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アラスカで寒冷地試験中のM10ブッカー(The War Zone)―地球温暖化を受けて北極圏があらたな武力衝突の舞台として注目されています。M10は「軽戦車」とされますが、10式と同じ重量なんですね

     U.S. Army (U.S. Army) アラスカで行われた軽戦車M10の試運転は、米国が北極圏での戦闘能力を研ぎ澄まそうとする中で行われた 北 極圏での将来の戦闘を視野に入れ、陸軍はアラスカのフォート・グリーリーで、M10ブッカー戦闘車を一連の寒冷地試験に投入している。 試験は、米軍が戦略的重要性を増す北極圏での戦闘能力を高めようとしているときに実施されている。 陸軍の次世代地上車両クロスファンクショナル・チームの広報担当者であるアシュリー・ジョンは、「主に信頼性テスト、走行性能、システム、極寒地での発砲テストを行っている」と語った。グリーリーでの寒冷地試験は、ブッカーの試験計画が2022会計年度に承認された際に規定されていた。  グリーリーでの試験がいつ終了するのか、寒冷地での性能はどうなのか、車両を使用する兵士がどう考えているのかは不明だ。本誌は陸軍に問い合わせており、詳細が明らかになれば、この記事を更新する。 ブッカーは、アフガニスタンとイラクでの20年にわたる反乱鎮圧作戦の後に陸軍が認識した能力ギャップを埋めるべく、機動防護火力(MPF)プログラムとして設計された。当時は、M-1エイブラムス主力戦車とブラッドレーやストライカーのような装甲車とのギャップを埋める軽戦車のような車両の必要性はほとんどなかった。ストライカー機動砲システムの改良型には105mm砲が搭載されていたが、年代物の大砲とオートローダーに問題があったため、陸軍は2021年にこれを中止した。そのプラットフォームはまた、ブッカーよりはるかに防御力が低く、車輪走行方式のため不整地の移動ができなかった。  MTU 8v199 TE-22、800馬力のディーゼルエンジンとアリソン・トランスミッションを搭載したブッカーは、最高時速約40マイルで走行できる。105mm主砲を装備するが、120mm砲を装備するエイブラムスの火力はない。また、ブッカーを保護装甲もそれほど厚くはない。しかし、必要な燃料ははるかに少なく、後方支援もはるかに小さくなり、装甲、掩体壕、要塞を破壊できるパンチ力を発揮できる。おそらくもっと重要なのは、空輸で遠隔地に到着することも含め、エイブラムスよりはるかに速く戦場に到着できることだ。これは、有事の際に北極圏を防衛する上で非常に重要である。  米議...

ロシア戦闘機が米軍機の前に乱暴な操縦で挑発―アラスカの防衛増強は喫緊の課題だ(The War Zone)

     NORAD A NORAD F-16 intercepts a Russian Il-38 in the Alaska Air Defense Identification Zone in September 2024 under Operation Noble Eagle. NORAD employs a layered defense network of satellites, ground-based and airborne radars and fighter aircraft in seamless interoperability to detect and track aircraft and inform appropriate actions. NORAD remains ready to employ a number of response options in defense of North America. NORAD Alaskan NORAD Region/Alaskan Com A NORAD F-16 intercepts a Russian Tu-142 Bear-F in the Alaska Air Defense Identificati on Zone in September 2024 under Operation Noble Eagle. NORAD employs a layered defense network of satellites, ground-based and airborne radars and fighter aircraft in seamless interoperability to detect and track aircraft and inform appropriate actions. NORAD remains ready to employ a number of response options in defense of North America. NORAD Alaskan NORAD Region/Alaskan Com ロシアのSu-35がアラスカ沖の超至近距離でアメリカのF-16に「頭突き」した映像が公開され...

アラスカのF-16アグレッサー飛行隊が防空部隊になったユニークな理由(F-22、ロシア)

  The War Zoneの記事です。この記事の読み方としてアラスカ方面でのロシアなど潜在的国の動きが像介していること、ラプターが肝心なときに役立たないこと、アグレッサー部隊専任にしたままにする余裕がなくなっていることなど米空軍を取り巻く動きが色々読み込めます。 U.S. Air Force F-16 Fighting Falcons from Eielson Air Force Base, fly in formation over the Joint Pacific Alaska Range Complex on July 18, 2019. The JPARC is a 67,000 plus square mile area, providing a realistic training environment commanders leverage for full spectrum engagements, ranging from individual skills to complex, large-scale joint engagements. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. James Richardson) 第18アグレッサー飛行隊は第18戦闘機迎撃飛行隊になった ア ラスカ州フェアバンクス近郊のアイルソン基地を拠点とする第18アグレッサー飛行隊(AGRS)が、第18戦闘機迎撃飛行隊(FIS)に名称変更した。これは大きな変更であり、冷戦終結直後以来、米空軍飛行隊にFISの呼称がついたは初めてのことである。この変更は、北極圏と太平洋の両方で変容する安全保障状況と、この地域における米空軍の優先順位を強調している。 同飛行隊と関連する整備飛行隊での変更に関する空軍のリリースには、次のようにある: 「第354戦闘航空団は、2024年2月2日、アラスカ州アイルソン空軍基地において、第18攻撃飛行隊を第18戦闘機迎撃飛行隊に、第354航空機整備飛行隊を第18戦闘機生成飛行隊(FGS)に再指定した。 この再指定で、第18FISと第18FGSは、アラスカ作戦地域における国土防衛任務のため航空宇宙管制を提供する主要な戦闘任務のため組織、訓練、装備を整えることができる」。 防空に特化した部隊名のFISの名称は、ア...

速報 アラスカ沖で「気球」撃墜。F-22が一週間でいきなりキルを2つに増やした。

  USAF アラスカ沖の米国領空内で新たな高高度事件が発生した 詳 細はまだ不明だが、米空軍のF-22ラプターがアラスカ沖の米領海上空を比較的高く飛行する「物体」を撃墜した。これが一体何なのか、誰のものなのかは不明だが、米国とカナダの領空を何日も通過していた中国の監視気球をF-22が撃墜して1週間もたたないうちに、今回の事態になった。 国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、本日の記者会見で、東部標準時午後1時45分頃に発生した新たな撃墜事件を初めて明らかにした。ペンタゴン報道官のパトリック・ライダー米空軍准将は、その後の記者会見で追加情報を提供した。いずれも物体の具体的な詳細の説明はなかったが、高度約40,000フィートを飛行し、民間機航行に危険を及ぼす可能性があったと述べた。慎重を期して墜落させたという。 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は2月9日にこの物体を最初に探知し、地上レーダーで追跡していた。その後、戦闘機が現場に向かい、正体を確認しようとした。NSCのカービー報道官は、物体が比較的小さく、速度が遅いこと、最初の迎撃が暗闇で行われたことで、情報が限られていると述べた。 物体がどこで撃墜され、残骸がどこに落下したかは、まだ明らかになっていない。カービーによると、事件はカナダ国境に近いアラスカ北東部で起こったという。残骸は海氷の上に乗っており、現在、分析のため回収作業が行われている。 また、この物体は容易に操縦できるものではなく、大型積載量があるようにも見えないという。ライダーは、その物体は「小型車くらいの大きさ」であると言った。これは、2月4日にサウスカロライナ州沖で撃墜された中国のスパイ気球について、これまでに判明した詳細と全く対照的だ。前回の気球は、小型旅客機の大きさと数千ポンドの重さの積載物を持ち、操縦能力を持ち、高度6万から7万フィートで飛行していたと言われる。 中国の監視用気球とその下に渡された太陽電池式ペイロードの様子。Tyler Schlitt Photography / LiveStormChasers.com 今回の物体が、長年にわたり世界各地で行われてきたとされる中国の高高度気球監視プログラム関連の気球なのかは、まだ不明である。同時に、これまでほぼ無視されてきた物体に、新たに注目が集まっている。 先週、米国政府が中国の...

地球温暖化でアラスカの地政学的意義に注目

ア ラスカがニュースに出る頻度が増えている。ほぼ毎日のように北米空域に向かうロシア爆撃機に米空軍戦闘機がスクランブル出撃している。太平洋地区で初のF-35共用打撃戦闘機飛行隊はアラスカのイールソン空軍基地で今春運用開始した。サウスダコタからB-1Bランサーがベーリング海ヘ飛びカムチャツカ半島をかすめる経路をとり、日本領空まで超長距離飛行した。その他事例もあり、実ににぎやかな状態だ。 空軍は一連の動きをペンタゴンの目指す「動的戦力展開」“ dynamic force employment ” モデルの一環とし、通常は本国近くにある部隊を予想を超えた頻度で遠隔地に派遣する構想で、米軍が大規模戦力を遠隔地点へ展開する能力を有するのを敵想定国に示す意味がある。平時の戦略競合は他のドメインでも展開している。情報、サイバー、経済の各分野だ。 戦略競合関係とは軍事力で相対的な強み弱みを会話するようなものだ。双方が戦略的に優位だと示し、有事には勝てないと他方に信じ込ませようとする。パンデミックが一段落し競合が復活する中、戦略競合は相手を動揺させる言葉の応酬に似ている。 アラスカは太平洋と北極海の交わる一等地であり、超大国間の言葉の応酬の舞台となっている。その手段が空軍力と海軍力である。そのためこの地区の重要性が増している。 地政学者ニコラス・スピクマンが指摘するのは地政学上の地域区分が地理上の区分けと異なることだ。地理はほぼ固定しているが地政学では時に応じ変化し、競合国の衰亡に左右される。北極海方面では物理面政治面で同時進行で変化している点で他と異なる。地球物理上で文字通り姿を変えつつある。米海軍の海洋学予測では温暖化で毎年数週間だけ新しい海上航路が生まれその後再び氷結すると見ていた。北方水路はロシア沿岸に2025年まで毎年6週間にわたり通航可能となるというのが海軍の予測だ。北西通路がカナダ北方からアラスカ沿岸に伸び、通行可能となるのは間欠的だ。驚くべき変化は年間二三週間だけだが北極点を通る北極横断通路があらわれることだ。 海上交通で新しい可能性が生まれると経済面軍事面で意味がある。気温上昇の経済効果はすぐ現れる。北極海を経由すれば東アジアと西欧で所要日数が4割短くなる。海上移動の費用が減ればサプライチェーン全体に朗報だ。ロシアにとって...