スキップしてメイン コンテンツに移動

ボーイングはF/A-18生産を2025年に終了の見込み。ただし、次の手は打ってある模様。

 


Boeing To End F/A-18 Super Hornet Production In Two Years

USN


ボーイングは、海外販売があればスーパーホーネットの生産は2年延長可能というが....




ーイングは、新型F/A-18E/Fスーパーホーネットの生産は2025年に終了する見込みだとしている。しかし、2年後にも不特定の「国際顧客」向けにスーパーホーネットを製造する可能性を残している。これはインド海軍との契約の可能性を指している可能性が非常に高い。いずれにせよ、同社は10年以内に新しいF/A-18E/Fの製造を停止する見込みだ。


 同社は本日発表したプレスリリースで、セントルイス施設内にあるF/A-18E/Fの生産ラインを閉鎖するスケジュールを発表した。現状では、スーパーホーネットの注文残は米海軍向けのみである。これらの機体は、電子戦派生機であるEA-18Gグローラーと同様に、現在米海軍とオーストラリア空軍にのみ就役している。


 クウェートもF/A-18E/Fを運用することが決まっているが、同国での就役時期はまだ明らかにならない。米国の有償海外軍事援助(FMS)のプロセスの一環として、ボーイングは2021年にクウェート受注分として機体を米国海軍に引き渡した。しかし、クウェート空軍への最終的な移転は、将来の本拠地であるアハメド・アル・ジャベール空軍基地の拡張作業の遅れにより、一部は保留されている。


 ボーイングが2025年に製造が終了した場合、何機のスーパーホーネットを製造することになるかは、すぐには明らかにならない。ボーイングのプレスリリースによると、1983年以来、スーパーホーネットとグラウラー、旧式のF/A-18A/B/C/Dホーネットを世界中の顧客に2000機以上納入しているが、その内訳は明らかにされていない。1995年に初飛行したスーパーホーネットは、初代ホーネットの派生機で、前任機から大幅に大型化されている。


超大型空母USSニミッツの甲板には、米海軍のF/A-18Eが並ぶ。背景に発艦するF/A-18Fが見える。USN


 海軍に関し、Defense Newsが2025年までに、「予算文書では30年間で合計698機のスーパーホーネットを購入することになる」と報じていた。しかし、2023年度予算案によると、2022年3月時点で、単座のF/A-18Eを310機、2座のF/A-18Fを246機、EA-18Gを161機保有しているとある。Defense News記事にある海軍のジェット機の総数には、長年にわたる事故による消耗に加えて、技術的には購入したものの、クウェートなど他国向けグラウラーやスーパーホーネットが含まれている可能性がある。


 RAAFは現在、24機のF/A-18Fと12機のEA-18Gを保有している。クウェート空軍向けに待機しているのは、F/A-18Eが22機、F/A-18Fが6機である。


 ボーイングのプレスリリースでは、「スーパーホーネットが海外顧客に選ばれれば、生産は2027年まで延長される可能性がある」とある。現時点では、スーパーホーネットの購入を検討していると知られている潜在顧客はインドだけだ。


 F/A-18E/Fは、インド海軍が26機の新型空母艦載戦闘機を契約するために、フランスのダッソー・ラファールMと競合している。また、スーパーホーネットは、長らく難航していたインド空軍の戦闘機入札のオプションに提案されており、数十機の戦闘機の納入につながる可能性がある。インド空軍は近年、表向きは暫定的な解決策として、ダッソー・ラファール陸上型を導入している。その結果、ラファールMがインド海軍契約で最有力候補になったという未確認の噂がある。


 もちろん、今後2年の間に別の外国顧客が現れる可能性もある。同時に、ボーイングは2019年にThe War Zoneに対し、スーパーホーネットの購入候補国として積極的に働きかけているのは、カナダ、フィンランド、ドイツ、インド、ポーランド、スイスと述べていた。インドの将来の戦闘機計画は依然不透明だが、ここに挙げた他の国々はすべて、その後、ロッキード・マーティンF-35A統合打撃戦闘機を購入すると決定した。


 F-35A以外にも、米国で生産されている戦闘機では、ボーイングのF-15ファミリー、ロッキード・マーチンのF-16バイパーのブロック70/72がスーパーホーネットと激しい競争を繰り広げている。また、フランスのラファールや欧州のユーロファイター・タイフーンなど、海外との競争もある。ロシアも戦闘機の主要生産国であることに変わりはないが、ウクライナ戦争で厳しい国際制裁を受けている。中国も戦闘機輸出の機会をうかがっている。


