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ドイツ空軍の惨状:ヨーロッパ最大の経済大国の軍事力がこれでいいのか

昨年あたりからドイツ軍の装備整備状況で芳しくないニュースが目立ちますが、病巣は前からあったのでしょうね。ヨーロッパの理想はいいのですが現実の脅威に対してしっかりとした対応はことばだけで力を入れていなかったのでしょう。政治の責任と言うより、耳に心地の良い話だけで満足し、現実に目をつぶってきた有権者に責任があるのでは。日本にとっても他山の石とすべきケースでは。 Germany's Air Force Is Dying a Slow Death ドイツ空軍はゆっくりと死に向かう July 7, 2018   Topic: Security   Region: Europe   Blog Brand: The Buzz   Tags: Germany Air Force war Military Donald Trump Air Force by Michael Peck http://nationalinterest.org/blog/buzz/germanys-air-force-dying-slow-death-25157 ト ランプ大統領がめざす欧州各国に対する防衛負担増要求は失速する可能性がある。 ドイツの最新鋭戦闘機が飛行もままならない中で米軍が欧州から撤退すれば西側安全保障が目的の同盟関係は弱体化が避けられなくなる。 ドイツのスピーゲル誌の報道ではルフトヴァフェ・ドイツ空軍が保有するユーロファイター・タイフーン128機で大部分が飛行できない状態だという。 スピーゲルによれば作戦運用可能なのは10機しかない。ここからドイツがNATO内で防衛責任を果たせるのかとの疑問が生まれている。スピーゲルは「問題は複雑だ」と指摘している。 ユーロファイター全機は主翼上にセンサーを搭載し敵機や攻撃を探知しパイロットに警告することになっている。半年ほど前にセンサーポッド冷却が不十分と発覚した。自機防御の要といえる存在のため、この問題は作戦機材全てに波及し、運用可能機数が減った。 さらに「技術要員による不良ポッド交換には専用スペアパーツで冷却回路を密閉する必要がある。ただし、この対応は現在不可能となっている。メーカーが売却されてしまったためだ」とある。 タイフーンは初飛行が1994年で英国、ドイツ、イタリア、スペ

F-15近代化の方向を示すカタール向け新造機から航空自衛隊にも新しい可能性が見えてきた

これは期待できるニュースです。カタール向け新造機に盛り込む新技術で旧型機の若返りが出来ればこんなにコストパフォーマンスがいい話はありません。ひょっとしたらF-15も70年間飛び続ける機体になりそうです。ただし航空自衛隊の場合は改修してこなかった機材が半分あり、こうした追加回収できる対象が最初から限られてきますので、機数が不足します。であれば、まだ生産ラインが残っているうちに発注してはいかがでしょう。ボーイングは商売がうまいですね。F-15ラインのある旧マクダネル工場の地元も一安心でしょう。ミサイルトラックを作る、という構想もひょっとしたら実現しそうです。   New wings on Qatar F-15s pave upgrade path for USAF カタール向けF-15の新型主翼はUSAF機材改修能方向を示す 23 FEBRUARY, 2018 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM BY: STEPHEN TRIMBLE ORLANDO https://www.flightglobal.com/news/articles/new-wings-on-qatar-f-15s-pave-upgrade-path-for-usaf-446189/ カ タール発注のF-15高性能イーグルで主翼が改修され同じ改修内容が米空軍F-15Cや各国空軍で供用中の機体でも耐用年数延長に使えると ボーイング が発表した。 カタール政府はボーイングに62億ドル契約でF-15QA(カタール向け高性能版)36機を昨年12月に発注し、これでセントルイスにあるボーイング生産施設には2022年までの生産が確保された。 F-15QAには新型コックピットシステムで大型画面等これまで同社が発表した内容を盛り込んでいるとボーイングでF-15事業を担当するスティーブ・パーカー Steve Parker 副社長が述べている。 FlightGlobalの2月22日インタビューでパーカーはF-15QAの主翼が再設計され内部構造が強化されながら空力特性には影響は出ないと答えた。再設計はボーイングが最近実用化した新製造技術で可能となったという。 F-15QAが開発段階に入るとボーイングには既存F-15Cでも主翼交換の需要が期待でき

