時に実行する能力を付与する予定なのかまだ不明だ。
  8. フィッツジェラルドの就役は1995年で2019会計年度に中間リフレッシュ工事を艦体、機械エンジニアリング系に行う予定だったがベイスライン9改修は予定がなかったとUSNI Newsが入手した誘導ミサイル駆逐艦近代化改修工事予定一覧からわかる。
  9. 8月にUSNI Newsが請求した修理工事の追加情報は海軍海洋システムズ本部に提出したが返答がない。
  10. 他方、マケインは横須賀海軍基地に向けシンガポールから移動の予定で日本で追加修理評価を受けてから海軍は同艦の修理場所を決める。
  11. スペンサー長官によれば修理費用の捻出方法はまだ決まっていないという。
  12. 「予算の想定外の出費のため議会にかけあわなくてはならないだろう」(スペンサー長官)■

2017年8月30日水曜日

★★米駆逐艦事故は中国の電子攻撃が原因との見方広がる



ついに中国の名前が出てきました。ハッキング説はトンデモ理論として日本では黙殺されていますが、米軍を「危険」としておく方が都合がよい勢力にとって良い状況です。米軍艦をハッキングしなくても防御の緩い民間船を乗っ取れば旅客機や大型トラック同様に恐ろしい攻撃が可能となるのですが。


The US Navy guided-missile destroyer USS John S McCain is seen after a collision, in Singapore waters August 21, 2017. Photo: Reuters/Ahmad Masood
事故直後のUSSジョン・S・マケイン。August 21, 2017. Photo: Reuters / Ahmad Masood

Ship collisions raise specter of Chinese electronic warfare

衝突事件に中国電子戦の関与の疑い

By BILL GERTZ AUGUST 29, 2017 12:39 PM (UTC+8)
  1. 中国は艦船、航空機、ミサイルの機能を電子的に妨害する高度能力を整備し、人民解放軍(PLA)が将来の対米戦でこれを利用するのは確実だ。
  2. 立て続けに発生した米海軍艦船と民間商船の衝突事故で背後に中国がいるとの観測が生まれており、電子手段でレーダー・航法装置を妨害し衝突させたと主張する軍事専門家がいる。
  3. ジャマー、妨害装置、サイバー手段で中国は世界最先端の装置を開発しており、電子装置で原因不明の誤作動や自損事故を起こさせられる。
  4. 今年7月30日、最新鋭電子戦装備が内蒙古でのPLA軍事パレードに参加した。中には敵防空網のレーダー、通信の妨害、地上通信かく乱用の装備があった。
  5. 「電子戦は今や戦闘の中核手段だ」と新華社で中国電子戦の中核主導者Wu Yafeiが語っている。「新型電子戦装備導入でPLAの作戦能力は大幅に引き上げられた」
  6. 2015年にはPLAは電子戦部隊、サイバー戦部隊を統合し戦略支援軍を編成した。
  7. 中国の軍事文献では電子戦関連が多数あり、2012年の論文ではPLAの「海上狼群」整備を分散型電子戦体制として敵の戦闘群攻撃に使うとしている。
  8. 2011年の中国航空宇宙科学工業公司の論文では「イージス艦対抗装備」を取り上げている。フィッツジェラルド、マケインはともにイージス艦であり、日本、韓国もイージス戦闘艦を運用している。同論文では大量の極超音速ミサイルと電子装備の併用でイージス艦を攻撃すると述べている。
  9. 「イージスへの攻撃は極めて困難だが、精密誘導技術の急速な進展とミサイル技術によりイージス防衛システムも万能とは言えなくなっている」とあり、最後には「イージスシステムが高性能装備であっても無敵の防御手段はありえない」としていた。
  10. 中国は近年では自国周辺の海域すべてでの覇権確立を目指し南シナ海、東シナ海他の周辺海域は中国の海洋主権の適用範囲だと主張し米海軍をアジアから追い出したいのだ。
  11. 連続発生した艦船衝突事故で米海軍関係者から両駆逐艦の電子機器がハッカーで妨害されたのではとの疑いが表明されていたが、実際に妨害があったのか判明していない。調査部門の主流の見方は機械的な故障あるいは乗員の人的ミスだしている。
  12. ただし米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将は電子防御装備が妨害または欺瞞されていたかも調査するとしている。
  13. 両艦はともに側部を衝突されている。USSジョン・S・マケインは8月21日に石油タンカーとマラッカ海峡で衝突している。USSフィッツジェラルドは日本近海で6月21日にコンテナ船に衝突された。二件で17名の乗員が死亡し、第七艦隊司令長官が罷免された。
  14. まずフィッツジェラルドで疑問が呈された。海軍の中間報告では事故原因の言及がない。フィッツジェラルドは照明を落とした状態で航行していたが最小限の艦内照明はつけていた。当時は「月が比較的明るく」「視認距離は制限なかった」とある。
  15. レーダーも見張り員も衝突前に貨物船を確認できなかったことから電子妨害説が出てきた。そのひとつが貨物船の自動操艦の乗っ取りで衝突コースにさせられたとする。
  16. マケインも同様に衝突時点でレーダー数種類を使っており、当直将校が艦橋にいた。
  17. さらに疑義が出ているのはマケインが数日前に航行の自由作戦でスプラトリー諸島ミスチーフ礁の12カイリ地点を航行し中国の主張に立ち向かっていたことだ。
  18. マケイン事件後に中国外務省報道官Hua Chunyingは米海軍の操艦が危険だと批判していた。「たびたび米軍が発生させている事故で懸念が広がっている。米国は事故を深刻にとらえて適正な措置を取るべきだ」
  19. 米海軍が中国の電子妨害をマケイン衝突事故で疑う背景に事故直前に中国籍船がそばにいたことがある。民間商船の航路追跡データでみると同中国船はマケインに衝突した貨物船に追尾しており衝突寸前に離れている。
  20. 空軍大学で戦略安全保障論の教授デイビッド・ベンソンは中国が軍艦を電子攻撃するリスクを冒すか疑問と述べている。「中国にせよ他国にせよ海軍艦艇をハッキングする明白な動機がない」とWar on the Rocksのブログで述べている。「サイバー攻撃技術は極めて不安定であり、仮に実行犯が駆逐艦を邪魔したとしても平時に実施すれば代償は大きい」
  21. 国際評価戦略センターの上級研究員リック・フィッシャーは中国の動向を研究しておりベンソンに同意しない。
  22. 「中国に米軍をアジアでハッキングしたり事故を起こさせる同機が一切ないとは笑止千万だ。一連の事故で中国が裏で手を引いていたのかいなかったのかと関係なく中国国営メディアは事故を利用し米海軍に『無能』とか『危険』のレッテルを貼り、米海軍への敵意をあおりアジアからの米軍一掃をねらってくるでしょう」
  23. 調査の進展次第で海軍の業務執行状態の改善や訓練増強が必要となるだろうが、軍の立案部は引き続きサイバーや内部反逆者含む中国の各種脅威に備える努力を怠ってはならない。そのほか、新型潜水艦、対艦弾道ミサイルさらに原子力空母戦闘群の出現に備えるべきだ。■

