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北朝鮮侵攻作戦シナリオの最新検討内容から見えてくるもの

いよいよ迫った米朝首脳会談が吉と出るか凶と出るか世界が注視する中、シンクタンクRANDコーポレーションがウォーゲームで北朝鮮との開戦シナリオを検討し驚くべき結果がでました。しかしホテル代もなく、自国機材で会場移動もできない国がここまでこけおどしで各国をさんざん振り回したことの落とし前はどうつけたらよいと皆さんは思いますか。 A New Study Says a War with North Korea Could Be Hell (And Start a U.S.-China War) 北朝鮮との開戦になればこんな惨状になるとの新規検討内容が出た(米中開戦にもつながる可能性) Michael Peck June 8, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/shocker-new-study-says-war-north-korea-could-be-hell-start-26187?page=show 北 朝鮮と開戦になれば米軍は数々の問題に直面することがRANDコーポレーション実施の一連のウォーゲームで判明した。 北朝鮮へ進軍し金正恩の核兵器撲滅あるいはソウルを狙う砲兵陣地を制圧しようとすれば米軍韓国軍兵力を薄く延ばすだけではなく、中国の軍事介入のきっかけになりかねない。 今回のRAND研究では米軍特に発注元米陸軍の実戦能力に中心をおいた。北朝鮮の核兵器による脅威、北朝鮮通常戦力の実効力、北朝鮮外交による課題、さらに北朝鮮核兵器の制圧がどうなるかを北朝鮮体制崩壊、さらに国内が内戦状態になる場合を想定して検討している。 「北朝鮮各地に点在する核兵器を捜索制圧する兵力が足りませんしその他にも戦後処理あるいは政権崩壊シナリオでの各種ミッションでも人員不足です。さらに完全に任務を行うためには迅速に北朝鮮へ進軍する必要がありますが、これを行う能力がありません」とRAND研究員マイケル・マザーがNational Interestに語っている。 このうち核兵器について同報告では核兵器保有量が大きいため北朝鮮侵攻制圧が事実上不可能と指摘する。「5年から8年で北朝鮮がさらに核兵器製造に向かえば攻撃を受けても十分な核兵器を温存し、北朝鮮侵攻は画期的な核兵器対策手段が生まれない限り

頂上会談が実現してもトランプが北朝鮮開戦に踏み切るとしたらこうなったとき

4月から5月にかけて朝鮮半島が再び世界の注目を集めそうです。すでに平和は確実(北朝鮮の勝利)を信じる向きが多いと思いますが安全保障の世界はそんなに簡単に考えておらずあらゆる事態を想定していはずです。したがって米国が北朝鮮を壊滅する軍事行動に出ないとの保証はどこにもありません。 5 Ways Trump Could Stumble into a War with North Korea それでもトランプが北朝鮮と開戦する想定5例 KTLA Daniel R. DePetris March 17, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/5-ways-trump-could-stumble-war-north-korea-24955?page=show ド ナルド・トランプが金正恩提案を受け入れ5月にも会談するとはいえ、朝鮮半島は依然として世界で最も危険な地だ。南北朝鮮の首脳会談は先に4月に板門店で開かれトランプ-金会談がその翌月に実現すれば短時間とはいえ緊張緩和になるのは間違いない。韓国の冬季五輪での微笑や握手をみれば南北が新しい太陽政策に向かうのがわかる。 だが現実はともすれば自ら作り出した幸せの絶頂から簡単にひきずりおとす。米国・同盟国軍が核装備した北朝鮮と武力対決する可能性は依然として残っている。北朝鮮に関する限りすべての点で単純な処理はなく、すべてが悪い方向に向かうこともありうる。 では朝鮮半島で戦火が開かれる事態として以下の五つの場合を見てみよう。 1. ジョン・ボルトンが国家安全保障担当補佐官に任命される ワシントンポストでは3月16日付記事でトランプ大統領がH・R・マクマスター中将を安全保障担当補佐官の職から解くと決定したとある。前国務省非拡散担当大使で超タカ派のジョン・ボルトンはマクマスター後継者のリストに入っているのは明らかだ。マクマスターは北朝鮮に関しては決してハト派でなく、金正恩の知性をからかったともいわれる。だがボルトンとは違う。ボルトンなら500ポンド爆弾4発を投下させるところをせいぜい2発落とすのが相違点だ。 ボルトンが正式に就任して大統領執務室でトランプの横に立てば国家安全保障会議の毎週の会議を取り仕切り北朝鮮の核兵器開発を

