米空軍が開発中の新型無人機は空対空戦で有人機を撃破する能力が目標で、無人機対有人機の模擬空戦が2021年7月に予定されている。
ペンタゴンの統合人工知能センターを率いるジャック・シャナハン中将は空軍研究本部(AFRL)が現行戦闘機に匹敵する画期的な無人機開発に取り掛かっていると明らかにした。▶「来年の初飛行に向け奮闘中で....マシンがヒトに勝つだろう」とシャナハン中将は6月4日開催のミッチェル研究所の航空宇宙研究イベントで語った。「そのとおりになればすごいことになる」
AFRLはAI応用の無人戦闘機開発を2018年開始し、18ヶ月以内の完成を目指している。Inside Defenseは2018年5月に機械学習技術をF-16のような最先端と言えない機材に導入し、F-35やF-22に対決させる構想を紹介していた。▶「最優秀パイロットには数千時間の経験値がある。さらにその能力を強化するシステムがあり、数百万時間相当の訓練効果を与えるシステムがあったらどうなるか。ヒトが考えるよりも早く決定できるシステムで戦術自動操縦を実現したらどうなるか」(AFRL)
目論見通りなら空軍のその他AI応用システムにも導入できそうだ。スカイボーグ・ウィングマン無人機構想がその頂点で、整備から戦闘立案に至るまでAIと機械学習アルゴリズムが広く導入できる。
今回のAFRLの事業には今年初めに巻き起こった自律飛行無人機が有人機に勝てるとのイーロン・マスク発言でまき起こった論争を思わせるものがある。▶「無人戦闘機は遠隔操縦されるが自律運航性能で機体制御を拡張する」「F-35は対抗できないだろう」(マスク)
ただし、シャナハン中将はこうした先進技術で全部解決にはならないと釘をさしている。自動運転技術の開発で得られた教訓に軍は注意を払うべきだという。▶数十億ドル規模の投資をしているものの「レベル4の完全自動運転車はまだ走っていない」とし、「自動車業界から軍は数十年分相当の経験を活用できる」と発言した。■
この記事は以下を再構成したものです。
Air Force to Test Fighter Drone Against Human Pilot
Air Force to Test Fighter Drone Against Human Pilot
June 4, 2020 | By Rachel S. Cohen
これからは知能を持った機械の判断によって殺害される兵士や民間人が増えると言うことになるのだろう。
返信削除将来、進歩した自律型無人機は、有人機を駆逐することになるだろう。常に最善な攻撃パターンを維持し、連続高G機動によりミサイルを回避し、攻撃するAI無人機に有人航空機は太刀打ちできない。
しかも、このことは人工知能(AI)の軍事利用の手始めに過ぎない。あらゆる場面でAIが利用され、AIを含む軍事システムの優劣が戦場の勝敗を決定するようになるだろう。
中国は、AIの軍事利用の価値を良く知っており、米国の企業の技術を取り込みながらAI技術の高度化とその利用にまい進している。遠からず米国と同様に自律型無人機を開発するだろう。もし、その機が米軍より優れているなら制空権の獲得は容易であり、米中戦争の引き金の一つになるかもしれない。