2017年8月25日金曜日

米海軍で相次ぐ衝突事故は某国ハッカーによるものなのか


これが本当なら軍艦の保安体制をいかに強固にしても民間商船を乗っ取れば海軍力を脅かすことができるはずです。商船の数は膨大でかつセキュリティ対策もばらばらなため狙われやすくなってしまいます。米海軍が世界の笑いものだとまで公言してはばからない国があり、まっさきに関与を疑われるでしょう。しかし日本近海でも発生した事案までハッカー集団のしわざとすれば、日本国内に実施能力を有する協力者がいることになります。思い当たる筋はありますが、口だけの反体制派であり、批判がすきなだけの人たちなのでこの説は怪しくなっていますね。


Could hackers be behind the US Navy collisions?

米海軍海上衝突事故の背後にハッカーがいるのか

USSフィッツジェラルドは2017年6月17日に民間商船と衝突事故に巻き込まれた。横須賀海軍基地へ帰港した事故翌日の姿
TYLER HLAVAC/STARS AND STRIPES


 
By ELIZABETH WEISE | USA Today | Published: August 24, 2017


SAN FRANCISCO (Tribune News Service) — 米海軍艦船で相次いで発生した民間商船との海上衝突事故の裏にハッカーがいるのか。専門家の意見では可能性は限りなく低いながら不可能ではないとし、米海軍が調査を開始した。
  1. ツイッターの噂では、衝突事件二件はサイバー攻撃あるいはジャミングが原因だ。今年に入り米海軍関連の事故が連続4件発生しており、うち二件が死亡事故になったが高度なコンピュータ装備を備えた軍艦で航法上の過ちが起こったことから世界規模の米政府へのサイバー攻撃へ懸念が生まれている。
  2. 海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将もツイッターで今週月曜日にサイバー侵入や妨害活動の証拠はないが、「想定できる可能性すべてを検討する」と述べた。
  3. 技術に詳しい専門家の言ではGPSがハッキングされ艦の航法装備が悪影響を受けるシナリオは可能としながら今回の海軍事例で攻撃の証拠はないと強調する。
  4. 「証拠が見つからないため今のところは乗員の不注意が理由と見ていますが、海軍艦艇が警戒していなかったとは思いたくありません」とテキサス大オースティン校のトッド・ハンフリーズ教授が述べている。教授はGPSのセキュリティが専門だ。

