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2025年12月25日木曜日

トランプ級BBG(X)にレイルガン搭載との発表であらためて米海軍のレイルガン開発の再開に注目―実態は日本の研究開発成果に期待するしかないのではないでしょうか

 米海軍のレイルガンが復活か ― 少なくとも今のところ

ドナルド・トランプ大統領は、海軍の新「戦艦」に「最先端の電磁レイルガン」が搭載されると発表した

Task & Purpose

ジェフ・ショゴール

2025年12月23日 午後4時3分(米国東部標準時間)公開

海軍は、ドナルド・トランプ大統領が発表した、レイルガンを装備した新戦艦のレンダリング画像を公開した。USN

ナルド・トランプ大統領が海軍が再び「戦艦」を建造すると発表したことは、過去からの爆発的なニュースだけにとどまらなかった。もし建造されれば各艦に電磁レイルガンが搭載される予定だが海軍は4年前に開発を中断している。

レイルガンは、電磁場を作り出し、時速5,600マイル(音速の7倍以上)で発射体を発射する。発射に火薬など化学推進剤を必要としない。

月曜日、トランプ大統領は、「ゴールデン・フリート」造船計画の一環として、海軍が 20 隻から 25 隻の新型艦艇を建造し、各艦艇に「最先端の電気レイルガン」を含む様々な兵器が搭載されると発表した。

海軍は新戦艦の1番艦のモックアップも公開した。それによると、この水上戦闘艦は艦首に32メガジュールのレイルガンを搭載する見込みとある。海軍研究局によれば、これほどの威力を持つレイルガンは弾丸を100海里以上先に発射できるという。

レイルガンの性能がどれほど驚異的に聞こえようとも、海軍はこれまで艦艇へのレイルガン統合に成功したことがない。2021年7月には同プログラムを一時停止すると発表し、極超音速ミサイルや指向性エナジー兵器など他の兵器システムへの資金を優先した。

これでレイルガン計画は完全に終了したと思われても無理はないが、終焉は大きく誇張されていた。

海軍は2021年にレイルガンの艦艇搭載を一時停止したが、弾頭を含む兵器システム自体の研究は継続中と、オープンソース防衛情報プロバイダーJanesの海軍アナリスト、マイケル・フェイビーが述べている。

海軍はこの件についてコメントしていない。

レイルガンは復活したかもしれないが、海軍艦艇の実用的な兵器となるには、いくつかの重要な技術的問題を解決する必要がある。

ランドコーポレーションの上級政策研究員退役海軍大佐ブラッドリー・マーティンによると、課題の一つは、レイルガンに十分な電力を供給する方法だ。

「構想されている戦艦にレイルガンを導入できる可能性があるのは、その艦が大型で、レイルガンの要求を満たす発電能力を備えていると予想されるためだ」とマーティンは本誌に語った。

もう一つの課題は、発射体の発射による熱と反動に耐える発射システムを構築する方法を見つけることだと彼は述べた。この問題を解決するには、新戦艦の設計と建造で技術的な進歩が必要になるだろう。

しかし、トランプ大統領は月曜日、海軍が約 2 年半で最初の 2 隻を建造することを期待していると述べ、新しい艦艇の設計に固有の課題を克服するには十分な時間ではないと述べた。米国最新鋭空母ジェラルド・R・フォードは建造に8年を要し、その後複数の技術的課題に直面した。同艦は2022年に初配備を果たしたが、これは就役から5年以上経過後のことだった。

ワシントンD.C.のシンクタンク「ヘリテージ財団」のブレント・サドラー大佐(退役)は、レイルガンには技術的障壁があるものの、中国が戦時に米海軍に対して使用するタイプの対艦弾道ミサイルに対しては効果的な兵器となると述べた。

サドラーは、レイルガン開発は、発射可能な新型弾頭の開発に焦点を当てて加速すべきだと考えていると語った。

一方、レイルガンが直面する技術的問題の一つに対する解決策として、数百回の発射に耐えられる砲身材料が開発されるまでは、発射後に砲身を交換する方法が考えられると彼は述べた。

