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2025年11月9日日曜日

兵站で勝敗が決まったレイテ沖海戦が今日の海軍に伝えているもの(USNI Proceedings)―兵站を軽視した日本海軍と同じ轍を米海軍が繰り返さない保証はない

 The Saumico-class fleet oiler USS Tallulah (AO-50) refueling an unnamed destroyer in the western Pacific in 1944.

1944年、西太平洋で駆逐艦に給油するサウミコ級艦隊給油艦タララ(AO-50)米国海軍/国立公文書館

第二次世界大戦最大の海戦は、現代の海軍計画担当者や兵站担当者にとっても重要な教訓を提供している

スティーブ・スクレンカ海兵隊中将

2025年11月 プロシーディングス Vol. 151/11/1,473

軍はインド太平洋地域での将来の紛争の行方を左右しうる重大な脆弱性に直面している。部隊設計と統合近代化の取り組みにより戦闘能力は向上したものの、海軍・海兵隊・空軍は兵站システムに内在する構造的欠陥を是正できていない。この評価はウクライナのような紛争の可能性だけでなく、インド太平洋における海軍作戦というはるかに困難な任務にも当てはまる。戦域全体で補給課題に直面する海兵隊員と共に活動してきた海兵隊の兵站担当者としての経験から述べよう:兵站は今でも海軍・海軍兵站・空軍の作戦上のアキレス腱である。

兵站の欠陥は海軍だけの問題ではない。全軍種の参謀長が日常的に認めている事実だ。ウクライナ戦争から学ぶだけでは不十分だ。インド太平洋における作戦を遂行するために必要な兵站体制を構築するには、過去からの教訓が求められる。1944年10月のレイテ沖海戦は、将来同様の規模の作戦において分散型航空・海上作戦を展開しながら、米軍が如何に自己維持能力を備えるべきかを示している。

レイテ沖への道

マリアナ諸島作戦や後のペリリュー島は海兵隊員に広く知られているが、フィリピン海海戦と台湾海戦の作戦的効果こそが、大日本帝国の最終的な崩壊に決定的な役割を果たした。マリアナでの勝利が、日本本土を攻撃可能な射程を持つ米軍爆撃機の前方展開を可能にした。そしてフィリピン海海戦で日本海軍航空部隊がほぼ壊滅したことで、日本は現代の作戦計画者が言うところの情報・監視・偵察(ISR)、精密打撃の能力とともに作戦到達範囲を失った。米国にとって最も重要だったのは、フィリピン海と台湾での勝利が戦略的選択肢を生み出し、敵の選択肢を消滅させたことだ。

最も重要な選択肢はフィリピンへの早期攻撃と占領であり、これにより日本はオランダ領東インドからの石油供給を断ち切られた。レイテ沖で第一陽動作戦部隊(主力)を指揮した栗田健男中将は「フィリピンを占領されれば帝国の燃料供給は全て断ち切れる。燃料供給が断たれれば、帝国南方の全戦域での戦争は終結せざるを得ない」と指摘している。1 戦後、連合艦隊司令長官の豊田副武中将も同様の見解を示し、フィリピンが陥落しオランダ領東インドと日本を結ぶ海上交通路(SLOC)が断たれれば、艦隊は石油不足により無力化されると述べた。2

豊田提督は板挟みの苦境に立たされていた。空母航空戦力による保護や情報偵察(ISR)なしに水上戦を挑めば、珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦、東部ソロモン海戦、サンタクルーズ海戦の教訓から見て、確実に敗北する選択となる。3 一方で総力戦を避け海上交通路を守らなければ、艦隊は弾薬が次第に枯渇する沿岸防衛部隊と化す。豊田は戦闘を選択した。具体的には、予想される連合軍のフィリピン侵攻を阻止し、海上交通路を保護するためである。しかし航空機、搭乗員、航空燃料の極端な不足により、侵攻の時期と場所を特定するための偵察が不十分だった。戦闘を選択することは、戦略的成功の見込みもなく艦隊が壊滅するリスクを伴った。せいぜい、米軍の日本本土への進撃を一時的に妨害し遅延させる程度だった。

During the Battle of the Sibuyan Sea, one of the four main actions of the Battle of Leyte Gulf, the Imperial Japanese Navy battleship Musashi was hit by multiple bombs and torpedoes delivered by aircraft from U.S. Navy Task Force 38 and eventually sunk.

レイテ沖海戦の四大戦闘の一つであるシブヤン海戦において、日本海軍の戦艦「武蔵」は米海軍第38任務部隊の航空機による爆弾と魚雷の集中攻撃を受け、最終的に撃沈された。米国海軍/国立公文書館

1944年夏までに、日本の兵站上の課題は克服不可能なものとなっていた。燃料と給油艦の不足により、艦隊の海上給油能力は低下し、行動範囲は2,500海里に制限された。4 さらに悪いことに、1944年5月から9月にかけて、米軍の潜水艦と空母航空隊が日本海軍の艦隊給油艦18隻を撃沈し、日本海軍の行動の自由をさらに阻害した。5 これら給油艦損失に加え、9月前半には日本は全種類の商船127隻を米軍の攻撃で失った。6 明らかに「兵站が連合艦隊の戦闘時期・場所・方法を決定した」のである。7

