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2026年8月2日日曜日

米海軍で永年活躍してきたCOD任務用C-2グレイハウンドが完全退役―今後はCMV-22がCOD任務にあたる

 C-2 last flight

艦隊後方支援飛行隊(VRC)40の「ローハイズ」に所属する海軍最後のC-2Aグレイハウンドが、国立海軍航空博物館へ引き渡される前の現役最後の飛行において、ペンサコーラ海軍航空基地(NAS)のシャーマン・フィールド上空で、米海軍ブルーエンジェルスとの編隊飛行を先導した。(画像提供:米海軍、撮影:イアン・コッター上級広報専門士)

C-2グレイハウンドが最後の飛行を実施

C-2 Greyhound Flies for the Last Time

https://theaviationist.com/2026/07/29/c-2-greyhound-flies-for-the-last-time/

米海軍のC-2Aグレイハウンドは、最後の飛行を行い、ペンサコーラ海軍航空基地に着陸し、国立海軍航空博物館で収蔵される

月行われた空母からの最終飛行任務に続き、米海軍のC-2Aグレイハウンドは2026年7月28日、最後の飛行を実行した。艦隊後方支援飛行隊(VRC)40の「ローハイズ」に所属する同機は、ペンサコーラ海軍航空基地(NAS)のシャーマン・フィールドに着陸し、約6,000人の見物客に見送られたと海軍は述べている

この記念すべき機会に、グレイハウンドはブルーエンジェルスに護衛され、60年にわたる空母搭載物資輸送(COD)任務および艦隊後方支援への貢献が称えられた。同機は今後、国立海軍航空博物館に収蔵され、2027年から展示される。

「上空からペンサコーラを眺めると、ここはまさに『海軍航空の揺籃』だ」と、NASペンサコーラで海軍航空のキャリアをスタートさせたVRC-40の司令官ポール・イングラム中佐は語った。「私にとっては非常に悲しいことですが、無事に任務を全うできたこと、このように適切な形で幕を閉じることができたことに満足感を感じています。」

C-2の退役に伴い、海軍はVRC-40を解散させると発表している。イングラム司令官は聴衆に向けて、COD任務の意義を振り返り、その意義は海上航行中の艦隊に必要な物流支援をはるかに超えるものであると語った。

艦隊後方支援飛行隊(VRC)40「ローハイズ」に所属する海軍最後のC-2Aグレイハウンドが、現役最後の飛行を終え、国立海軍航空博物館へ引き渡される前に、ペンサコーラ海軍航空基地(NAS)のシャーマン・フィールドに着陸した。(画像提供:アントニオ・モア中佐撮影/米海軍)

「C-2が地平線に姿を現し、運ばれてくるのは貨物だけではありません」とイングラム中佐は語った。「どの任務も、空母に乗船している誰かにとって、深く個人的な意味を持っています。緊張した新米水兵にとっては、その着艦は初めての艦隊配属への期待に胸を膨らませる瞬間であり、ベテランのマスターチーフにとっては、苦労の末に手に入れた退役前の最後のカタパルト発進となるのです。それは、待ちわびる家族のもとへ水兵を運ぶ喜びに満ちた飛行であり、過酷な展開中に士気を高めてくれる、愛する人からの素朴な手書きの手紙を届けることでもある。最も緊急を要する状況では、『グレイハウンド』は空の救急車として機能し、負傷した軍人が明日を迎えることができるよう、救命医療搬送を遂行する。海軍航空史において、C-2ほど多くの人々にとって多くの個人的な思い出を運んだ航空機は他にない。」

C-2の戦績について、海軍は、25万回以上の空母着艦を行い、数百万人の要員を輸送し、1億ポンド以上の貨物を運んだと述べている。C-2の退役は、米国海軍航空史で一章の幕引きを意味する。

「グレイハウンドの退役は、テールフックを備えた航空機を操縦する下士官兵の時代にも終止符を打つものです」と、国立海軍航空博物館のヒル・グッドスピード副館長は述べた。「これらの水兵たちの任務は、第二次世界大戦以前、下士官兵が空母搭載の爆撃機や魚雷機で銃手として飛行を始めた時代にさかのぼります。」

C-2A グレイハウンド

グラマンのC-2Aグレイハウンドは、60年間にわたり米海軍の専用空母搭載補給機(COD)として活躍した。長年にわたり、陸上基地と海上の空母打撃群との間で、極めて重要な兵站上の架け橋としての役割を果たしてきた。

海軍最後のC-2Aグレイハウンドは、艦隊後方支援飛行隊(VRC)40の「ローハイズ」に所属しており、国立海軍航空博物館へ引き渡される前の現役最後の飛行において、ペンサコーラ海軍航空基地(NAS)のシャーマン・フィールド上空で、米海軍ブルーエンジェルスとの編隊飛行を先導した。(画像提供:米海軍、撮影:マス・コミュニケーション・スペシャリスト・シーマン ジョン・ジェズリール・アンドレス)

C-2は、1960年代に派生したE-2ホークアイと設計思想を共有している。両機は同じ主翼とエンジンを採用しており、尾翼構成も類似しているが、C-2ではレーダーが搭載されていないことを考慮した改良が加えられている。