北朝鮮攻撃で韓国海兵隊が果たす役割は重要だ。

South Korea's Plan to Make North Korea Suffer in War: Marines Attacking from an 'Aircraft Carrier' 韓国の北朝鮮攻勢案は海兵隊を「空母」から展開する構想 Kyle Mizokami February 2, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/south-koreas-plan-make-north-korea-suffer-war-marines-24316?page=show 韓 国の現代史で揚陸作戦がカギとなり中心的な役割を果たしてきた。国連軍は韓国を揚陸作戦一回で救った経緯があり、このことから韓国は大規模かつ強力な海兵隊を維持している。新世代の韓国揚陸部隊は有事の攻勢能力を体現し、北朝鮮を侵攻し金正恩一族を権力の座から引きずり下ろすだろう。 半島状の地理条件のため南北朝鮮の住民にとって海は縁遠い存在ではない。同時に半島内で戦闘中の地上部隊は絶えず海からの侵攻で補給通信線を遮断される危険から逃れられない。ダグラス・マッカーサー元帥は朝鮮人民軍(KPA)の攻勢がか細い補給線で支えられて韓国へ侵攻していることを見抜き、インチョン揚陸作戦を立案実行した。その結果、一気に形成が逆転しKPAは勝利一歩手前から引きずり降ろされた。分断された北朝鮮軍は包囲され殲滅されるのを逃れ北へ退却した。 朝鮮半島は東西わずか160マイルで山地があり、機動戦の余裕がない。南北の沿岸は延長3千マイルで、将来の次回朝鮮戦争では揚陸作戦で消耗戦を回避し、ソウルや平壌のような中心地での対決を回避することが期待される。 米海兵隊の支援のもと韓国は世界有数の規模の海兵部隊を整備した。米海兵隊のある大佐がヴィエトナム戦当時に韓国海兵隊の旅団規模部隊が現地に派兵され「すべてを教え込んだのでこっちよりも優秀なくらいだ」と述べていた。今日の韓国海兵隊(ROKMC) は29千名で二個師団と一個旅団を編成している。 従来、ROKMCには戦域予備兵力の役割が想定され、迅速な増援部隊として北朝鮮軍が突破口を開いた場合の対応部隊だった。陸上だけでなく海上から兵力を移動すればこれが実現で

