オバマ大統領が乗り込んでインドとの防衛協力の話をまとめてきましたが、実施がスムーズに行くか微妙なようです。その裏にはロシアの影があるということですね。
India, US Advance Strategic Relations
By Vivek Raghuvanshi5:54 p.m. EST January 28, 2015
NEW DELHI — インドは米国とインド国内で低性能兵器を共同生産する。10年間有効の防衛枠組合意がバラク・オバマ大統領のインド訪問で成立した。
- 合意内容は今後10年間で分野を特定しており、兵器共同生産は国防技術貿易事業 Defense Trade and Technology Initiative (DTTI)を通じ技術移転と平行して実施される。
- ただし、専門家、現役制服組ともに即座に高性能兵器の共同開発、共同生産が実施するとは見ておらず、両国は低レベル装備でDTTIが本当に機能するか、行政手続きが障害にならないかを確認すべきだという。
- 低機能兵器とはレイヴンUAVやC-130Jスーパーハーキュリーズ(インドは2008年に導入済み)の偵察用モジュールの生産とインド国防省筋は説明する。来月にはフランク・ケンドール国防副長官が訪印し、その後の共同事業対象兵器を検討するという。
- ただしインドとロシアの関係がこれで希薄になるか専門家でも意見がわかれる。
- 「防衛関連除けばロシアからインドに提供出来る内容はわずか」とカーネギー平和財団の上席研究員アシュレー・テリスAshley Tellis は指摘する。「対米関係は広範だが、ロシアは分野が偏っている。インドはロシア依存を脱しようとしている」
- ただしバラト・カーナド教授 Bharat Karnad (インド政策研究大学)によればロシアとの防衛分野の連携は安定しているという。
- 「米国との関係は願望にすぎないが、ロシアとのつながりは確固たる事実。対露関係を犠牲にしてまで政策を変更する理由はない。とくにロシアは今後もインドのパートナーでありつづけるので、各種高性能兵器開発は微妙な問題だ」
- 「米国との技術共有には米国内法の規制があり、一方でインド側に技術を咀嚼する問題も発生する。ということは実効性のあるのは低技術兵器だけだろう」と語るのは退役インド陸軍准将ラフル・ボンスル Rahul Bhonsle(現防衛アナリスト)だ。米印国防関係で共同開発・生産の実績はない。この点でインドはロシアやイスラエルと経験を積んでいるという。
- 「米印共同生産の動きは緩慢だろう。なんといっても米国国内が防衛産業の最大の市場。反対にインドはロシアには2番目の市場規模だ。この違いは大きい」(テリス)
- これに対しジャワハラル・ネルー大国際研究大学院のチンタマニ・マハパトラ教授Chintamani Mahapatraは「米国防衛産業がインドに進出すればロシアの比率は必然的に下がる。とはいえ、米国がロシアをそのまま代替するわけではない。インドは調達先の多角化を模索するだろう」
- 米国はインド向け制裁措置を2001年に解除して以来インドは90億ドル相当の兵器類を購入している。
- 「ロシアもオバマ大統領の歓迎ぶりを注視しているが、安全保障、国防分野でただちにロシアが地位を滑り落ちる懸念はない」とボンスルは言う。
- だがテリスは楽観的だ。「ロシアのこれまでの重要度は認めても、ロシアはなんといっても過去の象徴であり、米国が未来の姿を表していると見ている」■
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