米海軍が調査に乗り出す

  1. 今週月曜日にUSSジョン・S・マケインがマレーシア沖合で民間タンカーと衝突し、乗員10名が行方不明、5名が重軽傷となった。6月17日にはUSSフィッツジェラルドが民間貨物船の衝突を受け7名が死亡している。
  2. 海軍は大混乱だ。水曜日にはジョセフ・オーコイン中将が第七艦隊司令長官を解任されて、月曜日に世界規模で艦艇運用を停止し安全点検させ根本原因を探ろうとした。
  3. 航法ソフトウェアの妨害あるいは誤作動を招く技術はすでに存在するが米海軍は強固な暗号化でGPSを使い、妨害は極めて困難なはずとハンフリーズ教授は述べる。
マラッカ海峡の衝突事故でUSSジョン・S・マケインの左舷に生じた損傷。同艦はチャンギ海軍基地(シンガポール)に到達した。
JOSHUA FULTON/U.S. NAVY

  1. 装備を出し抜くには「記録およびリプレイ攻撃」と呼ばれる技術を使うしかないと教授は述べる。つまり衛星経由で海軍艦船に送付される暗号化位置データを記録し少し遅れて記録内容を再生し艦船に指示するのだ。「これで艦船に実際の場所ではない情報を送ることになります」(ハンフリーズ)
  2. これはきわめて高度かつ実施困難なハッキング技術で航法関連のデータストリームを各方面で記録してから二か所以上から信号を送信する。近隣を航行中の艦船が誤った情報を受けとらないように送信は対象艦船のごく近い場所で送信する必要があり、無人機複数を投入することになるはずだ。

GPSハッキングは可能

  1. 非実現性な話に聞こえるが決して不可能ではないとハンフリーズ教授は述べる。2013年に教授は時価80百万ドルするヨットのGPS装備を欺瞞し数百ヤードも航路から外れた場所に移動させ危険性を立証している
  2. リチャードソン作戦部長も二か月未満で二回も「きわめて深刻な事件」が発生したことで「今のままでいいのかと重大な懸念が生まれた」と述べている。海軍はフィッツジェラルド事件の原因は当直乗組員の状況認識の欠如だとする。
  3. 米沿岸警備隊で海上運航装備を統括していたデイナ・ガワードもハッキングが米海軍の海上衝突事故の原因とは見ていない。
  4. 沿岸警備隊で艦長も務めた本人によれば長年の海上航法の経験からとくに交通量が多い地区では衝突につながる単純な過誤が容易に生まれるのだという。「人的エラーが発生しやすい困難な場所」だという。

ロシアのハッキング事例

  1. サイバー攻撃で衝突したと信じる向きは軍組織に能力があると知っているからだ。例としてガワードは悪意ある勢力が商船の非暗号化航法データに目を付け短時間のジャミングで海軍艦艇に向かわせる可能性があるという。あるいはハッカー集団が貨物船のGPSを乗っ取り航路を外すよう指示するという。
  2. 「一方にだけ責任があるはずがない」と英国王立航海大学の学長を務めたデイヴィッド・ラスト教授が述べる。「脆弱な方を攻撃すればいいのです。この場合は民間商船です。実際にそうだったと言うつもりはありませんが、もし自分が実行犯ならそうしますね」
  3. 北朝鮮、中国、ロシアの軍部にGPSジャミング能力があることは知られているとガワードは述べ、GPSのジャミング、欺瞞工作は以前からあり、実際に発生している。
  4. 6月に黒海を航行中の20隻以上の艦船からGPS装備が誤作動し航路より19マイルも外れたロシアのゲレンジック空港を表示したとの報告がある。「あたかも艦船が空港上に駐機している」ようだったとラスト教授がコメントしている。ハンフリーズ教授はこの事件はほぼ全なGPS攻撃事例であり、「今後も発生する」という。■

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