とはいえ、レイルガンと新型戦艦が、海軍の困難な造船実績の犠牲とならないどうかは依然として不透明だ。直近ではコンステレーション級フリゲートの建造中止が決定している。

現時点でレイルガンは復活したのか、あるいは復活寸前なのかもしれないが、艦艇の甲板から実弾射撃を行う段階には程遠い。■

ジェフ・ショゴール

上級国防総省記者

ジェフ・ショゴールは『Task & Purpose』の上級国防総省記者である。20年近くにわたり軍事分野を取材してきた。連絡先はschogol@taskandpurpose.com、Twitterでは@JSchogol73030へダイレクトメッセージを送ること。


The Navy’s railgun may be back from the dead — for now

President Donald Trump announced that the Navy’s new “battleships” will each be armed with “state-of-the-art electric railguns.”

Jeff Schogol

Published Dec 23, 2025 4:03 PM EST

https://taskandpurpose.com/news/navy-railgun-battleships/






2025年4月19日土曜日

日本の試験艦に搭載されたレイルガンに注目(The War Zone)―当ブログでは原語の発音に近いレイルを採用しています。とはいえ、艦艇や地上部隊の電力需要の増大にどう答えるかが課題ですね

 The Japan Self-Defense Forces have offered an official look at the turret-mounted electromagnetic railgun now installed on the test ship JS Asuka.  

JMSDF


米海軍が開発を中止した海軍用電磁レイルガンの開発を日本が推進している


本の自衛隊は、試験艦JSあすかカに搭載された砲塔搭載型電磁レイルガンの公式画像を公開した。防衛装備庁(ATLA)は2010年代半ばからレイルガンの開発を進めており、日本海軍の艦艇で将来の武装として採用される可能性があり、地上配備型としても活用される可能性がある。これは米国海軍が2020年代初頭に開発を凍結した武器のカテゴリーに該当し、当初有望な成果を示したものの、技術的な課題に直面していた。

 JSあすかに搭載されたレイルガンの写真は、4月9日に自衛艦隊司令官大町克士海将が同艦を訪問した際に撮影されたものだ。日本の船舶観測者は、今月早々からJSあすかに搭載された新装備の画像を投稿し始めた。あすかは6,200トンで、戦闘艦のような設計の専用試験艦として、1995年の就役以来、武器や他の海軍システムの開発支援に活用されている。

 「4月9日、海上自衛艦隊司令官(COMSDFLT)の大町克士海将は、海上自衛隊艦隊研究開発司令部(FRDC)所属の『あすか』を訪問し、防衛装備庁(ATLA)で開発中の『レイルガン』の最新の状況を視察しました」と、海上自衛隊は短い声明で述べている。「将来の戦闘に備え、海上自衛隊はATLAはじめとする関係機関と緊密に連携し、海上自衛隊が必要とする装備の研究開発と早期導入を推進するとともに、日本国民と領海を守るための防衛態勢の強化を継続しています」。


JSあすかのストック画像。海上自衛隊


 2023年、ATLAは未公開のプラットフォームからレイルガン原型機の海上試射に成功したと発表し、世界初の成果だと主張した。ATLAが当時公開した画像では、武器はJSあすかに現在搭載されている完全な海軍砲塔ではなく、試験用マウントに設置された状態だった。


2023年に海上試験で発射された日本のレイルガン原型機。ATLA


2023年以降、日本のレイルガンの設計がどのように進化したかは不明だが、現在JSあすかに搭載されている武器の見た目は、ATLAが過去公開した原型機の画像と一致する特徴を示している。ATLAは、過去の試験で5メガジュール(MJ、500万ジュール)の充電エネルギーを使用し、時速約4,988マイル(2,230メートル/秒;マッハ6.5)の速度で弾丸を発射する能力を実証したと報じられている。

JSあすかに搭載されたレイルガンの銃口部と後部の詳細を写した合成画像(上)と、ATLAが過去に公開したプロトタイプレイルガンの画像。JMSDF/ATLA


 Naval Newsによると、口径速度4,473マイル/時(2,000メートル/秒)以上と砲身寿命120発の達成が過去の試験目標の一つだった。また、ATLAは艦内電力要件の削減にも取り組んでいると報じられています。

