ノースロップにとってT-38がそこそこに売れて派生型のF-5がさらに多く各国に採用された成功体験があるので、この案件はなんとしても取る、という覚悟があるのでしょうね。スコーピオンとならび、維持費のかからない画期的な機体が生まれるかもしれません。当面注目です。そうなると韓国T-50他は分が悪くなりますかね。ノースロップにとっても戦闘機製造技術の継承をかけた重要な案件であることはまちがいないでしょう。負ければ撤退ですからね。
Northrop Developing New Design for T-X
By Aaron Mehta10:20 a.m. EST February 6, 2015
(Photo: US Air Force)
ノースロップ・グラマンは米空軍向け次期練習機T-Xへ新型機案で入札することに決定した。同社はこれまでBAEホーク練習機を改修する案を提示すると見られていた。
実は米空軍がT-Xの要求性能を明らかにした2年前から設計開始していたと同社T-X事業を統括するマーク・リンズレー Marc Lindsley, Northrop's T-X program directorは言明。
同社はホーク案で準備していたが、新設計案で性能・価格両面を満足させられると判断したという。
同社は空軍に新方針をすでに連絡済だとリンズレーは述べ、方針転換は特定の要求内容のためではなくむしろ空軍からの情報をもとに判断したものと説明。
すでに新型機は組み立て中で、今年中に初飛行と見られる。ノースロップはこれ以上の日程観を言及していないが、6月のパリ航空ショーあるいは9月の空軍協会年次総会で新型機をお披露目するのは業界では普通だ。
T-Xは現行T-38練習機の後継機種として第五世代機をパイロット養成する高性能機となる。空軍は2016年第四四半期にRFPを公示し、正式契約を2017年秋に締結したいとする。
2016年度予算では研究開発予算11.4百万ドルが確保済みだ。2017年に12.2百万ドルに増額し、2018年は107.2百万ドル、19年は262.8百万ドル、2020年は275.9百万ドルと順次拡大していく。
ノースロップ発表前はT-Xに新設計機で臨むのはボーイング・サーブチームだけと見られていた。ロッキード・マーティンは韓国航空宇宙産業のT-50、ジェネラルダイナミクスはアレニア・アエルマッキのM-346を改修したT-100、テクストロン・エアランドはスコーピオン改修型で参入を狙うとみられ、競争は厳しい。
昨年夏時点でノースロップはホーク案参加企業を発表していた。リンズレーによれば新型機開発になってもチーム構成は変えないという。BAEとは訓練システムの導入を協議中だが、L-3も地上訓練システムを供給する。
リンズレーは「とりあえず」ジェネラルエレクトリックのエンジンを試作機に使うと発言したが、量産機では言及を避けた。
新設計機体で生まれる利点の一つが提携企業を追加だ。ノースロップはKUKAシステムズ(デトロイト)と2012年にホーク想定の生産ラインの設計を依頼している。KUKAはF-35のパームデール工場(カリフォーニア州)のラインを設計した実績がある。
「機体設計では製造効率も考慮しています。製造部門代表が設計技術陣に最初から混じっています。整備時のアクセスパネルなど最初から良いものをつくれるわけです」(リンズレー)
「新型機には新式の製造方法だけでなく将来の発展可能性も盛り込んで設計します。それは新型機が対象とする現行機材が50年にわたり飛行していることも関係します」T-Xも長期間就役の想定なら改修が簡単に出来る構造にしておく必要がある。
とくにスケイルドコンポジッツ Scaled Compositesが重要さにかけては最右翼の存在だ。ノースロップは同社を2007年に買収したが、スケイルドは迅速試作部門として半場別会社のように動いている。ノースロップ以外の会社向けの仕事もしている。ノースロップのT-Xはスケイルドのモハーベ工場(カリフォーニア州)で設計作業中だ。
「スケイルドが迅速試作、開発段階を準備してノースロップの工場能力と一体化されえます。両社の間でシナジー効果を引き出すのです」
T-Xの生産場所は未定だと同社は言うが、可能性は二箇所で、ともにノースロップのManufacturing Centers of Excellenceでひとつはセント・オーガスティン(フロリダ州)で、もうひとつはパームデールで、KUKA開発によるF-35組立ラインが据え付けられている場所だ。
その先の海外販売についてリンズレーは将来的には当然検討するが、当面の焦点はT-X落札だという。■
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