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2018年2月7日水曜日

韓国T-50がシンガポール航空ショー初日に離陸失敗し炎上

South Korean T-50 catches fire at Singapore Airshow

韓国T-50がシンガポール航空ショーで離陸に失敗し炎上



SINGAPORE — 韓国のブラックイーグルズ曲技飛行チームのT-50がシンガポール航空ショーで離陸途中に発火した。
YouTube投稿の映像でT-50三機編隊がそのまま離陸し、さらに二機が続いた。六番機が背後で横滑りし草地で転倒し炎に包まれるのがわかる。
空港緊急対応チームが消火し、パイロットは病院で検査を受けたとチャンギ空港がツイッターで発表。パイロットは軽傷を負ったという。
ブラックイーグルズはシンガポール航空ショー初日で最終飛行実演に向かっていた。事故が発生した滑走路は閉鎖され民間航空機に遅延が予想される。
ブラックイーグルズが運用するのは韓国航空宇宙工業製のT-50だ。
航空ショー主催者からはブラックイーグルズの今後の飛行実演予定は発表がない。■

2016年6月21日火曜日

★なかなか進まないPAK-FA事業のネックは高性能エンジンだ




Russia's New PAK-FA Stealth Fighter Might Have a Fatal Flaw (or Two)

Creative Commons.
June 17, 2016

合同航空機製造企業UACのスホイT-50 PAK-FA第五世代ステルス戦闘機が量産に向け準備中とロシア報道が伝えている。試作第八号機はロシア当局の要求内容に沿った形で完成しており、6月20日初飛行の予定だ。
  1. 「八号機は最初からシステム、装備が完全で仕様を満たしており、このまま第一線の防空任務に投入できる」との防衛筋の発言がロシア語日刊紙イズベスチアに掲載されている。「T-50は実戦投入段階に到達し大量生産の準備が整えばロシア航空宇宙軍での活躍が期待される」
  2. 現在ロシア極東部にあるコムソモルスク・オン・アムル航空機製造協同企業でさらに四機のT-50が最終組み立て工程にある。通算九号機が9月にフライトテスト機材に加わる。だがフライトテストが完了していないのにUACはロシア航空宇宙軍から契約交付を期待しており、今年秋にも量産を開始したいとしているとイズヴェスチア記事が伝えている。機体納入は2017年に始まる予定だ。
  3. ロシア国防省はまず10数機の調達を考えており、ロシア航空宇宙軍が運用テストに投入する。その結果で追加調達を決める。ロシア情報筋によれば軍部内でT-50が金額に見合った機体なのか論争があるという。さらにロシア経済の不振のためロシア航空宇宙軍は当面は調達に走らず静観すると見られる。
  4. ロシア航空宇宙軍を悩ませるのはエンジンだ。T-50はサトゥルンのイズデリエ117エンジン(別名AL-41F1)を二基搭載し、アフターバーナー使用時に31,967lb (142kN)の推力を生む。同エンジンはAL-31FP(Su-27やSu-30フランカー各型に搭載)を元にした高価格エンジンで、もともとSu-35の最新版S型フランカーE向けに開発されたものだ。
  5. AL-41F1はフランカーE用に最適化されており、第五世代戦闘機には不十分と判明している。ロシア筋によればAL-41F1は超音速飛行を持続する推力を実現しているが、ロシア航空宇宙軍の求める推力重力比や燃料消費率水準に達していないという。
  6. しかし、AL-41F1はあくまで当面の解決策でしかない。サトゥルンは40,000lbs級のエンジン開発に取り組んでおり、これをイズデリエ30と呼称し、新型戦闘機用の決定版エンジンとしたい考えだ。だが開発には課題が残っている。イズヴェスチアはT-50に新型エンジン搭載のは2025年ないし2027年と伝えている。開発を妨げているのはロシアに旧ソ連時代から続く資金不足で技術開発が十分に行えない状況だ。
  7. エンジン開発は技術的に複雑度が一番高く、特に戦闘機用となれば難易度が高い。米国もグラマンF-14トムキャットやマクダネル・ダグラス(現ボーイング)F-15イーグルで1970年代に苦労している。当時ペンタゴンはF119エンジンとジェネラルエレクトリックYF120エンジンも代替策としてロッキード・マーティンF-22ラプターに先行して開発させている。
  8. だが成熟度が高いエンジン設計でも想定外の用途に投入すると初期段階で問題を発生する。プラット&ホイットニーF135が例で、F-22で完璧に作動しているF119が原型だが、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機に搭載したところアフターバーナーの異音問題であり、タービンブレイドがケーシングと摩擦して機体喪失が一件発生している。

Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.


2015年2月12日木曜日

★T-50の引き渡しは今年から開始、ただしインドとの対立が高まる



ロシアのPAK-FAことT-50新型戦闘機ですが思ったよりも開発に手間取っているようです。さらに同機を元に共同開発を目指していたインドがロシア技術に愛想をつかそうとしているようで、両国の関係は微妙です。米国がインドに接近していますが、防衛装備共同開発はローテク製品に当面限るようなので、インドは近代的な戦闘機の調達では苦労しそうですね。

Russia To Receive 5th Gen Fighters This Year

By Jaroslaw Adamowski3:58 p.m. EST February 9, 2015
t-50(Photo: DMITRY KOSTYUKOV, AFP/Getty Images)
ロシア空軍はT-50 PAK FA新型戦闘機の初号機を今年中に受領すべく準備中だが共同開発の相手先インドとの間で緊張が高まってきた。
  1. 技術上の不備から導入が遅れているのも事実だ。現地筋によればインド軍部から共同開発への不満が強いという。.
  2. 「インド・ロシア間の軍事協力の一大事業として華々しく宣伝され、インドは初期設計開発費用の名目で295百万ドルを支払ったものの、ロシアは設計データの公開を渋っており、インドでは同機の評判は芳しくない」と陸上戦闘研究センター(ニューデリー)の上級研究員モニカ・チャンソナMonika Chansoriaは説明する。
  3. T-50は第五世代戦闘機整備事業の土台となる機体で、インド空軍も導入することになっている。両国は2007年に共同開発で合意し、ロシアの国営ロソボロネキスポートとスホイ、インドの国営ヒンドゥスタンエアロノーティクスリミテドが初期設計開発協定に調印している。設計開発費用は総額で100億ドル超と試算されている。
  4. 一方でこれから配備される機体ではエイビオニクス一式を新しくし、電子航法と高性能フェイズドアレイレーダーを一体化していると国営ユナイテッド・エアクラフトが説明している。新機能によりパイロット負担を軽減し、リアルタイムでのデータ共有を編隊内でも可能になるという。この内容は現地通信社イタルタスが報道している。同機の製造現場はコムソモルスク・ナ・アムーレKomsomolsk-on-Amurにあり、最高速度1,516マイルだという。
  5. 「インドからの度重なる要求でロシアもついに試作機で技術実証飛行を2014年6月に実施したが、試験飛行の最後で発火し、ジューコスフキイ試験施設に着陸した』(チャンソリア) 「ロシアが事故情報の公開を拒んで問題を複雑にし、現地にはインド空軍の技術評価チームがいたが事故機に近づくことを許されなかった」
  6. T-50はロシア第四世代機スホイSu-27とミコヤンMiG-29両機の後継機で、F-22とF-35のライバルといわれる。ただし機材の納入は大幅に遅れている。
  7. チャンソリア研究員によれば「インド国内での議論の種」は「技術問題の多発で実戦化まであと10年も待たされるのか」という点だった。
  8. ユナイテッド・エアクラフトによれば2020年までにロシア空軍が受領するT-50は55機になる。
  9. 同機事業はロシア・インド間の軍事協力の本体部分として期待されていた。インドは今もロシアの主要軍事装備販売先である。これ以外にもBrahMos超音速巡航ミサイルの共同開発があり、NPOマシノストロエニア NPO Mashinostroeyenia,とインド国営国防研究開発機構Defence Research and Development Organisation.が関与している。
  10. 2013年までインドはロシアの武器輸出の38%を購入しており、インドの武器輸入の75%がロシア製だったとチャンソリアは指摘する。ただし、FGFA事業で提携がうまくいくかは今後の両国間協力で試金石になるという。「両国で相違点を解決の上、事業のスピードアップをはかっていかねば」とチャンソリアは語る。■


2014年9月19日金曜日

インド・ロシア共同開発で新型第五世代戦闘機開発へ

インドとロシアの第五世代戦闘機共同開発ですが、思惑通り進むのか興味津々ですね。
ロシアが狙うのはインドのエイビオニクス等高度技術のようですが、果たしてどうでしょうか。
交渉事ではタフそうな両国ですから途中で意見が衝突しそうな気もします。




Indo-Russian Jet Program Finally Moves Forward

Sep. 15, 2014 - 02:50PM   |  
By VIVEK RAGHUVANSHI   |   Comments
RUSSIA-AEROSPACE-MAKS-2013
第五世代戦闘機をロシアのT-50を基にインドとロシアが共同開発する。写真は2013年モスクワ上空を飛行する同型機。 (KIRILL KUDRYAVTSEV/ / AFP/Getty Images)
NEW DELHI — インドとロシアが第五世代戦闘航空機Fifth Generational Fighter Aircraft (FGFA) 共同開発で残っていた課題を解決したと在印ロシア外交筋が述べている。計画では200機を300億ドルで生産する。
  1. 課題がすべて解決したとインド国防省は認めておらず、両国間の作業分担率で合意できていなかった。
  2. ただナレンドラ・モディ首相Prime Minister Narendra Modi とウラジミール・プーチン大統領がこの問題を7月にブラジルで協議したことを外務省が認めており、FGFA事業の前進を確認していると消息筋が追加している。
  3. 2010年に初期設計合意がインド国営ヒンドゥスタン・アエロノーティクス・リミテド Hindustan Aeronautics Ltd. (HAL) とスホイ設計局の間で成立しており、FGFAを共同生産するとしていた。ただしこの最終版で生産を開始する予定だったが、インド空軍から設計案の承認が取れず、一方で両国の間で作業分担の合意が取れず棚上げになっていた。
  4. インドは分担率を25パーセント以上に引き上げる変更を求めている。両国は295百万ドルを投入ずみ。
  5. 上記ロシア外交官によればインドの作業比率はインド産業界の成熟に伴い40%まで増加し、高度技術の機体搭載が期待されるという。
  6. インドとロシアは今年末までに最終合意にサインする予定と外務省は説明している。ロシアもインド空軍の要求内容を認め、複座機体とすることを認めているといわれる。試作型は単座機となる。
  7. HALとスホイ設計局はシステム、サブシステムをそれぞれ整理中とHAL関係者が述べている。合意内容ではインド、ロシアは共同で推力方向変更システムを開発し、HALはミッションソフトウェアおよびハードウェア、エイビオニクス一式を供給する。
  8. インド開発の視界外有効射程ミサイル、アストラはインド国防研究開発機構 Defence Research and Development Organisation が開発中で、インド・ロシア共同開発のBrahMos超音速巡航ミサイルも別にある。これらをFGFAに搭載するのがインド空軍の目論見だ。
  9. スホイ設計局とHALの案はロシアのT-50を改良するもので、同機はまだ試作段階にある。T-50試作機あ計4機でテスト飛行回数は300回を上回っている。
  10. インド空軍としてはFGFA試作機一号機を2016年までに取得し、公試を実施し、2018年19年に一機ずつ引き渡しを受けるというもの。量産は2021年までに開始する。
  11. インドが第五世代機開発に参入したことからロシアにも恩恵が出てくる。インド空軍は「本来ならFGFAの設計段階から参画したかったが、インドのFGFA開発がロシアの第五世代機開発の資金になっているようだ」としている。
  12. インド外務省関係者によればプーチンーモディ合意ができたことで事業が迅速に進み、技術上の課題がHALとスホイ設計局間で整理できたことで両国はともに利益を享受できるとする。 ■

2013年8月24日土曜日

明らかになったスホイT-50(PAK-FA)の飛行制御性能の革新性

Sukhoi T-50 Shows Flight-Control Innovations

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com August 19, 2013
Credit: Sukhoi

MAKSエアショーがモスクワ郊外のジューコフスキー空港で来週開催されるが、目玉はスホイ‘T-50PAK FA (Perspektivny Aviatsionny Kompleks Frontovoy Aviatsii—将来型戦術航空機システム)戦闘機の展示飛行だろう。
  1. T-50は二年前の同航空ショーで登場しているが、現在もテスト飛行中で性能限界を徐々に伸ばしている。最近のビデオを見ると高度を維持したままの水平回転や高迎え角で方向転換といった高機動飛行をしており、パリ航空ショーでSu-35Sが示した展示飛行と同様の飛行をしている。T-50試作機の5号機が今年末までに飛行を開始し、公試は2014年に開始予定とUnited Aircraft Corporation社長のミハイル・ポゴシヤンMikhail Pogosyanが伝えており、本生産開始は2015年という。
  2. ロシア大統領ウラジミール・プーチンRussian President Vladimir Putin は量産型の配備は2016年と発言している。ただし、搭載エンジンがまだ確定しておらず、ロシア空軍はソ連時代と同じくテスト用エンジンを稼動中の機体に搭載し、一方でエンジン含むシステム完成度を上げる方法をとっている。
  3. 搭載する機器、兵装は未公表だが、ここに来てスホイ設計局がT-50関連でステルス機の根幹にかかわるもの含む特許数件を取得したと判明している。
  4. また取得特許にはロッキード・マーティンF-22に類似した基本設計内容があるが、Su-27から10年近く経て再開したロシアの戦闘機設計には従来の欠点を改善しようと懸命な様子があらわれている。F-22の推力ベクトル制御 thrust-vector control (TVC) システムではロールあるいはヨーの制御は実現できない。なぜならエンジン二基の配列が接近しすぎているからだ。
  5. エンジン取り付け位置次第で兵倉庫の場所がなくなる。エンジンは空気取り入れ口付近、及びその下に取り付けるものである。曲がりくねった空気取り入れ口は全長が伸びて重量も増える。TVCが作動しないと失速後の姿勢取り戻しはむずかしくなり、固定フィンと方向蛇が大きくなる。
  6. T-50は機体主翼一体型の設計 blended wing-body design で、Su-27とは構造の中心部が“centroplane”(中心面)形状で共通している。ただし、Su-27より中心面が双発エンジンの間で深く、兵倉庫を確保しているのが違う。
  7. 飛行制御には可動面が14あり、うち12で飛行制御表面とエンジンノズルを可動させる。主翼前縁部のフラップは高迎え角で揚力を維持する役割があり、速度に応じ主翼形状を調整する。エルロンは低速飛行時、離着陸時のみで使用する。フラペロン flaperons は揚力を得るために使う。高速飛行時にはロール(横揺れ)防止をフラペロンと水平尾翼で行う。.
  8. 全面可動式垂直尾翼 all-moving vertical tails は短い固定式パイロンの上につけられており、パイロンの中に作動装置が入っており、エンジン空気取り入れ口部に冷却装置、熱交換装置が取り付けられている。パイロンの役目には垂直尾翼用の旋回軸のベアリングアームを長く確保することがあり、荷重を減らし、ベアリングと機体構造を軽量化できる。超音速域ではT-50`は飛行方向安定`性に欠けるので垂直尾翼によるアクティブ制御を用いる。この理由は同機の全面可動式尾翼はF-22の固定式フィンおよび可動式方向蛇より小さいためだ。同機の垂直尾翼はエアブレーキのかわりとなり、縦ゆれを最小限におさえつつ抗力を増す際に対称的に可動する。.
  9. 中心面の上に大きな可動式前縁部があることで、巡航飛行中に生ずる同部分からの揚力を最適化できるが、実は一番大切な機能はTVCが作動しない場合の機体制御回復であり、失速後の高迎え角を想定している。このため大きく下方に方向転換し、重心前面の主翼胴体一体部の投影面積を減らすことでこれを実現する。
  10. エンジン二基は大きく離れて配置してあり、兵倉庫の空間を確保するとともにロール・ヨーのベクトル制御を実現。エンジン中心の延長線は外側に広がる配置で仮にエンジン一基が作動不良になっても推力が不均衡になる悪影響を抑えている。作動中エンジンの推力ベクトルを機体質量の中心に近いところへ配置できるからだ。
  11. Su-27/30/35ファミリーにはTVCが装着されているが、各エンジンのノズルベクトルは一方向にしか機能しないにもかかわらず、ベクトル軸は外回りに回転する。そのためノズルの対称運動により縦ゆれピッチの力が発生し、各ノズルが均等かつ反対方向のヨー力を発生させる。仮に‘Su-35の「鐘」機動のようにハイアルファ減速のあとに180度方向転換をするような場合は、横揺れはフラペロンとエルロンで消す。T-50の空気取り入れ口は設計上で妥協している。確かに曲がっているが、曲線はエンジン全体を覆わず(F-22、F-35、ユーロファイタータイフーンはこれを実現)、そのためボーイング F/A-18E/Fスーパーホーネットと同様の‘放射状ブロッカーを搭載している。
  12. F-22の空気取り入れ口と異なり、T-50では可動部分が途中にあり、各ダクトに開閉口がついている。この結果、超音速飛行時にショックパターンが複数発生し、ロシア側はこれによりマッハ2飛行が効率よく行えると考えている。同時に貝形状の網状スクリーンが空気取り入れ口についており、分離スロットとあわせて異物のエンジン取り込みを防ぐ構造になっているのはSu-27ファミリーと同様。
  13. 機体構造設計での大きな課題は機体中央部全体で兵倉庫をタンデム配置する空間の確保だった。ロッキード・マーティンのF-22やF-35では兵倉庫は主翼より前の部分に配置となっている。一方でT-50の中央線構造は奥行きがとれず、ピーク時の主翼変形に耐える設計は困難が伴う。そこでT-50では中央面部分の構造を堅固にし、縦方向の支柱を二本ナセル外縁部と主翼中央面接合部に入れてある。この支柱を翼端におよぶ翼桁でつなぐ。(特許申請図面では翼桁が八本になっている) その結果、機体中央面にかかる曲げ荷重を分散させて中央線にかかるピーク荷重を減らすことができた。
  14. T-50の目標最高飛行速度はマッハ2程度と見られる。当初の目標はマッハ2.35だったが、その後2.1に下方修正され、また下がっているが、Su-35Sではマッハ2.25だ。この差の原因はT-50で複合材料をSu-35S以上に使用していることだ。Su-35Sでは重量がかさむチタンを大量に使用している。
  15. T-50が現在搭載するエンジンはイズデリエ117で、2011年時点の設計者取材ではSu-35Sが使用する117Sよりも高性能としていた。117SエンジンはAL-31エンジンの発展形といわれるが、117の推力重量比は10.1としている。
  16. ただし、サトゥルン社Saturnの常務イリア・フョードロフIlya Fyodorovは記者会見の席上で同社がT-50向け後継エンジンを開発中であることを認め(イズデリエ30型といわれる)、2020年に完成すると117エンジンの性能を書き換えるという。MAKS航空ショーで同機の搭載兵器の詳細があきらかになるかもしれないが、当初は現在利用可能な兵装を搭載するようだ。Tactical Missiles Corporation社の専務取締役ボリス・オブノソフ Boris Obnosov iは取材に答えて、T-50の兵装をいくつか明らかにし、既存のKh-35UE対艦ミサイル、Kh-38ME空対地兵器、RW-MD(R-73Eの改良型短距離空対空ミサイルで大型シーカーを搭載し飛行距離を30%拡大しているという)があるという。新型Kh-58UShKE長距離(射程245Km)というマッハ4級の対レーダーミサイルの開発は大きな意味を持ってくるだろう。同ミサイルは当初はMiG-25BMフォックスバットE用に開発されていた。
  17. ただしオブノソフはこれらは2014年と本人が見る就役開始時の装備品であると念を押している。T-50の機体内兵倉庫が搭載する兵器の情報が不足している。ただし、同機の兵倉庫は四つある模様で、空気取り入れ口外側のふたつにはRW-MDを一発ずつ搭載する。エンジンの間にあるタンデム配置兵倉庫は各二発搭載できるが、前方の兵倉庫が縦方向に余裕があり、Kh-58UShKEのような大型兵器を搭載し、後方の兵倉庫にR-77ファミリーの空対空ミサイルを格納するのだろう。

なお、同機の高機動飛行の様子は AviationWeek.com/video でご覧いただけます。