レーダードームがないことを除けば、C-2の主な違いは、後部に積載用ランプを備えた幅広の胴体である。これにより、同機は乗客、郵便、優先度の高い貨物、そして重要な予備部品が輸送可能になった。

C-2Aは1964年に初飛行を行い、1966年に実戦配備され、ピストンエンジン搭載のC-1トレーダーに交替した。緊急に必要な装備を輸送できる能力により、C-2はすぐに空母作戦において不可欠な存在となった。グレイハウンドは1973年に初めてオーバーホールを受け、1984年には「再調達C-2A」またはC-2A(R)の名称で、さらに多くのC-2Aが発注された。

2000年代初頭、これらの機体は耐用寿命延長プログラム(SLEP)を受け、耐用寿命が10,000時間または15,000回の空母着艦から、15,000時間または36,000回の着艦へと延長された。さらに、SLEPには中央翼の構造改良、8枚羽根のNP2000プロペラ、およびエイビオニクスのアップグレードが含まれていた。

消防・救急サービス ペンサコーラ海軍航空基地(NAS)のシャーマン・フィールドにて、艦隊後方支援飛行隊(VRC)40の「ローハイズ」に所属する海軍最後のC-2Aグレイハウンドが、現役最後の飛行を終え、国立海軍航空博物館へ引き渡される前に、ガルフ・コーストの消防隊員たちによって水かけ式が行われた。(画像提供:米海軍、撮影:広報専門下士官オリビア・オデル)

これらのアップグレードは、グレイハウンドが2027年まで飛行を継続できるようにすることを目的としていた。2026年6月25日の空母からの最終飛行、および7月28日の最終飛行をもって、固定翼機による空母搭載輸送任務は終了し、今後はCMV-22B オスプレイへの移行が進められる。

ステファノ・ドゥルソは、イタリアのレッチェを拠点とする『The Aviationist』の副編集長です。工業工学の学士号を取得しており、現在は航空宇宙工学の修士号取得を目指しています。専門分野には、新興の航空宇宙・防衛技術、電子戦、無人・自律システム、ロータリング弾薬、および軍事作戦や現代の紛争の分析におけるOSINT(オープンソース情報)手法の応用などが含まれます


2026年6月30日火曜日

空母への貨物人員輸送を永年担ってきたC-2グレイハウンドが空母運用を終了し、COD任務はCMV-22オスプレイに全面移転するが、同機には問題が依然残ったままだ。

 



C-2Aグレイハウンドが最後の空母運用を完了


海軍当局への取材や各種報道(Janesなど)によると、2026年6月25日、第40艦隊後方支援飛行隊(通称:ローハイズ)所属のC-2Aグレイハウンドが、空母「ニミッツ」で最後の着艦およびカタパルト発艦を実施した。

最終フライトには、ノーフォーク合同部隊司令官兼米第2艦隊司令官のダグ・ペリー海軍中将や報道陣も搭乗した。今回の運用をもってC-2Aによる空母着艦はすべて終了となり、同機は今年後半の完全退役に向けて残りの地上飛行を続ける予定である。これにより、約60年間にわたり米空母の兵站を支え続けた歴史に幕が下りる。

新旧の艦載輸送機:性能と特徴の比較

後継機となるティルトローター機CMV-22Bオスプレイは2021年に初期作戦能力(IOC)を達成しており、海軍は最終的に44機の調達を計画している。C-2AとCMV-22Bには異なる強みと弱みがある。

項目

C-2A グレイハウンド

CMV-22B オスプレイ

エンジン

アリソン T56-A-425 (4,600馬力) ×2

ロールス・ロイス AE1107C (6,200馬力) ×2

航続距離

約1,000海里

約1,150海里(内部積載6,000ポンド時)

機内加圧

あり(悪天候を避けて高高度を飛行可能)

なし(低高度での飛行が基本)

特殊能力

カタパルト発着艦

垂直離着陸(未整備地への着陸)、空中給油、夜間空母着艦


海軍高官らは、オスプレイの柔軟な運用能力(滑走路のない場所への着陸や長距離作戦への対応など)を「ゲームチェンジャー」として高く評価してきた。特にC-2Aではハードルが高かった夜間の空母着艦や空中給油能力を備えている点が、現代の分散型海上作戦において大きな強みとなっている。

移行期における課題と今後の展望

一方で、この世代交代は順風満帆だったわけではない。2023年に日本沖で発生した空軍型CV-22の墜落事故を受け、オスプレイ全機が一時飛行停止となった際には、C-2Aが急遽その穴を埋める形で任務を維持した経緯がある。

その後、機械的な改修を経て2026年1月からは飛行制限の解除が進められてきたものの、国防総省の試験部門などからは運用能力に関し厳しい指摘もなされている。

今後の見通し

抜群の安定性と実績を誇った「働き者」C-2Aが退役を迎えるいま、初期不良や制限を抱えたままCMV-22Bが、失敗の許されない空母打撃群の補給任務を単独で背負っていくことになる。新時代のロジスティクスが真価を問われるのはこれからだ。


この記事は

The C-2 Greyhound Has Made Its Last Landing Aboard A Carrier

It's truly the end of an era for naval aviation as the C-2's carrier onboard delivery role has now been turned over to the CMV-22 Osprey.

