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次世代の航空優勢にこの変形技術応用の「変態」空対空ミサイルが威力を発揮する---米空軍研究本部が進める画期的な技術

USAF 高機動脅威への対抗手段として、米空軍は先端部が連結構造のミサイルを構想している ア メリカ空軍は、空対空戦闘で命中する可能性を高める斬新なコンセプトを模索している。機首が曲がる空対空ミサイルを使用し、ターゲットが回避する前に仕留める構想だ。空軍はこれを、「次世代制空権プログラム」で開発中の第6世代ステルス機など、現在および将来の戦闘機で高機動性の脅威と戦う新たな手段に位置づけている。  空軍研究本部AFRLは、今週コロラド州アウロラで開催された2023年航空宇宙軍協会の戦争シンポジウムで、「 Missile Utility Transformation via Articulated Nose Technology (MUTANT)」と呼ぶプロジェクトを紹介した。AFRLによると、MUTANTは過去6年間の関連技術の研究を活用しており、コアコンセプトは1950年代までさかのぼる研究と実験を活用しているという。 機首部分が連結構造のミサイルのグラフィック。 USAF 「より効果的なミサイルは、少ない重量でより長い射程、操縦性(g-capability)、敏捷性(機体の反応性)を持つ傾向がある。ミサイルの制御作動システム control actuation systems (CAS)は、3指標すべてに影響し、したがって効果的にターゲットに接近する能力にも影響する」と、AFRLのMUTANTに関するウェブページは説明しています。「各CAS、またはデュアルカナードやフィンなどCASの組み合わせがミサイルの全体性能に明確かつ強い影響を与える」。 「長射程CAS(フィンのみ)は、操縦性と敏捷性に劣る傾向がある」とある。「(カナード、翼、推力偏向など)操縦性と敏捷性に優れたCASは、抗力や追加重量で射程が低下する傾向がある」。  イスラエルのラファエル・パイソン5は、高度な機動性を実現するため、複雑な制御面を採用した空対空ミサイルだ。  MUTANTは、基本的な計算を覆すことを目指す。伝統的な制御面という点では、AFRLが取り組むミサイルの概念設計では、尾翼しかない。前述のように、これでミサイルの抵抗を減らし、射程距離を延ばすのに役立つ。  一般的に、これで操縦性と敏捷性が犠牲になる。しかし、MUTANTコンセプトでは、ミサイル本体の前方部分にコンフォーマルセクション

米空軍が空中発射レーザーポッドの実機試験をまもなく開始か。LANCEを扱うAFRLの動向に注目。

  LOCKHEED MARTIN 米空軍はポッド型防御用レーザー兵器を取得しており、初の空中テストを始める。     米 空軍は、航空機に搭載可能なポッド型高エナジー・レーザー兵器を受領した。このニュースは、 ロッキード・マーチン が開発したもので、テスト作業のために空軍に引き渡されたと今日、発表が出た。この取り組みは、敵のミサイルやその他のターゲットと交戦できるレーザー武装した戦闘機の実現という、大きな枠組みの中で行われている。   ロッキード・マーチンが、今年2月に空軍に高エナジーレーザー兵器「LANCE」を納入していたことが、本日付のBreaking Defenseで確認された。LANCEとは、"Laser Advancements for Next-generation Compact Environments"「次世代のコンパクト環境のためのレーザー」の略だ。空、宇宙、サイバースペース領域における新技術の開発・統合を担う空軍研究本部(AFRL)に納入された。   ロッキードのタイラー・グリフィンTyler Griffinは、以前記者団に対し、LANCEは「ロッキード・マーチンでこれまで製造した同出力クラスで、最も小さく、最も軽い、高エナジー・レーザー」であると述べている。   グリフィンによるとLANCEは、ロッキードが陸軍向けに製造した指向性エナジー兵器の「6分の1の大きさ」とある。このレーザーは、Robust Electric Laser Initiativeプログラムの一部で、60キロワット級出力だった。LANCEの出力は不明だが、100キロワット以下と言われている。     ロッキードは、指向性エナジー兵器で武装した未来の移動戦術車コンセプト含む地上ベースのレーザーでの経験をLANCEに活かしている。 Lockheed Martin   LANCEでは小型軽量化に加え、電源出力要件を下げており、戦闘機用レーザー、特にポッド搭載可能なレーザーにとって重要な要素だ。   防衛任務に成功すれば、LANCEは、次に地上や敵機から発射された対空ミサイルを狙う場合より遠距離で敵機やドローンを攻撃するなど、より攻撃的なレーザー兵器の開発に進展する可能性がある。   LANCEは2017年11月交付の契約に基づき開発されたもので、空軍の幅広い

地球規模で貨物人員を迅速に送り届けるロケット貨物輸送構想を米空軍は真剣に検討している。このためスペースXと契約が成立。

    2021年5月5日、スペースXは試作型ロケット、スターシップの高高度テスト飛行および着陸回収に成功した。空軍研究本部は同ロケット含む再利用可能な商用ロケットで世界各地への貨物輸送が実現できると見ている。 (SpaceX)   米 空軍研究本部(AFRL)が スペースX と5か年契約を結び、宇宙打ち上げ手段を地点間輸送に活用した場合の制約条件ならびに実現可能性を検討する。     契約は102百万ドル相当で、AFRLは再利用可能ロケットでの貨物輸送ミッションのデータを入手し、民生仕様が国防総省用途に応用できるか検討する。民間の技術成熟化を待って政府が利用するのがねらいとAFRLは説明している。   米空軍2022年度予算要求ではAFRLヴァンガード計画として画期的技術で新しい輸送手段の実現を目指すとあった。   AFRLは、解析、素材研究、風洞検査装置の開発で民間企業に契約を交付してきたが、今回のスペースX向け契約は打ち上げ機企業で初の交付となった。AFRLはその他の打ち上げ手段提供企業との契約も検討する。   AFRLでは次の四分野を重視している。民生軌道打ち上げ着陸装備からデータを集める、米輸送本部規格コンテナの取り扱い可能な貨物搭載スペースを確保しつつ迅速な積み下ろしが実施できるか、各種地形に対応する着陸装置を研究する、大重量貨物の打ち上げ着陸の一連の作業を実証することだ。   着陸時の仕様及び輸送本部(TRANSCOM)規格コンテナの互換性、さらに貨物積み下ろし手順は重要要素となる。国防総省は地点間輸送をめざしており、民生輸送業務より広範な応用が想定されるからだ。民間企業は既存施設を使っての貨物運送に主眼を置くが、軍では未整備地点も使う物資補給や人道援助の搬送を目指す。   そのため、AFRLは上空通過問題を回避すべく特異な飛翔軌道を含む幅広い可能性を模索し、未整備地への着陸も想定するほか、医療品含む各種貨物を人口稠密地近くに送り込む想定もある。   AFRLは商用技術を利用するため、通常の開発日程でお決まりのマイルストーンは適用されない。   AFRLは独自装備を開発せず、スペースXのデータを集め、最終的に大型貨物輸送能力を実証する。   このようにAFRLがロケット貨物便構想を追求しているが、TRANSCOMも独自に民間企業と連携し、同技術の可能性

期待高まる新技術、太陽光電力を無線に変換し地上送信する実証実験にAFRLが成功。軌道上太陽光発電施設の構築は2025年予定。実現すれば米軍の作戦活動に大きな変化が生まれる。

AFRL KIRTLAND AIR FORCE BASE, N.M. (AFRL) –  米 空軍研究本部(AFRL)がノースロップ・グラマンと開発中の宇宙太陽光発電段階的実証研究プロジェクト Space Solar Power Incremental Demonstrations and Research (SSPIDR) の一部となるアラクネー宇宙機 Arachne flight experiment の構成部品で エンドツーエンド実証実験に成功した。   新型構造部品「サンドイッチタイル」の地上実証で太陽光を無線周波数(RF)への変換に成功した。大規模太陽光発電を宇宙空間で行う道が開いた。 AFRLはノースロップ・グラマンに100百万ドル超の契約を2018年に交付し、試作型宇宙太陽光発電システムの中核構造部品の実証用ペイロード製作を求めた。サンドイッチタイルとはアラクネーのペイロードで重要な部材となり、今後の大規模実用システム製造の基礎となる。   サンドイッチタイルは二層構造で、まず高性能太陽光電池(PV)で太陽エナジーを集め、電力として第二層へ伝える。この第二層に配置したコンポネントで太陽光をRFへ変換し、送信する。 「太陽光をRFへ変換するのに成功し、軽量で拡大可能な宇宙構造物に一歩近づきブロック構造でアラクネーを実現する」とノースロップ・グラマン副社長ジェイ・パテル Jay Patel が述べている。「世界各地に展開する米軍部隊に戦略的優位性を約束する機能の実現を今後も支援していきます」 関係者がノースロップ・グラマン社施設に集まり、大きな一歩となった今回の実証を見守った。 「SSPIDRプロジェクト室は今回の基本性能実証に大きく感動しています」とSSPIDRプロジェクト副主幹メロデイ・マーティネス Melody Martinez が感想を述べている。「太陽光エナジーをRFエナジーに変換できたことの意味は大きく、宇宙配備太陽光発電が大規模地表ビームで送信可能となります」 地上実証ではシミュレーターを使い、タイルのPV側が輝き太陽光-RF変換が進行中だとわかった。参列者はリアルタイムのRF出力データをモニターでフレキシブルプラスチック防護の後ろから確認した。 RFエナジーがピークに達すると太陽光RF変換が成功したとわかり喝采を上げた。 「SSPIDRで重

