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ホームズ教授の視点:レプリケーター構想は対中戦略で有望。米国は同盟各国へも働きかけをすべき。(日本も対応を迫られそう)

  Breaking Defense キ ャスリーン・ヒックス国防副長官は先月、「レプリケーター」構想を発表し、国防評論家陣を騒然とさせた。「レプリケーター」とは、「小型で、スマートで、安価な」無人自律型空中・水上・水中装備を、今後2年以内に1000台単位で実戦配備する構想だ。 その目的は、中国の優位性を相殺することにある。筆者はこの理論に拍手を送りたい。分散戦の極致となる。 レプリケーターが重要な理由  イニシアチブの監督者がこのような理由で名付けたかどうかは疑問だが、「レプリケーター」と呼ぶことで、ドローンの駆逐を急ぐあまり科学的手法を短絡的に使わないよう、常に戒める必要がある。複製づくりは科学的方法の魂である。科学哲学者のカール・ポパーは、反復の重要性を証言している。実験を繰り返し、毎回同じ結果を得ることで、仮説が普遍的な法則に昇華することはできないとポパーは指摘する。 ある仮説を永久に証明することは不可能であるため、ポパーは、実験者はその仮説を「反証(falsify)」するため最善の努力を払うべきだと主張する。実験者が最大限の努力を払ったにもかかわらず、ある命題の反証に何度も失敗すれば、その命題は、反証なされない限り、また反証されるまで、暫定的に存続する。そして、その命題が反証を覆すまで修正するか、あるいは破棄するのである。幸いなことに、乗員のいない航空機や艦船を実戦配備し、作戦上・戦術上の効果を発揮させることは、工学的な問題だ。仮説を工学に落とし込み、プロトタイプを作り、現場でテストし、何度も何度も予測通りに機能すれば、それは改竄に耐えたことになる。 テストには厳密さが要求される 兵器システムも仮説である。そうであるならば、科学技術関係者は、ハードウェアの実際の性能はもちろんのこと、レプリケーターの根底にあるコンセプトを改ざんするために、真摯で断固とした努力を払うべきである。もしかしたら、この無人機ファミリーは設計通りに機能するかもしれないし、修正が必要になるかもしれない。今、それを見極めるのがベストだ。だからこそ、「イージス艦の父」ウェイン・マイヤー少将は、少し作り、少しテストし、多くを学ぶことを信条とした。マイヤーは科学的方法を実践した。イージス艦戦闘システムは、40年経った今でも海軍戦の金字塔であり、マイヤーの知恵を裏付けている。 マイヤーとポパーが

米航空戦力コンセプトの大きな変化:マルチロール無人機を一斉大量投入する新しいアプローチ

  (U.S. Air Force Photo by: Master Sgt. Jeremy Lock) (Released)  そ う遠くない将来、アメリカの航空戦力は、少数の高性能な乗員付き機材から、数百万ドルのマルチロールUCAV(無人戦闘機)まで、圧倒的な無人システムへ劇的に変化するだろう。  国防総省内では、何千機もの無人機を迅速に実戦配備する新たな構想が進行中であり、アメリカは今、数の優勢で平和を実現した第二次世界大戦時の方法論に戻ろうとしている。そのため米国防当局は、一般的にSFと見られてきたものの限界を押し広げ、戦争遂行能力を、急速に進歩し、AI化ロボットに委ねようとしている。  キャスリーン・ヒックス国防副長官は今月初め、国防総省の「レプリケーター構想」を発表した。この構想は、今後2年以内に、空、陸、海で活動する「数千台」の低コスト無人機を実戦投入するのが目標だが、驚くべきことに、追加資金を要求していない。レプリケーターは、新しいプログラムというよりも、新しい哲学と考えた方がいいかもしれない。調達努力の新しい優先順位を、米空軍が長い間 「手頃な質量」と呼んできたものへと導く。  「レプリケーターは新しいプログラムではない」とヒックスは説明する。「新たに官僚機構を作るわけでもないし、(2024年度に)新たな資金を要求するわけでもない。すべての問題に新たな資金が必要なわけではありません」。  このコンセプトは、最新鋭戦闘機と一緒に戦闘を行える非常に高性能なCCA(Collaborative Combat Aircraft)、つまりAIを搭載した無人機を開発し、実戦投入する空軍の最近の取り組みと密接に関係しているように思えるが、フランク・ケンドール空軍長官は、CCAはレプリケーター構想の一部ではないとすぐに指摘した。  レプリケーターが、それぞれ数年の賞味期限しかない安価なドローンを大量に実戦投入することを目指しているのに対し、CCAプログラムは、モジュール式ペイロードと少なくともある程度のステルス性を備えた極めて高性能なUCAVの実戦投入を目指しているためなのはほぼ間違いない。言い換えれば、CCAプログラムはレプリケーターよりはるかに高価なプラットフォームの実用化を目指している。しかし、双方の取り組みに共通しているのは、マンパワーからの脱却だ。  実際