Howard Altman

Updated Jun 29, 2026 4:50 PM EDT

https://www.twz.com/air/the-c-2-greyhound-has-trapped-aboard-a-carrier-for-the-last-time

から再構成しました。



2025年4月11日金曜日

CMV-22の飛行停止措置は米海軍に"モーニングコール"となった(The War Zone)―C-2グレイハウンド退役が現実となり、オスプレイによるCOD任務がますます重要となっている米海軍の現状をお伝えします

 A senior Navy aviation officer says the three-month-long grounding of virtually all Osprey tiltrotors worldwide following the fatal crash of a U.S. Air Force CV-22B off the coast of Japan in 2023 sent serious ripples through his service.  

USN


海軍はCMV-22Bで洋上の空母への不可欠な支援を提供できると自信を持っているが、稼働率と信頼性を向上させる必要があると認識している

海軍の上級航空士官は、2023年に日本沖で起きた米空軍のCV-22Bの致命的な墜落事故を受けて、世界中の事実上すべてのオスプレイ・ティルトローターが3ヶ月間にわたって飛行禁止措置を受けたことは、海軍の所属部隊に深刻な波紋を投げかけたと言う。 

 海軍のCMV-22Bが休眠状態にあるため、老朽化したC-2グレイハウンド機を急増させて、世界中の米空母に不可欠な兵站支援を提供もののが、最後のC-2が来年に退役するため、CMV-22Bの準備と信頼性がさらに重要となってくる。

 ダグラス・"V8"・ベリッシモ海軍大西洋航空部隊(AIRLANT)少将Rear Adm. Douglas “V8” Verissimoは、本誌も出席した海軍海空宇宙2025展示会のパネルディスカッションで、CMV-22BとC-2について語った。海軍は2021年にオスプレイの初期運用能力を宣言した。米海兵隊と空軍もそれぞれMV-22BとCV-22Bを運用中だ。 現在、海外でオスプレイを運用しているのは自衛隊だけである。


 2023年のCV-22の墜落事故は、「C-2からCMV-22への移行を予期している私たちの多くにとって、間違いなく警鐘を鳴らすものでした」とベリッシモは率直に語った。「C-2の乗組員たちは、由緒ある古い機体とともに立ち上がり、仕事をこなしてくれた。空母への艦載機輸送(COD)を維持する要件が予想外に急増した」。

 COD任務とそれを遂行する機体は、空母とその関連打撃群にロジスティクスと関連支援を提供する。これには、貨物や人員の輸送・回収、医療搬送などの任務が含まれる。CODは、一般的に、空母打撃群の作戦に不可欠な側面であり、インド太平洋地域の広い範囲における重大な危機の際には特に重要である。

 「彼らはE-2飛行隊からC-2飛行隊に復帰し、任務を遂行するためのデット(分遣隊)の人員と能力を確保しました」とベリッシモは付け加えた。

 C-2は、E-2ホークアイ空母艦載早期警戒管制機から派生したものだ。 両機の初期型は1960年代に初めて飛行した。新しく改良されたE-2Dアドバンスド・ホークアイは、空中給油機能を搭載した機体も含め、少なくとも2040年代までは海軍で飛行し続ける予定である。

手前がE-2Cホークアイ、奥がC-2Aグレイハウンド。 米海軍

 「2023年の災難が教えてくれたことに、私はとても自信を持っている。 カール・チェビ中将と我々のチーム全体が、信頼性の観点、安全性の観点からシステムを理解し、乗員を熟練させる包括的な検討を行ってきたことに非常に自信を持っています」と同少将は続けた。

 2023年の墜落事故後の飛行禁止措置は1年以上前に解除されたものの、米軍のオスプレイのオペレーターたちは、事故前の運用テンポに戻すため、非常に慎重かつ計画的なスケジュールに従っている。さまざまな飛行制限は依然として実施されたままだ。勧告多数を含む事故の最終的な包括的レビューが完了するのは、まだ数週間先のことである。    2024年6月時点でアメリカのV-22の飛行が全体的に「通常」のテンポに戻るのは今年の半ばになるだろうと予想されていた。

 「私はこのプラットフォームに自信を持っている。分遣隊の編成にも自信があり、空母の航続距離と必要条件を維持できる」とベリッシモ少将は強調した。「実のところ、CMV-22を回収する能力は、空母に搭載するための多くの側面において、(C-2のような)テールフック機よりも制限が少ない。 だから、そこに良さがある」。

 海軍は長い間、C-2からCMV-22への置き換えをゲームチェンジャーとして宣伝してきた。 オスプレイの垂直離着陸能力は、ターボプロップ並みの速度で巡航しながらも、打撃群のその他艦船にペイロードを直接運搬できること、陸上の滑走路に縛られないことなど、重要な利点をもたらす。C-2の場合、貨物や人員はまず空母に運び、それからヘリコプターで他の艦船に移動しなければならない。

米海軍3等兵曹デレク・ケリー

CMV-22BはC-2とは異なり、飛行中に燃料補給もできる。海軍のオスプレイは、グレイハウンドよりも燃料や貨物を含めた総重量が大きく、機体の下に吊り下げ重くて大きな荷物も運ぶことができるため、空母に着艦ができる。 F-35C統合打撃戦闘機用のF135エンジンの予備を洋上の空母に運ぶ必要があるため、大きな貨物を運ぶ能力はCMV-22Bにとって特に重要である。

 オスプレイ固有の多用途性により、海軍は通信ノードとして機能するなど、他の任務を担う可能性も提起している。

 同時にオスプレイは、2007年に海兵隊が最初の運用能力を宣言して以来、数々の致命的な墜落事故を含む運用実績があり、非常に物議を醸し続けている航空機でもある。その時点で、V-22はすでに非常に問題が多く、長引く開発プロセスで苦労していた。

 オスプレイは昨年12月、空軍のCV-22が墜落し、幸いにも致命的な事故には至らなかったが、その後、すべてのオスプレイが再び地上待機措置となった。海兵隊は現在、最大の規模の同機運用者となっているが、MV-22Bの公式な墜落事故率は、運用している全機種の平均値内に収まっていると一貫して主張している。

海兵隊のMV-22Bオスプレイ群。 USMC

 これを念頭に置きながら、そして彼の自信の表明にもかかわらず、「海軍が3機のCMV-22Bのうち2機を常に飛行甲板上に待機させておくため必要な即応態勢を支えるシステムを......研ぎ澄ます必要がある」とベリッシモ少将は今日述べた。「空母に必要となる搭載品を供給するために何が必要なのか......海軍の焦点を絞って共同プログラムを管理する必要がある」。

 またAIRLANT司令官は発言に先立ち、残存するC-2艦隊が提供中のバックアップ能力について警告を発していた。2023年のCV-22の墜落以来、海軍は一貫して、2026年にグレイハウンドを完全退役させるという現在の計画に固執すると言ってきた。

 その一方で、CMV-22Bが再び長期間の地上待機を余儀なくされることになれば、空母に洋上で物資を供給し続ける任務の空白を埋めるC-2にはもう期待できなくなる。■


CMV-22 Grounding Was “Wakeup Call” For Navy, Stakes Higher With C-2 Gone Next Year

The Navy says it is confident in the CMV-22B to provide critical support to carriers at sea, but that its readiness and reliability need to be improved.

Joseph Trevithick

Published Apr 8, 2025 7:53 PM EDT

https://www.twz.com/air/cmv-22-grounding-was-wakeup-call-for-navy-stakes-higher-with-c-2-gone-next-year


2019年10月13日日曜日

C-2グレイハウンドの退役が迫り、オスプレイに交代するとCOD任務はこうなる

With the Osprey Waiting on Deck, Delivery Service to Carriers is About to Change

オスプレイの艦上運用が近づき、空母への貨物輸送任務が変わる

Farewell to the Grumman C-2 Greyhound, which has been running supplies at sea for more than 50 years.

海上の空母へ物資人員を50年にわたり運んできたグラマンC-2にお別れのとき

MV-22 Osprey
MV-22オスプレイがUSSワスプに接近している。2018年撮影。新型オスプレイが長年稼働してきたグレイハウンドに交代し2021年から空母への補給活動に従事する。 (US Navy / Specialist Daniel Barker)
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OCTOBER 2019
暁の空をノースロップ・グラマンC-2グレイハウンド「ローハイド78」がフロリダ北東沖合100マイル地点の空母USSハリー・S・トルーマンに向かい悪天候の雲を通過している。トルーマンは9ヶ月におよぶ配備の準備中で艦載機でいっぱいだが離着艦はしていない。今日は艦長の交代式典の日だ。ローハイドの搭載貨物は軽微だ。F/A-18のアクセスパネルがかさばるものの一点、乗組員の私物二十点ほど、乗客用座席が28も空席だが、不安を隠しきれない筆者が一席を占める。数分前に別のC-2が式典に参列する幕僚多数を乗せ先に飛んでいる。
C-2はいとこの関係のE-2ホークアイとともに最重量の空母艦載機だが、パイロットは空母艦上での運用に誇りを感じている。高度800フィートで空母艦上を通過し、機体を激しく左バンクし、フラップと降着装置を下ろし、高度と速度を下げる。グレイハウンドがトルーマンのグライドスロープに乗ると機体は甲板の三本のワイヤーを捉え、停止する。即座にパイロットは主翼を畳み、駐機場へタキシーさせる。
機体移動中でもランプは下がり、トルーマン乗組員が集まってくる。貨物は無造作に車輪付き黄色バスケットに放り込まれる。F/A-18用パネルは艦の下方デッキに運ばれた。交代する艦長が最後の訓示を艦内PAでしているがグレイハウンド乗務員はまったく気にする様子が無い。かわりに天候をチェックし、貨物マニフェストを最終確認し、補助発電機を点検し、艦のエアボスの指示を書き留め、飛行甲板要員と打ち合わせている。訓示が終わった。搬送する乗客9名が揃い、機内に乗り込む。一名は腕を骨折し、本土に移送し直ちに治療を受ける。エンジンを始動し第三号カタパルトへタキシーしたと思ったらローハイド78は発艦していた。目的地は海軍航空基地(NAS)ジャクソンヴィルだ。同機が艦上にあったのは40分足らずで、空母補給物資輸送(COD)任務を教科書どおりに実施した。
Persian Gulf C-2A Greyhound
2015年にISIS攻撃ミッションでペルシア湾に展開するトルーマンに着艦しようとするC-2Aグレイハウンド。このあと、バーレーン基地に戻ったはずである。 (US Navy / Specialist 3rd Class Justin R. Pacheco)

空母打撃群は予備部品、補給物資、乗組員がそろい移動準備ができたが、艦には絶えず物資、人員の補充が必要だ。そのための唯一の手段がC-2で貨物10千ポンドあるいは28名を一度に運ぶ。米海軍の空母が出港すればグレイハウンド2機が補給活動を続ける。
C-2は各艦航空団に所属しない点でその他艦載機と別の存在だ。米海軍は飛行隊二個を運用し、VRC-30がNASノースアイランド(サンディエゴ)、VRC-40をNASノーフォーク(ヴァージニア州)があり分遣隊で太平洋、大西洋に展開する空母部隊をカバーする。分遣隊は空母出発時には艦載されているが、航続距離内に陸上目的地が入ると往復飛行を開始する。
空母が航行を続けると50名規模の分遣隊は基地から基地へと移動する。VRC-40では最初の移動先がアゾレス諸島になることが多い。その次にスペインのロタに一週間滞在し、イタリアのシゴネラへ移動し、クレタ島のソウダベイ、そして最後にバーレーンで空母打撃群がペルシア湾で展開する数ヶ月を過ごすことが多い。目標は一日二回の空母補給飛行を実施することだが距離の関係で一回となることンが多く、グレイハウンドの整備上の制約も受ける。VRC-40は今年7月時点で分遣隊2個を運用しており、ひとつはジャクソンヴィルからトルーマンを支援し、もう一隊はバーレーンでエイブラハム・リンカンの支援にあたっていた。アイゼンハワーの派遣に備え三番目の分遣隊の編成準備に入っていた。
陸上にもどれば各分遣隊は独自に機体整備や貨物輸送を計画し、乗務員の滞在を手配する。長年に渡りC-2乗務員は自給自足体制の評価がついている。
とはいえC-2乗組員は陸上で毎晩過ごすことができ、艦乗組員の羨望を集める。日当での宿泊費やりくりや各地のバー飲み歩きといった話題は口にしないよう釘は刺される。「航空団はわれわれが朝10時に起床し、コーヒーを飲んでから仕事に入り、帰還するとビーチで酒を飲んでいると思われているようですが」とVRC-40隊長エリック・ブロムリーが語る。「一時間もしないうちにわれわれがどこかに飛んでいくと不思議がられます。たしかにうまくこなしていますが、外から見るほど楽な仕事ではありません」
CODの第一の仕事は人員輸送だ。赴任や休暇掛けの乗組員や修理専門員、医療要員や交代要員以外に防衛産業の技術要員や視察に訪れる提督幕僚が絶えず艦にやってくる。なんと言っても空母は米国の影響力を広げる一番のツールであり、関係国の要人にも空母の威容を見せつけることが多い。運ぶ貨物は重要かつ時間で制約のあるものだ。HH-60シーホークのローターブレイドや艦内の温水パイプ修理部品や着艦ギアのピストンなど必要な貨物ならC-2が運んでいる。
「3日前ですが本当にゴミ入れを運びましたよ」とブロムリーが言う。その他の乗員から新鮮卵を満載したとか、花、コピー用紙、されは作業用車両1台まで運んだという。
The C-2—unstable in pitch, roll, and yaw—is a handful to fly, much less land aboard an aircraft carrier, yet this crew appears to execute a flawless approach to the <i>Abraham Lincoln</i> in 2018.
C-2はピッチ、ロール、ヨーが不安定で操縦は容易ではない。写真ではエイブラハム・リンカンへ文句のつけようが無い着艦をしているのがわかる。 (US Navy / Seaman Shane Bryan)

