2019年初めに新塗装を受けた直後に、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地上空を飛行する可変型飛行シミュレーター機(VISTA)。同機はNF-16DからX-62Aへ、2021年6月14日に呼称を変更された。DARPAのACE(Air Combat Evolution)プログラムで開発されたF-16のAIエージェントは、2022年12月、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地上空で試験飛行中のX-62Aを制御した (Air Force photo by Christian Turner)
DARPAのACE(Air Combat Evolution)プログラムで開発された人工知能(AI)アルゴリズムは、コンピュータ画面上で空中戦を行うF-16のシミュレーションの制御から、わずか3年足らずでF-16の飛行を制御するまで進歩した
DARPAは空戦アルゴリズムでF-16戦闘機を飛ばす試験を完了した。
2022年12月初旬、ACEアルゴリズム開発部門は、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地の空軍テストパイロットスクール(TPS)で、X-62AまたはVISTA(Variable In-flight Simulator Test Aircraft)と呼ばれる特殊改造F-16試験機にAIソフトウェアをアップロードし、数日間にわたり複数回飛行させた。この飛行により、AIエージェントが戦闘機を本格的に制御できることを実証し、貴重なライブフライトデータを得た。
ACEのAI飛行は、DARPA、TPS、空軍研究所含む広範なテストイベントとして成功し、国防省組織が共通目標に向かってAI開発部門と緊密に協力できた。
DARPAのACEプログラムマネージャーであるRyan "Hal" Hefron空軍中佐は、「DARPA、空軍テストパイロット学校、空軍研究所、さらに我々パフォーマーチームの優れたチームワークと調整のおかげで、ACEプログラムはすべての領域において第2フェーズで迅速な進展を達成した」と述べた。「VISTAによって、予定していたサブスケール段階をスキップしていきなりフルスケール実装に進むことでプログラムを効率化し、1年以上節約するとともに、実際の飛行条件下での性能フィードバックを提供できた」。
DARPAのパフォーマーであるEpiSci、PhysicsAI、Shield AI、Johns Hopkins Applied Physics Laboratoryは、X-62Aで別々のF-16 AIアルゴリズムを飛行させました。同機は、複座F-16を高度改造したもので、さまざまな種類の航空機の飛行操縦特性を示すようプログラムできる。VISTAは最近SACS(System for Autonomous Control of Simulation)の搭載でアップグレードされ、ACEのF-16自律制御AIエージェントの試験用に最適なプラットフォームとなった。VISTAにはセーフティパイロットが搭乗し、万が一の事態に操縦を引き継ぐ体制だった。
「出撃(離陸と着陸)を数回行い、毎回多くのテストポイントを実施し、多様な出発条件、多様な模擬敵、模擬武器能力でアルゴリズムをテストしました」とヘフロン中佐は述べている。「バーチャルからライブへの移行時を想定し、高度な自律機能を飛行試験で検証するだけでなく、VISTAのようなテストベッドで検証する重要性を浮き彫りにした」。
テストパイロット学校は、パイロットがAIエージェントを信頼し、人間のパイロットがコックピット内でより大きな戦闘管理タスクに集中する間に、視覚距離内の空戦(ドッグファイトと呼ばれる)を行えるかを測定するACEプログラムも支援している。空軍のテストパイロットは、ACEを実施するアイオワ大学技術研究所のオペレーター性能研究所(OPL)で、L-29ジェット練習機で実戦飛行を行う。OPLの複座L-29ジェット機には、パイロットの生理的反応を測定するセンサーが搭載されており、パイロットがAIを信頼しているか研究者が知る手がかりとなる。TPSは最近、2023年1月下旬にACE Trust Capstoneイベントを開催し、シミュレーターを使いパイロットとエージェントの整合性を測り、今年後半にはX-62Aでの追跡信頼性校正飛行を行う。
2019年開始されたACEは、人間とマシンが協力して戦うドッグファイトの実現を課題に、空戦で信頼できる、拡張可能な、人間レベルの、AI駆動型自律性の開発を目的としている。2020年8月、ACEプログラムのAlphaDogfightトライアルでは、仮想ドッグファイト競技で、模擬F-16を操縦するAIエージェント同士が対戦し、勝ちのこったAIがシミュレータで経験豊富なF-16戦闘機パイロットを破るクライマックスを迎えていた。
ACE Program’s AI Agents Transition from Simulation to Live Flight
OUTREACH@DARPA.MIL
2/13/2023
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