★ドイツ空軍トーネード後継機巡る意見対立を考える

ドイツがめざすトーネード後継機については前もお伝えしていますが、今回は任務から考えてみようというIISSの提案です。自由落下式の核爆弾運用など自殺行為にしか思えないのですが、NATOとしては自らの主張として米核戦力の一部であってもその存在そのものに意味があるのでしょうね。そして文末にあるように今や独仏でさえ戦闘機を共同開発する時代になっているのですね。 Dogfight over Berlin: Germany’s Tornado replacement aspirations ベルリン空中戦:ドイツのトーネード後継機候補を巡る意見対立 Germany’s selection of a future combat aircraft for the air force may not be a binary choice. ドイツの選択は二者択一にならないかも By Douglas Barrie , Senior Fellow for Military Aerospace Date: 21 December 2017 http://www.iiss.org/en/militarybalanceblog/blogsections/2017-edcc/december-d13d/dogfight-over-berlin-ecf0 ル フトヴァッフェ上層部とドイツ国防省の間でトーネード後継機にヨーロッパ産米国産いずれの機材を導入すべきかで意見が分かれている。空軍側はF-35を、国防省はタイフーンをそれぞれ推す。ただし議論の出発点がまちがっている。 機種より任務で考えた方が選定の透明度が高まる。ルフトヴァッフェでトーネードは核・非核両用のペイロードを搭載する。核任務はNATOの重要な機能でトーネードはB61核爆弾を搭載する。ドイツがこの任務を続けるのであればトーネード後継機にも同機能が必要となる。 ルフトヴァッフェで運用中のユーロファイター・タイフーンは核兵器運用配線がない。この事は開発当初から認識されていたが実装されなかった。タイフーンに核爆弾投下能力を付与するのは可能だがコストがかかる。ヨーロッパ産業界は3億から5億ユーロと見ている。また米側が同機の構造・システムに細かくアクセスを求めてくる可能性もある。さらに

ドイツ空軍がF-35採用に向かう可能性濃厚へ

トーネード後継機ですから戦闘攻撃能力を重視するとしてもライトニングの機内搭載だけでは攻撃力が減りますが、やはりステルス性能を重視しているのでしょうか。F-35受注数が増えて単価が本当に下がれば各国にも朗報なのですが。生産はイタリアで行うのでしょうか。まだ正式採用ではないですが採用は決まった感じですね。ドイツ空軍のトーネードは90機ほどですからそのままなら大量発注にならないのですが。 Germany declares preference for F-35 to replace Tornado ドイツがトーネード後継機にF-35を有力候補にあげている トーネード後継機導入までリードタイムが短いためドイツ空軍はロッキード・マーティンF-35を有力候補にあげている。 Source: Lockheed Martin   Gareth Jennings - IHS Jane's Defence Weekly 08 November 2017 http://www.janes.com/article/75511/germany-declares-preference-for-f-35-to-replace-tornado ドイツ空軍は現行パナヴィア・トーネードの更新が2025年から20230年に近づく中で ロッキード・マーティン F-35ライトニングII共用打撃戦闘機が「望ましい選択肢」と見ていると上層部が11月8日明らかにした。 チャタムハウスルールで発言した幹部はF-35はルフトヴァッフェの要求内容をほとんど満足しておりそれ以外の効果ももたらすと述べた。 「トーネード後継機は第五世代機で探知されにくくする必要がある。遠距離で目標捕捉しながら迅速に照準を合わす能力も必要だ。 「ドイツ国防省は数機種検討中だがF-35もそのひとつで現時点で購入可能な機体が条件で採用国が他にあること、実際に供用中であることも条件にしながら要求性能を実現するかを最重要視している」 ドイツはエアバスディフェンスアンドスペース(DS)とトーネード後継機を次世代戦闘航空機システム(FCAS)として検討してきたが、トーネード退役時期の2030年は動かせず、ルフトヴァッフェは既存機種採用に切り替えた。 同上関係者は「時間の成約から後

歴史に残る機体⑧ メッサーシュミットBf 110「駆逐機」はコンセプト陳腐化の体現

Nazi Germany's Failed Menace in the Air: The Bf 110 'Destroyer' A smart design that quickly went out of date. Michael Peck July 29, 2016 http://nationalinterest.org/feature/nazi-germanys-failed-menace-the-air-the-bf-110-destroyer-17185 1930年代中頃のナチ・ドイツには一つ問題があった。双発中型爆撃機ハインケルHe-111などの行動半径が1,500マイルほどであるのに対し、単発戦闘機のメッサーシュミットBf-109は400マイルの行動半径しかなかった。(大戦中に燃料増槽を付ける) 1939年以前の航空力信奉者は「爆撃機は必ず敵防空網を突破できる」と信じていたが、ドイツは爆撃機にま離陸から帰投まで護衛の必要を感じていた。 解決策がメッセーシュミットBf-110、双発戦闘機で外観は小型爆撃機そのものだった。航続距離1,500マイルを初期型で実現し、単発戦闘機より重装備で機関砲4門、機関銃4丁までを搭載し前方を射撃したほか、後部機銃一丁で背後の敵機を排除する構想だった。当時としては画期的な時速350マイルを実現したBf-110は第二次大戦初期の戦闘機の大部分より高速だった。 だが戦闘機の設計ではすべてが代償なしに手に入るわけではない。燃料をそれだけ搭載するため機体は大型化し大重量となった。大型で重い機体にはエンジン二基とプロペラ二組が必要となるのでこれも重量増になった。その結果、Bf 110の重量は4トンとBf 109の二倍以上になった。 この大型戦闘機は駆逐機と呼ばれ、ドイツが重視した重戦闘機の象徴となった。搭乗員はドイツ空軍でエリート扱いで1確かに939年まではその地位にふさわしかった。相手が時速230マイルのポーランド複葉機や護衛なしの英軍爆撃機だったためだ。 そこにバトルオブブリテンが始まる。1940年夏までドイツ空軍は地上部隊支援がほとんどでポーランド、フランスで防備の薄い敵相手にBf 109の援護範囲で十分だった。戦略爆撃任務として英国内陸部へフランス

グローバルホークの将来に不安材料② ドイツが導入を断念

Germany pulls plug on Euro Hawk UAV programme By:   Michael Gubisch London 16 May 2013 Source: .ドイツがノースロップ・グラマンのユーロホーク無人機5機の総額13億ドル購入を取り消した。民間空路と並存する形では同機の滞空証明取得は困難というのが理由だ。 ドイツ国防相が同機導入に立ちふさがる「滞空証明で困難性が大きいこと」を認め、高高度長距離飛行の実施は安全の観点から実施不可能と判断するに至ったと発言。 . RQ-4グローバルホークの派生型として同機はミュンヘン郊外のマンシング Manching空軍基地に配備され、2011年からテスト飛行を実施していた。その結果を待ちドイツは4機を追加購入し空軍で運用する予定だった。 だが試験運用の結果同機の飛行制御システムで問題が見つかり、ノースロップは情報提供を拒みドイツ認証機関は同機の理解を深めることができなかったと国防相は発言。 ドイツ政府はこれまで730百万ドルを支出しており、うちテスト飛行だけで70百万ドルかかっている。しかし、325百万ドルで開発した偵察機材は有人機に搭載する予定だ。 なお、ドイツ政府はひきつづきUAV活用を進め、将来は偵察・攻撃用の機種を使用する予定があると付け加えている。■