レイルガンは、化学推進剤ではなく電磁石を使用し弾頭を非常に高い速度で発射するシステムで、技術的な課題が数多く存在する。最も直面する課題は、莫大な電力需要を要することだ。特に、比較的連射可能な能力を付与する場合、システム部品の冷却が必要となり、さらに電力需要が増加する。

 非常に高い速度で弾頭を継続的に発射することは、砲身の摩耗率を増加させる。摩耗した砲身から弾頭を発射すると射程や精度に影響を与えるだけでなく、安全上のリスクも伴う。

 さらに、レイルガンは、大規模なエネルギー貯蔵バッテリーと冷却システムが必要であるため、物理的に非常に大型化しやすい。JSあすかに搭載されたレイルガンは、船尾の飛行甲板に固定され、十分なスペースを確保している。伝統的な配置で戦闘艦に武器を統合する場合、他のコンポーネントを艦内に配置するスペースを確保する必要がある。日本が将来取得する可能性のあるレイルガンをどのように配備するかは、まだ不明確だ。武器を収容する完全な砲塔を建造することは、設計の運用化と一致する。

 昨年イギリスで開催された「Combined Naval Event 2024」展示会でのプレゼンテーションで、海上自衛隊のATLA(航空宇宙技術研究開発機構)海軍システム局長である今吉信一海将は、2030年代に就役開始が予定されている日本の次世代駆逐艦「13DDX」にレイルガンを統合する計画を明らかにした。ATLAは以前、レイルガンを搭載した「まや級」駆逐艦(27DDG級)の概念図を公開していた。


まや級または27DDG級駆逐艦にレイルガンを搭載した想定のグラフィック。日本防衛省


 ATLAは以前、以下のコンピュータ生成動画も公開しており、トラック搭載型レイルガンの使用シーンが示されています。


 実用的な電磁レイルガンは、海上、陸上、さらには空中における広範な目標を迅速に攻撃できる高度な能力と柔軟性を備えた兵器システムとなる。日本は、この能力を超音速脅威からの防衛に活用する意向を表明している。このような兵器は、個々の弾薬の小型化と単価の低さから、従来の地対空・地対地ミサイルと比較して、弾薬庫の容量とコストの両面で優位性を発揮する。

 特に戦闘艦のように物理的スペースが限られ、海上でのミサイル再装填が極めて困難な環境では、大容量弾倉から低コスト弾薬を発射し、広範な目標群を攻撃できる武器システムは明らかな利点となる。

 レイルガンを開発しているのは日本が唯一の国ではなく、過去にも同様の取り組みが行われてきた。特に海上用途での開発は、上述の理由から特に注目されている。2005年から2022年にかけて、米海軍は将来の艦艇に搭載するレイルガン開発を積極的に進めていたが、技術的な課題により中止された。プログラムが終了する段階で、海上試験は何度も延期されていた。

 レイルガン用に開発された超高速弾薬は、従来型の海軍用や地上配備型砲兵システムへの応用を目指して継続されている。興味深い点として、米国陸軍は現在、伝統的な155mm榴弾砲を基にした新たな移動式対空防衛システムにこれらの弾薬を応用する計画を進めている。



米海軍のレイルガンプログラムの失敗に終わったプロジェクトに関するブリーフィングスライド。スライドでは、レイルガン装備艦(および同じ弾薬を使用する従来型砲)が、巡航ミサイルを含む多様な空中脅威や水上目標と交戦する可能性を示している。


 昨年ATLAは、米国海軍との間でこの分野における過去の研究成果を活用する可能性について協議していたと確認した。日本当局は2024年に、フランスとドイツの当局とレイルガン開発協力に関する協定を締結した。

 中国人民解放軍も海軍用レイルガンの開発を進めており、2018年に同国で船上に搭載された砲塔式設計が初めて公開された。この武器や他の中国製レイルガンの開発状況は不明だ。


2018年に公開された中国の海軍用レイルガン。中国インターネット


 日本にとって、レイルガン開発は、新たな超音速ミサイルを含む同国軍の能力拡大と近代化を目的とした広範な努力の一環という位置づけで北朝鮮、中国、ロシアから発する地域的・国際的な安全保障上の課題が深刻化する中で進められている。

