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2020年10月18日日曜日

F-15Eへ搭載が始まったストームブレイカーことSDB IIは対地・対艦攻撃力を増強する米空軍・海軍向け新兵器だ

 

Raytheon

 

 

F-15Eストライクイーグルは導入から年数が経ったが、さらに強力な対地攻撃任務をこなす恐るべき存在になりそうだ。米空軍が小直径爆弾IIのストライクイーグルへの搭載開始を発表した。「ストームブレイカー」“StormBreaker”の名称がついた精密誘導弾は航空戦闘軍団(ACC)が9月30日に認証していた。

 

SDB IIストームブレイカーの搭載が可能となったのはF-15Eが最初で、続いてF-35ライトニングII共用打撃戦闘機およびF/A-18E/Fスーパーホーネットへの搭載が予定されている。▼「SDB IIストームブレイカーの供用準備ができた。長期の開発試験を行ってきた」(SDBII事業主幹ジェイソン・ラスコ大佐)「配備に至ったり軍と民間企業による長年の共同作業が報われる。大きな威力があり国防の構図を一変させる存在だ」

 

 

 

ストームブレイカーとは

SDB IIには多モードシーカーがつき、赤外線、ミリ波レーダー、セミアクティブレーザーのほかGPSさらに慣性誘導方式で誘導できる。ストームブレイカーは小型のためミッションでのペイロードを増やす効果が期待できる。このため投入機数を減らしても従来と同じ効果が期待できると空軍は見ている。▼ストームブレイカーの有効射程は40マイル以上で、搭乗員が危険にさらされる時間が短くなる。▼「SDB IIは移動目標も攻撃可能で、しかも遠距離で悪天候でも対応可能だ。これによりわが方の部隊に相当の優位性が生まれる」とヒース・コリンズ准将空軍兵器開発統括官が語っている。「この装備を配備することで大きな成果が期待できる」

SBD IIの開発背景

 SBD IIが生まれた背景に空軍と海軍で調達の方向性を共有したことがあり、空軍の兵装局ミニチュア弾薬部が主導しレイセオン・ミサイルディフェンスと共同開発した。▼試験運用はエグリン空軍基地(フロリダ)で行い、F-15E搭載の認証のため開発運用飛行は138回に至った。▼「ストームブレイカーで実戦パイロットに今までにない戦力が実現する」とレイセオン・ミサイルディフェンス副社長ポール・フェラーロが述べている。「洋上陸上問わず、移動目標を遠距離から悪天候でも撃破できる」▼SDB IIストームブレイカー開発は技術面で難局に直面し、生産が一年にわたり止まったこともあったが、レイセオンは問題解決のため爆弾にフィン折り畳み用のクリップを追加した。

 

Raytheon

 

レイセオンは昨年7月に生産を一時停止し部品設計を見直したが、空軍・海軍へ納入済みの598発には後付改修した。今夏に生産再開した。

 

配備が始まりレイセオンはSDB IIの性能を改めて宣伝している。「これまでの各種テストで性能は実証済みで、各種標的に対応し、過酷な天候条件でも威力を発揮した」とレイセオン・ミサイルディフェンスでストームブレイカー開発を率いたクリスティ・スタッグが述べている。「多モードシーカーとデータリンクを利用するストームブレイカーは天候条件が悪くても関係がありません」■

 

この記事は以下を再構成したものです。SDB IIは滑空誘導爆弾というべきでしょうか。

 

F-15E Strike Eagle Is Now a StormBreaker

October 17, 2020  Topic: F-15  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-15EU.S. Air ForceF-35U.S. NavyMilitary

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.