グレイハウンドは名前の由来となった競争犬のすっきりした姿とは似ても似つかない。むしろ別の由来のバスに近い。小型ターボプロップ機で垂直安定版4枚が鹿の角のようにつく。
C-2は操縦も難しい。とくに練習過程を終えたばかりの新米パイロットには。直系のE-2ホークアイ同様にピッチ、ヨーが不安定だ。グレイハウンドではロールも不安定となる。「これまで総縦してきたT-6、T-44、T-45と比べてもこんなに操縦が大変で肉体的にストレスを感じさせる機体はありません」とパイロットの一人が述べた。
ヴァージニア南部の上空8千フィートでパイロットのポール・マステラーがコパイロットのストーヴァル・ナイトとC-2の飛行特性を実演してくれた。「プロペラが大きく強力なため、ラダーを相当踏み込まないとブレイドの力に勝てないのです」とマステラーは飛行前に説明してくれた。「この機体に初めて乗るパイロットが混乱するのは左旋回しようとすると右ラダーを相当強く踏んで連携させる必要があるからです」
飛行中に出力を落とすとC-2の機首はすぐ左ドリフトとなり高度が落ちる。出力を上げると機首は右ドリフトを開始する。オートパイロットは高度と進路を維持するだけで、突然機能しなくなることが多いため、パイロットは全行程を手動操縦することになる。
こうした特性は艦載機としては理想的と言えないし、空母の基準から見てC-2は巨大機になる。翼幅81フィートだと着艦時に左右の余裕は10フィートずつしかない。着艦についてブロムリーは「何回やっても変わらないし、楽にもならない。毎回違う状況になる」と言い、「前の体験が役に立たない。毎回集中して自己保存本能をフルに使い、安全かつ予測できる形で着艦するだけです」
マステラーもフェントレス海軍着陸場で最終アプローチを実演してくれた。ノーフォーク配属のパイロットが空母アプローチの訓練用に使う施設だ。スロットル、操縦桿、ラダーをひっきりなしに操作してグレイハウンドをグライドスロープに向かい風で乗せた。着陸信号士官が地上からギリギリのタイミングで合図をしたのはいかにもC-2らしい着陸だ。
航空管制官から機体のトランスポンダーが作動していないと言ってきた。レーダー反射だけ識別できたので一定の地点や高度についたら連絡してほしいとのこと。空母アプローチの模擬を2回するとフラップが作動しなくなり、上がったままになったのでノーフォークでは高速着陸をせざるを得なくなった。
「総合的には非常に信頼性がある機体です」とブロムリーは述べる。「機齢30年ですが以前からの技術をベースにしています。故障はちょくちょくありますが整備員が優秀です。そのためにいるわけで、着実に修理してくれます」
艦上輸送機は当初は戦闘部隊の「余剰機材」を使い、兵装を取り外し座席と貨物スペースを作っていた。最初からCODとなった機材は第二次大戦の終結前にはなかった。当時はTBMアヴェンジャー雷撃爆撃機を6名搭載用に改装していたが、1950年には大型双発のグラマンC-1トレーダーが登場した。同機は当時は新型の艦載対潜哨戒機を改装したものだった。
冷戦初期の戦略思想では弾道ミサイルや空軍の大型爆撃機に注目が集まったが、海軍は空母が戦術核兵器運用で役目を果たせると説得し、超大型空母の建造を認めさせた。問題はC-1の貨物搭載量が過小で核兵器あるいはジェットエンジンの輸送ができないことで、特に当時のジェットエンジンは稼働中に使用不可となることが多かった。1960年に新型早期警戒機E-2開発が始まり、海軍はC-1後継機を同機から作成することとした。E-2の機体を輸送機として再設計させた。この際の改修は本格的でC-2試作機がまず2機製造された。一機はロングアイランドサウンドでのテスト中に墜落したが、残る一機を試用したあと、海軍はグラマンに17機製造を求め、引き渡しは1966年開始となった。
C-2部隊は海軍航空のキャリア上で吹き溜まりになった。海軍では機種転換はめったになく、グレイハウンドは小規模で魅力がなくキャリヤでは先が無い存在だった。しかし1980年代に入ると次第に状況が変わったのはC-2乗員がE-2搭乗員と統合され、キャリアパスがCOD以外にも広がったためだ。しかし一旦できた行き詰まりの印象を変えるのは時間がかかり、現在でも解消していない。
空母は機材に過酷な環境で1980年代に入ると海軍はグレイハウンドの後継機材を模索しはじめた。だが構想から先に進んだものは皆無だった。(737の艦載型提案もあった)結局海軍はC-2A(再調達)として再生産を決定し、今回は39機が生産され、強力なアリソンT56エンジン、エイビオニクス更新、新型補助エンジン、貨物室の強化が実施された。追加生産は1985年から1990年にかけて行われた。
V-22 landing
V-22が性能を発揮するのは垂直着艦時で、C-2では無理な小型艦や揚陸艦への着艦も可能だ。写真は揚陸強襲艦ニューヨークへの着艦。(2015年) (US Navy / Specialist 3rd Class Jonathan B. Trejo)

そのC-2A(R)に休息のときが必要だ。VRC-40で最古参の機体(識別番号1162144)は過酷な空母着艦発艦サイクルを1,000回こなし、飛行時間も11千時間超だがまだ飛行可能だ。機種として退役は2024年予定だが当初の2027年から前倒しになっているのはミッション即応率が予算を投入しても2018年にやっと40%になったにすぎないためもある。現在では問題を抱えた機種は改良するより引退させることが多い。
そこでベルボーイングCMV-22オスプレイに交代する。CMV-22は外観こそ海兵隊と空軍が運用するV-22と酷似するが、内蔵燃料タンク、高周波無線装置、機内案内装備が追加されている。
オスプレイにはグレイハウンドと違う点もある。まず良い面ではCMV-22の航続距離が伸びる。6千ポンドのペイロードで1,150カイリとなるが、C-2は850カイリだ。グレイハウンドはばら積み貨物搭載だが、オスプレイはパレット式となり予め貨物を準備して積み込み時間が短縮できる。垂直離着陸方式のため空母への接近を遥かに低速で可能とし、機体にストレスとなる拘束ワイヤ着艦やカタパルト発艦が不要となる。CMV-22パイロットの第一陣は夜間着艦訓練中で、C-2では困難だった内容だ。
だがオスプレイには欠点もある。まず機内容積が小さく、従来どおりの人数や貨物が運べない。またF-35用エンジンも保護キャニスターのままで対応できない。これはCODのもともとの要求内容だったはずだ。またティルトローターのためエンジンナセルが垂直方向になると飛行甲板が排熱で損傷を受ける。機内は非与圧のため人員を乗せて悪天候では高高度飛行できない。ティルトローターは複雑な構造で整備工数もかかる。CMV-22分遣隊は従来の2機から3機へ、50名体制も88名に増える。
marines in Osprey
V-22にはC-2なみの物理的空間がない。もともとオスプレイは海兵隊員を強襲作戦で運ぶため開発された。(写真は2014年のタイでの演習時のもの)また大容量の貨物運搬も想定していない。CMV-22は新型だが機体が拡大しているわけではない。 (DOD)