 北朝鮮は近年、新型の弾道ミサイルと巡航ミサイル、および超音速能力を主張するタイプのミサイルの開発を加速させている。一部は、日本上空や周辺で試験発射されている。

 日本は中国とロシアとの間で領土紛争を抱えており、自衛隊は近年、周辺諸島における存在感を強化する取り組みを進めている。また、中国が台湾に軍事介入した場合、特に米軍の大量展開が日本にも及ぶ可能性があり、地域での全面的な高強度戦闘において主要な標的となることから、懸念が高まっている。これらの状況を踏まえ、自衛隊は同盟国・パートナー国との連携を強化し、インド太平洋地域における活動を拡大している。特に、中国を念頭に置いた取り組みが進められている。

 「自衛隊は、日本の防衛だけでなく、同盟国や志を同じくする海軍と協力して『自由で開かれたインド太平洋』の実現に貢献するため、インド太平洋地域の平和と安定を維持すべく備えています」と、海上自衛隊は述べている。

 実用的なレイルガンが艦艇や他のプラットフォームに搭載され、日本軍で運用される時期や可能性については、多くの疑問が残ったままだが、JSあすかに設置されたレイルガン搭載砲塔は、日本が電磁兵器の開発を継続している姿を示している。■



Railgun Installed On Japanese Warship Testbed

Japan is now pushing ahead with naval electromagnetic railguns, which the U.S. Navy has shelved.

Joseph Trevithick

Published Apr 18, 2025 1:38 PM EDT

https://www.twz.com/sea/railgun-installed-on-japanese-warship-testbed


2024年3月18日月曜日

中国のレイルガン開発はどこまで進んでいるのか----宣伝と事実の区別は難しい

 レイルガンに真剣に取り組んでいるのは日本と中国だけのようです。

そのうち、中国での進展についてDefene Oneに専門家が見解を寄稿しましたのでご紹介します。

中国のレイルガンは船舶研究開発の一端で進められている

PLAN艦艇に膨大な電力を供給するための研究体制について注意が必要

国の研究者たちは最近、実用的な電磁レイルガンを開発に成功したと主張し、21世紀で最も破壊的な新兵器がPLAに提供される可能性に触れた。米国で同じ研究を長い間妨げてきた技術課題を本当に克服できたかどうかはまだ不明だが、PLAが電磁石と発電システム分野で研究投資を10年以上前から展開してきたことは明らかだ。

従来型の大砲は中国西部で歴史初の描写が刻まれた1128年以来、比較的効率の悪い化学爆発より動力を得てきた。対照的に、レイルガンは磁石を使い弾丸をマッハ6超まで加速させる。レイルガンは、ミサイルやロケットの射程距離と精度の高さをもちながら、従来の大砲の一発あたりの発射コストと同程度になることが期待されている。これは、現代の軍隊を悩ませているコスト負担の問題を一気に解決する。成功したシステムでさえ、運用にとてつもなくコストがかかったり、より安価な兵器の群れを発射する敵に圧倒されたりする可能性がある。例えば、イエメン沖の米軍は巡航ミサイルを発射しているが、このミサイルは破壊する目的の無人機よりも少なくとも3桁高い。

米軍はレイルガン研究でリーダーだったが、5億ドル以上を費やしたあげく、2021年に終了した。理由として、工学的な課題、特に数発撃つだけで銃身が摩耗してしまう傾向があること、極超音速ミサイルなど他のプログラムにリソースをシフトしたいことなどが挙げられている。しかし、その根底には、想定された役割と海軍の優先事項の変化とのミスマッチであった。レイルガンは当初、ズムウォルト級駆逐艦に装備される予定だったが、この計画はコスト問題で打ち切られた。レイルガンはまた、海軍が現在では既存の巡航ミサイルや新しい極超音速ミサイルで想定する攻撃を主な目的としていた。レイルガンを対空/ミサイル/ドローン防御システムに投入する可能性は、海軍や他の米軍にとってはるかに深刻な問題であるにもかかわらず、十分に検討されなかった。

