ラベル #米国の安全保障 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル #米国の安全保障 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年6月12日金曜日

世界の中堅国との協力が今後の米同盟関係の存続に必要である―当然日本も中堅国ですが、ロシアはすでに超大国のステータスを失っています(当のロシアはその事実を受け入れていませんが)

 

米国には世界各地の中堅国と協力すべき理由がある

Why the US Needs to Work with the World’s Middle Powers


https://nationalinterest.org/feature/why-the-us-needs-to-work-with-the-worlds-middle-powers

米国の同盟体制を存続させるためには、中堅国間が連携を強化している現実を十分に考慮すべきである

ランプ政権による米国外交政策の再調整――より狭義に定義された米国の国益を追求する一国主義的な方向への転換――は、欧州からアジア中東に至るまで、米国の同盟国やパートナー諸国に相当な内省を促している。中には「中堅国」が結束すべきだと公に主張する者もおり、カナダのマーク・カーニー首相がこの提案の主要な提唱者となっている。さらに重要なのは、多くの国が自らの動機を公にすることなく行動しはじめていることだ。米国がこの動向を真剣に受け止めないと、大きな代償を払うことになりかねない。そして、これを真剣に受け止めることが長期的な課題となるだろう。

いわゆる「中堅国」について最も興味深い点は、彼らが決して「中堅」ではないということだ。彼らは、上位2カ国である米国中国を除いた、世界の上位20~30の経済大国に名を連ねている。このリストに残る国の大半は、豊かな市場民主主義国家である。サウジアラビアアラブ首長国連邦のような石油産出国もある。その他には、インドネシアメキシコのような主要な新興市場国も含まれる。

ロシアインドは、それぞれ自国を中堅国ではなく大国と見なしている点で特殊だ。しかし、経済的・軍事的に米国や中国と同等の存在ではない。実際、両国は大国と中堅国の双方の特徴を併せ持っている。ロシアはウクライナ侵攻により、グループの中で孤立状態になっている。両国については、別途議論する必要がある。

中堅国とはどんな特徴があるのか。端的に言えば、一方では大国の標的や巻き添え被害として失うものが多く、他方ではそれに対処する手段を最も多く有しているという点にある。カナダ首相はこれらの点をそれぞれ指摘し、「我々が交渉の席に着かなければ、我々は食卓の料理になってしまう」とし、中堅国には「国内で力を蓄え、共に行動する能力」があると述べている。

大国と中堅国は、ルールに対する姿勢でも異なる。大国はルール体系を必要としない。とはいえ、ルールは、大国が特別な権利を主張することで、他国を制約しつつも自国には同程度の制約を課さないという形で、その地位を固定化する助けとなる。一方で中堅国は、大国を規制するルール、あるいは主に自国を規制するルールであっても、自国の利益を脅かす可能性のある他国の行動を制限するルールから多大な利益を得ている。

こうした構造的な力は、国家間だけでなく国家内部でも作用する。アリストテレスやポリュビオスといった古典政治思想家たちは、古代ギリシャローマのエリート層の間にも同様の力学が存在することを観察していた。ローマ共和政について論じたポリュビオスは、公益のために統治する個人として定義されるアリストテレスの君主制は、必然的に専制政治へ変質すると主張した。専制政治とは、私利私欲や少数の利益のために個人が統治する体制である。これは、「最悪の人々によるものではなく、最も高潔で、気骨があり、勇敢な人々」による陰謀へとつながり、彼らは専制政治を、公共の利益のために統治する少数の集団として定義される貴族政治に置き換えた

こうした少数集団は、失うものが最も多く、かつ利用可能な手段を最も多く持つ人々によって構成されていた。中堅国が過度に独善的になることのないよう――これもまた新たな傾向の一つだが――彼らは、ポリュビオスが、君主制と同様に貴族制も最終的にはその腐敗した類似形態、すなわち寡頭制、つまり少数の集団が少数の集団の利益のために統治する体制へと変貌すると論じていたことを思い出すべきである。

