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太平洋での米海軍の空母展開がゼロに―南シナ海など中国の行動へ警戒が必要だ (Naval News)

240815-N-WV584-1036 シンガポール海峡(2024年8月15日) ニミッツ級空母のエイブラハム・リンカン(USS Abraham Lincoln、CVN 72)とフランク・J・ピーターセン・ジュニア(USS Frank J. Petersen Jr.、DDG 121)がシンガポール海峡を通過した 。(米海軍撮影、報道担当海軍伍士ジョーイ・シッター) エイブラハム・リンカン(CVN 72)が第5艦隊へ配備された。 空母が最も必要とされるこの時期に 太平洋に空母配備がない状態となった。 米 海軍は、中東で増強を続ける中、太平洋における空母の不足に直面している。西太平洋に重大な空白が生じている。  USSエイブラハム・リンカンの出港は、USSロナルド・レーガン(CVN 76)の母港が横須賀からワシントン州ブレマートンに変更された時期と重なっている。ロナルド・レーガンの代替艦USSジョージ・ワシントン(CVN 73)は、現在もサンディエゴに停泊している。  米海軍の他の太平洋配備空母は、入港中または整備期間中にある。太平洋に配備されている空母6隻のうち、USSカール・ヴィンソンは最近、環太平洋合同演習(RIMPAC 2024)に参加し、USSニミッツは最近、6か月間の計画された段階的な整備期間を完了し、USSロナルド・レーガンは最近、母港をキトサップ海軍基地に移し、USSジョージ・ワシントンはUSSロナルド・レーガンからの乗組員と装備の交換が完了するまでサンディエゴに留まる。 USS セオドア・ローズベルトとUSS アブラハム・リンカンは、中東における地域紛争の可能性が高まっているのを受け、第5艦隊作戦地域に配備されている。ローズベルトは配備から11ヶ月目に入ろうとしている。リンカンは、ロイド・オースティン国防長官が空母を中東に派遣するよう命令したことを受け、第7艦隊での配備を短縮した。  今後少なくとも3週間は太平洋に米空母が不在となるため、海軍は、今週南シナ海でフィリピン沿岸警備隊の船と中国沿岸警備隊の船が衝突したように、対立や事件が頻繁に起こる地域において、重要な防衛の空白が生じる。  来月末までに、次期前方展開空母として、USSジョージ・ワシントン(CVN 73)が第7艦隊の一員として横須賀に到着する見込みだ。■ No U.S. Navy Aircr...

今年のリムパックで最大の見せ場は実弾で退役艦を攻撃するSINKEXで今回は旧USSタラワが標的となる

  今年のリムパックのクライマックスが退役した強襲揚陸艦旧USSタラワへの実弾射撃で、同艦が海中に没するイベントとなるそうです。しかし、中国が数年前までリムパックに堂々と参加を許されていたことが今となっては異様に思えます。PLANは今回もスパイ活動を展開するでしょうね。The War Zone記事からのご紹介です。 The ex-USS Tarawa seen in 2013. USN 旧USSタラワを沈めることで、米国と同盟国は、大型艦を攻撃する経験と、艦船が受ける損害に関するデータを得ることができる 米 海軍の退役した強襲揚陸艦「タラワ」が、2024年の環太平洋合同演習(リムパック)でハワイ沖に沈められることになった。タラワ級艦船が標的として破壊されるのはほぼ20年ぶりのことで、この目的で使用されるのは2例目である。また、米国主導の演習で強襲揚陸艦が沈められるのも10年以上ぶりのことである。そのため、今年のリムパック2024は、このような大型艦に対する各種兵器の有効性や、艦船がどこまでの仕打ちに耐えるのかについてデータを収集する貴重な機会となる。 筆者注:元タラワの正確な処分と計画について、本誌は米海軍に連絡を取り、追加的な説明を求めている。2009年に退役したタラワは現在、ハワイ真珠湾の中心にあるフォード島にある。いわゆる沈没演習(SINKEX)は、2年に1度開催されるリムパックの主要行事であるが、使用される艦船の種類は様々だ USSタラワは、1976年に海軍に就役した同級の1番艦である。1970年代から1980年代にかけて、同艦と米海兵隊は主に西太平洋で定期巡航を行った。また、1983年にはレバノンでの国際平和維持活動を支援するなど、展開することもあった。  より大規模な水陸両用部隊の一部として、タラワは1990年、第一次湾岸戦争直前のデザート・シールド作戦の一環として海兵隊をサウジアラビアに派遣した。その後、他の揚陸艦とともに西太平洋で追加巡航を行い、中東にも何度も戻っており、2003年の米国主導のイラク侵攻に伴うイラクでの作戦参加も含まれていた。タラワの最後の派遣は、イラクとアフガニスタンで進行中の米国の任務を支援することであった。 米海軍は、少なくとも2022年以降、大規模演習でタラワ級を標的として使用することを計画してきた同級のもう1隻、元U...