★北朝鮮崩壊後の対処方法をすでに検討している米国、開戦はあり得ないと信じる韓国

  予想通り北の方が狡猾な手に出て韓国が手玉に取られる様子が世界にさらけ出されていますが、平和だと錯覚しているのは韓国(政府)だけで世界は依然として北への警戒の念を緩めていません。この記事は韓国にも閲覧されていますが、韓国の読者の意見も聞きたいものです。しかし韓国政権は軍事行動にはすべて反対のようですね。ここまで考え抜いている向きが日本にはないのでは。 What Happens After America Destroys North Korea? 米軍が北朝鮮を崩壊させた後に何が起こるか   Danny Lam January 29, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/what-happens-after-america-destroys-north-korea-24261?page=show 核 武装した北朝鮮を軍事的にリスク最小で打倒しつつ北朝鮮並びに同盟側の死傷者を低く抑えることは可能だ。だが戦後の朝鮮をどうするのか、また平和の確立という課題が浮上するはずだ。 平和を勝ち取るのと戦闘で勝利することには根本的な違いがある。必要な段取りも心構えも、準備、技量、経験がことごとく異なる。これらはいずれも軍事標準行動では多く語られておらず、占領軍が平和を築けないことはよくある。 ソ連の東欧占領で生まれたのが「ワルシャワ同盟」の抑圧され陰気な「同盟軍」でソ連の支配力が弱まるとばらばらになった各国だ。 ソ連は中国での共産勢力の勝利を助けイデオロギー上の兄弟関係を気づいたが中国(PRC)が核兵器保有するなど20年もしないうちに互角の関係になってしまった。USSRはPRC抑止を目的に1969年から一部核兵力を割き、USSR崩壊の1991年以降は北朝鮮(DPRK)やヴィエトナム支援の手段が枯渇してしまった。 ロシアはG8各国に失望を与え、国境を力で書き換えることは許されないとの共通理解に反する行為をしたため追放された。現在のロシアは非共産国に戻ったが強力な国力を有し西側主要国と互角の存在である。西側は冷戦に勝利しUSSRをバラバラにするのに成功したもののロシアとの平和構築に失敗した。 DPRKを支えようとPRCが介入したが、北朝鮮はむしろソ連に近く、戦闘は

平壌核攻撃で150万人死亡、金正恩はこの事態を回避できるのか

Bloggerが次々に仕様を変えているようで、以前の記事の画像が見えなくなるトラブルが発生しています。今回から画像のアップロード方法を変えますので解決になるはずですが、引き続きご指摘ください。 1.5 Million Dead: This Is What Would Happen If America Nuked North Korea's Capitol 北朝鮮首都を米核攻撃すれば死亡150万人    Daniel R. DePetris November 24, 2017 http://nationalinterest.org/blog/15-million-dead-what-happens-if-america-nuked-north-koreas-23346?page=show 米 情報機関にとって北朝鮮は最も手ごわい情報収集対象だ。情報の収集解析は時間がかかり危険な作業で、現地協力者の確保には数か月数か年もかかる。中央情報局、国家安全保障庁、国家情報局も北朝鮮国内の情報源は極めて乏しい。ワシントンがあてにできるのは衛星画像や電子信号傍受だが国家情報局長ダン・コーツ Dan Coats も上院情報委員会で「成果は極めて限られている」と述べていた。 ただし、一つ確実なことがある。金正恩が核ICBMを米本土内の都市に向け発射命令を出す狂気のシナリオ(米攻撃すれば米国が折れると金正恩が信じるという前提)ではドナルド・トランプ大統領は躊躇せず「怒りと炎」の核報復攻撃を命令する。実施の可否は議論とならず、北朝鮮のどこを狙うかが議論対象だろう。 核報復攻撃では首都平壌が標的になるのはあきらかだ。金正恩は一族や軍高官と地下退避壕に隠れているはずだが、それでなにも違いは生まれない。米報復攻撃の目的は北朝鮮軍の指揮命令機能を崩壊させ、経済体制や統治機構を抹殺し、国家として金正恩が核攻撃を継続できなくすることにある。発射可能な核が残らないのが理想的だ。 アレックス・ウェラーステイン Alex Wellerstein の主宰するNukeMapウェブサイトを使い、米国が平壌中心部に750キロトン核兵器を投下した場合の人的被害を推定してみた。なお、米国で最大威力の核兵器はB83で1.2メガトンである。平壌は高