「ポリビウス流」を徹底したいと考える人々のために言えば、フィンランドのアレクサンダー・スタブ大統領は最近、グローバル・サウスが次の世界秩序の姿を決定するだろう」と述べ、国際機関、ルール、規範に基づく「協力的で公正かつ代表的な世界秩序」を求めた。これは、フィンランドの経済規模が中堅国と見なされるには小さすぎるという点で注目に値する。ヘルシンキは「少数」ではなく「多数」の一員なのである。ポリュビオスは、民主主義——多数による多数のための統治——が寡頭政治に打ち勝つと見ていた。もっとも、民主主義も最終的には自らを腐敗させ、多くの人々が単一の強力な支配者を求めるようになる、と彼は記している。

中堅国に話を戻すと、ポリュビオスがローマ初期の歴史を記してから1300年後、ジョン1世に反旗を翻し、王の権力を制限する『マグナ・カルタ』の制定を迫ったのは、農民ではなくイングランドの貴族たちであった。その数世紀後、ロシアの皇帝たちも同様に、ボヤールたちから絶対的支配を制限するよう圧力を受けた。成功したか否かにかかわらず、皇帝や王に対して反旗を翻す土地所有貴族の存在は、世界史の至る所に見られる。政治体制が段階を飛び越え、大衆運動によって指導者が打倒される事例には、しばしばエリート層の分裂が伴う。あるグループは強力な単独指導者を支持し、もう一方のグループは「大衆」を不可欠な同盟者として頼るのだ。ある意味、こうした事例は連立構築の失敗と言える。

今日、中堅国は互いの間でますます密接な水平的な関係を築いており、その一部は公然と、他はひそかに進められている。ここ数ヶ月、カナダは日本との新たな包括的戦略的パートナーシップを確立し、インドとの包括的経済連携協定に関する協議を開始し、オーストラリアとの防衛、エネルギー、経済、その他の分野にわたる広範な交渉を始めた。欧州各国政府は「戦略的自律」を掲げており、欧州連合(EU)メキシコとの包括的パートナーシップ協定および貿易協定の締結を目指している。韓国の大統領は、ポーランドへの潜水艦供給を含む武器販売の特使として、首席補佐官を欧州に派遣した。アラブ首長国連邦(UAE)は、米国製システムへの依存度を低減させるため、韓国との戦闘機の共同開発を検討している。このような例は他にも数多く存在する。

こうした水平的な連携は、米国の防衛・外交政策に重大な影響を及ぼす。その多くはマイナス要因だが、効果的な政策によってその影響を和らげることは可能だ。

例えば、米国製兵器システムからの多様化は、輸出の減少や雇用の喪失を招くだけでなく、本来なら新システムの研究開発に充てられていたはずの利益を削ることにもなりかねない。同時に、生産規模の縮小は単位コストの上昇を招き、米軍の維持コストを高め、想定される脅威に対応するための軍拡を著しく困難にする可能性がある。

防衛分野の多角化は、経済的多角化と相まって、同盟国やパートナー国との交渉における米国の影響力を低下させる可能性も高い。その結果、米国は自国の目標、さらには共通の目標を支援する連合を構築することがより困難になる。同盟国に対する米国の支援の不確実性や、同盟国に対し自力でより多くのことを行うよう求める必要性による圧力も、同様にワシントンの影響力を弱める。

これら2つの動向に加え、中堅国間の水平的な結びつきが密になることで、中堅国に対する米国の外交はより複雑かつ困難なものとなる。政府間、その利益、政策の間に広範な新たな連携が生まれるため、ワシントンが中堅国と厳密に二国間関係のみを築くことは――力の不均衡を利用しようとする大国が長期的に好む手法ではあるが――ますます困難になるだろう。これには、米国の同盟国との協力における新たな問題も必然的に含まれることになる。