主張 インド太平洋条約機構の創設を真剣に考える時が来た

    米 国はインド太平洋全域で防衛と安全保障の同盟関係を断固としたペースで強化している。中国の挑発行為がこの取り組みの大きなきっかけとなっているようだ。実際、こうした挑発行為は、インド、日本、台湾、フィリピン、マレーシア、ベトナムなどの国境内に領土を想定した中国の新しい国家地図に反映されている。中国は、独裁的なソ連やロシアのやり方を踏襲し、近隣諸国の領土の領有権を主張している。 インド太平洋の集団防衛体制は、北京の覇権主義的な意図に対する最も効果的な抑止力である。今こそ、 インド太平洋条約機構 Indo-Pacific Treaty Organization を真剣に考える時である。このIPTOは、NATOの教訓を生かすものだ。NATOは、その実効性を更新し、フィンランドにスウェーデンが間もなく加わる。  インド太平洋における正式取り決め インド太平洋の数カ国は、自国の安全保障と領土保全の保証者として、明示的または黙認的に米国に依存している。多くの国々は、米国の安全保障と米国が強制する航行の自由が、中国の経済的威圧から自国を守っていることを痛感している。一方、過去半世紀にわたる米国の国内政治は、貿易同盟に焦点を当てるよりも、インド太平洋における防衛・安全保障パートナーシップの拡大に従順であるように見える。その結果、同じ考え方がインド太平洋全体にも広がりつつある。 ジョー・バイデン米大統領は、台湾が中国に侵略された場合、米国は台湾を支援すると何度も明言している。バイデン政権は、オーストラリアやイギリスと原子力潜水艦および防衛協定を結んでいる: AUKUSである。日米安全保障同盟を強化し、防衛予算をGDPの2%に増額し、反撃能力を開発するという日本の新たな安全保障・防衛戦略を歓迎した。 米印防衛パートナーシップは着実に進展している。その目標は、インドをインド太平洋地域における防衛ロジスティクス、修理、メンテナンスの主要拠点とし、両国が共同で防衛システムを開発・生産することにある。 米国はフィリピンとの1951年相互防衛条約を再確認し、その範囲を拡大し、台湾とスプラトリー諸島に近接する基地四地点へのアクセス権を追加した。米国はまた、パプアニューギニアと防衛協力協定を結び、同国の治安部隊の整備と近代化を支援している。 8月のキャンプ・デービッド首脳会談...

Know Your Enemy: シャングリラ対話で中国国防相は驚くべき発言をしていた。

        2022年6月12日、シンガポールで開催されたシャングリラ対話サミットで講演する中国の魏鳳和国防相。  Photo: AFP    ご注意   以下の記事はCCPの息がかかった環球時報英語版からのご紹介で、文中の意見等は当ブログのものではありません。赤字部分等は当ブログがつけたものです。     中 国軍は、中国から台湾を分断しようとする勢力と最後まで戦うと、中国の国防部長は日曜日にシャングリラ対話でスピーチした。中国アナリストからは、これは中国が米国に送った最も強い警告との声が出ている。米国はたびたび台湾問題を利用し中国を挑発し、台湾の 分離主義 当局を刺激し地域内の安全保障状況を悪化させてきたからだ。     中国国務委員兼国防相の魏鳳和 Wei Fenghe は日曜日、シンガポールで開催された第19回シャングリラ対話で、地域秩序に関する中国のビジョンについて演説した。台湾問題について、ウェイは、台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政問題であると述べた。「中国は必ずや統一を実現する」。   トランプ政権からバイデン政権まで、米国は台湾問題を一貫して利用し、台湾分離主義当局を扇動し、外交的プレゼンスを獲得ずみで世界が認めた一国主義に挑戦し、武器売却を増やし、軍艦を送り 島 の 近海に入り、統一プロセスを妨害するなど、中国封じ込め戦略に利用している。一方、米国の一部議員や高官、下院議長までもが 同島 を訪問あるいは訪問を計画しており、分離主義者に誤ったシグナルを送り、中米関係の政治的基盤に挑戦している。   これらのことから、中国は明確な警告を米国に送る必要があると考え、米国が警告を無視し危険な動きを続ける、あるいはレッドラインを超えても、台湾問題を明確に解決する用意があり、プロセスが平和的であろうと武力的であろうと構わないと言うのが中国の態度だと専門家は指摘している。   中国大陸は、台湾海峡両岸の人民のため、平和的統一を求める努力を最大限続けているが、米国と台湾当局が平和的統一の希望を完全に破壊した場合、中国は力による問題解決を躊躇しないと分析されている。    ...

