ロシア機の日本接近で空自スクランブル発進回数が増加している(USNI News) ― このニュースは一部日本メディアも伝えておりましたが、そろそろ日本メディアでも防衛(国防)デスクを正式に設置すべきではないでしょうか
2024年度の中国とロシアの航空機侵入マップ。 統合幕僚監部
2024年4月1日から2025年3月31日までに日本は合計704回の戦闘機スクランブルを実施し、前年同期の669回から増加した。木曜日の統合幕僚監部(JSO)の発表によると、ロシア機に対するスクランブルが大幅に増加した一方で、中国機に対するスクランブルはわずかながら減少した。
日本は戦闘機のスクランブル回数を月、四半期、年単位で発表しており、統合幕僚監部は中国とロシアの航空機が関与するスクランブルのうち、重要と判断されたものについては特別な報告書を発行している。
JSOの報告によると、2013年度以降、スクランブル回数は各年度とも700回以上に近い水準で推移しており、日本と同盟関係にない外国の軍用機が日本周辺で活発に活動し続けていることを示している。スクランブル回数の大半を占めるのは中国軍機で、2024年度は464回と全体の約66%を占めたが、2023年度からは15回減少した。
一方、ロシア機のスクランブルは237回で、全体の約34%を占め、2023年度の合計174回から63回増加した。2024年度のその他に分類されたスクランブルは3件で、全体の1%未満であった。報告書にはその他がどのような分類であったかは記載されていないが、おそらく民間機に対するスクランブルであろう。
航空自衛隊の司令部別では、北部航空総隊が2023年度の112回に対し2024年度は152回、中部航空総隊が2023年度の46回に対し2024年度は39回、西部航空総隊が2023年度の110回に対し2024年度は102回、南西航空総隊が2023年度の401回に対し2024年度は10回増の411回と最も多くスクランブルを実施している。
このうち南西防空司令部は、日本周辺における中国の航空活動の主要な場所であり、中国とロシアが爆撃機の共同飛行を行う場所でもあるため、日常的に最も多くのスクランブルを記録している。
日本周辺でのロシアと中国の軍用機の飛行経路を示す地図が報道発表に添付され、中国の飛行の大半は日本の南西諸島周辺で行われ、多くの飛行が宮古島と沖縄の間の空域、または日本の与那国島と台湾の間の空域を通過し、そのうちの多くが台湾の東海岸沖を飛行していることが示された。
ロシアの飛行の大半は、日本海上空と北海道と本州の西海岸に平行して行われた。その他の飛行には、北海道の北、日本の南西部、沖縄と宮古島の間の空域での飛行、日本一周飛行などがあった。台湾東海岸沖での中国の飛行は、情報収集機と無人航空機(UAV)で構成されていた。
JSOの2024年度の出来事の概要によると、8月に中国軍機による領空侵犯が発生し、9月にはロシア軍機が1日に3回にわたり日本の領空を侵犯し、この事件で初めて日本の戦闘機が警告フレアを放った。また、11月にはロシアと中国の爆撃機が日本海、東シナ海、太平洋上空を共同飛行したという。 直近では、ロシアの戦闘機に護衛されたロシア爆撃機が日本海を飛行し、哨戒機が日本一周飛行を行った。 JSOによれば、中国とロシアの航空機のスクランブル対象の大部分は情報収集であった、
JSOはまた、2024年度は、中国のWZ-10ウイング・ルー10UAVとGJ-2ウイング・ルーIIUAVが初めて日本周辺を飛行しているのが確認され、中国のUAVの飛行回数は前年度の3倍近くに増加したと発表した。
これに先立ち、中谷元・防衛大臣は4月4日の記者会見で、2024年度には日本の防衛省から中国のUAVに関する報告が合計23件出され、2021年度には報告が4件、UAVが4機であったのに対し、推定を含め30機の中国のUAVが日本周辺で探知されたと述べた。
中谷防衛相は、中国製UAVの活動が大幅に拡大しているとし、一例として、2023年4月以降、日本の与那国島と台湾の間の空域を、これまでなかった中国製UAVが飛行していることや、2024年度には、天売大島沖の国際空域で、防衛省が3回の飛行を確認し、合計4機のUAVが確認されたことを挙げた。
また、JSOの報道発表には、日本がスクランブルをかけたロシアと中国の航空機による45件の注目すべき飛行の詳細な表が含まれており、その中には、2024年7月に人民解放軍海軍(PLAN)の空母CNS山東(17)から運用されたJ-15戦闘機と、2024年10月に空母CNS遼寧(16)から運用されたJ-15が含まれている、 2024年7月に日本海上空を飛行したロシアのTu-95爆撃機2機と護衛の戦闘機2機、2025年1月にオホーツク海と日本海上空を飛行したロシアのTu-95爆撃機2機と護衛の戦闘機2機の爆撃機飛行。
金曜日に発表されたJSOの報道発表では、2024年度にしばしば見られた南西地域周辺での中国軍機やUAVによる活動と同じパターンが示された。JSOの報道発表によれば、金曜日の午前と午後に、中国のY-9哨戒機が東シナ海を飛行し、沖縄と宮古島の間を通過してフィリピン海に達し、周回飛行を行った後、同じ方法で東シナ海に戻ってきたという。
同報道発表は、同日午前と午後に、中国と推定される無人偵察機が東シナ海から飛来し、与那国島と台湾の間を通過してフィリピン海に入った後、旋回して同じ経路で東シナ海に戻ったと付け加えた。報道発表に添付の地図によると、UAVは台湾の東海岸のほぼ全長と平行に飛行した後、引き返した。
報道発表によると、どちらの場合も航空自衛隊の南西航空防衛司令部の戦闘機が迎撃のためにスクランブルされた。■
Russian Incursions Drive Increase in Japanese Fighter Scrambles, Officials Say
April 11, 2025 5:57 PM
ジルハン・マハジール
Dzirhan Mahadzirはマレーシアのクアラルンプールを拠点とするフリーの防衛ジャーナリスト、アナリスト。 1998年以来、Defence Review Asia、Jane's Defence Weekly、Navy International、International Defence Review、Asian Defence Journal、Defence Helicopter、Asian Military Review、Asia-Pacific Defence Reporterなどに寄稿。
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