AFRL:無人戦闘機対有人戦闘機の模擬空戦が来年7月に実施される

米 空軍が開発中の新型無人機は空対空戦で有人機を撃破する能力が目標で、無人機対有人機の模擬空戦が2021年7月に予定されている。 ペンタゴンの統合人工知能センターを率いるジャック・シャナハン中将は空軍研究本部(AFRL)が現行戦闘機に匹敵する画期的な無人機開発に取り掛かっていると明らかにした。▶「来年の初飛行に向け奮闘中で....マシンがヒトに勝つだろう」とシャナハン中将は6月4日開催のミッチェル研究所の航空宇宙研究イベントで語った。「そのとおりになればすごいことになる」 AFRLはAI応用の無人戦闘機開発を2018年開始し、18ヶ月以内の完成を目指している。Inside Defenseは2018年5月に機械学習技術をF-16のような最先端と言えない機材に導入し、F-35やF-22に対決させる構想を紹介していた。▶「最優秀パイロットには数千時間の経験値がある。さらにその能力を強化するシステムがあり、数百万時間相当の訓練効果を与えるシステムがあったらどうなるか。ヒトが考えるよりも早く決定できるシステムで戦術自動操縦を実現したらどうなるか」(AFRL) 目論見通りなら空軍のその他AI応用システムにも導入できそうだ。スカイボーグ・ウィングマン無人機構想がその頂点で、整備から戦闘立案に至るまでAIと機械学習アルゴリズムが広く導入できる。 今回のAFRLの事業には今年初めに巻き起こった自律飛行無人機が有人機に勝てるとのイーロン・マスク発言でまき起こった論争を思わせるものがある。▶「無人戦闘機は遠隔操縦されるが自律運航性能で機体制御を拡張する」「F-35は対抗できないだろう」(マスク) ただし、シャナハン中将はこうした先進技術で全部解決にはならないと釘をさしている。自動運転技術の開発で得られた教訓に軍は注意を払うべきだという。▶数十億ドル規模の投資をしているものの「レベル4の完全自動運転車はまだ走っていない」とし、「自動車業界から軍は数十年分相当の経験を活用できる」と発言した。■ この記事は以下を再構成したものです。 Air Force to Test Fighter Drone Against Human Pilot Air Force to Test Fighter Drone Against Human Pilot June 4,

戦闘機搭載ポッドの実現に近づいてきたレーザー兵器の最新テスト結果

本ブログではエネルギーの代わりにエナジーを訳語として採用しています。先回のレイセオン製に続きロッキードもレーザーで大きな存在感を示しています。 The Air Force Just Shot Down Multiple Missiles With A Laser Destined For Fighter Aircraft 米空軍がレーザーでミサイル複数撃破に成功。戦闘機へ搭載予定 The service wants this game-changing capability to be hanging off the wings of fighter jets by the early 2020s. 2020年代初頭にも戦闘機主翼下に戦闘を一変させる装備を導入する BY JOSEPH TREVITHICK MAY 3, 2019 https://www.thedrive.com/the-war-zone/27795/the-air-force-just-shot-down-multiple-missiles-with-a-laser-destined-for-fighter-aircraf t 米 空軍からレーザーで空中発射ミサイル数発の撃破に成功したと発表が出た。今回は地上配備型を投入したが戦闘機等に搭載し空中での脅威排除が期待されている。空軍発表では装備をポッドにおさめ2021年に飛行テストし、2020年代中に実戦配備したいとある。 空軍実験本部(AFRL) は2019年4月23日に米陸軍ホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ)で契約企業 ロッキード・マーティン と今回の試射を行ったと発表。ロッキード・マーティンは指向性エナジー兵器開発契約を2017年に交付され、自機防衛高出力エナジーレーザー実証事業 Self-Protect High Energy Laser Demonstrator (SHiELD) の高性能技術実証Advanced Technology Demonstration (ATD) にあたってきた。この内レーザー部分は次世代小型化レーザー発展事業Laser Advancements for Next-generation Compact Environments (LANCE)としてSHiELDの一