同時に米軍は、拡大を続ける航空優勢と同様の海上兵站優位を享受していた。無抵抗の上陸後、海軍建設大隊はウリシ環礁を第三艦隊の前進兵站基地へと変貌させた。この停泊地から100隻以上の補給船団(第30任務群)が活動した。常に9隻以上の給油艦と、同数の弾薬補給艦を擁していた。これにより、連合艦隊が追随できないペースでの持続的作戦が可能となった。これらの給油艦は、第38任務部隊(TF38)の近くに位置しながらも、日本陸上の航空機の射程外に配置され、空母任務部隊に絶え間なく燃料を補給した。米空母機動部隊は平均3~5日ごとに給油を受け、補給能力によって作戦上・戦略上の判断が制限されることは全くなかった。8 こうした状況は、米軍の戦闘力優位が圧倒的であり、些細な戦術的失敗、指揮官の判断ミス、一時的な状況認識の欠如さえも克服できる「システム的な緩衝装置」を形成していたことを意味する。米軍の兵站は最終的な戦略的成功を保証し、指揮官が計画において大胆でありながらもより高いリスクを受け入れることを可能にした。

この歴史は、現代の海軍が直面する課題と機会を明らかにしている。日本海軍の兵站での失敗は戒めとなる教訓を提供し、レイテ沖海戦における米軍の成功は現代の計画立案者にとって青写真となる。七つの重要な教訓が浮かび上がり、いずれも西太平洋における潜在的な戦闘の課題に直接適用可能だ。

教訓1:インド太平洋における将来の紛争で兵站が決定的要因となる。後方支援は、インド太平洋における統合軍と海軍部隊がいつ、どこで、どのように戦うかを決定する可能性がある。元米太平洋陸軍司令官チャールズ・フリン将軍もこれに同意し、物資の前方展開や内陸補給線の構築など、戦域整備に注力した。海兵隊も同様の活動に取り組んでおり、海上・陸上への物資の前方展開を含むグローバル・ポジショニング・ネットワーク(GPN)の近代化を進めている。GPNは、空中給油機へのアクセスを含むサプライチェーンのあらゆるリンクが断絶・混乱しても部隊を持続できるネットワーク化された補給網を構築することで、1944年に海軍が享受した衝撃吸収機能を再現しようとするものだ。

この網を構築するには、新たな無人航空・水上・水中システムと、分散化された配置が必要となる。これにより、ウリシ島で実施されたような「鉄の山」の再構築衝動は抑制される。追加的な鉄の山構築は戦略的・作戦的に不適切であり、既に過剰な状態にある。陸上・海上・海底の備蓄を包含するGPNは、艦隊及び統合部隊に戦略的選択肢を提供する。航空戦力の即応態勢を創出し維持し、敵指揮官に混乱をもたらす。海兵隊のGPN活動と、陸軍の戦域設定努力が相まって、敵が米海軍部隊の戦闘方法や戦闘地域を特定できない状態を保証する。


ヘンリー・J・カイザー級航行補給艦USNSユーコン(T-AO-202)が2023年、珊瑚海で補給作戦を実施中。1944年と同様、補給艦は海上における海軍水上戦闘艦や空母の補給線であり、その総合的な攻撃力の重要な要素だ。米海軍(チェイス・スティーブンス)

教訓2:米軍の戦闘航空機部隊に空中・陸上・海上を問わず給油手段を確保しなければならない。

豊田と栗田は、給油が戦力投射と作戦行動範囲に不可欠だと理解していた。米国は多数の空中給油機を保有しているが、敵の防空網がそれらを脅かし、支援対象の航空機と同時行動が困難である——これは2025年度予算審議で議員らが指摘した懸念事項だ。空軍と海軍は長年、空母搭載型MQ-25A スティングレイ無人給油機などの解決策を開発してきたが、導入は遅れており、必要な規模にも達していない。

海軍と空軍の取り組みに加え、海兵隊は遠征型前線基地作戦(EABO)の一環として、遠征型前方武装・給油拠点(FARP)の実験を長年行ってきた。海兵隊のEABが持つ攻撃・偵察能力は将来の紛争で重要となるが、FARPとして機能する能力の方がより重要かもしれない。これらの取り組みは総じて、より迅速に進めなければならない。

教訓3: 海上での再装填・再武装が不可欠となる。 

2024年10月、カルロス・デル・トロ元海軍長官は、USNS ワシントン・チェンバーズ(T-AKE-11)からUSSチョシン(CG-65)への25フィート垂直発射システム用ミサイル・キャニスターの概念実証移送・再装填を「海軍の戦い方を変革するもの」と称賛した。この能力は拡大され、艦隊全体で広く利用可能にされねばならない。このような海上での再装填能力は、1944年に第三艦隊に絶え間ない弾薬供給を行った第30.8任務群の現代版となり、同様の作戦的・戦略的優位性の源泉となるだろう。巡洋艦や駆逐艦を日本、グアム、あるいはハワイにまで戻して再装填する必要性を排除すれば、戦闘艦隊に相当数の艦艇を追加配備したのと同じ効果が得られ、「戦場に投入できる戦力を増やす」ことになる。10

教訓4: 洋上兵站は戦闘能力の維持・強化を可能にする

レイテ沖海戦において、米軍は16隻の艦隊空母・軽空母、18隻の護衛空母、1,500機の艦載機を擁していたが、おそらく最も圧倒的な優位性は、継続的な作戦行動と機動の自由を可能にした兵站支援にあった。残念ながら、過去数十年にわたり給油艦や弾薬補給艦の必要性は軽視され、艦隊規模や戦力構成に関する議論の大半は戦闘艦の戦闘力に重点が置かれてきた。幸い、現在の上級指揮官らは『ジョン・ルイス』級補給艦など支援艦がもたらす戦闘上の優位性を理解し、その建造予算増額を継続して主張している。政権と海軍が艦隊増強を推進する中、革新的な無人ソリューションを含む兵站は艦隊設計の基盤でなければならない。支援艦は軍事力投射と分散型海上作戦を実現する。それらは戦闘力を生み出すシステムの一部なのだ。

第二次世界大戦における海軍兵站の教訓は、1950年代のヘンリー・エクルズ少将の古典的著作にまとめられており、今もなお重要だ。エクルズは兵站準備態勢を「戦闘指揮官に配属された部隊を完全な戦闘能力で、戦闘作戦を開始し、展開し、その後も維持する能力」と定義した。11 彼は暗黙のうちに、全ての必須任務が戦闘環境下、すなわち激しく争われる空間で遂行されねばならないと想定していた。現代の艦隊海兵部隊が高度な緊急事態に対応できる能力は、全ての外部兵站依存関係とネットワークが準備されていることに依存する。紛争初日の航空機・艦艇・大隊の戦備態勢は、兵站システムがそれを維持する準備が整っていなければ、すぐに無意味な指標となる。

遠征後方支援群の貨物取扱要員が、米海軍補給艦ゴーファー・ステート(T-ACS-4)から駆逐艦ファラガット(DDG-99)へ垂直発射システム(VLS)キャニスターを移送する様子。駆逐艦や巡洋艦のVLSセルを海上において再装填・再装填する能力は、海戦において極めて重要である。米海軍(ソザエ・ビクターマイルズ)

教訓5:艦船の生存性は、それが投入される戦術体系によって決まる

艦種や機体の生存性そのものを問うのは無意味だ。日本海軍の巡洋艦「愛宕」と戦艦「武蔵」は、1944年でも2024年の基準で見て極めて高い殺傷力と生存性を有していた。愛宕は魚雷4発で沈没し、武蔵は魚雷19発と爆弾17発を被弾し沈んだ。これらの艦艇を破滅に追いやったのは、殺傷力や構造的生存性、防御兵器の不足ではなく、戦闘哨戒、状況認識、制空権を含む大規模な支援システムの欠如であった。米海軍はシステム破壊戦術によってこれらの要素を無力化していた。

中国軍がシステム対抗・システム破壊戦を重視するはるか以前から、米海軍は日本海軍を破壊する体系的な作戦を展開していた。米軍関係者の多くは、艦艇や海軍戦力の生存性や有効性を決定づけるのは、単なる固有の属性ではなく、それが属する総合システムであるという教訓を忘れている。2023年から24年にかけて紅海に展開したドワイト・D・アイゼンハワー空母打撃群の艦艇と航空機の行動を考えてみるといい。12 航空機、駆逐艦、空母本体、高度な情報・通信能力、そしてそれを支える兵站から成るシステムこそが、アイクの生存性と殺傷力を可能にしたのだ。したがって、強襲揚陸艦、艦隊給油艦、中型揚陸艦、さらには空母の生存性を疑問視する批判は、艦艇の総合的な生存性にとってより重要な、制空権、対潜戦、領域認識、シグネチャ管理といったより大きな問題を理解していない。これらの特性は米軍の基地・施設ネットワークにも同様に適用される。

教訓6: 作戦設計と戦略は、戦術的交戦よりも重要だ。

レイテ沖海戦前の米軍・同盟軍の連係行動は、日本海軍をジレンマに陥れた。日本側は戦闘を受け入れて壊滅するか、不作為で最終的な敗北を選ぶかの二者択一を迫られた。インド太平洋地域での潜在的紛争を想定する米軍指導部は、敵を同様のジレンマに追い込み、勝利への道筋を断つための作戦設計に取り組まねばならない。この1944年の教訓を応用し、今日の海軍と海兵隊は中国とその海軍が非自国の天然資源、特に海洋を横断する資源へのアクセスを阻止しなければならない。海軍と海兵隊は主要な海上補給路(SLOC)を制圧・保持・遮断する能力を拡大すべきだ。作戦上・戦略上の弱点を突くこと、敵の意思決定サイクルを複雑化させることこそが機動戦と優れた設計の本質である。

教訓7:あらゆる前提を疑え。その寿命や持続期間がどれほど長くとも。

レイテ島における日米両軍の行動は、長年にわたる戦闘の集大成であった。状況の変化に応じ、前提は検証され、確認され、再評価された。レイモンド・スプルーアンス提督が述べたように、「1943年夏に中部太平洋作戦の計画を開始した時、我々が占領を望む地域の地理的特性が南太平洋と大きく異なることは明らかだった。…この地理的条件は、艦隊の兵站支援が…主に海上で行わねばならないことを意味していた」13

The USS Langley (CVL-27) and two destroyers refuel at sea on 13 November 1944 during the Philippines campaign. Logistics was the key enabler of the overall campaign to retake the Philippines and cut off the Japanese home islands from resupply.