米国の同盟体制は、主に拡大された核抑止力と防衛の確約を提供し、多くの分野で米国の意向への広範な配慮を期待することで、米国と同盟国の利益を一致させることを指向していた。同盟国やパートナー国により大きな責任を押し付けること(この必要な目標を他の方法で追求するのではなく)は、必然的にこの利益の一致を弱めることになる。逆に、同盟国やパートナー国間の水平的な接触が密になるほど、相互の利益の一致は強まる。

これらすべてが意味するのは、米国の外交政策がはるかに洗練されたものにならざるを得ないということだ。それを実行する上級官僚や実務担当者も同様である。米国の意向を表明したり、主張したりすることの価値は低下するだろう。

この規模の文化変革には、一世代を要するかもしれない。長期的な成功を収めるためには、米政府高官だけでなく、連邦議会の議員やその顧問・スタッフ、国際情勢に精通した米国の記者やコメンテーター、米国国民に世界情勢を解説するその他の人々、シンクタンクや学界の専門家、政府請負業者、企業の国際政府渉外担当者なども含めるべきである。これは、数万人、あるいはそれ以上の専門家で構成されるコミュニティであり、多様かつ分散化された専門能力開発システムに依存している。

米国が、20数カ国ある中堅国への対応に適応し始めれば――中堅国自身が長期的なプロセスを開始しつつあるため、米外交を全面的に変革する必要はないが――それらの国々の中で、これまでとは異なる新たな指導的役割を築くことができるだろう。これは米国にとって困難な連合管理の課題となるが、グループの利害が一致する分野においては、より強固な連合を生み出す可能性がある。もし我々がこれに失敗すれば、将来の大統領やアメリカ国民は、米国外の世界において、増大するコストや複雑化、そして減少する機会によって、ますます苛立ちを覚えることになるだろう。■

著者について:ポール・サンダース

ポール・J・サンダースは、ナショナル・インタレスト・センターの会長であり、『ナショナル・インタレスト』の発行人である。専門分野は、米国の外交・安全保障政策、エネルギー安全保障と気候変動、米露関係とロシアの外交政策、そして米国と日本・韓国との関係に及ぶ。サンダースは、2019年から2024年まで会長を務めた「エネルギー・イノベーション改革プロジェクト」の上級顧問でもある。

2026年6月4日木曜日

次期バンカーバスター爆弾は制式名称GBU-76と決定

 

The U.S. Air Force is already moving to lay the groundwork for the fielding of the replacement for its GBU-57/B Massive Ordnance Penetrator (MOP) bunker buster bomb.GBU-57/B マッシブ・オードナンス・ペネトレーター(MOP)バンカーバスター爆弾を試験投下するB-2爆撃機。米空軍

次世代の貫通爆弾MOPに制式名称GBU-76が決定

Next Generation Penetrator Bomb Slated To Replace MOP Has Been Designated GBU-76:The official designation comes as the Air Force plans to field the GBU-76 take shape

https://www.twz.com/air/next-generation-penetrator-bomb-slated-to-replace-mop-has-been-designated-gbu-76

空軍は、GBU-57/Bマッシブ・オードナンス・ペネトレーター(MOP)バンカーバスター爆弾の後継機種の配備に向けた準備をすでに進めている。その過程で、後継機種である次世代ペネトレーター(NGP)が、GBU-76/Bと正式に指定されたことも明らかになった。同軍はまた、MOPの改良を継続する計画も持っている。MOPは、昨年の「オペレーション・ミッドナイト・ハンマー」で深く埋設されたイランの核施設に対して史上初の実戦使用が行われて、広く知られるようになった。

「空軍ライフサイクル管理センター、兵器局、攻撃部門(AFLCMC/EBD)は、能力に関する業界分析のため市場調査を実施している」と、昨日オンラインで公開された契約公告には記載されている。「AFLCMC/EBDは、次世代貫通爆弾(NGP)GBU-76/B兵器システムの研究開発、生産、試験、および納入の全側面を支援するため、複数業者による不定数量・不定納期契約(IDIQ)を締結することを目指している。」

部分的に組み立てられたGBU-57/Bマッシブ・オードナンス・ペネトレーター。GBU-76/B次世代ペネトレーターが最終的にこの兵器に取って代わる予定である。USAF

「関心あるすべてのベンダーは、GBU-76/B兵器システムの開発、性能、維持に関連するコンポーネントおよび特定の活動の設計、生産、試験、および定着を支援する能力を示す回答を提出すること」と、通知は付け加えている。また、現時点では「計画策定の目的」でのみ情報を収集していることも強調されている。

また通知には、「本取り組みに関連し得るタスク」として幅広く列挙されている。信管の開発・製造、爆薬の充填剤の開発・試験、爆弾を目標へ誘導するための「代替航法システム」の設計・統合、およびすべての構成部品を完成した爆弾に統合することが含まれる。

本誌が常々指摘しているように、信管は深部貫通型弾薬の設計において極めて重要な要素である。これらの兵器は、地下にある標的、あるいは正確な位置や配置を特定することが本質的に困難な標的に対して使用されるよう設計されている。そのため、「階層を数えて」深度を測定したり、地下の目標空間の「空隙」を感知する高度な信管は、MOPやNGPのような兵器の破壊力を最大化するのに役立つ。また、こうした信管は、高速で非常に硬い地表に衝突した後、さらにその奥深くへと穿孔していく過程でも機能するために極めて高い信頼性が求められる

空軍は過去のNGP契約公告においても、「GPS支援環境、通信障害環境、および/または通信遮断環境において、再現性のある高精度性能を達成できる弾頭誘導システム設計への統合が可能な、新規、実証済み、または実戦配備済みの誘導・航法・制御(GNC)技術を検討する」と述べている。MOPは、尾部ユニット内に収められたGPS支援型慣性航法システム(INS)誘導パッケージを採用している。

特定の着弾点に確実に命中させる能力は、バンカーバスター爆弾、特に深部への貫通を目的としたもので不可欠である。「ミッドナイト・ハンマー作戦」において、B-2爆撃機は、地下施設への貫通を図るため、イランのフォードウ核施設にある2つの換気シャフトそれぞれに、MOPを6発ずつ連続投下した。計12発の爆弾が投下された。

「オペレーション・ミッドナイト・ハンマー」におけるイランのフォードウ核施設へのMOP投下に関する詳細を示す図。US Military

NGPの計画設計に関する詳細は、予想総重量を含め依然として不明である。空軍は以前、この爆弾の「弾頭」の重量が約22,000ポンドになると述べていたが、完成した兵器はそれより重くなる可能性がある。昨日の契約公告によると、入札希望業者は「重量約20,000~30,000ポンドの大型貫通弾頭システム(Large Penetrator Warhead Systems)のライフサイクルに関連する業務」について、一般的な理解を示さなければならない。MOPは、公称重量約27,125ポンドのBLU-127/B弾頭を含む30,000ポンド級の爆弾である。

GBU-76/Bには、その他の先進的あるいは斬新な機能が組み込まれる可能性がある。空軍は、MOPの後継機に関する過去の議論において、射程を延長する動力式設計の可能性を提起していた。追加のロケットブースターも、兵器の貫通性能をさらに向上させるのに役立つだろう。

余談だが、現在MOPを実戦運用する認定を受けている航空機はB-2のみで、各機は一度に2発しか搭載できない。GBU-76/BをMOPよりも軽量化および/または小型化すれば、B-21レイダーへの搭載において有益となる可能性がある。レイダーはB-2より小型で、一度に1発のMOPしか搭載できないと見込まれている。各B-21の搭載能力が小さいという点は、一般的に、少なくとも100機、おそらくそれ以上の規模となるはるかに大規模な機体数で相殺される予定である。B-2はわずか21機しか製造されず、うち19機が現在も現役で運用されている