サウジアラビアで行われた「Spears of Victory 2023」演習で、現在の国際戦闘機事情を一枚の写真に映し出した興味深い映像がある。写っているのは、各国のF-16とユーロファイター・タイフーン、そして先頭のサウジのF-15イーグル、上から2番目は同国の老朽化した旋回翼戦闘機パナビア・トーネード。下から2番目にパキスタンの中国製2人乗り戦闘機JF-17Bが見える Government of Saudi Arabia



 ボーイングの計画は、アメリカの国会議員の介入で変わる可能性もある。米海軍のF/A-18E/Fの過去2回の発注では、議員たちが動いた。海軍は、過去10年間に何度も新型スーパーホーネット購入を止めようとして失敗しており、ちょうど前回の予算サイクルでもそうだった。


 しかし、これらの要因を考慮すれば、ボーイングがF/A-18E/Fの生産を終了し、次のステップに進むことを検討しているのは必ずしも驚くべきことではない。今日のプレスリリースで、同社はすでにセントルイス工場の資源を再編成させ、スーパーホーネット製造を中止した後も同工場での作業を拡大するとある。


 「ボーイング・セントルイスは、世界初の全デジタル訓練機「T-7Aレッドホーク」と世界初の空母配備型自律給油機「MQ-25スティングレイ」の生産を拡大し、新型F-15EXイーグルIIと777X翼部品の継続生産も行います」と、プレスリリースは伝えている。


 この生産終了の決定により、ボーイングは「次世代の高度な有人・無人航空機の開発」を強化することができ、セントルイスに3つの新しい最先端施設を建設する予定と続けている。「新施設は、アリゾナ州の新しい先進複合材製造センター、ミッドアメリカ・セントルイス空港の新しいMQ-25製造施設と同様に、10億ドル以上の投資となります」。


 「防衛製品とサービスの需要に応えるため、ボーイングはセントルイス拠点で今後5年間、前年比の雇用を続ける予定です」とリリースは付け加えている。「昨年はがこの地域で900人以上を採用しました」。


 ボーイングのセントルイス工場とスーパーホーネットの関係は、生産ライン閉鎖で完全に終わるわけでもない。海軍は、既存のスーパーホーネット数百機を大規模なオーバーホールとアップグレードプログラムで寿命を延ばし、先進のブロックIII規格に引き上げると決定している。EA-18GのBlock IIアップグレードプログラムも進行中だ。

 これは、ボーイングがこれまで公にしたものに過ぎない。他にも、ボーイングが参加する可能性のある主要な軍事計画が控えている。例えば米海軍は、次世代航空優勢(NGAD)プログラムとして、将来の第6世代有人戦闘機の取得を計画しており、これは空軍の同名のプログラムとは別だ。ボーイングは間違いなく、その取り組みの一翼を担うことに関心を持っている。


 海軍と空軍は、無搭乗戦闘機(UCAV)を含む無搭乗機を大幅に拡大する検討をしている。ボーイングは、先進的な無人戦闘機に関して豊富かつ先駆けの実績があるものの、最近まで大きな成果を上げることはできていなかった。しかし、MQ-25計画で、海軍無人機の未来への基礎が築かれつつある。ボーイングが中心的な役割を果たす可能性が非常に高く、すでにかなりの程度、中心的な役割を担っている。


 また、ボーイングオーストラリア法人では、先進的なステルス無人機「MQ-28 Ghost Bat」の開発を進めている。同機はもともとRAA向けに開発されたもので、有人機との共同運用として採用されることを期待しています。米空軍も現在、テスト作業を支援するため少なくとも1機を取得している。


An MQ-28 Ghost Bat. Boeing Australia


 英国海軍の開発責任者ジェームズ・パーキン少将Rear Admiral James Parkinは、今週ロンドンで開催された国際軍用ヘリコプター会議で、MQ-28の空母搭載型バリエーションまたは派生型の大型プレゼンテーションの構想図を示した。ボーイングは、これが会社の公式レンダリングであるとThe War Zoneに確認したが、追加情報の提供はなかった。

「将来にむけた戦闘機の実現は当社のDNAである」とスティーブ・ノードランドSteve Nordlundボーイング航空優勢部門副社長は、今日の声明で述べている。「次世代の能力を開発するために投資するとき、私たちはF/A-18を40年近くにわたってアメリカ海軍と世界中の空軍の主力にしたのと同じ革新と専門知識を適用します」。

 全体として、ボーイングは、スーパーホーネットの生産ラインが数年以内に終了すると明確に予想しているようで、次に備え今から準備しているのだ。■


Boeing To End F/A-18 Super Hornet Production In Two Years | The Drive


BYJOSEPH TREVITHICK, OLIVER PARKEN|PUBLISHED FEB 23, 2023 9:40 PM

THE WAR ZONE


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM