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★T-50の引き渡しは今年から開始、ただしインドとの対立が高まる



ロシアのPAK-FAことT-50新型戦闘機ですが思ったよりも開発に手間取っているようです。さらに同機を元に共同開発を目指していたインドがロシア技術に愛想をつかそうとしているようで、両国の関係は微妙です。米国がインドに接近していますが、防衛装備共同開発はローテク製品に当面限るようなので、インドは近代的な戦闘機の調達では苦労しそうですね。

Russia To Receive 5th Gen Fighters This Year

By Jaroslaw Adamowski3:58 p.m. EST February 9, 2015
t-50(Photo: DMITRY KOSTYUKOV, AFP/Getty Images)
ロシア空軍はT-50 PAK FA新型戦闘機の初号機を今年中に受領すべく準備中だが共同開発の相手先インドとの間で緊張が高まってきた。
  1. 技術上の不備から導入が遅れているのも事実だ。現地筋によればインド軍部から共同開発への不満が強いという。.
  2. 「インド・ロシア間の軍事協力の一大事業として華々しく宣伝され、インドは初期設計開発費用の名目で295百万ドルを支払ったものの、ロシアは設計データの公開を渋っており、インドでは同機の評判は芳しくない」と陸上戦闘研究センター(ニューデリー)の上級研究員モニカ・チャンソナMonika Chansoriaは説明する。
  3. T-50は第五世代戦闘機整備事業の土台となる機体で、インド空軍も導入することになっている。両国は2007年に共同開発で合意し、ロシアの国営ロソボロネキスポートとスホイ、インドの国営ヒンドゥスタンエアロノーティクスリミテドが初期設計開発協定に調印している。設計開発費用は総額で100億ドル超と試算されている。
  4. 一方でこれから配備される機体ではエイビオニクス一式を新しくし、電子航法と高性能フェイズドアレイレーダーを一体化していると国営ユナイテッド・エアクラフトが説明している。新機能によりパイロット負担を軽減し、リアルタイムでのデータ共有を編隊内でも可能になるという。この内容は現地通信社イタルタスが報道している。同機の製造現場はコムソモルスク・ナ・アムーレKomsomolsk-on-Amurにあり、最高速度1,516マイルだという。
  5. 「インドからの度重なる要求でロシアもついに試作機で技術実証飛行を2014年6月に実施したが、試験飛行の最後で発火し、ジューコスフキイ試験施設に着陸した』(チャンソリア) 「ロシアが事故情報の公開を拒んで問題を複雑にし、現地にはインド空軍の技術評価チームがいたが事故機に近づくことを許されなかった」
  6. T-50はロシア第四世代機スホイSu-27とミコヤンMiG-29両機の後継機で、F-22とF-35のライバルといわれる。ただし機材の納入は大幅に遅れている。
  7. チャンソリア研究員によれば「インド国内での議論の種」は「技術問題の多発で実戦化まであと10年も待たされるのか」という点だった。
  8. ユナイテッド・エアクラフトによれば2020年までにロシア空軍が受領するT-50は55機になる。
  9. 同機事業はロシア・インド間の軍事協力の本体部分として期待されていた。インドは今もロシアの主要軍事装備販売先である。これ以外にもBrahMos超音速巡航ミサイルの共同開発があり、NPOマシノストロエニア NPO Mashinostroeyenia,とインド国営国防研究開発機構Defence Research and Development Organisation.が関与している。
  10. 2013年までインドはロシアの武器輸出の38%を購入しており、インドの武器輸入の75%がロシア製だったとチャンソリアは指摘する。ただし、FGFA事業で提携がうまくいくかは今後の両国間協力で試金石になるという。「両国で相違点を解決の上、事業のスピードアップをはかっていかねば」とチャンソリアは語る。■


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