CMV-22編成の最初の飛行隊VRM-30は2018年11月にNASノースアイランドで発足ずみだ。パイロットと整備員は海兵隊のV-22訓練飛行隊が有るMCASニューリヴァー(ノースカロライナ)で訓練中で2019年10月末にも新型CMV-22の一号機を受領する。
VRM-30を率いるのはC-2のベテランパイロット兼教官のトレヴァー・ハーマンで新型機が気に入っている。「ホバリングするのは初めてで、全く新しい経験だった」「ナセルの方向転換で速力をあげるんですが、失速すると思いましたが、最初からそういう設定なんですね。実にクールです」
CMV-22初の展開は2021年に予定され、新型機としては異例の早い時期での実用化だが、最初の展開はいつも学びの機会であり、ハーマンも心配していない。「なんでも最初は大変ですが、色々想定を試しながら調整していきます」
グレイハウンドを40年飛ばしてきたジェイムズ・ウォーレスも「すごい機体でヨーロッパ各地の上を飛び、艦にも飛ばし、その他いろいろ試してみました」という。海軍を退役しウォーレスは航空関連企業数社を起業した。「C-2の体験から学んだ再興のことは航法、フライトプランのまとめからであり、税関当局との交渉もあり、すべては海軍の他の部署では体験できないことです」
古い軍事上の言い伝えだが、アマチュアは戦術を勉強し、プロは兵站を学ぶという。グレイハウンドは空母部隊の複雑な補給活動で不可欠な要素として任務を黙々とこなしてきた。C-2はトップガンに登場することはないが、マーヴェリックも同機がなければ航海中に愛機をとばせない。CMV-22がそのままグレイハウンドの後継機になれるかは不明だが、C-2を飛ばしてきた部隊は同機の運用で学べたことを決して忘れないだろう。■
コメント:今回はちょっと長文になってしまいました。空母への人員物資の補給活動は大変そうですね。世界を舞台に展開する米海軍はその必要があるのですが、日本の「空母」第一陣は果たしてここまでのシステムが必要でしょうか。そのうちに必要になりそうですね。

2016年8月24日水曜日

オスプレイのCOD導入を期待する米海軍航空部門---実証運用実験の成果に満足

CODは全く特殊な輸送機で他に潰しが効きませんから、C-2グレイハウンドはオスプレイと交代したらスクラップになるのでしょうか。意外に大きな機体で堂々としていたのですが残念ですね。消火任務に改装されるのかもしれませんね。

 V-22 Experiment On Carrier Shows Increased Flexibility Over C-2 In COD Mission

August 18, 2016 5:34 PM

MV-22B landing on the deck of USS Carl Vinson (CVN-70). Gidget Fuentes Photo Used with Permission
MV-22B landing on the deck of USS Carl Vinson (CVN-70). Gidget Fuentes Photo Used with Permission

  1. 米海軍が目指す次期空母運用輸送機(COD)へのMV-22オスプレイ投入の準備が進んでおり、運用上の柔軟性とともにu運用上で大幅省人化が実現すると海軍航空のトップが期待している。
  2. 海軍航空戦力の指揮官マイク・シューメーカー中将は固定翼機中心の空母航空部隊でV-22の運用実証をおこなったところ非常に良好な結果が得られたと語っている。
  3. 2015年1月に海軍は長年供用してきたC-2グレイハウンドに変わり、オスプレイをCMV-22Bとして海兵隊仕様をもとに採用した。燃料タンクを増設し、長距離通信制能とともに機内乗客むけのPAシステムを搭載する。この決定で一部からオスプレイの貨物搭載量、航続距離や飛行高度で懸念する声が出た他、固定翼機運用に慣れた運用が混乱しないかとの声が出ていた。
  4. シューメーカー中将は戦略国際問題研究所と米海軍協会共催の場でこうした懸念は的外れと断言している。
  5. 運用実験の終わりになり、USSカール・ヴィンソン(CVN-70)の乗員はオスプレイの着艦から貨物運び出しが20分で完了でき、貨物搬入送り出しは30分で済むと体感した。これなら多くの航空機を発艦着艦させる通常の空母運用に自然に受け入れできる。
  6. 貨物取り扱いが迅速なだけにとどまらず、V-22ではC-2と比べて大幅な省人化運用が可能だとシューメーカー中将は述べた。蒸気カタパルトは不要で、「オスプレイ離着艦には6名で十分対応できるのに対し、現行CODでは40名が必要で、運用上は大きな差が生まれる」
  7. さらにオスプレイは夜間着艦が可能だが、C-2は夜間運用はしていない。このためV-22は昼夜関係なく運用でき、しかもカタパルトや拘束ギアは不要だ。
  8. ただしV-22機内はC-2よりやや狭いことはシューメーカー中将も認め、貨物や人員輸送量がやや低くなるが、「オスプレイの機内座席・貨物用スペース変更は迅速に可能で、C-2とは違う」という。
  9. 「長距離性能型としてCMV-22が実現すれば、C-2の航続距離を上回る1,100マイル超の飛行距離が実現するでしょう」
  10. そうなると「貨物や人員輸送力を犠牲にしても、運用に柔軟性がつくオスプレイは望ましい選択」だという。■
Navy's Osprey Will Be Called CMV-22B; Procurement To Begin In FY 2018