1944年11月13日、フィリピン作戦中の空母ラングレー(CVL-27)と駆逐艦2隻が海上給油を行う。フィリピン奪還と日本本土の補給遮断を目的とした作戦全体において、兵站は重要な推進力であった。国立公文書館

海軍と海兵隊が現代の戦力を運用・維持する方法に関する多くの前提条件は、冷戦後の米国の単極時代——すでに終焉を迎えた時代——に構築されたものだ。残念ながら、戦力投射と作戦持続の概念は、いかなる戦域への無制限なアクセスがますます困難になっているという現実に、まだ完全に適応していない。F-35のような高度な航空プラットフォームを含む重要システムの維持は、整備要員と部品を移動させる能力に依存している。計画担当者は、状況や環境の変化、敵対勢力の能力向上により、請負業者による航空整備・兵站への依存といった従来の想定が無効化された事実を受け入れねばならない。

ウクライナ戦争と紅海紛争は戦争の様相変化を示したが、現代の紛争から得られる教訓が、米国が太平洋の広大な海域を隔てて対等な敵と戦った前回の教訓を覆い隠してはならない。それらの教訓は継続的に再検証され、現在の戦闘能力開発と近代化努力に応用されねばならない。第二次世界大戦において最も決定的な海戦はレイテ沖海戦であり、この戦いは兵站によって戦い、最終的に勝利した。将来インド太平洋地域で発生する大規模な海戦においても、同様のことが言えるだろう。

1. C. ヴァン・ウッドワード著『レイテ沖海戦:第二次世界大戦最大の海戦の驚異の記録』(ニューヨーク:スカイホース出版、2007年)、20頁。

2. マーク・E・スティル著『レイテ沖:世界最大の海戦の新たな歴史』(オックスフォード:オスプレイ出版、2023年)、47頁。

3. 珊瑚海海戦は1942年5月、ミッドウェー海戦は同年6月、東部ソロモン海戦は同年8月、サンタクルーズ諸島海戦は同年10月に発生した。これら四つの海戦はいずれも空母同士の主要な交戦を伴った。

4. グアムとハワイの間は3,326海里、東京とシンガポールの間は2,889海里である。

5. スティル『レイテ湾』97頁。

6. スティル101頁。

7. スティル253頁。

8. スティル85-86頁。

9. フリン将軍のコメントは、2023年10月及び12月のCSIS戦略的陸上戦力対話で参照のこと。

10. ギジェット・フエンテス「海軍、海上での軍艦再装填・再武装試験に初成功」『USNIニュース』2024年10月15日。

11. ヘンリー・E・エクルズ海軍少将「国防における兵站」『海軍戦争大学レビュー』第12巻第9号(1959年11月)。

12. アイゼンハワー打撃群の展開に関する公開情報によれば、同打撃群は少なくとも100発のフーシ派ミサイル及びドローンを撃破したとされる。

13. ウォラル・リード・カーター海軍少将(退役)、『豆と弾丸と黒い油:第二次世界大戦中の太平洋艦隊海上兵站物語』(ワシントンD.C.:海軍省、1953年)、viii頁。


When Logistics Decided Victory: The Battle of Leyte Gulf

The largest naval battle of World War II offers key lessons for today’s naval planners and logisticians.

https://www.usni.org/magazines/proceedings/2025/november/when-logistics-decided-victory-battle-leyte-gulf


By Lieutenant General Steve Sklenka, U.S. Marine Corps

November 2025 Proceedings Vol. 151/11/1,473


2025年5月12日月曜日

水面上を低空で輸送するシーグライダー登場(The War Zone)

 

ージェント

この記事は民間航空を扱うターミナル1、軍用航空のターミナル2共通記事です


太平洋での将来の戦いを見据える米海兵隊は兵員・物資を迅速かつ効率的に移動させる手段を求めている


兵隊は、太平洋での将来の戦いに備え、兵員や貨物を迅速かつ静かに輸送し、その他の重要な機能を提供するヴァイスロイ・シーグライダーViceroy Seagliderの投入可能性を調査している。 ロードアイランド州に本社を置くリージェントREGENT*が開発中の同機は、12個の電気モーターを搭載し、バッテリー動力だ。乗客12名または3,500ポンドの貨物を運ぶ設計で、海面を素早く滑走しながら、敵センサーを回避できる。 ハイドロフォイル(水中翼)で浮遊し、水面では地上効果で効率的に航行する。 滑走路を必要としないため、インフラの少ない遠隔地へのアクセスも可能だ。


*同社には日本航空、ヤマト運輸、MOL Switch、エイチ・アイ・エスが戦略的インベスターとして名を連ねています


 ワシントンD.C.で開催された "Modern Day Marine "シンポジウム会場で、海兵隊戦闘研究所(MCWL)のプロジェクト・マネージャー、マシュー・コッチは、「激戦地でのロジスティクス用に検討している」と語った。同機は偵察、潜入、脱出、特殊作戦任務、死傷者・医療搬送、 「UH-1ヘリコプターに代わる」任務をこなすことも想定されていおり、それ以外にも発展する可能性がある」と付け加えた。