海上自衛隊「しらぬい」が南太平洋でフランスと共同演習「オグリ・ヴェルニー」を実施。インド太平洋でのフランスの存在感に注目すべき。

  JMSDF picture   海 上自衛隊 (JMSDF) の あさひ級駆逐艦JSしらぬいが防空演習をフランス海軍と共同で先週展開した場所は南太平洋のフランス領ニューカレドニアだった。   演習は「オグリ・ヴェルニー」の名称で、フランス海軍はダッソー・ファルコン200ガーディアン海上監視機を飛行させた。   フランス海軍発表は今回の演習の目的は以下の通りとしている。 戦術レベルの共同作戦体制の向上 二国間協力体制の強化 仏日両国が進める自由で安全なインド太平洋で課題への共通認識を深める French Navy picture   演習後にJSしらぬいはニューカレドニア最大の都市ヌーメアに入港した。同地には「FANC」つまりニューカレドニア駐留フランス軍が拠点を置き、フロレアル級フリゲート艦一隻、ダントルカストー級多用途艦一隻、P400型哨戒艇が常置されている。タヒチ配備の艦艇とともにフランス太平洋艦隊を構成し、ジャン・マチュー・レイ中将がタヒチに司令部を置き、ファルコン200を2機、ヘリコプター数機をニューカレドニアで運用する。   JSしらぬいは9月17日にフランス海軍航空機とニューカレドニア付近で演習を展開し、その後フランス領ニューカレドニアのヌーメアに18日から19日にかけ寄港した。   フランスはインド洋から太平洋にかけ海外領を保有しており、自由で開かれた太平洋の価値観を共有する。フランス海軍との演習により、防衛協力関係を深めた。   自衛隊艦艇は海軍戦力の機動性、柔軟性を生かして自由で開かれたインド太平洋の実現を目標に友邦国との協力関係を強化しつつインド太平洋の安定をめざす。     JSしらぬいはあさひ級駆逐艦二号艦(かつ最終艦)で2019年2月に就役した。あさひ級はあきづき級の発展形だが対潜戦に重点を置いている。     フランスの海外領土にはマヨット、レユニオン、南方南極領、ニューカレドニア、ウォリス・フツナ、フランス領ポリネシア、クリッパートン等があり、 排他的経済水域の93%がインド洋太平洋に分布する。各地合わせて150万人のフランス人が居住し、フランス軍8千名を配備する。さらにフランス本国から艦艇等が派遣される。直近では...

インド洋への中国海軍進出にインドは非対称戦略で対抗せよとのCNASレポートを読んで

  この記事を読めば、なぜインド太平洋という呼称が使われているかがわかりますね。シンクタンクの理屈がデリーの政治家にどれだけアピールするかわかりませんが、要は中国に追随した大海軍整備に走るのは愚策ということですね。今後は日本としても国境線の地図から国益の地図に切り替えて思考していく必要があると思います。安保法制の審議時に見られた政府の足を引っ張るような議論ではなく、納得できる国益の議論が必要な時が来ていると思います。     こ れまで長きにわたりインド洋はインド海軍が支配し、さらにアジアでも数少ない空母航空戦力を有しているのがインドだ。   ただし、シンクタンク新アメリカ安全保障センター(CNAS)のレポートによれば、中国軍事力の増強がここ二十年余り続いた結果、インドの軍事力近代化並びに増強の影が薄くなっており、特に海洋面で顕著だという。1962年の中国との国境紛争をひきずるインドには痛い指摘だ。   人民解放軍海軍(PLAN)の中心は太平洋にあるが、最近になり中国はバングラデシュ、ミャンマー、パキスタン、スリランカと次々に港湾施設の使用権を獲得しており、海軍基地建設も始めた。すべてあわせ「真珠の首飾り」を構成しインドを包囲するねらいだ。PLANはインド洋への艦艇派遣が増えており、インドの弾道ミサイル潜水艦に脅威を与える可能性が出てきた。       インドは数の上ではインド洋で優位を維持しているものの、中国は着々と基礎固めをし同地区でのプレゼンスを強めてきた。   ここ二十年にわたり、米国はインドと事実上の同盟関係を強化し中国の台頭に対抗してきた。ただし、CNASレポートにあるように予算面の制約と調達の欠陥によりインドがPLANの艦艇、航空機双方に対抗できるとは期待できない。   ヒマラヤ山岳地帯での国境線確保については別稿が扱うので、本稿ではCNASレポート提言を検討し、インド海軍・空軍が無理せずインド洋で中国の台頭があっても優位性を確保する方法を見てみよう。   PLANの全体規模はインド海軍を上回るが、インドには域内海域の確保に役立つ利点がある。中国国内のPLAN艦艇はインド洋への移動にマラッカ海峡を通過する必要がある。スンダ海峡の利用も可能だ。 ...