Navy's Osprey Will Be Called CMV-22B; Procurement To Begin In FY 2018

In "Aviation"
Megan Eckstein

About Megan Eckstein

Megan Eckstein is a staff writer for USNI News. She previously covered Congress for Defense Daily and the U.S. surface navy and U.S. amphibious operations as an associate editor for Inside the Navy.

2016年4月7日木曜日

★海軍向けオスプレイCMV-22Bの開発がスタート



海軍版のオスプレイですが、文中にある複数年度契約で調達実績に空白ができる云々のくだりはよくわかりませんが、長年続いたグラマンの海軍向け機材の伝統もこれで空白期間が生まれることになりますね。
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NAVAIR Awards Bell-Boeing $151 Million To Begin Navy-Variant V-22 Design

By: Megan Eckstein
April 1, 2016 12:36 PMUpdated: April 1, 2016 5:20 PM
A Marine MV-22 on USS George Washington (CVN-73) in support of Operation Damayan on Nov. 18, 2013. US Navy Photo
海兵隊のMV-22がUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)に着艦し、大型台風の被害を受けたフィリピンの災害支援作戦Operation Damayanの支援にあたった。2013年11月18日。 US Navy Photo
米海軍航空システムズ本部NAVAIRはベル=ボーイング共同事業体に151百万ドルで海軍用V-22オスプレイの初期技術開発作業を実施する契約を交付した。海軍は同機を空母輸送機(COD)として使用する。

  1. 今回の契約でベル=ボーイングは飛行距離の延長と高周波見通し線外通信、機内通報装置を原型MV-22に加える。海軍は今年二月に海軍版はCMV-22と呼称すると発表していた。空軍には多用途・特殊軍団向けCV-22があり、海兵隊用のMV-22を合わせた呼称になっている。
  2. 2016年度の予算手当は短期開発の開始部分に相当し、2018年度に一号機の調達を2018年に目指し、2020年度に引き渡し開始を想定する。海軍は44機を調達する。
  3. 海軍長官レイ・メイバスは上院軍事委員会公聴会で海兵隊向けMV-22調達が減少する一方でCOD後継機は加速し、オスプレイの複数年度調達予算の一部に経費を盛り込めると説明。海兵隊は2017年度はオスプレイの発注はしていなかったが議会の予算合意で国防費が抑制されたため2機を追加する動きを示している。
  4. 公聴会の席上でジャック・リード上院議員(民、ロードアイランド)から海兵隊調達の海軍のCMV-22B調達の間に空白が生まれるのは複数年度調達契約の違反になるとの指摘があった。これに対しメイバス長官は「複数年度事業を中断するのは本意ではない」と回答した。しかしリード議員の広報担当はUSNI Newsに対し「提出通りの予算を承認すれば複数年度契約の不履行となり、リード上院議員は引き続き状況を監視していく」と伝えてきた。
A C-2A Greyhound assigned to the Rawhides of Fleet Logistics Support Squadron (VRC) 40 launches from the flight deck of the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower (CVN 69) on Jan. 31, 2016. US Navy photo.
C-2Aグレイハウンド(所属VRC-40艦隊第40兵站支援航空隊ローハイズ)がUSSドワイト・D・アイゼンハワー’CVN-69)から発艦している。2016年1月31日。 US Navy photo.

  1. CMV-22Bが交代するのはノースロップ・グラマンC-2Aグレイハウンド・ターボプロップ機で、海軍は1965年から同機を使用しており、1984年に追加発注している。グレイハウンドは陸上基地に配備され、空母航空隊の一部ではないが、人員・郵便物・貨物を陸上基地から空母へシャトル輸送するのが任務。ヘリコプターが空母から他艦へ貨物を配送する。オスプレイの場合は陸上基地、空母に加え海軍海上輸送本部が運用する補給艦、駆逐艦、揚陸艦他にも離発着できるので高い効率性を発揮するだろう。
  2. 海軍はCMV-22Bをどう運用するのか発表していないが、そもそもの任務を「緊急長距離輸送を実現し、人員・郵便物・重要貨物を前進基地から海上基地に補給する」と想定していることからグレイハウンドで実施してきたハブアンドスポーク方式以外の輸送補給任務も想定していると思われる。■