 コッチの所属する組織は、海兵隊の戦闘開発統合(CD&I)司令部の一部門で、将来の要件に役立つ能力について上層部に助言する任務を負っている。


 

リージェントのヴァイスロイ・シーグライダーのレンダリング。 リージェント・ジュリアン・ウォルターズ

 ヴァイスロイには利点が数点ある、と彼は説明する。航空会社やフェリー会社が早くも高い関心を寄せているデュアルユース技術であることが鍵だと、コッチは本誌に指摘した。リージェントの政府関係・防衛担当副社長トム・ハントリーは、ヴァイスロイが2027年に商業運航を開始すると語った。

 「商業技術を活用することで、手頃な価格のものを手に入れることができる」とコッチは述べ、産業界に能力のニーズを提示し、解決策を待ってきた長いプロセスを回避できると付け加えた。

 「軍事用途のために軍や商業分野で現在利用可能なものを活用し、必要に応じて変更します。「今のところ500万ドルから700万ドルの機体価格帯を考えています。同機は、高速で低シグネチャの輸送を、費用対効果の高い価格帯で提供できるはずです」。

 リージェントのミッション・アシュアランス・マネージャー、クリスティン・ペダーセンは、ハイドロフォイリング翼搭載型(WIG)のヴァイスロイが「現在、海上試験中です」と語った。

試験中のリージェント・ヴァイスロイ。 

水上試験中のリージェント・ヴァイスロイ。

水面に下ろされるヴァイスロイ。 リージェント

 WIGは、翼が生み出す揚力の恩恵を受けながら、船舶に見られる抗力を受けないため、より高速で効率的な移動が可能になる。

「当社のシーグライダーは、フロート、フォイル、フライという3つの段階で輸送します。 「海上試験もそれを反映した段階的なものとなります」とペダーセンは語った。

 ヴァイスロイは、初夏に水中翼船の機能テストを受け、夏の終わりまでに飛行テストを受ける予定だと彼女は付け加えた。

 本誌が以前指摘したように、WIGのコンセプトは以前からあるが、大規模な応用を狙った以前の試みは、軍事用途では限定的な成功しか生んでいない。

 以前の記事より 「ロシア語ではエクラノプランと呼ばれ、現在ではWIG設計の総称として広く使われている。 近年、ロシアで軍用エクラノプランを復活させようとする努力が行われているが、今のところ運用可能なタイプは生まれていない」。

下は、ソ連が完成させた唯一の巡航ミサイル搭載型プロジェクト903ルン級エクラノプレーンが、2020年にカスピ海で展示される計画の一環として移動される様子を撮影したものだ。

 高速での海上滑走飛行には、地表のさまざまな物体に衝突するリスクや、高い波が押し寄せるリスクなどの課題がある。 コッチは、ヴァイスロイはそうした懸念のいくつかに対処していると語った。「ハイドロフォイルは、シーグライダーを実現する重要な技術です。 「従来型の水上機や翼つきの船は、海面状態への対応で限界がありました。「水中翼船は、波から5フィート(約15メートル)上にいることが前提です。「シーグライダーは多数のセンサーシステムを使用し、オペレーターにソリューションの統合を提供し、状況認識を高め、危険識別を提供します」と、リージェントのスポークスマン、カースティン・サリヤーは本誌に語った。「三重冗長自動車両制御システムで、高速/低速制御入力をナビゲートすることを可能にします」。

 ハイドロフォイルが展開されると、ヴァイスロイは12ノットで浮遊した状態から45ノットまでスピードアップし、地面効果モードで離陸するように設計されている、とコッチは説明した。空中に浮かぶと、最高速度は180ノットに達する。シー・ステイト3プラスで離水し、シー・ステイト5で着水が可能、とペデルセンは付け加えた。この2つのシー・ステートは、それぞれ風速7~10ノット、17~21ノット、波の高さ2~3フィート、5~8フィートだ。

 ヴァイスロイのデザインにはもうひとつ利点がある、とコッチは言う。「非常に興味深い特徴的な特性」だ、と彼は言う。船舶ではないため、航跡が非常に少なく、敵センサーから見えにくくなる。電気モーターは熱シグネチャーが少ない。さらに、ヴァイスロイは水面から約30フィート上空を飛行するように設計のため、レーダー探知範囲より下でソナー探知範囲の上空を飛行することができるという。

 現在の構成では、ヴァイスロイの航続距離は約180マイルだが、将来的には、ハイブリッド電気パワープラントを搭載することで、1,000マイル近い航続が可能になる。 同機は、C-17含む大型貨物機で輸送できる設計で、あらゆる電力源から再充電できるため、燃料に依存しない運用が実現する。 これは、燃料配給が逼迫する太平洋地域では大きな利点となるだろう。

 米国沿岸警備隊はプロトタイプの航行安全リスクアセスメントを承認しており、リージェントがナラガンセット湾とロードアイランド海峡で人間を乗せてテストすることが可能となった、と同社は述べている。

 シーグライダーのコンセプトは、敵の兵器システムに対する脆弱性を抑えつつ、広大な水域を迅速に兵員や貨物を輸送する課題を解決するために、米軍が検討しているいくつかのWIG手段のひとつである。

 今週初めに述べたように、国防高等研究計画局(DARPA)はリバティリフターXプレーンプログラムを実施している。その中心的な目標は、WIG効果の原理を採用した空飛ぶ輸送機の設計を生み出すことである。 

リバティリフター(オーロラ・フライト・サイエンシズ)

 海兵隊はこのコンセプトに低コストで賭けている。3月、リージェントは1000万ドルの契約を獲得し、「実物大プロトタイプで複数の軍事デモンストレーションを実施し、将来の要件に役立てる」とコッチは語った。これは2023年に締結ずみのヴァイスロイの技術的実現可能性を実証する475万ドルの契約に続くものだ。

 同機が海兵隊の武器庫に入るには、まだ長い道のりがある。 しかし、MCWLがこのコンセプトに時間と資金を投じたという事実は、このコンセプトへの関心度を示している。■


Seaglider Aims To Deliver Small Groups Of Marines Low Over The Waves

Eyeing a future fight in the Pacific, the USMC is seeking craft that can swiftly and efficiently move small loads of troops and materiel to austere locales.

Howard Altman

Published May 3, 2025 1:52 PM EDT

https://www.twz.com/sea/seaglider-aims-to-deliver-small-groups-of-marines-low-over-the-waves

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフ・ライター

ハワードはThe War Zoneのシニア・スタッフ・ライターで、Military Timesの元シニア・マネージング・エディター。 それ以前はTampa Bay Timesのシニアライターとして軍事問題を担当。 Yahoo News、RealClearDefense、Air Force Timesなど様々な出版物に寄稿。


2025年2月3日月曜日

米海軍、海兵隊、DARPA、USSOCOMの水上機に関する進捗状況の最新情報(Naval News)―太平洋戦線の「距離の暴政」に対応する輸送能力の確保は大きな課題で輸送艦の建造では間に合わないのでこういう発想がでてきたのでしょう

 Progress Update on U.S. Navy, Marines, DARPA, and USSOCOM Seaplanes

オーロラ・フライト・サイエンシズによる「リバティ・リフター」翼付き地上効果水上機プログラムのコンセプト。 グラフィック:DARPA



2024年秋、本誌は、米海軍、海兵隊、DARPA、特殊作戦軍に対し、水上機プログラムの進捗状況に関する最新情報を問い合わせた。回答を得るまで数か月を要したが、米国の軍事機関は本誌に以下の情報を回答した


年にわたり、本誌は、水上での機動性を高める必要性から、水上で離着陸が可能な新型水上機の導入を目指す米国の取り組みを追ってきた。

 中国はすでに世界最大の水陸両用飛行艇を実用化しており、これは民生用であるものの、軍事利用も可能だ。

 米軍の水陸両用飛行艇の利点は明らかであり、現在、世界には日本の新明和US-2やカナダのCL-415などの水陸両用飛行艇がある。日本とカナダの水上機は、兵員や戦闘用ゴムボート(CRRC)を輸送することは可能だが、水陸両用車、ジェットスキー、小型ボート、または大型貨物を収容できるほど大きくはない。理論的には、米海軍が各機を必要とする可能性もある。

 本誌は、これらの水上機の構想やプログラムについて、以前にも取り上げています。

  • MC-130Jフロートプレーン(米国特殊作戦軍(USSOCOM)

  • REGENTシーグライダー(米海兵隊のプログラム

  • 「リバティ・リフター」(国防高等研究計画局(DARPA)

  • 米海軍の水上機プログラム


米国特殊作戦軍MC-130Jフロートプレーン

 米国特殊作戦軍(USSOCOM)のMC-130J「コマンドーII」フロートプレーンのコンセプトは、最もシンプルなアイデアの1つであるように思える。既存のロッキードMC-130J軍用ターボプロップ輸送機にポンツーンを取り付け、水上に浮くようにする。ポンツーン式着陸装置により、MC-130Jは理論上、海岸や滑走路に自力で乗り入れることができる。水上飛行機型には利点がある一方で、設計上の欠点もある。

 2024年10月23日、米特殊作戦軍(USSOCOM)の広報担当は次のようにコメントした。

「過去数年にわたり、米特殊作戦軍は産業界のパートナーと協力し、MC-130J水陸両用能力(MAC)のような先進的な探査エンジニアリングプロジェクトを含め、新技術を運用化する方法に関するデータ主導型のモデルを開発してきました。これは、必要に応じてさらに追求できる能力ですが、他の近代化優先事項に投資するため、当面は取り組みを中断しています。USSOOCOMは、米軍兵士と統合軍の要件をサポートする最善の方法を継続的に検討し、模索しています」。ティモシー・ブロンダー大佐、米太平洋軍固定翼航空プログラム担当プログラム執行責任者


MC-130Jフロートプレーンに関するコメント

Naval Newsは、戦略国際問題研究所(CSIS)の防衛・安全保障部門シニアアドバイザーであるマーク・カンシャンにコメントを求めた。カンシャン氏は2024年12月に電子メールで次のように回答した。「海軍が世界的な飛行場ネットワークを利用できるようになり、水上機は米国の在庫から姿を消した。水上での離着陸に伴うペナルティは、もはや支払う価値がないと判断されたのです。これは今でもほぼ真実です。しかし、3つの任務が、ニッチな能力として水上機を復活させるかもしれません。海兵隊の分散型作戦、長距離の海・空からの救助、特殊部隊の投入です。海兵隊は、沿岸部での分散型作戦を計画しており、そのための後方支援体制の構築に苦慮しています。水上機は、その解決策の一端を担うかもしれません。海軍は、大国間の競争において、1945年以来直面することのなかったような、艦船の大量損失の可能性に直面しています。最後に、SOCOMは、小型ボートやパラシュートよりも、より大規模で装備の整った部隊を長距離にわたって投入する方法を求めている。しかし、そのような航空機が在庫に加わったとしても、他の航空機がより効率的に、より幅広い気象条件下でほとんどの任務を遂行できるため、その数は限定的なものになるだろう。

 米国が、日本の新明和US-2のようなすぐに利用可能な水上機を調達しない理由を尋ねられたカンシアンは、「良い答えは持ち合わせていません。DARPAは、短期的なシステムよりも技術開発に興味を持っているのかもしれません。しかし、海兵隊はすぐにでも何かが必要なのです。C-130Jフロート機は既存のプラットフォームを使用できるという利点がありますが、このシステムは衰退しているようです…」

 ヘリテージ財団のアリソン国防安全保障センターで海軍戦術および先進技術のシニア研究員を務めるブレント・サドラーは、米特殊作戦軍が日本の新明和US-2の購入を見送った理由について次のように述べた。「私の理解では、少なくともUS-2の生産数は限られており、米国の購入による追加需要には対応に時間がかかる可能性がある」

米海兵隊のREGENTシーグライダー

Progress Update on U.S. Navy, Marines, DARPA, and USSOCOM SeaplanesREGENT Seagliderは、12人の海兵隊員と2人の乗組員を輸送できる全電気推進プロペラ式ハイドロフォイル水上飛行機です。画像:REGENT

米国海兵隊(USMC)は、補給物資の再供給任務にREGENT Seagliderを導入する計画であり、2023年10月18日に海兵隊員にSeagliderを実演するために475万ドルの契約を締結した。

REGENT社によると、シーグライダーは、水上翼船で、翼を接地させた状態で航行する水上機だ。シーグライダーは、沿岸域における高速、低コスト、低被探知性、滑走路不要の機動性という米国防総省の認識されているギャップに対応し、兵員および貨物輸送、遠征先での前進基地運用、通信など、さまざまな任務を遂行する。REGENT社のViceroyシーグライダーは、12人の乗客または3500ポンドのペイロードを搭載でき、1回の充電で最大180マイルの航続が可能。

 本誌は、米海兵隊のシーグライダー・プログラムの現状について問い合わせたところ、2024年11月15日に、コミュニケーション戦略・運用、戦闘開発・統合の広報担当者から次のような回答を得た。

「海兵隊戦闘研究所(MCWL)は現在、ウィング・イン・グラウンド(WIG)効果を利用して高速の海上後方支援輸送を実現する海上プロトタイプの予備調査を実施しています。WIG船は、国際海事機関(IMO)が定めた規則や規制により、航空機ではなく船舶として認定される一方で、高速(100ノット以上)を実現するという独自の能力を備えています。MCWLは現在、WIGグランドエフェクトでのみ運用可能で、航空機としての二重認証を受けていないタイプAのWIG航空機のみを検討しています。水上飛行機は航空機プラットフォームに分類され、WIG車両は船舶に分類されます」。 

 24会計年度にMCWLは、REGENTとその他の取引契約(OTA)を締結し、国防および商業用途の両方に向けて開発中の同社の全電気式ハイドロフォイル「シーグライダー」のさらなる調査を行った。約500万ドルの契約で、沿岸地域における医療搬送と補給のための革新的なソリューションを提供するために、ハイドロフォイル付きのシーグライダーの試験を行う予定だ。このプログラムの目標は、船体、フォイル、翼搭載の各動作モードにおけるシーグライダーの能力を検証し、リスク低減と船舶レベルの認証要件を明らかにし、機動および輸送作業を含む軍事作戦における車両の潜在的可能性を理解することにある。実物大のプロトタイプの技術デモンストレーションは、2025年度に実施される予定だ。

 MCWLは現在、軍事補給用の水上機を調査していないが、水上機は歴史上の紛争において非常に重要な役割を果たしており、今後も調査対象として有力な技術であり続けるだろう。


米海兵隊戦闘開発統合部隊の広報担当、2024年11月

DARPAの「リバティ・リフター」ウィング・イン・グラウンド・エフェクト貨物水上機

Naval Newsは、国防高等研究計画局(DARPA)の「リバティ・リフター」について、こちらで取り上げた。本誌は2022年6月に、「「リバティ・リフター」のDARPA Xプレーン要件の1つは、総重量67,500ポンド(30,617キログラム)または33.75トンである米海兵隊の装甲水陸両用戦闘車両(ACV)2台を輸送することである」と述べていた。 「リバティ・リフター」が2台のACVを運搬するの要件により、車両の貨物重量は合計で約67.5トンとなる。この運搬重量は、DARPAのWIG貨物機が当初評価した100トン超よりも小さいものの、C-17の貨物重量約72.6トン(16万ポンド)とほぼ同じだ。

 本誌は「Liberty Lifter」の最新情報を得るためにDARPAに問い合わせ、DARPAから回答があった。2024年10月10日、DARPAの「Liberty Lifter」プログラムマネージャーであるクリストファー・ケント博士は、以下の回答を寄せた。

Naval News:米国防総省および国防高等研究計画局(DARPA)は、水上飛行機の導入を真剣に検討しているのでしょうか?その理由は何ですか?

DARPA:「国防総省が現在および近い将来に抱える任務を考慮すると、水上飛行機が適している任務は数多くあります。 沿岸地域における人員および物資の高速輸送、捜索救助などがその例です。

 DARPAの観点から言えば、この技術の実証と実用化に真剣に取り組んでいる。リバティ・リフターは、潜在的な費用対効果の高い生産と実用化を実現する技術を活用し、C-130型機程度のXプレーンを設計、製造、浮揚、飛行させるための戦略的投資を行っている。

 リバティ・リフターのような長距離、滑走路、港湾インフラに依存しない装備品は、紛争が発生した場合の太平洋沿岸での作戦を成功させるために不可欠だ。西太平洋の多くの島々では、遠隔地であること、滑走路がないこと、港湾がないことなどから、従来の物流支援はほぼ不可能だ。たとえ適した港湾があっても、時間的制約のある環境では、太平洋を越えて物資を輸送するのにかかる時間は容認できない。

 リバティ・リフターの大きな貨物積載能力と柔軟な運用性は、人道支援/災害救援ミッションや海上での多数の負傷者への対応に最適な設計となっています。現在、迅速に現場に到着し、広大な海洋で多数の人員を救助できるプラットフォームは存在しない。

Naval News: 2024年秋時点で、水上飛行機に対する資金提供やプログラム要件はありますか? ある場合、その理由は何ですか?

DARPA: 「DARPAリバティ・リフターのデモンストレーション・プログラムは、完了まで資金提供されます。実際のプログラム要件については、この役割はDARPAにはありませんが、DARPAは国防総省の関係者と協力し、潜在的な水上飛行機のプログラム・オブ・レコード(記録)に必要なミッションのニーズと能力を定義するための研究を行っています。DARPAの見解では、リバティー・リフターをベースとしたプラットフォームは、海上での多数の死傷者への対応、人員回収、遠征環境における後方支援、滑走路に依存しない航空機など、国防総省の複数の能力ギャップに対処する可能性を秘めています。

Naval News:新型水上機に関して、DARPAや他の軍部隊で進展はありましたか?

DARPA:「DARPAは、詳細設計と実証計画を含む、2015会計年度におけるプログラムの次のフェーズへの移行を目標としています。

Naval News: 日本の新明和US-2のような外国製水上機を購入しないのはなぜですか?

DARPA:「US-2のような既存の水上機は、海上での捜索救助能力をある程度提供できるギャップフィラーとして役立つ可能性がある。しかし、航続距離、貨物搭載能力、取得および運用コストにおける現在の水上機の限界は、リバティー・リフターのような大型で、目的に特化したプラットフォームによって対処できる、重大な課題である。

Naval News: DARPAの新型水上飛行機はいつごろ就役し、どのような形態になるのでしょうか?

DARPA: 「DARPAの『リバティー・リフター』Xプレーン実証機は、2029会計年度に飛行する予定です。DARPAの実証プログラムが完了した後、Xプレーンは後続の実証プログラム用に軍に提供されます。デモンストレーションキャンペーンが成功すれば、リバティ・リフターのコンセプトの軍事的有用性を評価することが可能となり、リバティ・リフター・プログラムから得られた教訓は、国防総省の要件開発と、潜在的な後続のプログラム・オブ・レコード(記録上のプログラム)のための取得戦略に役立つでしょう。


米海軍の水上機プログラム

水上機に関する多くの宣伝やプログラムがあるが、表向きには、顧客は米海軍となる。Naval Newsは、水上機のプログラムに関する最新情報を得るために米海軍に問い合わせた。海軍航空システム司令部(NAVAIR)にメールで問い合わせたところ、2024年9月16日、米海軍のNAVAIR報道官は電話で「水上機の要件はない」と述べた。これは、米海軍が水上機のプログラムに積極的に関与していないことを意味する。

 ヘリテージ財団の上級研究員であるブレント・サドラーは、2024年12月9日付の『Naval News』に対し、水上機について次のように述べている。

「水上機に関する考えをいくつか述べたい。

1. 紛争や自然災害により、遠隔地や損傷した飛行場へのアクセスが困難な場合、水上機は現代の軍や沿岸警備隊にとって価値ある選択肢となる。

2. 環境やコストの問題により、小規模な島嶼コミュニティを世界貿易や危機対応に接続することが困難な場合、水上飛行機は理想的な選択肢となる。

3. 日本はさまざまな用途で水上飛行機を運用しており、私は横須賀を拠点とする第7艦隊の少尉およびスタッフとして、その多くを直接目にした。米国は、まず太平洋諸島で、そして太平洋諸島の中でこの能力を活用するために投資すべき時が来た。


Progress Update on U.S. Navy, Marines, DARPA, and USSOCOM Seaplanes

Peter Ong  14 Jan 2025

https://www.navalnews.com/event-news/sna-2025/2025/01/progress-update-on-u-s-navy-marines-darpa-and-ussocom-seaplanes/