英 国は戦車保有数を削減中で、多数車両は20年にわたり性能改修を受けていない。 英陸軍が史上初の「タンク」を戦闘投入して今月は104周年となる。投入の一年前にウィンストン・チャーチルが陸上艦艇 Landships 委員会を発足させ、戦車原型の開発が始まった。同委員会は全地形を移動可能な大型車輪付き「陸上艦」自重300トンの開発を統括しようとした。 同構想は大胆すぎるとわかり、一号戦車はドイツ帝国のウィルヘルム三世皇帝を侮蔑し「リトルウィリー」と呼称されたが、当初構想から大幅縮小され、かつ非武装だった。そこからほぼ一年かけてMk I戦車として改良された。当時は開発対象を欺瞞するため、車両に「タンク」の名称がつき、清水を戦線へ運搬する容器に誤認させようとした。1915年12月に「タンク」が公式採用され、陸上艦委員会はタンク補給委員会に呼称変更された。戦車はソンムの戦いで実戦デビューした。 以来一世紀が経過したが、戦車を最初に実戦投入した同じ国が戦車を全廃しようとしている。昨年、ペニー・モーダント国防相(当時)は戦車は時代遅れと発言し、英陸軍のチャレンジャー2戦車は20年余り大規模改修を受けていないと述べていた。 戦車配備数の削減がすでに始まっている。英陸軍はチャレンジャー2戦車500両を運用していたが、現在227両ほどになっており、多数は保管状態に置かれている。さらに148両に削減の可能性があり、戦車連隊はわずか2個になりそうだ。各連隊には56両程度が配備され、その他は訓練・予備車両となる。 英陸軍の選択肢にはチャレンジャー2近代化改修として砲塔主砲の更改もあったが、ドイツのレパード2導入の構想もあり、もともと100年あまり前に対ドイツ戦を想定し戦車を開発した国がドイツ製戦車を採用する可能性があるのは皮肉なことだ。 現在の議論は新型戦車の開発にとどまらず、英軍がNATO軍事同盟でど果たすべき役割という根本問題に焦点が集まっている。 英陸軍の戦車連隊が二個のみとなるが、チャレンジャー2戦車がウォリアー戦闘車両(28トン)と併用される。ウォリアーは歩兵を戦場に移動させながら軽装甲車両なら十分対抗できる。ただし、ウォリアー(700両)でも近代化改修が予算超過と遅延に直...
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