新型バンカーバスターを配備する計画の進展に伴い、空軍が昨日発表したNGP(次世代爆撃機)の契約公告では、候補となるベンダーに対し、その他の関連支援を提供する能力の概要を示すよう求めている。これには、作戦計画および兵器運用ソフトウェアの提供、それらに伴う訓練用資産と手順、そして単に爆弾をA地点からB地点へ運び、待機中の航空機に搭載するための手段が含まれる。空軍はすでに、B-2爆撃機へのMOPの搭載に関する地上要員の訓練用として、実物大の模擬爆弾倉を含む専門装備を保有している。

実物大のB-2爆弾倉訓練施設内に搭載された不活性MOP。USAF3万ポンド級の爆弾を移動させ、B-2に搭載するために使用される専用トロリー上の別の不活性MOP。ミズーリ州空軍州兵

空軍が最初の運用型GBU-76/Bの配備をいつ開始する予定なのかは不明である。空軍の2027会計年度予算要求書によると、「モデリング・シミュレーション、設計、製品開発、試験を含む次世代貫通爆弾(MOP)プロトタイプ実証」は、2028会計年度末に完了する予定とある。また、当然ながら、プロトタイプ開発の目標は、「MOPと同等かそれ以上の性能を持つ空対地貫通爆弾」を実証することであると述べられている。

2025年9月、アプライド・リサーチ・アソシエイツ社(ARA)は、実物大プロトタイプの製造および納入を含むNGP関連業務の契約を獲得したと発表した。ARAは当時、「ボーイングがテールキットの開発を主導し、全装備統合を支援する」とも述べていた。ボーイングはMOPの主契約業者だ。

GBU-76/Bの配備開始で、GBU-57/Bが直ちに退役することにはならない見込みであり、空軍は当面の間、同爆弾の能力向上に向けた取り組みを継続している。2027会計年度予算案では、MOPのテールキットおよび信管に対する追加アップグレード計画が盛り込まれている。「オペレーション・ミッドナイト・ハンマー」の後、国防総省はまた、空軍がGBU-57/Bの備蓄を補充し、場合によっては拡大できるよう支援する動きを見せた。これまでに何発のMOPが調達されたかは不明である。ボーイングは過去に、同爆弾の生産能力を拡大したと報じられているが、総生産数は依然として比較的限定的であると見られている。

予算文書には、MOPの資金が「MS-34」と呼ばれる新たな試験標的の建設を支援していることも記されているが、これに関する詳細な情報は提供されていない。今日では仮想空間において重要な兵器設計作業を行うことが可能ではあるが、実世界の標的に対する試験は、一般的に見て、依然として兵器開発における重要な側面である。これらは、MOPやNGPのような高度に専門化された兵器の能力を検証する上で特に重要である。

GBU-57 MOP test thumbnail

GBU-57 MOPの試験

極めて深く埋設された、あるいはその他の方法で防護された標的を撃破する能力は、米軍にとって引き続き最優先事項である。「オペレーション・ミッドナイト・ハンマー」は成功裏に遂行されたが、イラン国内の関連標的を脅威下に置くこと自体に課題があることを浮き彫りにした。過去には、一部のイラン核施設がMOPの射程外にある可能性があるとの報告もあった。

中国、ロシア、北朝鮮を含む世界中の米国の競合国や敵対国は、すでに地下海軍基地や空軍基地、さらにはミサイルサイロ指揮統制用バンカーなど、広範な地下の強固な軍事インフラを保有している。こうした標的群は拡大の一途で、特に中国では近年、大陸間弾道ミサイル用の広大な新規サイロ群や強固な指揮統制施設の建設に向けた大規模な作業が行われている。

この状況は、現在「核抑止システム・航空投下型(NDS-A)」と呼ばれる、新たな深部貫通型核バンカーバスター爆弾の米国による開発を後押ししている。多くの場合、空軍のMOP備蓄が唯一の現実的な通常兵器による代替手段となっている。だが深く埋設された特定の施設を現実的に破壊するには、やはり核兵器が必要となるだろう。

