スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(歴史に残る艦)が付いた投稿を表示しています

「はつゆき」級汎用駆逐艦11隻が並走する光景に圧巻された....冷戦時に量産された同級も今は全艦退役......

歴史に残る艦 はつゆき級汎用駆逐艦 Japan MoD 海 上自衛隊が公式Twitterアカウントで公開したスナップショットに、これまでに建造された「はつゆき」級駆逐艦12隻のうち11隻が堂々と並走する光景が収められている。よく見ると船体番号順に並んでいる。 最古参のDD-122が写っていることから、退役した2010年以前の撮影と思われる。つまり、この画像が10年以上前に撮影されたことを示し、正確な日付はわからないものの、写真は称賛された同級駆逐艦が海で過ごした時間を視覚的に思い出させてくれる。 「はつゆき」級が海上自衛隊の第一世代「汎用護衛艦」であることを考えると、技術面で記念すべき艦であるのは間違いない。 日立造船や三菱重工業など複数メーカーが建造した「はつゆき」級は、日本で初めて対空・対潜能力を兼ね備えた汎用護衛艦(DD)の指定を受けた。はつゆき級の登場前の海上自衛隊駆逐艦は、対空型がDDA、対潜型がDDKと指定されていた。 はつゆき級は、最盛期には12隻で構成され、船体番号はDD-122からDD-133まであった。はつゆきは1979年に起工、翌年進水し、1982年に就役した。その後、建造は急拡大し、残り11隻もすべて1980年代末に就役した。 JSはつゆき (DD-122). Wikimedia Commons 全長約426フィート、平均排水量約3,000トンで、DD-129からDD-133までは、最初の7隻で使われたアルミニウム合金ではなく、鋼鉄で建造されたため、重量が増えた。また、はつゆきは海上自衛隊の駆逐艦として初めて、巡航用の川崎ロールス・ロイス製タインRM1Cガスタービン2基と、最大速度30ノットを達成するためのより強力な川崎ロールス・ロイス製オリンパスTM3Bガスタービン2基からなる複合ガス推進システムを採用した艦種だ。 冷戦時に日本は海上自衛隊の駆逐艦の見直しを行い、1970年代の敵対国の技術進歩に対応するため追加整備が必要という結論を出した。例えば、ソ連が潜水艦や対艦ミサイルを強化したことで、日本は海軍のプレゼンスを最適化する必要に迫られた。これは、各隊をヘリコプター搭載駆逐艦(DDH)1隻、誘導弾搭載駆逐艦(DDG)2隻、そして新たに構想された汎用駆逐艦5隻で構成し、充実した海上防衛を行うというものであった。   JS はるゆき  (DD-

