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台湾海峡上空で、台湾機がPRC機を追い払う。その前に米海軍機が台湾島を南北縦断飛行していた

USN

湾空軍戦闘機が中国のSu-30フランカー編隊を「追い払った」。中国機が短時間ながら台湾の防空識別圏に入ったためだ。この事件は米海軍のC-40クリッパー人員輸送機が台湾西海岸上空という異例の航路を飛行した後に発生している。台湾を中国の主権が及ぶ領土とみなす北京政府から見れば反発を呼ぶのは必至のフライトだ。

台湾国防部の発表では事件は2020年6月9日に台湾党南西部で発生した。台湾の声明文では機種不明の台湾空軍戦闘機部隊が中国のフランカー編隊を迎撃し、強制排除する前に空域を去るよう警告したとある。

中国軍用機が台湾島周辺を飛行する事例がここ数年増える傾向にあるが、台湾の蔡英文総統は台湾機は中国軍用機が台湾海峡の「中間線」を超え進入した場合は「強制排除」を辞さないと発言していた。中間線が事実上の台湾とPRCの境界線となっており、後者は台湾を不可分の領土の一部とみなしている。

ROCAF
台湾空軍のF-16A/B戦闘機。台湾国防部は6月9日発生した中国のSu-30迎撃に投入された機種を明示していない。


人民解放軍は台湾南東部から先の南シナ海で新鋭空母山東も動員し大規模演習を展開しており、台湾へ無言の圧力をかけていると見る専門家も多い。北京政府からは台湾が正式に独立をめざせば、軍事力行使も辞さないとの発言が繰り返し出ている。PLA最大の陸上軍事演習地ズリヘに台湾総統府の正確な模型があり、台湾外交部など実寸大の建物も再現されている。

北京と台北の言葉の応酬は蔡総統再選で熱くなっていたが、二期目の任期開始でまた加熱してきた。蔡総統は政治面で大陸から一層距離を取ると公言。国民の支持を頼りに同総統は米トランプ政権と強い関係を維持している。前例のない規模の武器購入が成立しており、F-16C/Dのブロック70機材は一例だ。北京から見ればこれは「レッドライン」を超えることになる。

米国はPRCを中国で唯一の合法政権と認めているが、台湾との関係維持を権利として主張し、最終的解決までの間は台湾防衛を助けるとしている。そのため中台間で緊張が高まると米軍は航行の自由パトロール(FONOP)を強化し、台湾海峡を艦船、航空機に通過させ、米国の台湾支援を誇示している。

C-40Aフライトが台湾とPRCの戦闘機部隊の緊張を生み出した格好だが、クリッパーは台湾領空を通過しており、米軍機の常として危険は冒していない。

USN

これと同じ米海軍C-40Aが台湾上空を6月9日に通過飛行した。機体マニアはオンラインフライト追跡ソフトでC-40Aが嘉手納航空基地から台湾へ向かい、その後南東部へ移動したことを気づいた。機体は海軍機体番号169036で海軍予備隊補給支援飛行隊61(VR-61)の所属でワシントン州ウィドベイアイランド海軍航空基地に配属されており、台湾島の北部から台北近くを飛行し、海岸線沿いに南方へ移動した。

CNV7642(C-40A 169036) is flying over West coast line of Taiwan.
It's a rare flight course...🤔
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フライト追跡データを見ると、機体はさらに南方へ移動し、タイのウタパオ空港に着陸している。その後、同空港からグアムに移動したようだ。
It seems they flew a little inland from the coastline of Taiwan.🤔
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CNV7642(C-40A 169036) is approaching to U-Tapao AB Thailand.
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ADS-B EXCHANGE
A full look at the recorded flight tracking data regarding the Navy C-40A's flight on June 9.

台湾島上空を飛行し台湾の事実上の独立を示す効果とともに、台湾が自国空域を実行支配していることを改めて示し、FONOPSの一部にもなった。現地紙 Taiwan Times は台湾国防部報道官Shih Shun Wenの発言として「わが軍が台湾空域を完全に統制しており、現状は通常の状態であると言える」を伝えている。ただし、報道官はC-40Aが台湾西海岸上空を飛行したことでは確認を避けた。台湾の China Times はクリッパーがChing Chuan Kang 航空基地(台中市)に緊急着陸したと伝えたが、裏付けとなる証拠はない。

今回のC-40Aフライトに先立ち、太平洋で前例のない航空活動が展開されていることに注目すべきだ。一つには米空軍B-1B爆撃機編隊が長距離展開したが、中国へのメッセージであることはあきらかだ。

近い将来に台北と北京の緊張が消える兆候はない。両国関係は今年になりCOVID-19大流行でとげとげしさをましており、PRCは台湾当局による国際的舞台での活動を阻止し、香港では数ヶ月に渡り住民の反対運動が続いている。蔡英文政権は香港住民を支援する方策を模索するとし、北京政府が香港で国家治安法を施行するのに対抗している。

台湾海峡を挟む両当事者に米国が加わり、近い将来に空の上で予想外の対峙やFONOPSがいっそう激しくなりそうだ。■

この記事は以下を再構成したものです。

Taiwanese Fighters Drive Off Chinese Jets After Navy Transport Plane Flies Over The Island

The unusual flight certainly caught the attention of Beijing, which appears to be more focused on Taiwan's independence than ever before.




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