今後数年のうちに、GBU-76/Bと指定されたNGPバンカーバスターが配備されれば、指揮官は地下深くに堅固に構築された施設への攻撃を行うため新たな通常兵器オプションを手にすることになる。■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームの一員である。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。

2026年6月1日月曜日

コロンビア級SSBNの建造が進行中―建造は12隻で最高のステルス性能を誇り、次世代の核抑止力を担う期待。ひたすら海中に潜むSSBNはハンターキラーのSSNとは全く異なるメンタリティで運用されます

 

Columbia-Class SSBN USNコロンビア級潜水艦(SSBN)のレンダリング(米海軍提供)

米海軍の新型コロンビア級ステルス潜水艦は核戦争に備え建造中

The U.S. Navy’s New Columbia-Class Stealth Submarine Is Built to Fight a Nuclear World War III

https://www.19fortyfive.com/2026/05/the-u-s-navys-new-columbia-class-stealth-submarine-is-built-to-fight-a-nuclear-world-war-iii/


海軍初のコロンビア級弾道ミサイル潜水艦は2028年に就役の予定であり、開発陣は同艦を「これまでに建造史上で最も静粛性が高く、最も破壊力のある潜水艦」と呼んでいる。電気駆動推進システム、X字型の船尾、そして16発のトライデントII D5核ミサイルを備えたコロンビア級は、今後60年間にわたる米国の核抑止力の一環として、海の暗がりに静かに潜むよう設計されている。

コロンビア級は核戦争に備える

米海軍は最初の2隻の建造に全力を注いでおり、同海軍初の次世代ハイテク潜水艦としてコロンビア級は2028年に就役する予定だ。

米国が核攻撃を受けた場合、壊滅的な「第二次攻撃」による報復を発動できる態勢で、海の暗がりに静かに、そして密かに潜むことを意図した新型コロンビア級潜水艦には新世代の水中技術を導入する。

既存のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦は予定された耐用年数を数十年も超えて運用されているため、コロンビア級潜水艦の就役は一刻も早いほど良い。また、核三本柱の海軍部分をコロンビア級潜水艦で確保することは国防総省の最優先調達課題とされてきた。

コロンビア級潜水艦の初号機は、2080年代以降も機能し続けることを意図した、新たな時代の水中戦略抑止力の一環として、2030年代初頭に就役する予定だ。

コロンビア級潜水艦2号艦の建造プロセスも順調に進められている。

「モジュール」と呼ばれる構成要素は、コネチカット州グロトンにあるジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボートで形になりつつあり、初期の生産および科学技術関連の作業の多くは10年以上前に始まっていた。

Columbia-Class Submarine SSBN Rendering U.S. Navy Photoコロンビア級SSBN(米海軍)。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

早くも2014年時点で、海軍は「発射管と船体の鍛造」と呼ばれる作業に取り組み、ミサイル発射管を4連ユニットとして溶接し、開発中の艦体モジュールに統合していた。この潜水艦の技術もまた長年にわたり遡り、進行中のプロジェクトとして設計されている。つまり、技術基準を満たすよう設計されており、新たな革新技術を迅速かつ容易に統合できるようになっている。

史上最もステルス性の高い潜水艦

興味深いことに、コロンビア級潜水艦は開発者らによって、おそらく史上最も静粛性が高く、かつ最も破壊力のある潜水艦であると評価されている。

保安上の理由から同艦の技術の多くは非公開だが、この潜水艦は電気駆動推進システムを採用しており、追加の電力で艦を駆動できるだけでなく、潜水艦の音響シグネチャを大幅に低減することができる。

これまでに存在したどの潜水艦よりもステルス性が高いことは、核武装潜水艦にとって決定的な優位性となる。なぜなら、その戦術的優位性は「発見されない」ことにかかっているからだ。より静かで、より小さく、あるいは検知されにくい水中音響シグネチャを発する潜水艦であれば、当然ながら、その戦略的優位性のある位置を露呈する可能性ははるかに低くなる。

X字型の船尾

新型のコロンビア級潜水艦は、水中での機動性を向上させつつ、より小さく、あるいは検知されにくい「シグネチャ」を生成するように設計された、新しい「X」字型の船尾を備えて建造されている。

現行のオハイオ級では、原子炉プラントが熱を発生させ、それが蒸気タービンを駆動する。

蒸気タービンの回転で、艦内の電力を生成するとともに、艦体を前進させる。この推進システムは「減速機」によって実現されており、減速機はタービンからの高速エナジーを、船のプロペラを駆動するために必要な軸回転数(RPM)に変換する。

コロンビア級潜水艦は全長560フィートで、全長44フィートのミサイル発射管から発射される16発のトライデントII D5ミサイルを搭載するように設計されている。

「X」字型の船尾は、潜水艦の操縦性を回復させるものである。静粛性を高めるため、潜水艦の設計がプロペラからプロパルサーへと進化するにつれ、潜水艦は水上での操縦性を一部失っていた。

電気駆動推進技術は、依然として原子炉に依存して熱を発生させ、タービンを駆動するための蒸気を生成している。しかし、生成された電力は、いわゆる減速ギアではなく、電気モーターに送られ、それによって船のプロペラを回転させる。

海軍はコロンビア級潜水艦12隻の建造を計画

1隻のコロンビア級潜水艦が探知され、潜在的な敵対勢力に米海軍の第二次攻撃(セカンドストライク)による報復手段を阻止、無力化、または妨害される可能性が生じたとしても、海軍は12隻のコロンビア級のフリーとを編成し、海底の要所に同時に配置して攻撃を行うことで、冗長性を確保する計画である。

複数のコロンビア級潜水艦が同時に哨戒することで、たとえ1隻が敵に発見され、無力化され、あるいは核攻撃の前に撃沈されたとしても、第二次攻撃による報復能力を確保することができる。

現在、オハイオ級潜水艦は14隻あるが、コロンビア級は12隻となる。その主な理由は、最先端の「ライフ・オブ・コア(炉心寿命)」型原子炉を搭載して建造されているためであり、これにより、就役期間の半ばで乾ドックに入り、燃料交換のために一時的に就役を離れる必要がなくなる。

コロンビア級潜水艦12隻のフリートは、水中における戦略的抑止力の「プレゼンス」を大幅に強化でき、展開期間を延長することが可能となる。

新技術

また、コロンビア級潜水艦は、米海軍の次世代ヴァージニア級攻撃型潜水艦と同様に、いくつかの最先端の技術革新を取り入れて建造されている。

ブロックIII以降、米海軍のヴァージニア級攻撃型潜水艦には次世代の「光ファイバー」視覚センサーケーブルが搭載されており、これにより指揮官や航海士は艦内のどこからでも「潜望鏡」の映像を見ることができる。

また、新型の核搭載潜水艦には、「フライ・バイ・ワイヤ」方式のコンピュータ制御航法システムが搭載されており、従来の油圧式機械システムに取って代わる。

コンピュータによる自動化を活用することで、深度や速度をある程度半自律的に分析・設定しつつ、人間の意思決定者が管理することが可能となり、操船はデジタル式の「ジョイスティック」型航法システムで制御できる。■

著者について:クリス・オズボーン

クリス・オズボーンは、19FortyFiveの軍事技術編集者である。オズボーンはまた、Warrior Maven – Center for Military Modernizationの代表も務めている。オズボーンは以前、国防総省(ペンタゴン)の陸軍次官補室(調達・兵站・技術担当)において、高度な資格を持つ専門家として勤務していた。また、オズボーンは全国ネットのテレビ局でアンカーおよび軍事コメンテーターとしても活躍した。Fox News、MSNBC、The Military Channel、The History Channelには軍事専門家としてゲスト出演している。コロンビア大学で比較文学の修士号を取得している。