米国は当分の間、関心を失ったかもしれないが、レイルガンの研究開発は他国で進められている。2023年、フランス国防調達庁は海軍電磁レイルガン・プロジェクトを発表し、日本は防空用レイルガンに取り組んでいる。昨年、日本の艦船が史上初めて海上でレイルガンの発射実験を行い、その成功を受け防衛省は2024年度予算にレイルガンの研究開発費として238億円(約1億6000万ドル)を要求している。

しかし、最も継続的な関心を示しているのは中国である。12月、『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙は、中国海軍工科大学PLA Naval Engineering Universityが実用的な電磁レイルガンを開発したと報じた。中国の研究チームは、レイルガンはマッハ6で100~200キロの弾丸を発射できると主張している。おそらく最も重要な点は、最大10万個のAI対応センサーを使い、致命的な故障の前に問題を特定し修正し、時間経過とともに徐々に改良するのが可能になったことだろう。これが本当なら、米国の研究者を悩ませていたとされる長年の問題を解決したことになる。中国の記事によれば、発射された弾丸の口径はわずか25ミリで、軽量の海軍大砲のサイズをはるかに下回っている。

その他の中国における防衛技術プログラムと同様、このプログラムでも不透明な部分が多い。しかし、さまざまな公開情報源から重要な詳細が明らかになっている。

中国のレイルガン研究の記録は2011年まで遡る。2018年には、072III型揚陸艦「海洋山」の艦首に搭載された試験システムの写真が掲載された。その翌月には、「3月8日の女性の日の前夜」に、同艦での試験成功の際の「電源メンテナンス」と「システムシミュレーション」の研究者張暁Zhang Xiaoに「紅旗」が授与されたという知らせがもたらされた。

張は、国家船舶統合電力システム技術重点実験室 National Key Laboratory for Vessel Integrated Power System Technologyのチームの一員であり、最近の成功も同実験室の功績である。人民解放軍海軍工程大学の一部となっている同研究所は、湖北省武漢市にあり、PLA海軍と第712研究院が共同管理している。第712研究院は、中国海軍艦艇を製造する国有企業中国国家造船総公司China State Shipbuilding Corporation傘下の船舶用電力を専門とする国防研究機関であり、同社はバイデン大統領によって2021年に米国の禁止リストに指定された。

20年前、中国の指導者たちは、センサー、ジャマー、ネットワーク、そして電磁波兵器を含む兵器に大量に必要な電力が、近代的な海軍の発展におけるボトルネックであることに気づいた。さらに、中国が必要とする高度なシステムを持つ外国は中国へのシステム輸出を禁止していた。

国家重点実験室The National Key Laboratoryは、このボトルネックと外国からの禁輸措置を打破するべく2007年に設立された。同研究所を率いるのは、全国党大会代表であり、船舶用発電と電磁カタパルト技術のブレークスルーで称賛されている「国宝」専門家の馬偉明海軍少将Rear Adm. Ma Weimingである。

SCMPの記事で名前が挙がっている研究所の科学者呂俊勇Lu Junyongは「国家電磁兵器革新チーム」を率い、馬と共に電磁発射技術に取り組んできた。実際、本人のプロフィールによれば、彼と馬は、研究所が正式に設立される以前から、20年にわたりこれらの広範な問題のいくつかに共同で取り組んできたという。そして、米国の研究者を困惑させた摩耗とガンの故障問題に少なくとも10年取り組んできた。

レイルガンばかりがクローズアップされがちだが、この研究所はPLA海軍艦艇のための幅広い電気的・電磁的応用で進歩を遂げている。例えば、同研究所の電磁発射技術の研究は、PLANの増加する空母艦隊の電磁カタパルト開発にも応用されている。PLANの最新空母には、この研究所の研究成果から生まれた電磁カタパルトが搭載されることになっており、中国はこの先進技術を持つ2番目の国となった。

さらに、同研究室は次世代艦艇用電力でも進歩を遂げている。一例として、研究室が開発した中電圧直流統合電力システム(中電圧直流完全電気推進とも呼ばれる)は、003型空母、076型揚陸ヘリドック、055型駆逐艦を含むPLANの最新軍艦に、最新の電磁・レーザー兵器や統合RFシステムなどの先進システムを搭載することを可能にする。