北朝鮮戦でA-10はどんな活躍をするのか。そのA-10が削減されつつあるのはなぜか。

  The A-10 Warthog Could Ravage North Korea. So Why Does the Air Force Hate It? A-10ウォートホグは北朝鮮に猛威を振るえるのに米空軍が忌み嫌うのはなぜなのか。 Stephen Bryen January 26, 2018 http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/the-10-warthog-could-ravage-north-korea-so-why-does-the-air-24227 北 朝鮮と開戦となればA-10サンダーボルト対地攻撃機が救いの神になるはずである。しかし米空軍はそのA-10を処分しようと100機分の維持に必要な予算を要求せず、機体は廃棄処分されそうだ。 北朝鮮と対決となれば米韓連合軍の目的は北朝鮮核兵器、ミサイルの除去だ。当然戦略爆撃機やステルス機の出番となるが北朝鮮も韓国攻撃に踏み切るはずで国内の基地、空港、補給処がまず狙われる。 北朝鮮は350万もの兵力を有しているが、その実力には疑問がつく。装甲車両は相当の規模で、戦車4,200両、装甲兵員輸送車2,200両、火砲8,600門、多連装ロケット発射車両4,800両がある。大部分が旧式だが、北朝鮮が正しい位置に装備を移動させDMZを超えれば韓国を迅速に破るのは十分可能だ。 北朝鮮が本当にそう思っていれば米空軍力の存在を無視することになる。その場合に最大の損失を与えそうなのがA-10だ。 A-10はもともとNATO軍がソ連の攻撃に対応する想定で作られ配備されていた機体だ。戦車等装甲車両の撃破を目的に作られた。 ソ連の攻撃はソ連自体の崩壊で現実にならなくなった。そのためA-10は用途変更しCOIN(対ゲリラ戦)任務でアフガニスタン、イラクで大量に投入され地上部隊に近接航空支援を提供した。 北朝鮮の脅威は大量攻勢方式でソ連時代の想定とさして変わらない。A-10はこのミッションに完璧な機体だ。 A-10の中核はGAU-8 30ミリ機関砲の威力だ。GAU-8には「アヴェンジャー」の名称がつき、7本の砲をまとめたガトリング砲で一分間4,200発の発射でき二種類の銃弾を使う。装甲貫徹弾には劣化ウラン

★米国民が対北朝鮮戦の本質を正しく理解できない5つの理由

あまりにも近代戦の本質、影響を理解していないとの指摘が以下の記事の趣旨です。南北朝鮮の会談は本質的に問題解決にならないとの見方もわかりますね。はっきり言って会談が平和につながると考えているのは韓国の現政権だけではないでしょうか。冬季五輪が悲惨な政治ショーになりそうで怖いですね。米本土でさえ戦場になるので、日本はもちろん危険に直面しているのです。戦後最大の危機と言う日本首脳陣の認識はまちがっていません。 WHY AMERICANS AREN’T REALLY WORRIED ABOUT WAR WITH NORTH KOREA 米国国民が北朝鮮との開戦をさほど心配しないのはなぜか DAVID BARNO AND NORA BENSAHEL JANUARY 16, 2018 https://warontherocks.com/2018/01/americans-arent-really-worried-war-north-korea/ 北 朝鮮と開戦が迫りつつある観が強まる中、ミサイル攻撃警告の誤報がでた。南北朝鮮対話が今後も続く兆しがあるものの、北朝鮮との戦争の可能性は2018年に入りはるかに高くなっている。ジム・マティス国防長官は朝鮮半島に「嵐が近づいている」と述べ外交的解決にも期待するとしながら「楽観視はほとんど不可能」とまで言い切った。前統合参謀本部議長マイケル・マレン大将は米国が「北朝鮮との核戦争にこれまで以上に近づいている」と警告した。また最近の報道から米国は限定攻撃を検討し、北朝鮮の核施設のみ攻撃対象とし北が核攻撃含む対抗措置に踏み切らないことに賭けるとある。  ただし米国民は北朝鮮との交戦に及び腰で9月の世論調査では平和的手段が失敗した場合の軍事行動に58パ―セントが賛成していた。さらに直後の調査では63パーセントが他国が参加する場合に限り軍事行動に賛成していた。10月調査では62パーセントが先制攻撃に反対し、64パーセントが軍事行動をせずに北朝鮮の軍事開発を封じ込めるべきと回答。さらに12月には北朝鮮を核開発中止に追い込む軍事行動に賛成は39パーセントで三か月前の49パーセントより減った。  米国内では政策決定層のみならず一般国民も巻き込んで北朝鮮と戦争すべきかで議論があってしかるべきだが、