そう、アルゼンチンンは英国とフォークランド諸島の帰属をめぐりずっと対立関係にあり、中国が小規模とはいえ、新鋭戦闘攻撃機をアルゼンチンに供与することは英国の神経を逆なですることになります。アナロジーとしては尖閣諸島問題を中国は想起しているのでしょうか。今後の動向に注目ですね。
Argentina and China agree fighter aircraft working group
Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
05 February 2015
Argentina and China have formed a working group to look at introd中国はアルゼンチンと共同しアルゼンチン空軍 (Fuerza Aérea Argentina - FAA)への中国製戦闘機導入を検討する。
- 作業部会の立ち上げがアルゼンチン大統領クリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネルの訪中(2月2日-5日)で協議されており、譲渡対象は成都航空機 Chengdu Aircraft Corporation (CAC) のFC-1/JF-17あるいはJ-10が候補だ。アルゼンチンは14機の受領を期待しているが、具体的な日程は明らかでない。
- これまでアルゼンチンは旧式化進む戦闘機部隊の機材ダッソー・ミラージュIIIEA、IAIダガー、マクダネル・ダグラスA-4スカイホークの更新を求めてきた。
- これより前にロシアがスホイSu-24フェンサーをリース提供する働きかけをしていた。英国防省は各報道内容を深刻に受け止めており、フォークランド諸島防衛体制の検討を開始している。Su-24がFAAで実用化されるとは考えにくいが、同様の機材がアルゼンチンの手に入れば、長引くウクライナ紛争をめぐりロシアと英国の政治ゲームになる。
- 別の可能性としてはスペインの余剰ミラージュF1、イスラエル航空宇宙工業(IAI)のクフィール、サーブのグリペンE/Fの導入が考えられたが、各案は政治経済的な理由から頓挫している。グリペン案は同機のシステム多数を製造する英国が巧みに拒否権を行使し実施できなくなった。
- 中国製FC-1/JF-17は以前からFAAも選択肢に入れており、今回の両国合意で再度浮上したことに関心が集まる。ただし、J-10は以前は検討の対象外だった。
- J-10は2006年に登場し、ヨーロッパのカナード付各機と類似しているが、実はIAIのラヴィをもとに開発したとされ、ラヴィもロッキード・マーティンのF-16をモデルとしたといわれる。
- 同機は単座単発仕様で最高速度は、マッハ1.8、実用高度限界は55,000 ftで +9/-3 gで運用が可能、作戦行動半径は300カイリで、ペイロードは6.6トンを計11か所のハードポイントに搭載する。搭載可能な兵器にはPL-8 (Python 3) やPL-11、 PL-12; Vympel R-73、 R-77の空対空ミサイル、C-801またはC-802空対地ミサイル、YJ-8K対艦ミサイル、YJ-9対レーダーミサイルがあり、レーザー誘導爆弾あるいは通常型爆弾は6発を搭載できる。
- 機内には23㎜機関砲を搭載し、中国独自開発の赤外線レーザー航法目標捕捉ポッドも利用可能。
- 人民解放軍空軍(PLAAF)はJ-10を300機導入するとみられ、FAAも導入すれば相当の戦力アップにつながるだろう。■
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