研究所の研究成果は、中国の軍民融合military-civil fusion政策により、戦略的な民生産業にも転用される。可変電流技術はインテリジェント・マイクログリッドの開発に使用され、ダイレクトドライブ風力発電インバーターは外国の独占を打ち破り、価格を大幅に引き下げたと言われている。また同研究所のエナジー研究は、南シナ海に展開する軍事前哨基地用のインテリジェント発電所の建設につながっている。

中国海軍が本格的なレイルガンを開発し、大規模に生産し、軍艦に搭載できるかどうかはまだわからないが、米国が放棄した軍事的に非常に重要な技術で着実な進歩を遂げていることは明らかである。さらに、船舶電力の関連では、中国の艦艇上の高度な兵器や電子システムの統合を可能にし、さらに重大である意味があることを証明するかもしれない。


マット・ブルッツェーゼはBluePath Labsのシニア中国語アナリスト。

ピーター・シンガーはニューアメリカのシニアフェロー、アリゾナ州立大学教授、Useful Fiction LLCのマネージングパートナー。


China’s nascent railgun is just the tip of its shipboard R&D - Defense One

Meet the lab working to equip PLAN warships with vast amounts of electrical power.

By MATT BRUZZESE and PETER W. SINGER

MARCH 15, 2024 12:07 PM ET




2019年8月19日月曜日

米海軍のレイルガン開発は意外に順調に進んでいるようだ:艦載実証テストの目処がついた様子


The Navy's New Railgun Is A Step Closer to Sinking Your 'Battleship'

Or just a dream? 
August 17, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: RailgunMilitaryTechnologyWorldU.S. NavyNavy

海軍の電磁レイルガンは水上艦艇での実証を前に「事実上の試運転」を実施中と関係者が述べており、一時は行き詰まりといわれていたレイルガンだが実用化のめどが見えてきたようだ。
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海軍水上戦センターがホワイトサンズミサイル試射場に分遣隊をおいており、艦載用戦術実証装備として5億ドルを投じたスーパーガンの政策が進行中だ。

「レイルガン設置は今年早々に始まっており、ガン本体、出力制御装置、画像表示装置や各機能の統合を進めている」と現地責任者ジョン・ウィンステッドが発表。「テストの目的は新規設置の砲台と電源コンテナーや制御装置の完全性能の試運転にある」


公式発表ずみのテストは5月15日が唯一の例で4発を発射し、「実証とデータ診断を完全に」行ったと海軍は発表している。「テストは成功をおさめ今後の搭載および実証に向けテスト条件を確認できた」

海軍が「試運転」と静かに発表したのは海軍研究本部がレイルガンを艦艇搭載に向け前進する中でのことで、海軍技術陣が艦艇搭載の課題とともに連続発射で必要な「パルス出力アーキテクチャ」も解決したことを示している。

5月に海軍が発表した環境インパクト評価では「運動エナジー兵器(レイルガンのこと)は水上艦艇でテストし、爆発性、非爆発性双方の発射体を空中または筋状目標に向け発射」を米北西部太平洋上で数ヶ月のうちに実施するとあった。

「システム変更は2分間で完了し、1秒未満で発射できる」と同評価は述べている。「システムはシールドを施し艦載装備に影響を与えない。装備が放出する電磁エナジーは低く抑えかつ水上艦の外に出ない」

海軍が搭載および電源システムを重要視しているのは電磁レイルガン実用化でよい兆候と言える。Task & Purpose が2017年12月に掲載した記事ではレイルガン推進派は予算重点の変化で戦術用途向け実証機の完成が遅れると見ていた。ペンタゴンが超高速発射体(HVP)を重視しはじめたためで、既存の艦砲で発射でき効果が大きいと見られていた。

最近では2019年2月に海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将はレイルガンを「今回のプロジェクトから多くを学んだ。電磁エナジーを手段とする技術の実現は課題だった」とし、「まだ開発は続く。艦艇への搭載があるし、その後も開発テストがある。兵装としては画期的性能となりぜひ実用化したい」


レイルガン推進派は予算優先順位問題をとりあえず棚上げしていい。海軍の2020年度予算要求では昨年より7.6百万ドルを上積みし開発を継続することになっている。また戦術実証装置の計画も実体化しつつあるようで、スーパーガンは懐疑派を一掃する効果を発揮するだろう。■

2019年1月9日水曜日

★レイルガンなんか目じゃない 米海軍が昨年のリムパックで超高速弾を試射していた!

Mach 7.3 'Bullets': The U.S. Navy Tested a "Hypervelocity Cannon Round" マッハ7.3の「弾丸」を米海軍が「超高速砲弾」としてテストしていた

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海軍が新型超高速砲弾の実弾テストを2018年に実施していた事が判明した米海軍協会が伝えている。


今回始めて公表された試験発射は中国が極超音速兵器の開発を進める中で米海軍にとって大きな一歩になる。


駆逐艦USSデューイが超高速砲弾HVPをMk.45 5インチ砲から20回発射したとテストに詳しい筋が述べたと同記事は伝えている。


同記事によればテストは2018年夏のハワイ沖で展開されたリムパック演習でのことだが試射の効果は不明だ。


実験には海軍のほかペンタゴンで新兵器開発を極秘に行う戦略戦力室が立ち会ったと言われる。


「極超音速」の定義はマッハ5以上の飛翔体だ。海軍標準のMk.45艦載砲は重量70ポンドの通常弾薬をマッハ2.2ほどで13マイル先に飛ばす。今回の超高速弾はマッハ7.3で50マイル先を狙うと言われる。


「HVPは次世代には普通の存在になる誘導式の低抗力発射弾で、既存の各種砲で運用可能です。海軍の5インチ砲、海兵隊・陸軍の155ミリ砲、また将来の電磁レイルガンなどです」と超高速弾のメーカーBAEシステムズがウェブサイトで説明している。


BAEによればHVPは対地、対水上のいずれにも有効な攻撃手段となり、その他巡航ミサイルや弾道ロケットも狙えるという。


HVPがこれだけの高速を出せる秘密は抗力を抑えた空力設計にある。口径が異なる各種砲門におさまるよう、HVP本体はケースに入り、発射後すぐ円錐形の砲弾部分が分離する。


超高速発射弾は運動エネルギー兵器のため、弾頭はなく、衝撃で発生する力だけで相手を破壊する。BAEは新型砲弾では「正確な誘導電子装置」が発射する艦艇や砲兵隊に必要となると説明。


HVPの単価は9万ドル程度といわれる。
米艦デューイの試射は中国で超高速艦載砲の存在が2018年1月に周知になった数カ月後のことだ。中国海軍の揚陸艦海洋山が河川に係留され新型大型砲を艦上に搭載している写真が流布した。


同年3月に中国国営通信が問題の砲はレイルガン試作品と認めた。海洋山が外海にある新たな写真が12月にあらわれ、試射のため出動したのだろう。


米海軍は2012年以来独自にレイルガン開発に向かってきたが、2019年初頭現在海上公試はまだ実施していない。


レイルガンは発射弾を電磁力で極超音速に加速し、通常火薬を用いない。しかしデューイ実験で通常型火砲でも極超音速加速を実証できた。


2016年にオバマ政権の国防副長官ロバート・ワークは発足前のトランプ政権にレイルガンより超高速弾開発に資金投入すべきと助言していた。


「レイルガンは行く行く必要になるが火砲でも同じ超高速弾を発射可能で同じ効果が得られるとわかり、こちらのほうが早く実用化できる」とワークは述べていた。


米軍としては既存砲塔でマッハ7で砲弾を飛ばすことでレイルガンで進展を示す中国を一気に引き離したいところだ。「既存砲で革命的な効果が実現するのであり、榴弾砲、(米陸軍の)パラディン自走砲、海軍の5インチ砲のどれでもいい」とSCO室長だったウィリアム・ローパーが2016年に述べていた。「ということで重点をこちらに移す」「通常火砲なら何千門もありますが、レイルガンは皆無に等しい」

David Axe serves as the new Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad.