USAF
アラスカ沖の米国領空内で新たな高高度事件が発生した
詳細はまだ不明だが、米空軍のF-22ラプターがアラスカ沖の米領海上空を比較的高く飛行する「物体」を撃墜した。これが一体何なのか、誰のものなのかは不明だが、米国とカナダの領空を何日も通過していた中国の監視気球をF-22が撃墜して1週間もたたないうちに、今回の事態になった。
国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、本日の記者会見で、東部標準時午後1時45分頃に発生した新たな撃墜事件を初めて明らかにした。ペンタゴン報道官のパトリック・ライダー米空軍准将は、その後の記者会見で追加情報を提供した。いずれも物体の具体的な詳細の説明はなかったが、高度約40,000フィートを飛行し、民間機航行に危険を及ぼす可能性があったと述べた。慎重を期して墜落させたという。
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は2月9日にこの物体を最初に探知し、地上レーダーで追跡していた。その後、戦闘機が現場に向かい、正体を確認しようとした。NSCのカービー報道官は、物体が比較的小さく、速度が遅いこと、最初の迎撃が暗闇で行われたことで、情報が限られていると述べた。
物体がどこで撃墜され、残骸がどこに落下したかは、まだ明らかになっていない。カービーによると、事件はカナダ国境に近いアラスカ北東部で起こったという。残骸は海氷の上に乗っており、現在、分析のため回収作業が行われている。
また、この物体は容易に操縦できるものではなく、大型積載量があるようにも見えないという。ライダーは、その物体は「小型車くらいの大きさ」であると言った。これは、2月4日にサウスカロライナ州沖で撃墜された中国のスパイ気球について、これまでに判明した詳細と全く対照的だ。前回の気球は、小型旅客機の大きさと数千ポンドの重さの積載物を持ち、操縦能力を持ち、高度6万から7万フィートで飛行していたと言われる。
中国の監視用気球とその下に渡された太陽電池式ペイロードの様子。Tyler Schlitt Photography / LiveStormChasers.com
今回の物体が、長年にわたり世界各地で行われてきたとされる中国の高高度気球監視プログラム関連の気球なのかは、まだ不明である。同時に、これまでほぼ無視されてきた物体に、新たに注目が集まっている。
先週、米国政府が中国の監視用気球を公開したことで、未確認飛行物体(UFO)とも呼ばれる、いわゆる未確認航空現象(UAP)の少なくとも一部の目撃情報がこれで説明できるのではとの疑問が沸き起こっている。バイデン政権は、中国の監視気球が最初にアラスカ上空の米国領空に入ったときに撃墜しなかったことを含め、対応が批判され続けている。
「アラスカ人として、とても腹立たしい。他の言葉を使いたい」。アラスカ出身の共和党上院議員リサ・マーコウスキーは、昨日行われた事件に関する機密ブリーフィング後、記者団に次のように語った。「中国への明確なメッセージに思えます。アラスカで自由に使えるようになった」という明確なメッセージが込められているようだ。
新しい物体を撃墜する決定は、こうした事件での新方針の反映だという可能性が非常に高い。
更新: 5:09 EST:
ライダー報道官がエルメンドルフ空軍基地からF-22ラプター2機が、高度約4万フィートで物体に接近し、1機がAIM-9Xミサイルを発射して破壊したと、記者団に金曜日午後1時45分(EST)に語った。
国防長官ロイド・オースティンは中国側と連絡を取っていないとライダー報道官は述べたが、大統領が先週、中国のスパイ気球の横断を許可して以来、高まっている政治的圧力に反応したとの主張には同意していない。
「それぞれのメリットを見て判断する」と彼は言った。「現時点では、操縦可能であることを示すものはなかった」と述べた。
カービー報道官によると、物体の正体を見るために、米軍機の飛行が少なくとも2回あったという。ライダー報道官によると、パイロットの観測で、物体は無人と判断された。
ライダー報道官は、撃墜前に物体を妨害する努力があったのかについては言及を避けた。
高高度での対気球、対物体能力の必要性を国防総省が再評価しているのかとの質問に、ライダー報道官は、もっと多くのことが判明していると答えた。
「物体を識別し追跡するプログラムについて、多くを学び続けている」とし、米国は「我が国の空を守り続けるため(投資し)確保する」と付け加えた。
ライダー報道官は、先週の気球の侵入で学んだ教訓がこの物体の追跡に役立ったことのかを説明するのは、「リンゴとオレンジのちがいのようなもの」だと言った。
「NORAD/NORTHCOMは追跡する能力を維持している。「物体が米国領空に接近し、進入した段階で追跡していた。繰り返すが、同物体の正体を評価中である。この結果から何か新しいことがわかったかは言えないが、メディアや一般市民含め、全員が気球に非常に敏感になっていると思う」と述べた。
ライダー報道官は、「NORADとNORTHCOMは、敵対的な意図や行動がない場合は、物体を破壊する権限が必ずしあるわけではない」と述べた。「しかし、物体が、民間航空交通に脅威を与える高度で飛行していたため、長官と大統領と協議し、大統領は我々の助言を受け入れ、撃墜命令を出した」と述べた。
カービー報道官は、物体が米国上空に出現して間もない段階で撃墜されたことは、米国の方針転換を意味するものではないとした。「2つの事件から、何らかの政策が導き出されることはないだろう」「大統領は常に米国民と国際安全保障の利益のため行動する。先週は、米国本土の上空を意図的に飛行した偵察機について話していた。今日のケースでは、...高度は飛行客、民間航空交通の安全に対する潜在的脅威だった」。
更新: 6:10 EST:
米連邦航空局のNOTAM(Notice to Air Missions)システムによると、アラスカ北東部沿岸の空域で一時飛行制限(TFR)が実施されている。対象地域は、主要な油田があるデッドホースとプルドー湾の北西部。また、2007年まで米空軍が運用して現在は使われていないBullen Point Air Force Station付近でもある。
今回のTFRは、米国東部時間午後2時30分頃、つまり撃墜の45分後から実施されている。
現在実施されているTFRに関連するNOTAMの全文は以下のとおりです。
現在、CH-47チヌーク含む多数の米軍固定翼機およびヘリコプターが復旧作業を支援している。ネット上では、3機のCH-47が現地に向かっているように見える写真が公開されている。
HC-130ハーキュリーズやHH-60ヘリコプターも回収作業を支援している。■
F-22 Shoots Down “Object” Flying High Over Alaskan Waters (Updated)
BYHOWARD ALTMAN, JOSEPH TREVITHICK|UPDATED FEB 10, 2023 6:10 PM
https://www.thedrive.com/the-war-zone/f-22-shoots-down-new-object-flying-high-over-alaskan-waters
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。