歴史に残る艦(4) USSレキシントン、珊瑚海海戦で戦没したが、現在の超大型空母の出発点となる艦だった。

  歴史に残る艦(4)USSレキシントンは今日のスーパー空母の祖先だ     2 018年3月4日、慈善家ポール・アレンの資金援助で空母USSレキシントンの痛々しい姿が珊瑚海の深度2マイルで発見された。初の艦隊型航空母艦として米海軍に就航したレイディ・レックスは史上初の空母対空母対決で撃破され、海底の墓地に76年もの長きにわたり眠っていた。   独立戦争諸端のレキシントン会戦にちなむ米海軍軍艦として5番目の艦がUSSレキシントンだった。姉妹艦サラトガとともに巡洋戦艦として企画された。しかしながら、建造は第一次大戦で遅れ、さらに1922年のワシントン海軍条約の制限対象となった。   当時建造は四分の一程度進展していたが、米海軍は廃艦せず、二隻を空母に改装することとした。費用は各艦28百万ドルについた。当時生まれたばかりの空母は第一次大戦中にめぼしい活躍がなく、条約では各国は排水量33千トン以下の空母を二隻まで保有できた。   米海軍は初の空母USSラングレイ(排水量14千トン、給油艦を改装)で空母運用を経験済みで、レキシントン、サラトガはこれに対し全長270メートル、36千トン(条約違反である)と相当大きな艦容で、「アイランド」上部構造を導入し、艦橋と航空機管制塔機能を一つにまとめ、今日に続く形状の先駆けとなった。海軍二番目の空母としてCV-2の艦番号がつき、偵察、爆撃、雷撃、戦闘の各飛行隊VS、VB、VT、VFを搭載した。   レキシントンの鉱区格納庫は3平方キロの広さがあり、当時最大の広さを誇り、80機から110機の航空機をエレベーター2基で移動させた。飛行甲板には拘束ワイヤーを巡らせ、機体着艦時に利用した。同艦は「耐雷撃装備」を特徴とし、膨大な量の航空燃料が爆発しないように区画を隔離していた。   「グレイレイディ」と呼ばれた同艦には巡洋戦艦の名残も残り、装甲帯には7インチの厚さがあり、対艦攻撃には8インチ砲連装が4門あったが、射撃で飛行甲板に影響が出る恐れがあった。さらに5インチ対空砲で補強し、機関銃多数を備えた。   レキシントン、サラトガ両艦は1927年就役し、太平洋で演習に動員された。その時点で空母が実戦に投入された事例はなく、海軍は三隻そろった空母の使い道を模索していた。ここから偵察機を順次発艦させ、連続で行う戦闘航空哨戒(CAP)の概念が生まれ、敵偵

歴史に残る艦(3)ロサンジェルス級攻撃型原子力潜水艦は冷戦の兵士として大量建造され、今も現役の高コスパの大型潜水艦となった。

歴史に残る艦(3)     ロ サンジェルス級攻撃型原子力潜水艦は冷戦期で最も成功した米潜水艦だ。62隻建造され、第二次大戦時のガトー級を除き最多となった。高速で重武装のロサンジェルス級はヴァージニア級攻撃型潜水艦に徐々に交代しつつある。   ロサンジェルス級は688級としても知られ、1970年代初期の設計だ。一号艦がロサンジェルス(SSN-688)で1976年起工された。冷戦時ということで年間3隻から5隻のペースで建造され、現在のヴァージニア級の年間2隻を上回った。建造は1992年まで続いた。建造期間が20年に及び、各種システムで変更が生まれた。推進系、艦首・曳航式のソナー、艦体素材で当時の最新技術を導入した。     全長360フィート、潜航時排水量6,927トンのロサンジェルス級は前のスタージョン級に比べ2割長く、排水量は5割増えた。速力も増したといわれる。スタージョン級が潜航時26ノットだったが、ロサンジェルス級は37ノットといわれる。   ロサンジェルス級の艦体にはHY-80鋼を使い、艦首はガラス補強のプラスチックがソナーアレイを覆った。公式には650フィートまで潜航可能とあるが、実用最大深度は950フィートとする資料がある。緊急時の最大深度は1,475フィートといわれる。   ロサンジェルス級潜水艦はスキップジャック級以来の涙滴型艦形で、セイルに潜舵につけた。後期の23隻では潜舵を艦首に移し、セイル構造を強化し北極海の氷を破る浮上が可能となったのは、ソ連のタイフーン級弾道ミサイル潜水艦が北極海運用を前提にしていたための対抗策だろう。   Combat Fleets of the World によれば ジェネラルエレクトリック 製S6G加圧水型原子炉が搭載され、蒸気タービン二基を駆動する。原子炉は35千軸馬力を発生し、7枚羽プロペラー1基を回転する。最後期の建造艦ではポンプジェットに切り替えた。ディーゼル発電機とバッテリーを非常用推進に使う。   センサー装備はBQQ-5ソナーが中心で、建造時期によりBQQ-5A(V)1、BQQ-5C、BQQ-5Dに変更された。後者はシーウルフ級にも採用されている。艦側面はパッシブソナー探知が可能だ。曳航式ソナーも搭載し、なかでもTB-29細線曳航アレイが最新装備だ。艦尾から曳航ソナーを展開するほか、7セル方式の対抗装置M